二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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—— 日に三度の罰の次に/日和
日時: 2011/01/01 19:21
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)

.




  何で永遠に死ぬ事が出来ないのだろう?
  何度も狂うくらいに考えたけど
  俺は永遠に終焉の無い
  朽ちる事も死ぬ事も無い



  だから俺は永遠に生き続ける
  例え世界が終焉を向かえ
  また新しい世界に変わっても




  その間は暗闇の中に
  その間も新しい奴等と



  何という残酷な運命なんだろう——





.

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Re: —— 日に三度の罰の次に ( No.2 )
日時: 2010/12/30 15:06
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)

  ( 登場人物 )



  閻魔大王 enmadaio


( 基本的にアホで明るい性格だが自殺願望で自傷行為癖がある )



  鬼男 onio


( 毒舌家の辛辣な性格だが真面目で優しい、閻魔の裏の顔を知る )




  閻無 enmu



( 閻魔大王の息子で父親譲りの赤い目に黒髪 )





  

Re: —— 日に三度の罰の次に ( No.3 )
日時: 2010/12/30 15:23
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)



  閻魔大王はね罪人達を地獄に送る
  だけど罪人であろうとも
  苦しませたから日に三度の罰があるの


  まずは自分達が裁いてきた罪人達や
  彼に従う鬼や役人達が彼を取り押さえる


  無理やり口を開けさせる
  そして凄く熱く熔かした
  銅を口の中に入れられる


  それを一日に三度やるんだ——



  ———



「 大王、早く起きろ・・・イカめ 」

「 あ・・・・ゴメン、ゴメン 」



  辛辣な言葉に俺は慌てて起きる
  同時に頬に鋭い痛みが走った
  また鬼男君の爪で突き刺さられた



「 仕事はまだまだあるから早くしてください 」

「 ・・・・・皆は死人かぁ 」

「 何当たり前の事を言ってるんですか、
  遂に寝ぼけすぎた所為で

  頭が狂ったのかよ、大王さっさと死ね 」



  鬼男君に言われた【死ね】という言葉に
  俺の記憶がフラッシュバックする




  —— お父さーん!



「 ・・・・・・ッ!? 」

「 ・・・大王ッ?! 」

「 ・・・・ああああああッああああああああッ!!! 」

「 だ・・・大王ッ!?・・・誰か大王がッ・・・・ 」




  ごめんなさい
  ごめんなさい
  ごめんなさい
  ごめんなさい
  ごめんなさい
  ごめんなさい
  ごめんなさい
  ごめんなさい・・・





  何で俺は生きてるんだろうね?
  ううん何で死んでるのかな?
  ううん、死んでるか生きてるか




  全然分からないよ——





「 ・・・・大王ッ! 」






  鬼男君の言葉を最後に俺の視界は暗闇に
  良くあるマンガみたいなパターンだ
  なんて自嘲も出来ずに——







続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に ( No.4 )
日時: 2010/12/30 15:43
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)




  目覚めた時に体調はともかく
  気分は気だるげに近かった
  重く圧し掛かるように
  目の前には牛頭と馬頭に鬼男君の姿が—



「 大王様が目覚められたぞ! 」



  牛の頭をする獄卒鬼のリーダー
  牛頭男ごずおが言う

  
  隣に居る馬頭のリーダー
  馬頭男めずおは俺を見る


  
  鬼男は暗い表情のままだった
  人(というか死者?)が倒れたもん
  そりゃ誰だって暗いままだろーね
  本当に死んでるような表情だった




「 ・・・・・おに、お・・・・くん 」

「 大王・・・・本当にすみませんでしたッ! 」

「 鬼男、本当にお前は何を考えておるのだッ! 」

「 大王様に暴言に果てには侮辱とはッ!
  地獄の刑で償うが良いッ!

  皆の者、鬼男を無間地獄に連れて— 」



「 誰が良いと言った? 」




  俺の言葉に部屋中の空気は静寂に変わる
  外に居る俺の家臣達も黙ったらしく
  静かだった
  俺は話を続ける




「 別に恨んでも何でも無いよ
  だけどね—・・・

  早く閻無に会いたいなぁ
  ずっと寂しい思いをさせたから
  会った時にはハグしてやるんだー

  だから鬼男君は予定を空けてちょーだい 」



  明るくさせる為ふざけて言った
  何時もなら鬼男君の爪が刺さるけど
  皆の顔を見たら酷く歪んでた
  暗く悲しそうな表情で——・・・・・・・



  何でそんな顔をしてるのかな?




「 ど・・・どーしたの? 」

「 ・・・大王・・・ 」

「 大王様・・・お忘れになられたのですね 」

「 今は知らない方がよろしい 」





  牛頭男と馬頭男が交代交代に言う
  鬼男君は震えた声で俺の名を言う




  外も少しざわめき始めた
  本当に今日は変な日だ?


  急に鬼男君の言葉に気絶するし閻無の事を言えば皆が暗くなる





  何でそんな暗い顔をさせるの?
  誰か教えてくれないかなぁ
  なんて呑気な事を考えている
  俺は既に異常者だったんだね・・・





続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に ( No.5 )
日時: 2010/12/30 16:50
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)


「 あーもー・・・暇すぎだよ・・・・ 」



  大人しく寝ている俺は呟いた
  本当に暇すぎる
  仕事も面倒だけど暇も嫌だなァ



  というか死者達は如何したんだろ?
  俺が居ないと何処も逝けないのに


  
  —— 少しだけ様子を見てこよ



  何て俺は思った訳で実行した
  見つかったら煩いもんなー



  だから慎重に官庁から抜け出した俺は
  見慣れた地獄の辺りを見回す
  本当に慣れという事実は怖いもんだよな
  初めての鬼や人々は恐怖に腰を抜かすのになー  




「 閻魔大王様の具合はどうだ?鬼男よ 」

「 はい、平等王様。大王はまだ悪いままです 」


  鬼男君と隣に居る奴は・・・・・

  地獄は十三王という下界で云わば地獄の裁判官の王が居るのだ
  俺は裁判長でも王でもある存在で十三王達は云わば家臣だな
  死者の死んだ時から最終的に俺にたどり着くまでは
  この十三王達がそれぞれの決められた日にちの時に
  軽く数十時間や一年くらいは死者の裁判をして
  最終的に俺が裁判した後に天国が地獄かで決まるややこしい制度



  その十三王の一人である平等王に
  鬼男君は普段は考えられないような
  凄く恭しく接している
  俺は馬鹿だから舐められてるけどねー



  まあ鬼男君は俺に対する態度で問題になって
  一度地獄に十三王達に落とされかけたけど?


  その時は焦ったよなー



  地獄中がもう俺を崇拝に近いというか
  宗教で言う神様的な(神様?だけど)
  そんな風に慕われ尊敬や敬愛されてる


  と鬼男君が随分前に言ってたなー



  何て俺は思い出に耽ってる内に二人を見失う
  慌てて近くにあったマントを顔まで羽織る
  二人を追った
  直ぐに見つかるなんて地獄は広いのに・・・・



「 閻魔大王が居なくならーれーたー! 」



  と俺の第二秘書で書記である泰山王が
  広場で鬼達や他の十三王達などに言った
  凄い大騒ぎになってるんだけど
  ・・・・ ・・・やばい



「 そこのお前ッ! 」



  突然隣に居た鬼に肩をつかまれた



「 亡者か?・・・此処に居てはならぬッ!! 」

「 ・・・・お、鬼ですわン 」

「 鬼? 」

「 はあい、女鬼ですわーン 」

「 うひょー!女の鬼とは珍しすぎるッ!
  顔を見せてくれよぉ、可愛い子ちゃん? 」




  地獄に女の鬼は滅多に稀に見るから
  珍しく傍に寄るのは良いけど
  マントを取ろうとするなよッ!!
  鬼男くーん、助けてくださーいッ!!!



「 そこの者共ッ!早く探しに行かぬかッ!! 」

「「 は、はいッ! 」」



  直ぐに隣の鬼は俺から離れた
  女の鬼なんて言わなきゃ良かった
  でもセーラー服の説明が付かないもんな



  ・・・・というか何しに来たんだろう?



  えーと確か死者達の様子だっけ?
  早く行かなきゃ本当にやばい
  俺は広場から下界で云わば裁判所に足を運ぶ


  死者達は列には並んで居らず
  あちこちに自由に座ってる
  だけど門は俺が入った後に静かに閉まった



「 あんたも裁かれに来たんだね
  閻魔様は今日は誰も裁かないよ
  列に並んで無いのも閻魔様のお陰さ
  何でも閻魔様が倒れた後に行方不明らしい

  だから閻魔様が来るまで門の中で待ち続けたままさ 」




  俺が居ない場合はこうなるんだな、良い勉強になったよ



  この老婆は閻魔帳を見る限り罪人でも無い
  普通に天国逝きになれると記載されてる
  俺は事情を話した老婆に礼を言い門の外に出た




「 ・・・・・げっ 」




  鬼男君に泰山王に平等王が居た
  しかも近くに居るし・・・・
 

  まだ遊んでないのにー!!



  俺は直ぐその場を爆走して逃亡する
  幸い気付いて無いらしい・・・・・・


  かくして言う俺の逃走劇は始まった




続く*

Re: —— 日に三度の罰の次に ( No.6 )
日時: 2010/12/31 13:16
名前: 月香* (ID: bEtNn09J)



  鬼男君達から逃げた俺は走り疲れたので
  近くにある家の手前で座り込んだ
  良く見れば・・・・息子の閻無の部屋だった


  久しぶりに閻無の部屋に来たなあ
  仕事が忙しくて構ってやれなかったから
  俺が突然部屋に来れば閻無も驚くだろーな



  閻無を驚かす為に閻無の部屋の戸を開けた



「 えーんむ・・・・? 」



  俺が大声で閻無の名を言い部屋の中に入ったが
  部屋の中は薄暗く閻無の姿は何処にも居なかった



「 まさか・・・・地獄に行ったかッ!? 」



  地獄には俺を恨む亡者だらけだ
  閻無がもし地獄に向かったら・・・・


  俺に似ているから閻無の身が危ないッ!



「 閻無・・・・・閻無ッ! 」



  俺は必死に部屋を後に地獄の道を思いっきり走る
  途中で運悪く鬼男君達に鉢合わせた



「 だ・・・・大王ッ! 」

「 げ・・・・鬼男君ッ・・・たっ大変だッ!!閻無が・・・閻無がッ・・・!! 」



  鬼男君の肩をつかみ言った
  だけど鬼男君は・・・・



「 大王ッ!思い出してくださいッ!

  閻無様はお亡くなりになったんですよッ!! 」




  —— 閻無が・・・亡くなった?



  目の前が暗闇になったように暗くなる
  目眩を覚えその場に座り込んだ
  鬼男君に言われた言葉の意味が分からない



  ワカラナイワカラナイヨ・・・・・


  エンムハシンデナンカナイ
  エンムハシンデナンカナインダ



  オニオクン・・・・




「 ・・・ウソツキは舌をヌカないとね・・・・・ 」

「 閻魔様ッ!シッカリしてくださいッ!! 」



  泰山王の言葉なんか耳に入らない
  体を揺さぶられてるけど気に入らない
 



「 ・・・・閻無・・・・閻無・・・・閻無・・・・閻無・・・・ 」

「 私をお分かりになりますかッ!!
  平等王ですよ・・・閻魔様ッ! 」



  
  さっきから周りが煩いなぁ・・・・
  どんどんと鬼達が集まってくる
  仕舞いには十三王達も来た
  嗚呼どうして皆は騒ぐのだろうね?



  —— ドンッ!



  鈍い音に後部から鋭い痛みが走る
  振り向けば鬼男君が片手に
  大きな石を持ってた
  俺の血が付いてる



「 ソナタは何をしておるのだッ!! 」

「 大王が・・・・壊れる前に 」

「 ・・・・・ははっ・・・・こわれ、る・・・・・・? 」




  鬼男君を見たまま俺の視界は閉じた
  まだ閻無に会ってないのに・・・
  まだ閻無に話してないのに・・・





  —— 閻無・・・・・












続く*


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