二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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21エモン〜エモンの夢は〜
日時: 2011/02/11 11:40
名前: 上野宝彦 (ID: ieojggCq)

2060年・彼らは大人になり自由の道を歩み始めた。その国では、子供が嫌な仕事は絶対にしてはならない という決まりがあった。
その国の住民 つづれ屋21エモンは東京シティーの溜池山王あたりにあるつづれ屋の跡継ぎである。彼は悩んでいた。いつもの部屋で。
21エモン「なあ、モンガ—」「何?エモンくん。」エモンは困惑している顔で話した。「僕の親父は僕に、後継ぎになれ・後継ぎになれ というんだ。だけど、僕はあのスカンレーさんのように宇宙探検家になって、好きなことをするのがいいと思うんだ。」「法律にも書いてあるしね」モンガ—が言う。「僕はこんな夢を持っている。ルナ君やリゲルも夢を持っているはずなのに、僕だけが達成できない。そして、1月には成人テストがあってそれを受けないと未成年のままなんだ。そこには、『自分の夢を答えよ。』という問題が出るんだ。絶対! ということで、モンガ—に聞きたいんだけど、このままこのつづれ屋のオーナーでいるべきか、宇宙探検家と書くべきかどう思う?」エモンの困惑している顔に、モンガ—は目をつぶって考えた。そして、「それは君の問題だよ。ぼくには、何も分からない。自分で考えるべきだよ。」「君は、僕の願いがわかってくれないのか!」エモンは怒った。これは、その父・20エモンによく似ている。幼馴染の星野ハルカも「エモンクンはすぐに怒るから怖い」と言っている。彼は、烈火のごとく怒っていた。「どいつもこいつもみんな僕の話をわかろうとしない」それを思って部屋にいると、部屋のテレビにリゲルが映った。「よお、つぶれ屋の跡取り。今日一緒に酒飲まないか。ルナちゃんも来てくれるそうだぞ。来るんだったら、銀座に来てくれ。じゃあ、つぶれ屋の頑固野郎」そう言って切れた。エモンは,「行って、僕の悩みを聞いてもらおう」と思い、銀座に行くことを決意した。エモンは、スーツにネクタイ姿で自分の部屋を出て行った。モンガ—はいらない。彼は、ロビーを通り抜けようとしていた。すると、母が来た。「まあ、そんな恰好でどこへ行くの?もしや、また密航して警察のお世話になるつもりじゃないでしょうね。それは、もう嫌よ」「そんなことはしないよ。犯罪じゃないか」「じゃあ、何しに行くのよ」「リゲルから銀座に誘われたんだよ。今から行くんだ。だから、こんな恰好をしているのさ」母はおどきながら見ていた。「エモンはもう20歳になるのね。酒を飲めるようになるのよね。分かった。パパには伝えるから、もう行きなさい」「エアカ—はどこにあるんだよ」エモンは、ネクタイを調節しながら話す。「隣の倉庫にあるわよ」「じゃあ、行ってきます」「行ってらっしゃい」母は、見送ってから泣いた。「あの子は成長したわ。私たちから自立しようとしているのね」時は六時。銀座の街はネオンできれいになっていた。エモンは、上着を着ながら歩いていた。もう、この夜景を見ることができないと思いながら。リゲルがいる店は、銀座叙々苑の個室であった。リゲルは、タキシードで蝶ネクタイを着て来ていた。「あいつ、遅いな。まあ、いつものことか」煙草をふかし、貧乏ゆすりをし、ワインを飲みながら待っていた。「いや、すまん。すまん。遅れたかな」やっと来たか と思いながらリゲルは迎えた。「よお、つぶれ屋の2代目。久しぶりだな」「違うと言ったろ。つぶれ屋じゃなくてつづれ屋って。ルナ君も来てたんだ。
久しぶり。ルナ君」ルナは、エモンをみるとすぐに顔を赤くして、「久しぶりね」とだけ言った。「みんな、中学も高校は違うところに行ったんだよな。だから、6年ぶりの再会だね」エモンは、懐かしそうに見ながら、ワインを飲んでいる。だが、エモンは一人女がいたことを知らずに飲んでいた。
  エモンくん。私を気付いてくれないのね。悲しいわ
「エモン。隣の席をごらん」リゲルが言った。「なんだよ」エモンは驚いた。隣には星野ハルカが来ていたのだった。「ハルカちゃん。なんでここに?」「ハルカちゃんは恥ずかしがっているから私が話すわ」ルナが真剣な顔で言った。「ハルカちゃんと私は、宇宙通信をしているのよ。私が始めてあった時から」エモンもリゲルも、12歳の時に出かけた木星の衛星 ガニメデに行った時のことを思い出す。「私が20歳になった時、ハルカちゃんはメールをくれたの。それにはこう書いてあったわ。『もうすぐ、エモンくんも20歳になります。私は、彼とは滅多に会えないけれど、20歳のお祝いぐらいはしておきたい。しなかったら、私が後悔してしまうわ。ルナさん、私はガニメデ発地球行きの船に乗って向かいます。今日中に。ですが、エモンくんには決して秘密にしてもらいたいのです。そこのところ、ルナさんも、リゲルさんもよろしくお願いします。』私、泣きそうになったわ。エモンくんをこんなに愛してくれる人がいたとはね。ハルカさんは、明後日までこの星にいるようだから、私たちより、ハルカさんに喋りかけてあげて」ルナがエモンに手で肩をたたく。「いい話だよ。ルナちゃん。俺もなきそうになったよ。エモン。分かっているだろうな」「もちろんだよ。ハルカちゃん。僕をこんなに思ってくれてありがとう」ハルカは、赤くなって縮こまってしまった。会場は、静寂に包まれた。「さあ、飲もうか」リゲルが、グラスを持ち、上にあげていた。4人は「乾杯!」と言い、酒を飲んだ。料理が次々と運ばれてくる。「懐かしいわ。焼き肉。私、子供のころは、これが大好物だった」ハルカが、独り言を発した。エモンは「ガニメデでは、これを食べれないの?」と質問した。ハルカは、「似ているような動物の肉はあるわよ。ピントンなんかがね。だけど、その肉は焼くことを許されない食べ物なのよ」「へえー」3人は、違う星のことが聞けて嬉しかった。ハルカに、質問ばかり浴びせた。ハルカは、嫌がらずに自分が住んでいる星のことを話した。「ぼく、みんなに話があるんだけど・・・」エモンが話を切り出した。「何だよ。話せよ。俺らは友達だろ」「うん」そして、少し間をおいてから話し始めた。「1月の成人の日に、成人テストがあるだろ。みんなは、何を書くつもりなんだい?」「俺は、ホテルの跡取りかな。親父より、豪華で、サービスが良いホテルを作るんだ。エモンと、またライバルになるかもしれないけどよろしくな」「ルナ君は?」「私は、ホテルギャラクシーの代表取締役かな。女の取締役もかっこいいでしょ」「ルナちゃん。君は薔薇のようにお美しい。ぜひ、僕の元に」バシッとルナは、リゲルの顔を叩いた。「い 痛いよ。ルナちゃん」そしてルナは、エモンの方に向き直り「エモン君は何になりたいの?」と聞いてきた。エモンは、「実は、僕、悩んでいるんだ。親父の後を継ぐべきか、宇宙探検家になるべきか」ルナは、「君は、昔からそうだった。小学生の時君は、宇宙探検家になって、あの人に逢いに行くんだと言ってたわ。懐かしいわ。あのころが。エモン君、私は、君が何の仕事になっても、陰で助け続けるわ。だって、友達なんですもの」「ルナ君・・・」「そうだ。俺もルナちゃんのようにするつもりさ」「リゲル・・・」「エモン。また、俺がお前の宿に来た時は、きちんと決めとくんだぞ」「ああ、分かってるさ。おまえになんか言われなくても」4人はここで笑った。

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Re: 21エモン〜エモンの夢は〜 ( No.1 )
日時: 2011/01/23 07:07
名前: 上野宝彦 (ID: ieojggCq)

上野宝彦です。21エモンの投稿を開始しました。これから、ずっと書くつもりでいるので、よろしくお願いします。

Re: 21エモン〜エモンの夢は〜 ( No.2 )
日時: 2011/01/23 09:08
名前: 上野宝彦 (ID: ieojggCq)

     第二話 ハルカの気持ち
ハルカは、やっと話し始めた。3人の話がついていけなかったのであろう。「ハルカちゃんはどう思う?」「私は、ただ君と一緒にいたいだけ」エモンは驚いた。ハルカちゃんは、僕を愛してくれていたんだ。「私が好きな歌に、『21世紀の恋人』という歌があるの。私は、そのサビの部分になっている。あ、ごめんなさい。こんなところで言ってしまって」「いいのよ。ハルカさん。ここは、自分の気持ちをエモン君にぶつけるべきよ」「そうね。ルナさん。私、勇気が出てきたわ。私が思っていること彼に伝えるわ。エモン君。私は、職業なんて、金なんてどうでもいい。ただ、人生のパートナーとなりたい。ここでいう時が来たわ。エモン君。私と結婚してください」エモンは、昔から彼女が好きであった。今、ここで自分の気持ちをハルカちゃんに言う時が来たんだ。
「ハルカちゃん。僕も思っていた。幼稚園のころから。君と離れる頃から。ぼくが、あの時『宇宙探検家になって君に逢いに行く』と言ったこと覚えてる?あれが、僕のプロポーズだったんだ」「ということは、あの人というのが・・・」リゲルが冷や汗をかきながら話す。「そう。ハルカちゃんの事だったのさ」エモンが11歳の時、ゴンスケに、「こっちでいいのさ」と言った時の顔をして言った。「ということは、ハルカさんの言った言葉は、お前のプロポーズだったということなんだな。エモンは幸せ者だな。ルナちゃん。僕らは関係ないね。ここで、帰ろうか」
リゲルが、ルナのほうを向き、言う。「そうね。二人の時間を取らすことが最優先ね。じゃあ、お先に」ルナがエモンに手を振った。「ちょっと待って」エモンは真剣なまなざしでルナを見て話した。「二次会はしないの?しないのだったら、君と行きたい場所があるんだ。豊洲なんかどう?」ルナは、小さい時に、豊洲の海に落ちたことを思い出す。「私、台場か、月島がいい」「分かったよ。ルナ君は、エアカ—できたの?」「もちろんそうにきまっているでしょ」「じゃあ、行こうか」
2人は、エアカ—にエンジンをかけ、お台場海浜公園に向かった。
「で、お話って」「僕、気づいたんだ。ハルカちゃんが訴えたこと」
「僕、やはり、宇宙探検家になる運命にあるんだよ」「そうね。君はホテルボーイよりそっちの方が向いているわね」少し笑いながら、ルナは答えた。そして、「宇宙に行っても元気でいてね」と、涙を流しながら言った。「ああ。元気にいるさ。違う星でも。君も、元気で。これで、悩みが無くなったよ。ありがとう。ルナ君」「エモン君・・・」
二人は夜の浜辺で抱き合った。太平洋の大海原の波が、この地をよく響かせていた。


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