二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 銀魂 全てがゼロにもどるとき
- 日時: 2011/02/28 21:09
- 名前: 究極の菜食主義者 (ID: 5VUvCs/q)
銀魂(空知英秋様 原作)の二次創作小説を書かせていただく者です。
荒らしや暴言、他の読者様に対する侮辱はご遠慮ください。
コメントやアドバイス、大歓迎です。
- Re: 銀魂 全てがゼロにもどるとき ( No.7 )
- 日時: 2011/03/02 21:33
- 名前: 究極の菜食主義者 (ID: YohzdPX5)
新撰組屯所にて。
見回りから帰ってきた副長、土方十四郎は、屯所の門前に立つ奇妙な女を見つけた。
と、いうのも。
包帯だらけなのだ。
包帯やらコルセットやらの上に無理矢理、着物を着ているような印象を受ける。
土方は、訝しげな視線を女に向けつつ、声をかけた。
「おい、そこの女。そこで何してる?」
「んゆ? 女?」
そんな不思議な声を上げながら、女は振り返った。
蘇芳色の、血のような赤い瞳が、土方の姿を正面に捉える。
「僕のことを言ってるのかな?」
「そうだよ。他に誰がいるってんだ?」
土方が女を睨むと、女は怖気づくこともなくにやりと笑った。
「やあやあやあやあ、素敵に不敵な勘違いだね。いいよいいよ。そうか、旦那も僕を女と間違えているのか。では訂正しておこう。僕は男の子だよ。うん、つまり遠まわしな言い方をするなら、女にはないものがあって、女にあるものが付属していないということだね。嘘に見えるかい? ただし、旦那が僕を女と思いたいならそれでいい。世の中は人の主観的な考えばかりで成り立っているんだからね。あ、少し喋りすぎたかな? 無駄話が嫌いな人には悪いけど、僕は無駄話が大好きなんだ。というわけで、道案内してくれない?」
「…………」
土方は黙る。
この女、いや男——大丈夫か。
饒舌すぎる。
「……道案内って、どこにだ?」
土方が低い声で訊くと、男は逡巡するように目線を彷徨わせ、答えた。
「うーと、それはね……坂田の旦那がやっている、万事屋なんだけれど」
- Re: 銀魂 全てがゼロにもどるとき ( No.8 )
- 日時: 2011/03/01 22:54
- 名前: 燕 (ID: /kFpnDhT)
初めまして、燕と申す者です。
朔乃さんの饒舌ぶりに感激です^^*
万事屋の三人の特徴もお上手に掴まれていて読んでいて楽しいです!
蘇芳色、という表現も美しくて文学っぽい響きを感じます。
更新頑張ってください!ひっそりと応援させていただきます。失礼しました。
- Re: 銀魂 全てがゼロにもどるとき ( No.9 )
- 日時: 2011/03/02 19:37
- 名前: カンナ (ID: XkXzKb57)
- 参照: http://windoslnternetexqlorer
初めましてカンナです!
あなたはすごいですね
銀さんの会話がすごいうまく書けています
どうしたらうまく書けるのですか?
コツを教えて下さい!
- Re: 銀魂 全てがゼロにもどるとき ( No.10 )
- 日時: 2011/03/02 21:29
- 名前: 究極の菜食主義者 (ID: YohzdPX5)
>燕さん
コメントありがとうございます。
朔乃くん、よく舌が回りますよね……。
いつも「我が愛しのロクデナシ」読んでます!
すっごく文才あって、分けてほしいくらいです。
朔「究極の菜食主義者って著者名のくせして、意外と痩せてないもんねえ、君。燕さん、こいつに文才吸い取られるから気をつけてね。あ、器が小さすぎて吸収しきれないか。ところで話は変わるけれど、友情っていうのは素晴らしいね。友情、努力、勝利……はジャンプだ。少年を作る最大の三要素でもある。うん、というわけで、この僕と友達になってくれないかな? 燕さんと棗のお嬢」
長いよ、朔乃くん!
ひっそり応援していてください!
>カンナさん
初めまして!
すごいですか……買い被りですよ!
銀さんの会話は、私の頭が小学生なのに中二の夏だからかけるんです……。
カンナさんは、きっと文才がお有りでしょうから……どうしてもの時は、頭を煩悩だらけにしてみてください!ジャンプのネタとか、気だるげな感じを出そうとしたらこうなりました!
※危険ですのでご遠慮くださった方が……。
- Re: 銀魂 全てがゼロにもどるとき ( No.11 )
- 日時: 2011/03/02 21:56
- 名前: 究極の菜食主義者 (ID: YohzdPX5)
「——万事屋?」
土方は、怪訝そうに目を細めた。
脳裏に、あのふざけた銀髪天然パーマが、浮かんでいる。
無論、坂田銀時なのだが。
「む? 警察の旦那は何か知っているようだけれど」
「知ってるが……知らねえ」
土方は、あいつにだけは関わりたくないと、矛盾した滅茶苦茶な答えを返した。
「……見かけによらず、ロマンチックなところがあるのかな、警察の旦那は。いや、僕は矛盾言葉が嫌いじゃない人種だからね。好きだけど嫌い、嫌いだけど好き。うん、少女マンガによくある言葉だ。坂田の旦那が中二の夏なら僕は小五のマセガキかもしれな」「長いわ」
饒舌なる男の台詞に、土方は短いツッコミを入れる。
対照的な二人の会話は、酷く滑稽に聞こえる。
「知ってるが、あの野郎にゃ関わりたくねえってのが本音だ」
「坂田の旦那に怨みでもあるのかい? それとも、僕を坂田の旦那にとられたくない言い訳かい?」
「違ぇ。そしてお前、男じゃねえのかよ」
「じゃあ、今だけ女ってことで。『らんま二分の一』じゃないけど」
「高橋留美子は読まねえ」
「知ってんじゃん……」
こんな言い合いが続いたあと、土方は溜息をついて、懐から煙草を取り出した。ライターを素早く口の前に運び、流れるような動作で火をつける。薄暗い中に、紫煙が曲がることなく立ち上っていった。
土方は、口から白い煙を吐いたあと、
「しょうがねーや……連れてってやる。乗れ」
「ありがとう。このご恩、三秒は忘れない」
「せめて一日くらいは覚えててほしいんだがな……」
土方と男は、パトカーへと歩いていく。
足取りは揃わず、ばらばらだった。
土方は、煙草をアスファルトの路地に落す。
オレンジ色の灰を靴の裏で潰し、再び歩き出した。
足の跡がくっきりとついた煙草だけが、道に残った。
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