二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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カムパネルラ(GUMIオリジナル二次創作)
日時: 2011/03/07 13:37
名前: レイン (ID: JZOkdH3f)

君が死んで、5年経った。

いつも、一緒だった、君。

ボクを、守ってくれた、君。


あいたいよ……




届かぬ想い届けたくて ————————。






◇登場人物◇

◎メグ……幼なじみの友達しかいない少女。10歳。特徴的な髪型と一人称から、みんなに仲間はずれにされている。

カムパネルラ……メグの友達。小さい頃からメグと一緒にいた。父が宇宙飛行士で、いつか自分も父親のようになるのが夢だったが、事故に遭い、メグが5歳の時に死んでしまった。とても物知り。


カムパネルラのお父さん……宇宙飛行士で、「ナルメリウス宇宙ステーション」の館長。

ミシェル……メグを仲間はずれにしているグループのリーダー格。カムパネルラが好き。


小鳥……メグの友達で黄色の小さなひよこのような姿をした鳥。以外と力持ちで、めったに鳴かない。




◇挨拶◇

こんにちは、初めまして「レイン」です。
小説大好きっ子です!飽きっぽいけど!!
実はこの小説、すでにワープロで作成してるため、更新が早いんですよねw
まだワープロの方でも完結してません。だからいきなり更新絶えたりするかも……
それに初心者ですのでやはり駄文です。
誤字脱字があったり文節の入れ替えが必要な場合はご報告下さい。お願いします。

では、もしよければお楽しみ下さい。

「カムパネルラ」

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Re: カムパネルラ(GUMIオリジナル二次創作) ( No.2 )
日時: 2011/03/07 13:32
名前: レイン (ID: JZOkdH3f)

ボクが一人ぼっちだったのは、ボクが友達を作りたがらなかったからなのもあるが、他にも原因はある。

ボクは女だ。なのに、君の影響で「ボク」という一人称になってしまった。

近所の友だちは、ボクを「オナベ」と言った。

ボクは「オナベ」なんて言葉知らなかったから、君に聞いた。

君は、さぁね、と困ったように笑うだけで、答えてくれなかった。

今思えば、君なりの気遣いだったのだろう。

それか、小さかったボクに言ってもきっと意味が通じないと思ったのだろう。

そして、この髪型にも原因はあると思う。

ボクは昔、ツインテールだった。

母さんが、自分も昔そうだったから、と。

でもボクは、この髪型が気に入らなかったから、すぐにほどいてしまった。

母さんはその度にボクを叱ったが、ほどく癖は直らなかった。

ある日、母さんはボクを殴った。なんで人の親切を素直に受け取らないの、と。

ボクは泣いた。泣いて逃げ出した。

ボクが帰ってくると、母さんがボクの髪をバッサリ首の真ん中あたりまで切ってしまった。

なぜか前髪だけ残して。

「母さん!これ、すっごく可愛い!!」

母さんはボクに罰を与えたつもりだっただろうけど、ボクはこれを喜んだ。

あの時の母さんのポカンとした表情は今でも忘れられない。

君も、可愛いとほめてくれた。

近所の友だちからはからかわれたけど。

とくにミシェルからのイジメは酷いものだった。

ボクの大好きな河原への道へ、たくさんの茨を撒いて置いた。

ボクはいつも靴を履きたくなかったから、君の静止も聞かずに、迷わずその道を進んでいった。

すぐに足に痛みがあり、その場にしりもちをついた。

君はすぐに包帯を持ってきて手当をしてくれた。

このように、とにかくミシェルはボクと君の仲を引き裂こうとした。(だいたいは失敗に終わっている)

君は、ミシェルの仕業とは最後まで気付いて無かったみたいだったけど。

Re: カムパネルラ(GUMIオリジナル二次創作) ( No.3 )
日時: 2011/03/07 13:33
名前: レイン (ID: JZOkdH3f)

ボクの住む、「イーハトーヴ」という町には、毎年夏に「ケンタウロス星夜祭」というものがある。いわゆる夏

祭りだ。

屋台がたくさん出て、普段は立ち入り禁止の池でボートをこいだりもできる。

ボクは、毎年君と一緒に行っていた。

綿飴を買ってヨーヨーを釣って射的もした。

君は射的の名人で、大きなクマのぬいぐるみをくれたこともあった。

今でも大事に持っている。

でも、君が死んだ年だけ、君は君の友だちと行くことになった。

だからボクは仕方なく一人で行った。

屋台をうろつき、綿飴を買って食べてると、たまたまミシェルに会った。

そのとき、君も一緒だった。

ボクは信じられなくて唖然としたまま、ミシェルたちを見つめていた。

ミシェルは言った。

「やっほ〜メグちゃん♪見て見て、私の彼氏!超格好いいでしょ?あんたと一緒にいたみたいだけど、ラッコの

毛皮が送られてくるうちの子とはもう付き合いたくないってさ♪」

ボクのお父さんは仕事で遠くの海へ出ている。今では珍しい、遠洋漁業だ。

しかし、イーハトーヴではボクの父さんがラッコを密猟し、捕まったと噂されていた。

君は、ものすごく驚いた顔をしてミシェルを見ていた。

「ち……違う」

ボクは君がミッシェルの彼氏なんかじゃないことと、父さんがラッコの密猟なんかしてないという二重の意味で

否定した。

「はぁ?じゃあ証明してよ、あんたのご立派なお父様がラッコの密猟してないって」

「じゃあ逆にラッコの密猟したって証拠見せてよ」

「そんなの、ニュース見れば?この前、あんたにそっくりの男がラッコの密猟で逮捕されたじゃない」

「あれは父さんじゃない」

ボクがムキになって反論すると、君がもういいだろミシェルと困った表情でなだめた。

ボクは背を向けて走り出した。

君の驚きと悲しみに満ちた顔が、ちらりと視界に入った。

Re: カムパネルラ(GUMIオリジナル二次創作) ( No.4 )
日時: 2011/03/07 13:38
名前: レイン (ID: JZOkdH3f)

気がつくと、ボクは人気のない天気輪の柱に来ていた。

小さな丘の一番上。

そこからでも、屋台の様子はよく見えた。

キラキラ輝く電球、人々の楽しそうな声。

ボクはそれを無視して天気輪の柱にもたれかかり、空を見上げた。

輝く電球よりも美しい天の川。人々の声なんかよりもよっぽど楽しげな近くの森に住む小鳥たちの声。

小鳥たちも、今日は星夜祭をしているのだろうか。

君の好きな鷲座が見えた。そしてもう西の空に沈みかけている蠍座も見えた。


—————ボクは、琴座がいいな。


そう考えてうとうとしていると、遠くで騒ぎがあったようだ。

池の辺り。

ボクは嫌な予感がして走っていった。

着いた瞬間、ミシェルの取り巻きのリリアとルナが走ってきた。

「め……メグ、落ち着いて聞いて。今回だけ、あんたの味方するわ。」

「何?」

「カムパネルラとミシェルの乗ったボートが転覆したの」

一瞬、理解できなかった。

ボートが転覆?

なんで?

ミシェルは?


—————カムパネルラは?


「ど……どうなったの……二人は、どうなったの!」

「ミシェルはカムパネルラに助けられたけど意識がないの。それで……カムパネルラは……」

「か、カムパネルラは……?」

「行方不明なの」

ボクはその場にへたり込んでしまった。

体に力が入らない。

そのとき、遠くからこれまたミシェルの取り巻きのメイルの声がした。


「カムパネルラ!しっかり!!」

Re: カムパネルラ(GUMIオリジナル二次創作) ( No.5 )
日時: 2011/03/07 13:41
名前: レイン (ID: JZOkdH3f)

リリアとルナがボクの手を引いて現場まで走る。

というか人だかりが目印だった。

着いてみると、カムパネルラが青い顔をして横たわっていた。

「か……カムパネルラ……?」

ボクはカムパネルラまで走っていった。

「カムパネルラ!カムパネルラ!!ボクだよっ、起きてよ!!!」

何度も揺さぶった。何度も声を掛けた。




すると——————


「メ……グ……?」




反応した。

ボクは涙で潤む目を拭って君を見た。

薄く開いた目。今にも途切れてしまいそうな呼吸。

「カムパネルラ……」

もう一度呼びかける。

すると君は弱々しい声で言った。


「ご……めんね……」


そのまま、目を閉じた。

「か……カムパネルラ?!カムパネルラ!!!」


もう何度呼びかけても反応しなかった。

今まで見ていた大人がボクをカムパネルラから引き離した。

振りほどこうとしたが大人の力には負けた。

すぐに救急隊が駆けつけ、カムパネルラとミシェルを搬送していった。

Re: カムパネルラ(GUMIオリジナル二次創作) ( No.6 )
日時: 2011/03/07 13:49
名前: レイン (ID: JZOkdH3f)

次の日、母さんにミシェルの回復とカムパネルラの死を伝えられた。

そして数日後、カムパネルラの葬式があった。

たくさんの人が来ていて、本当にみんなに愛されていたことがわかった。

カムパネルラの葬式の後、ミッシェルがトイレに行ったのを見たルナ、メイル、リリアがボクに寄ってきた。

何されるのかと身構えていたが、三人はただボクを見つめるだけだった。

「……話があるの」


連れて来られたのは使われていない部屋。

畳の匂いとカビの臭いが混じっていて、ふすまを通して日の光が優しく室内を照らしていた。

しばらくの沈黙の後、リリアが口を開いた。

「実はね、」

「見ちゃったんだ、私」

「な……何を?」

ボクが聞くと、重々しくリリアが口を開いた。


「ミシェルがボートを転覆させたとこ」

その場が凍り付く。

「な……何言ってんの……そんなわけないよ」

ボクが反論する。

「だってカムパネルラのボートだけ妙に揺れてたもん……それに、ミシェルはカムパネルラが好きだったんだっ

て」

「……」

嫌な沈黙の後、ミシェルが部屋に入ってきた。

「いたいた。どこ行ったかと思った〜……って何であんたがいんのよ」

ボクはゆっくりと振り返り、ミシェルを睨む。

「何よ。あんたにそんな顔されたって怖くないから。みんな、行こ」

と駆け寄ってくるミシェルにボクは……


バシンッ


ボクの手のひらに痛みが走った。

「いた……っ」

ミシェルがうずくまる。

ボクは、ミシェルを殴った。

うずくまっているミシェルに馬乗りになって、ボクはさらに殴った。

「あんただ!あんたがカムパネルラを殺したんだ!!」

相手の言い分は聞かない。

とにかく、友達を殺された憎しみだけがボクの心を支配していた。

「あんたが死ねばよかったのに!人を支配したりいじめたりすることしかできないあんたが死ねばよかったの

に!」

ミシェルがもがく。ボクは落ちた。

「な……何よ、そんな証拠、どこにあんのよ!」

今度はミシェルがボクの髪を掴んで引っ張った。

その手に爪を立てて反撃する。

そしてさらに手で足を殴って転ばせた。

ボクは立ち上がってミシェルを見下ろす。

「証拠も無いのに、私は無実なのに、暴力ふるうなんてあんたやっぱサイテー!!」


「ホントに、無実?」

リリアが口を開く。

「な……何よリリア」

「見ちゃったもん、私。ミシェルがボート揺らしていたとこ」

ミシェルの目が見開かれる。

「ミッシェルは、カムパネルラに助けてもらいたかったんでしょ?」

「ち……ちが……あれは事故よ!揺れてたのはカムパネルラが揺らしてたの!!」

「この期に及んでもしらを切んのかよ!!」

ボクは理性を失っていた。

もう一度馬乗りになると、ミシェルを殴った。


「サイテーはあんただ!殺人鬼!!死ね!死ね!ボクがカムパネルラの敵をとるんだ!!!」


ミシェルの口から血が出た。かまわない。

怖くてボクに近寄れない三人が必死にやめてと叫ぶ。かまわない。

大人の足音。かまわない。

とうとうボクは取り押さえられ、ミシェルは保護され、終わった。



母さんを始め、沢山の大人に怒られた。

それでも謝罪の言葉は口にしなかった。

何を言われても黙っていた。

大人はミシェルの言い分を正しいと思ってるらしく、ボクを一方的に責めた。

それからしばらくして、ミシェルは引っ越した。


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