二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぼかろ。中編小説「暗い森のサーカス」執筆開始
- 日時: 2011/05/29 09:33
- 名前: リリ ◆lsaxZALrTI (ID: zQJPnDCy)
曲を自分で解釈して小説書こう!!という思い付きです((
「あくゆりん」の曲。イレギュラーな玩具二人のお話
>>1ネジと歯車とプライド
またまた「あくゆりん」。そっくりだけどどこか違う少女二人の出会い、別れ。
>>2South North Story
この歌を聞くといつも何故かキーボードが濡れています。大罪人である姉を救った少年
>>3Re_birthday
牢屋の最高責任者の娘と囚人の恋のお話。あれ、ソファに水たまり((
>>4囚人
もう一つの「囚人」
>>5紙飛行機Ⅰ
>>6紙飛行機Ⅱ
「キミ」は、どこかへ行ってしまったのか。それとも・・・
>>7家出少年と迷子少女
美人親子と評判の家族が次々と殺された。その犯人は?
>>8円尾町の仕立屋
隣にいる、その女は誰?
>>9恋愛疾患
きっと、貴方と紡ぎ出す世界に「終わり」は無い。
>>10Genesis
中編小説「あの森に入れば、二度と『元の姿』に戻る事は出来ない」
>>11暗い森のサーカス
- Re: ぼかろ。 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/25 19:40
- 名前: リリ ◆lsaxZALrTI (ID: zQJPnDCy)
ネジと歯車とプライド
「普通とは何なのか、果たしてそれは正しいものなのか?」
世界有数の玩具会社C factoryの地下43階、そこから逃げることは絶対に不可能—
そこで、二人の玩具の冒険が始まる—
創り出すために創られた私達。
同じ姿なのは、皆等しく愛されるため。
シリアル№「BMD2」の私が目覚めたのは暗くて埃っぽい所。
また一人、玩具の出来損ないが投げ込まれてきた。
あなたも私と同じなのね。でも不良品は誰にも愛されない、必要とされないの。
ここはC factoryの地下43階、ゴミ処理場。ここからは絶対に逃げられない。
「愛されるべき玩具に個性などいらない」
「量産型は量産型らしく」
その規律を乱す私達は、彼らにとって許されぬ存在—
鉄屑の中に埋もれていた、ねじと歯車とプライド
それが当たり前なのならば、何故私達は生まれたの?
自我を手に入れたイレギュラー
そんな私達の出会いは、虚飾の世界で起こったひとつの奇跡の始まり—
知っていたの、外に出るルート。
鍵のない壊れかけた排気口。どうして他の皆も知っているはずなのに誰も出ようとしないの?
知っていたわ、外の世界のこと。
どうせそこには良いことなんてひとつもないの。
でもあなた、馬鹿みたいに一生懸命なのね。ほんの少し考えてあげる。
「勘違いしないで、あなたのためじゃないわ」
「うん、分かってる、ありがとう」
今始まる私達の戦い
暗いゴミ処理場から明るくて広い外の世界へ—
もしも、普通に生まれることができたなら、幸せに生きることが出来たの?
不良品の私達は、本当に誰にも愛されないの?
そんなのわからない。
だから、それを確かめるために今、二人でここから抜け出そう!
虚飾の世界で起こった、ひとつの冒険の始まり—
やがて訪れる、いくつかの出会いと別れ。
やがて君達は多くの事を学ぶのだろう。
「普通とは何なのか、果たしてそれは正しいものなのか?」
だけど、今はただひたすらに走り続ければ良い—
鉄屑の中に埋もれていた、ネジと歯車とプライド
それが当たり前なのならば、どうして私達は生まれたの?
自我を手に入れたイレギュラー
そんな私達の出会いは、虚飾の世界で起こったひとつの奇跡の始まり—
- Re: ぼかろ。 ( No.2 )
- 日時: 2011/03/25 19:38
- 名前: リリ ◆lsaxZALrTI (ID: zQJPnDCy)
South North Story
歩き続けていると、どこか知らない所に来ていた。
「ここはどこ?」
知らないうちに、私が誰なのかさえ忘れていた。
「私って誰だったのかな?」
持っていた、無色の地図を広げてまっすぐ南へ、南へ—
気づくと、あの子がいなくなっていた。
「あの子は、どこへいったの?」
知らないうちに、あの子が誰なのかさえ忘れていた。
「あの子って、誰だっけ」
よく知りもしない人を探して、まっすぐ北へ、北へ—
世界の誰かが単なる気紛れで作り上げた交差点
気づかなければ、通り過ぎていた。
「こんにちは!」「こんにちは」
「初めまして!」「はじめまして」
「ごきげんいかがですか」
とてもよく似ているけど、どこか少しだけ違う。
そんな二人が出会ったのも、きっと何かの縁でしょう?
少しだけ、立ち止まってお話でもしていきませんか?二人で—
私のいた街はもうはるか遠く。
私が出会ったのは、「鏡の中の自分」とは違う私で—
同じ姿に、同じリボン。こっそりと入れ替わってしまっても、誰も気がつかないかもしれないね、と二人で笑いあった。
「南で私は、学生でした」
「北では、とある王国が滅んでしまいました」
嬉しい事も、悲しい事も。たくさん聞かせあって、最後には二人で笑いあいましょう—
とてもよく似ているけど、少しだけ違う。
そんな世界が、こうして出会ったのなら何かが変わるの?
自分らしく、人とは違う道を選ぶ。それは間違いではないけれど・・
世界は、ただ交わった。世界がただ過ぎ去った。それは偶然ではなく、必然。だから、理由は無い。
でも俺達はここにいる。だから会えてよかった。
俺達は似ているだけで、理由なんてない。でも、俺達はここにいる。
もう、行く時間だ—
そろそろ、お別れしなくちゃいけない時間になっちゃったね。
「バイバイ」
またいつか、出会えるのならこの交差点で一緒に話しましょう!
- Re: ぼかろ。 ( No.3 )
- 日時: 2011/04/10 16:13
- 名前: リリ ◆lsaxZALrTI (ID: zQJPnDCy)
Re_birthday
目が覚めたとき、僕はたった一人で黒く塗りつぶされたように真っ暗な部屋にいた。
何も見えない、何も聞こえない闇に包まれた部屋で僕は一人、ただただ震えていた。
暗闇にも慣れてきて、僕はぼうっと天井を見つめていた。
すると、そこに大きな穴があいているのに気がついた。更に目を凝らして見ると、それは大きなぜんまいだった。
突然、ぜんまいから得体のしれない不気味な声が聞こえた。
「罪深き少年よ。お前は一生、その部屋から出る事は出来ないわ」
その瞬間、僕の頭の中にたくさんの記憶が入ってきた。
僕と一緒に産まれた双子の姉の事、僕が初めて恋をしたあの娘の事、姉がその娘の国を滅ぼした事、民が反逆して攻め込んできた事、そして、姉の代わりに僕が処刑された事。そして、僕が犯した罪の数々。
そして、僕が此処にいる理由と、その結末に気がついた。
もう、楽しかったあの頃には戻ることが出来ないのだと。
気付けば、僕の両手にはめられた赤い手錠。
「それは、きっと誰かが流した血の色」
両の足首には、青い足枷。
「それは、きっと誰かの涙の色」
るりら、るりら—
聞こえてきた歌は、誰が歌う子守唄だろうか。
「どれほどの時が、流れたんだろう。」
僕は、決して動く事のないぜんまいに訊ねた。
時々どこからともなく聞こえてくる、歌声だけが僕の心を癒す。
そして僕は気がついた。その歌の真実の意味に。
もしも生まれ変われるならば「その時はまた、遊んでね」
突然、ぜんまいから小さな光が落ちてきた。それは、きっと・・
「君がくれたメッセージ」
僕が呟くと、突如ぜんまいが回り始めた。そこから、静かに語りかけるあの日の声。
「少年よ。お前の罪が許されることは決してない。だけど"水"という言葉、"悪"という言葉。それらを、私達は歌へと変えるの」
赤い手錠が外れ、僕に語りかける。
「これから、あなたは生まれ変わるのよ」
青い足枷が外れ、僕に話しかける。
「今日が君の新しいbirthday(バースデー)だよ」
やがて全てが周り、そして白く染まる。
「待っていて、もうすぐ君に会いに行くよ————
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