二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】
- 日時: 2014/02/11 13:23
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21419
どうも!私、夜桜(ヨザクラ)と申す者です
今回、ここに来てくださって有難うございます!!
ちなみに皆様は私の前作「イナズマイレブン〜心に灯る星」を知っていますか?
これは、それの続編、世界編となっております
できるならば、そちらを読んでからいらしてください
URLに前作を載せていますので、読んでください
注意事項
・なるべく原作を元に作っていきます。
・誤字脱字あるよ。
・荒らし、悪口はよしてください。
・「オリキャラなんて嫌だ」という人は読まないほうがいいです。
・サッカーの試合内容が省略されても大丈夫という方はお読みください。
・パクリとかもやめてください(する人いないよね)
-----目次-----
プロローグ>>1
一話「はじまり」>>7
二話「FFI」>>13
三話「日本代表」>>22
四話「チーフマネージャーと医療責任者」>>28
五話「試合〜日記形式〜」>>68
六話「練習〜一人称、語り手〜」>>84
七話「ネオジャパン」>>86
八話「必殺技と恋と勘違い?」>>98
九話「思いと決意」>>128
十話「決勝に向けて」>>142
十一話「決勝開始」>>151
十二話「パーフェクトゾーンプレス」>>156
十三話「立ち上がれキャプテン」>>171
十四話「鷹、飛立つ」>>172
十五話「世界への切符」>>173
十六話「ライオット島」>>184
十七話「世界大会」>>185
十八話「親善パーティ」>>189
十九話「イギリスエリア」>>197
二十話「超高速ダッシュ」>>202
二十一話「パーティ」>>207
二十二話「イギリスの力」>>208
二十三話「英国の騎士」>>214
二十四話「俺だけの必殺技」>>215
二十五話「双子姫・ライオット島へ」>>216
二十六話「ムゲン・ザ・ハンドを超えろ」>>217
二十七話「呪縛」>>219
二十八話「怪我人」>>220
二十九話「もう1人の鬼道」>>226
三十話「究極のペンギン」>>227
三十一話「皇帝ペンギン3号」>>228
三十二話「監督代理」>>234
三十三話「ジ・エンパイヤ」>>235
三十四話「足音」>>241
三十五「敗北」>>243
三十六話「復帰と離脱」>>246
三十七話「記憶」>>247
三十八話「アメリカ戦」>>253
三十九話「アメリカ戦開始」>>256
四十話「同点」>>259
四十一話「不死鳥」>>260
四十二話「記憶の戻り」>>261
四十三話「新な真実」>>262
四十四話「イタリア戦」>>266
四十五話「ルシェ」>>268
四十六話「同点」>>271
四十七話「浅野レナ」>>272
四十八話「天使と悪魔」>>279
四十九話「ヘヴンズガーデン」>>280
五十話「天界の使徒」>>286
五十一話「デモンズゲート」>>288
五十二話「魔界軍団Z」>>289
五十三話「ダークエンジェル」>>292
五十四話「天魔」>>293
五十五話「ザ・キングダムの闇」>>294
五十六話「潜入」>>295
五十七話「陰謀」>>396
五十八話「RHプログラム」>>297
番外編<明日のための物語>
「小さな花」>>181
■柄風教えてくれバトン■(短編)
「いつもと違う」>>210
「桜のまじない」>>211
☆特別企画☆
【ミニキャラと遊ぼう♪】
第1回[星宮そら]>>221
第2回[凪原ゆうり]>>250
第3回[神田菜乃香]>>264
第4回[神田舞衣香]>>275
第5回[優樹つらら]>>287
<季節の出来事>
「happyHalloween?」>>105
「happyHalloween!♪」>>106
〜クリスマスversionⅠ〜【白雪の淡い思い出】>>161
〜クリスマスversionⅡ〜【白に染まることの無い漆黒の蝶】>>162
〜クリスマスversionⅢ〜【儚く消える白雪のごとく】>>164
〜クリスマスversionⅣ〜【初雪】>>167
【初詣】>>177
【バレンタイン】>>192 >>193
【君が淹れたホットチョコレートを】>>282
【冬のイベントと君の記念日】>>298
-----オリキャラ-----
星宮そら>>8
月風かがり>>31
凪原ゆうり>>33
優樹つらら>>44
神田舞衣香>>53
神田菜乃香>>81
柊ルナ>>82
浅野レナ>>83
☆来て下さった神と言う名のお客様(読者様)
・姫佳様
・桜花火様
・Koyuki様
・Kokuyo様
・桃李様
・桃咲 梨莉様
・天音様
・おかゆ様
・風風様
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- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.268 )
- 日時: 2012/07/30 18:14
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
四十五話「ルシェ」
「やるわねフィディオ。影山の闇を、過去を、解き放った」
「楽しみじゃない。本当のオルフェウスとの試合」
厄介そうに言うかがりを余所にそらは言う
「本当に楽しそうね」
*
「ここは通さない!!」
「何っ!」
フィディオにボールを奪われる鬼道
その瞬間フィディオに昔の自分を重ねた鬼道
フィディオのロングシュートは円堂のイジゲン・ザ・ハンドにより防がれる
「…監督。交代しときますか」
かがりが言う
「虎丸」
ヒロトと虎丸が交代
「虎丸君の突破力、発揮できるといいんですが…」
ゆうりが心配そうに言う
「虎丸は積極的に前へ出るべきね。いや、それよりカテナチオカウンターをどう攻略するか」
「…方法がないわけじゃないわ」
虎丸が持ち込むがカテナチオカウンターによりボールを奪われシュートが放たれる
だがここは壁山、飛鷹のダブルディフェンス、円堂のいかりのてっついにより防がれる
「上手いわね。先の先まで読まれてる」
かがりが言う
「ドラゴンスレイヤー!!」
「コロッセオ・カード!!」
染岡がシュートを放つも止められる
*
「攻め方。守り方。全てがうまい具合に働いているね」
「えぇ。イナズマジャパン、これは…今までの様にいかないかもしれない…」
菜乃香、舞衣香が言う
「フィディオ、アイツが風を作ったわね」
*
「オーディンソード!!」
「イジゲン・ザ・ハンド!っ!!」
フィディオが放つシュートが決まる
「…やっぱりフィディオが問題ね」
「ねぇ、フィディオの動きって」
そらがかがりに言う
「そう。アイツの動きによく似てる」
「鬼道、フィディオの動きはお前の動きによく似てる」
豪炎寺が鬼道に言う
「何…」
「ん〜…不動君、そろそろ行けるんじゃないの?」
そらが言う
「そうね。監督」
「不動、行くぞ」
不動が立つ
「不動。伝えて…」
かがりが不動に何か言う
「あいよ」
染岡と不動が交代
「監督と代理から伝言だ。鬼道が持ち込めだってよ」
「どうして、鬼道君なんですか?」
ゆうりが言う
「それはね、鬼道君の動きは確かにフィディオに読まれている
だけど…なら鬼道君にもフィディオの動きが読めるはずなのよ」
そらが言う
「鬼道とフィディオのプレーはよく似ている。おそらく影山に教え込まれた鬼道
影山の目指したものを目指したフィディオ。必然的にその動きは似てきた」
付け足す様にかがりが言う
鬼道が持ち込む
「鍵はフィディオ。だけど…合鍵があるなら、その鍵を開ける事が出来る…その合鍵こそ」
「鬼道君…!」
かがりの言葉にゆうりが言う
「そういうこと」
そらが頷く
「「タイガーストーム!!」」
豪炎寺、虎丸がシュートを打つ
「コロッセオ・カード!うわぁぁ!!」
シュートが決まる
そこで前半終了
「そら…来るよ」
かがりが言う
「そう…頃合い、か」
1人の少年が現れた
「キャプテン!!」
オルフェウスメンバーが声を上げる
「来た…」
そらとかがりが立ち上がり歩き出す
「ナカタ、ヒデナカタか」
影山が言う
「初めまして、ミスターK」
話していると影山はある事に気が付く
「ルシェ…どういうつもりだ!ルシェをここに連れてくるなど!!」
影山が言う
影山の視線の先には1人の幼い少女がいた
隣には付き添う様に少年と少女
少女の方には見覚えがあった
「つらら。ありがと」
そらが言う
「ううん。大丈夫だよ」
「ルシェの願いなんです。目が見えるようになったら初めにおじさんのサッカーが見たいと」
「だからってこんなところに」
「これが…最後なんじゃありませんか」
ヒデが言う
「今日を最後に貴方の試合は見れないくなる…そうですよね」
そらが言う
「なっ…!」
「前半の貴方を見てわかりました。貴方はもう過去の貴方ではない
それで今までを償うつもりなんじゃありませんか」
「もう、逃げることはない。自分の犯した罪からも…逃げない。そう決めているのではありませんか」
そらは静かに言う
「貴方は、サッカー恨む、潰すための手段は選ばなかった。それで沢山の人がチャンスを奪われ
その策略に巻き込まれルシェは怪我をした。サッカーとは関係なかったのに」
かがりが言う
「引っかかっていたのでしょう?心のどこかで…。だからお見舞いもした。そしてあの子の目の病気を知った」
そらが目を伏せるようにして言う
「その目の手術に莫大な資金がかかる事も知った。貴方は手紙を書き、送り続けた
ルシェの怪我が治っても。治療費とともに…」
続く様にかがりが言う
「どうして、そんなことを?」
そらが聞く
「ただの気まぐれだ」
影山が言う
「そうですか…本当に、そうですか?救われてたんじゃ、ないですか?ルシェのために何かすることで」
そらが顔を上げ言う
一息つきそらは続けた
「闇に囚われていた貴方。それから、逃げたかった。それから抜け出したかった
貴方は闇の世界から、抜け出そうとしていた…!!」
そらが強く言う
わずかな沈黙が過るもそぐにかき消される
「おじさん?」
「ルシェ…」
「その声。やっぱりおじさんだ!」
ルシェが笑う
「見えるのか」
影山はルシェを見て言う
「うん!おじさんのおかげで私の目、見えるようになったんだよ」
「そうか、良かったな」
影山が言うとルシェは歩く
「おじさん。ありがとう」
近づこうとするが影山自身が制する
「ルシェ。私は君に感謝されるような人間ではない」
それに答えたのは別の人物
「誰が、決めたのですか?感謝、される側が決めることではないですよ
誰を感謝するか、それはする側が決める事」
つららが鮮やかに笑みを浮かべ言う
「うん。おじさんは私に手術を受けさせてくれた。手紙で励ましてくれたもの!」
ルシェは言う
「私、サッカー勉強する!おじさんともっといっぱい話したいもの」
にこやかな笑顔で言う
「私には試合がある。話はあとで」
「うん!また後でね!!」
ルシェは再び手を引かれて歩く
「後半、ヒデナカタが加わって、どうなるか」
かがりが言う
「そうね」
そらは軽く笑う
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.269 )
- 日時: 2012/07/30 21:07
- 名前: 姫佳 (ID: /LylQYeE)
- 参照: 夏休みの宿題全部終わったー!!
おぉ!!ついにイタリア戦が始まったか〜!!この話、感動するよね!!
つららちゃん、いいこと言った!!私は君に惚れ直しt((蹴byラティア
今日は夜桜にお知らせがあるの!!
実は、ACTAっていう組織がネット上の自由を制限するらしいんだって!!
反対署名が今のところ3万5千件あつまってて、あと5万5千件くらい必要らしい!!
"ACTA" "反対"で検索して、そこから署名してね!!
これは偽りのない話です。10月1日までに9万の署名が集まらねば、そらちゃん達の居場所が無くなっちゃう!!><
宜しくね!!
以上、読者さんからの伝言を伝えに来た姫佳でしたw
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.270 )
- 日時: 2012/07/30 21:20
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
姫佳
やっとイタリア戦です
明日にでもイタリア戦を終わらせたいな
つらら?この子、いるのに…出てない。と思ってルシェちゃんと一緒に出してみました
ACTAだよね。私も知ってる
私は知り合いや友達に言って協力してもらっている
たぶん、みんな知らなんだよ
知ってたらもっと行動してる人が多いはずだもん
私ももっといろんな人に呼び掛けてみるよ!
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.271 )
- 日時: 2013/12/13 21:03
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
四十六話「同点」
「…やっぱ変わるわね。ナカタ、奴が入って良い動きしてる」
かがりが関心するように呟く
「そうね。やっぱり凄いね。1人いるかいないかでここまで違う」
後半が始まり勢いはオルフェウス
フィディオのシュートは円堂、鬼道により防がれる
鬼道がボールを持ち込む
「カテナチオカウンター!」
「それはもう通用しない!…何っ?!」
鬼道がフィディオを避けた瞬間、目の前にはヒデ
「(ナカタが加わったことでカテナチオカウンターまで進化しているのかっ!)」
そのまま攻め込むオルフェウス
「ブレイブショット!!」
「イジゲン・ザ・ハンド!…なっ!!」
円堂のイジゲン・ザ・ハンドは破られシュートが決まる
オルフェウス、再び勝ち越し
進化したカテナチオカウンターに阻まれ攻めきれない
そのうえ、オルフェウスの勢いはます
「そうか。答えはすぐそこにあったんだ」
ヒデがゴール前まで来る
「ブレイブショット!」
「必ず止める。そしてみんなに繋ぐんだ!!イジゲン・ザ・ハンド改!!」
はじかれたボールを綱海が壁山にそして飛鷹に繋ぐ
そして皆に繋がれ鬼道にパスされるボール
「鬼道君が、自分で持ち込んだ」
ゆうりが呟く
「あれでいいのよ。気づくのが遅いのよ」
かがりが言う
「そう。彼自身のサッカー。それに何が必要なのか、それを考えたらすぐに答えは出る」
そらが笑い言う
「鬼道!行くぞ!!」
カテナチオカウンターに阻まれ、ヒデの前で先ほどまでならそこでボールを奪われた
だが、鬼道の後ろにいるは佐久間、不動
3人がかりでヒデを抜く
「「「皇帝ペンギン3号!!!」」」
「コロッセオガード!うわぁ!!」
シュートが決まる
イナズマジャパンが同点に追いつく
「再び突き放す!」
「決勝点を取る!!」
わずかな時間の中激しいプレーの欧州
鬼道とフィディオのボールを取り合い
ボールが宙を飛ぶ。そして、そこで試合終了
皆、悔しさを口にする
そして、不安を口にする
「胸を、張ろうぜ!みんな!!」
円堂が言う
「俺たち、やるべきことは一生懸命やったんだ」
「待つしかないなんて」
「すべては明日。明日のユニコーンとジ・エンパイヤの試合結果しだい」
「もし、ユニコーンが勝てば、勝ち点は私たちと同じ7。その場合は得失点差だけど
私たち、イナズマジャパンは大量得点差で勝った試合が、1度もありません」
ゆうりが言う
「勝たないといけない試合だった。次に進むためには、だけど…
やりきった自分たちを責めるものじゃない」
かがりが言う
「アンタたちの今の実力。だけど、最良のプレーだとあたしは思った」
かがりが言いながら監督を見る
監督は小さく頷いていた
そんな中、そらはオルフェウス側、影山を見ていた
「なれたはずです。貴方なら」
鬼道が言う
それとともに響くはサイレンの音
「まさか、自分で!?」
「これは私にとって最後の試合だ。楽しかったよ」
影山は言う
鬼道がゴーグルを外す
「久しぶりだな。お前の素顔を見るのは」
それは視野を狭める事でボールに集中でき動きを見るため、と影山から送られていたもの
「お前にはもう必要ないか」
「いえ。これからも使わせてもらいます。これは俺のトレードマークですから」
影山は歩き出す
それを見てそらは微かに動く
--- 今、行かないとわからない
今、聞かないと聴けない声がある
今、今じゃないと知る事のできない想いがある ---
「待って!!」
そらが声を上げる
「貴方にとってのお母様はっ?!貴方はどうしてあの時、私の邪魔をしたの?!」
そらの問いに影山は答えない
そして止まらない
「ねぇっ!!!お母様は…貴方にとって、何だったの…?」
娘として、知っておきたい事
それを知っている唯一の人
だが、影山は止まらず歩く
でもその行動はひとつの言葉によって止められた
「教えてよ…。貴方にとっての浅野レナを。教えてよ…ねぇ」
弱々しい声
その後強く響く言葉
「教えてよ…“影山さん”っ!!」
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.272 )
- 日時: 2012/07/31 10:32
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
四十七話「浅野レナ」
強く響いた言葉
それを聞いた影山は立ち止まり振り返る
サングラスで見えないはずの表情は凄く驚いているものに見える
「…レナ?」
小さく呟かれた言葉
それを聞くとそらは小さく笑みを浮かべ一通の手紙を取り出す
それを祈るようにもち言葉を紡ぎだす
「『もし、この手紙を読んでいる人がいるのなら祈ってください。苦しんでいる1人の少年のために』」
影山の中で声が響く
『ん?で、どうしたいの?お兄さんは何がしたいの?』
あどけない少女の純粋な質問
『だって、影山さんは苦しんでるから“苦しい”って思えてるから…
だから、私はその助けになりたい』
柔らかい笑みを浮かべそう言った女性
「『影山さん。苦しんでいるのはあの頃から変わっていないのですね
小さな私の声に耳を傾けてくれたのは貴方だけでした』」
そらは目を瞑り静かに紡ぐ
「『影山さんは、もう知っていますが、私には娘がいます。これがもうわかりますよね?
私は結婚しています…でもだからこそ、ここに書けます
一生、このことを貴方に伝えることはないでしょう。
私の初恋は、影山さんでした。今はもう想う人がいます。ですが、私の初恋は貴方との出会いでした』」
甦る記憶
小さな手を差し出した少女
光を与えた女性
「『あの頃の私は、貴方と話している時間が大好きでした』」
もう警察がきても可笑しくない
それでも、今そらが語れているのはかがりが足止めをしているから
「『貴方にこの事を伝えないのは私の最後の我儘です
人の苦しみを代わることはできないけれど、その苦しみを分かち合うことはできる
私は…貴方の苦しみを少しでもいいから分かりたかった。一緒に背負いたかった…
私は誰かを“幸せ”にする人になりたかった。そう思わせてくれたのは貴方。
貴方と出会ったから、そう思えるようになった
貴方は私を幸せにしてくれたから。楽しさを嬉しさを…沢山のモノを私にくれたから
私は、死んだら空に行きたい。ずっとずっと高いところから祈るの。
貴方の苦しみが消える事を。
貴方の痛みが癒える事を。
貴方にも光が指す事を。』」
そらは目を開き大粒の沢山の涙を流し優しげな笑みを浮かべ言う
「『影山さんが笑う事を…私はずっと高い場所から、祈り、願い続ける』」
それを聞き終えた影山は話す
「あの時、君を足止めしたのはそれがレナの頼みだったからだ『苦しんでいる姿を見られたくない』と」
そらの中でひとつの疑問が晴れた
「レナは当時の私にとって、救いだった。光だった
レナのおかげで“罪悪感”から“恐怖”から、間違っても立っていられた」
そらは影山をただ見た
浅野レナならこの時、どう応えるのだろう
「今日、こうしていられるのもレナの言葉のおかげだ…
再開した日に言われた」
『間違っていると思えるなら、やり直せる』
「そして、あの日も言われた…」
『影山さんの光は消えてない。隠れてるだけ。閉じこもっているだけ』
影山は思い出す。浅野レナの言葉を光を
「そうなれるまで、照明するまで14年も掛かってしまったが…」
影山の表情はどこか晴々としている様だった
そらは歩き出した
そして影山のすぐ前まで進むとそらは涙を流したまま言う
「貴方の光は今また灯った。人の光は消えないから、小さくなったり、閉じこもる事もあるけど
それでも、貴方の光は今また輝き始めた」
そらは今できる精一杯の笑みを浮かべる
警察の人が流れ込んでくる
顔を出したかがりが謝る様に手を添えていた
それを見たそらは首を横に振り『大丈夫』と言うように笑った
「ミスターK!いや、影山零時」
影山はそのまま連れて行かれた
だが、1度止まり言う
「この言葉を私が口にすることなどないと思っていたが…ありがとう。フィディオそして鬼道
それから…そら。君とレナにも感謝している」
「何処、行くのー!ルシェ、話したいこといっぱいあるんだけど!!」
「また手紙出すよ」
そしてその時、影山を見たのが最後だった
翌日、場に似つかわない声で喜ぶ声がした
「わーい!プレゼント!!なんだろう〜」
ルシェが言う
「これ、おじさんからなんだよねー!」
「うん」
ルカが頷く
「手術が成功したお祝いに、と用意していたらしい」
ヒデが言う
「おじさんにお礼の手紙書こーと!次会えるのいつかなぁ。サッカーのこともいっぱい教えてもらうんだ」
楽しそうにルシェが言う
そらは眉を下げるが笑みを浮かべ見る
「ん?おじさんからの手紙だぁ!!」
「えっ?」
ルシェに向けられて書かれた手紙には影山自身がサッカーを愛したという言葉があった
その夜
そらは部屋から出てこなかった
「お母様が…最初に、そして最後まで愛した人」
窓から見る夜空
「けじめ、つけるはずだったのに…後味悪。影山、さん。貴方は空でお母様に逢えましたか?」
応えは返ってこない
それを知っていても問いは空に投げかける
「そこから遠い地ですが、ここから祈り、願います。影山さんが、お母様が笑ってくれることを…」
淡い笑顔がそこにはあった
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