二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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▽旅立ちのファイナルコール*( inzm/小説集 )
日時: 2012/02/05 14:23
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: MoBT/TTN)

[ attention! ]
ゆうが再び戻ってきました。パソ禁?知るかァアァアア!(
暫く駄文書いてないんで鈍ってます元からだけど。あと、テンションがまた高くなってます。仕方ないよ。
今回は小説集です。風丸くんと亜美メインになんやかんややりたいです。
生ぬるい目で見守ってやって下さい。てへぺろ。

ロック期間 + 未定,/


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>>001. - 登場人物

>>008. - 鬼道さんと亜美と帝国で仄々
>>010. - ( ずっとずっと待っています )
>>011. - 聖帝と亜美
>>014. -  ( またね、 )


疾風×私 ( 表記=疾風 ) *ほぼ更新無し、世界編
 >>004 . >>

days ( 表記=days ) 声を失くした亜美と王牙のお話
 >>009 . >>017 . >>



 + [ 中編/長編 更新 ]

2011/11/21 - 疾風+1
2011/12/26 - days+1
2011/12/27 -

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疾風×私 = 1 ( No.4 )
日時: 2011/11/21 14:45
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: tMPenRNj)


 今年もまた、春が来る。
 亜美にとって春という季節は決して好きになってはいけない季節。大事な姉が、命を落とした、そんな季節。縛り付けられているとそう笑う人もいるかもしれない。其れでも、姉を亡くしたその季節を亜美は好きにはなれず、はらはらと散る桜に姉を例えてみた。
 何も言わず、そっと祈りを捧ぐ亜美を見つめて彩音は小さく息を吐く。彼女にしてやれることは何一つ無い、と。結局、彼女達二人の問題に首を突っ込むことは出来ず、彩音はぼんやりと遠くを眺めた。彩音も亜美も、春は嫌いじゃない。ただ、"好きになれない"だけ。

「……お姉ちゃん、」

 目を閉じると、脳裏に思い浮かぶのは何時だってあの光景だから。
 大事な姉が目の前で居なくなる。その事件は、彩音が考えるよりも深く深く亜美の心を抉り、傷つけた。そしてまた、エイリア学園という組織は亜美の心の傷をこじ開け、もっともっと抉っていったのだ。未だ心の傷が癒えないまま、数年が経つ。
 未だ亜美は春という季節に恐怖を覚えながら、——それでも、何時ものような亜美で居られるように過ごしている。どれだけ心が痛んでも、どれだけ過去に苦しめられても、亜美は何時だって"変わらない亜美"で居ようとしている。その姿を見ていると、彩音もうじうじして居られなくなる。だから二人は今もこうして、数年前と変わらぬ姿をしているのだ。まだ、——まだ、変わってはいけない、弱さを見せてはいけないと思っているから。
 彩音は香奈の墓前でそっと手を合わせている亜美の肩を撫でた。小さな肩は、頼りなさげで。でも、確かに亜美は強くなっている。心の傷も段々と癒え初めている。"仲間達"のおかげで、亜美と彩音の過去は段々と埋められようとしているのだ。その"仲間達"を亜美も彩音も大事に思っており、何よりも愛している。

「……また来るね、お姉ちゃん」
「また来ます、香奈ちゃん」

 ふわり、と桜色の花弁が舞い、二人を包み込んだ。風は二人を穏やかに包み、花弁と共に天高く舞い上がる。まるで、香奈のように。その様子を見て亜美と彩音は穏やかに笑った。相変わらずの、笑顔。

「おーい、彩音ー! 亜美ー!」
『今いくよーっ!』

 遠く、自分達を呼ぶ大事な仲間の声に、亜美と彩音の頬は自然と緩む。そして綺麗な明るい笑顔を見せたかと思えば、二人は手を大きく空へ伸ばし左右に振りながら二人同時に同じ言葉を返した。
 見事声が重なり、二人はクスクスと顔を見合わせて笑い、そして駆けだした。物語はまだ、始まったばかり——……。



 世界への挑戦編 — 序章 —




001 ... /

Re:  疾風 × 私 =  [ inzm/小説集 ] ( No.5 )
日時: 2011/11/21 17:09
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

伊莉寿デス♪
新作ですねっ!!!嬉しいです、また神文を拝めます☆
亜美ちゃんのお姉さん…大事な人の死が与える影響は大きいですよね、私は身内が元気なので分かりませんが、時々考えたりします。主人公は両親死んじゃってる設定だから…^^;(瑠璃花&魁渡)
スペースキーの使い方が上手ですね!!やっぱりゆうさん凄いです…。
更新楽しみにしてます♪

Re:  疾風 × 私 =  [ inzm/小説集 ] ( No.6 )
日時: 2011/11/22 20:05
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: .RHUYQMi)

>>伊莉寿

新作です、ねたが思い浮かばないのでほぼリメイクorz
あー…わたしも身内は大体元気です(怪我はよくするわけで^^;)だからよく分かんないんだけど取り敢えずサイト様のを見たりして参考にry
∑すごくないです!?((
更新頑張ります、出来るだけキリッ(

コメント有難うございました!.

短編-001. ( No.8 )
日時: 2011/12/01 17:54
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: o9QGQ.Yt)


「——桜、かあ、」

 ひらひらと舞う桜が、彼女の姿をより幻想的に想わせた。どきり、と胸が不意に高鳴る。彼女は赤い瞳を細め、肩に乗っかった桜をふわりと指で撫でた。今も変わらない彼女は、俺よりも小さく、抱き締めればすっぽりと収まってしまう。互いに恋愛感情は無く、兄妹、というのが正しいかもしれない。

「もうそんな季節か、」

 そう言えば、と思い出したように呟けば、彼女は興味がある、といった様子で振り向いた。

「……次の試合は雷門中らしい、」
「へえ、円堂くんの雷門中か! 楽しみだね? ——総帥、」

 くす、と悪戯めいた笑みを零しながら総帥と呼ぶ亜美に苦笑を浮かべた。総帥、か。まさか俺がそう呼ばれるようになるとは、な。
 亜美は俺の考えていることが分かったみたいに笑った。"総帥"のことを亜美も知っているから、だ。憧れていたのもあったが、心中は複雑だった。あの人と同じ人間になってしまうのではないか、という不安がよぎる。
 ——そんな俺を助けてくれたのが亜美だった。彼女の考えていることは分からない。フィフスセクターに協力する、というような口ぶりを見せるも、動きも何もないのだから。

「……亜美センセイ、」
「センセー! 逸見がにやにやしてまーす!」
「してねえよ!」

 先生、と彼女が呼ばれるようになってから、サッカー部は変わった気がする。
 馴染め無さそうな奴らもすんなりと部員と馴染み、最近は雅野と逸見と龍崎が亜美にべったりになっている。其れを宥めているのが主に佐久間と御門だ。その様子は可笑しくて、思わず笑みが零れた。

「————ふふっ、」

 彼女も可笑しげに笑ったものだから、思わず目を丸くした。

「……こんな日が続けば良いよね、ほんと」



 馴れ合いは必要ない、——なんて.
       (厳しいことは私には言えないの、)






亜美と帝国(+10)でほのぼの.
、鬼道さんと亜美を絡ませたかっただけ

  days . ( No.9 )
日時: 2011/12/09 17:45
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: n9Gv7s5I)



「——あ、みちゃん、?」
「————」
「……ね、え、亜美ちゃん、」
「————!? ————! ————!!!」


 私の声が、聞こえなくなった。

 原因は不明、監督すら首を傾げる程だった。皆の声がザザ、ザザザ、とノイズに邪魔されて聞こえなくなった。そして私の声も出なくなった。周りの騒音は聞こえるのに、皆の声が、私の声が、聞こえないらしい。喋っているつもりでも、声は出ていないのだという。
 目の前が、真っ暗になった。

「……亜美ちゃん、」

 暫く私は入院することになった。鼓膜に異常はないらしい。其れでも、毎日毎日耐え難い頭痛が私を襲ってくる。安全の為に、入院することになった。私はずっと天井を見つめる日々が続いた。喋る気力にもならない。どうせ聞こえていないのだから。
 彩音ちゃんは不安げに私を見てくる。其れでもぼんやりと天井を見つめたままの私。彩音ちゃんは寂しそうな顔をして、動かない人形になってしまった私の頭を撫でた。頭痛が、耳鳴りがする。そのまま私の意識は消えた。頭、いたい。


+ 1days


( バダップ視点 )

 ぼんやりとした明かりが、室内を照らしている。
 薄明りの中、より青白い肌を持つ女が目の前で唸っている。悪夢を見ているのか、何か痛みがあるのか。名も知らぬ女は、浅い呼吸と低く唸る行為を繰り返していた。何に苦しんでいるのか、見当もつかない。

「——う、……う゛、」

 女は拳をぎゅうっと握りしめた。ぎり、と小さく音がたつ。大方爪が食い込んでも居るのだろうと予想した。まだまだ唸る女に、目を細めて頬を撫でた。何か痛みがあるのだろうか、それとも悪夢を見ているのだろうか。——最も俺には関係の無いことなのだが。
 不意に後ろでドアが開き、高い声がする。振り返ると少女に見紛いそうな容姿を持った男こと、ミストレーネ・カルスが居た。薄く笑みを浮かべている。

「そろそろ交代だよ、バダップ」
「……そうか」

 ミストレーネが小さく呟く。「寝てないんでしょ」、と。俺を心配する言葉なのだろうが、俺は寝なくても平気だ。言葉にせず、短く言葉を返した。

「構わない」

 少しだけ、この女が気になった。
 まだ見ているのかい、と言うミストレーネに軽く頷いてから俺は女の横たわるベッドの傍らにもう一度腰を下ろした。握り締められた拳を解いているうちに女は幾分か安らいだ表情になっていた。そして薄く目を開ける。後ろで俺達を見ていたミストレーネが報告してくると慌ただしく部屋を出ていく音が聞こえた。

「———————、」

 女の口が動くのに、言葉は聞こえなかった。







声を失くした亜美と王牙のお話.


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