二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【薄桜鬼】幹部+千鶴×九尾?
- 日時: 2012/01/29 21:27
- 名前: 千哉 (ID: 2.miVYIo)
はじめまして〜
めでたく初投稿しました「千哉(せんや)」といいます。
今回は、薄桜鬼の二次小説にチャレンジしてみました。
といっても、
・2ヶ月前にここのサイト&薄桜鬼という素晴らしい作品を知りました
(アニメだけしか知らないけど))
・そこで、アニメもまだ1期までしか見てないにも関わらず、自分の勝手な妄想で勝手に小説を書かせてもらいました
・今別に書いている小説(?)の登場人物を勝手に使い、オリキャラとして登場させることにしました
・今まで漫画路線を辿っていて、最近急に小説の世界に入ってきたので誤字や文法の使い方など何もあったもんじゃないです
・自分は完全な厨二病患者です ←超重要。
とまぁ色々問題アリです
気まぐれに書いたモノなので、グダグダです。
読んでくれる人は、「まぁ3歳の作文にしては…」
という気持ちで読んでください。
- Re: 【薄桜鬼】幹部+千鶴×九尾? ( No.26 )
- 日時: 2013/03/08 17:11
- 名前: 千哉 ◆M2fBZTt3XQ (ID: 3KWbYKzL)
さらさらと 風が動いた。
先程まで吹いていた冷気ではなく、
神聖な、神の息吹きを含んだ風が。
本殿の横に設置してあった結灯台に、
前触れもなく明かりが灯る。
京架は目を閉じ、震える大気に身を任せた。
1 2 3……
呼吸を10まで数えたところで、静かに瞼を上に
持ち上げる。
「……ようやく、おでましですか」
京架の眼前には、社の真上に、脚を組んで
浮かんでいる、神の姿。
唐衣と太古の御子装束を改造したような長衣に
身を包み、絹の羽衣を纏っている。
そして、水の神様というだけあって、淡い藍色の
長髪を下流しにしていた。
同じ藍に染まった双眸をひたと見据え、京架は
静かに口を開いた。
「ご機嫌よう、闇淤(くらお)様。
……息災ですか?」
『主に闇淤と呼ばれる筋合いはない。タカオカミ、
もしくは高淤と呼ぶが良い』
「これはこれは、失礼いたしました。では、
お言葉に甘えまして高於様。
少しお時間を取らせてもよろしいかな?」
京架が微かな微笑をたたえながら恭しく一礼すると、
高淤の方からは苦笑が返ってきた。
『よかろう。だがまずは……仮にも神の門前で、
己の名も語らずというのは如何なものであろうか』
頭にじかに響いてくる澄んだ声に、京架は笑顔の下で
自分の失態を吐き捨てた。
「それもそうですね。これまでの不躾な態度を平たく
謝ります。この姿の時の名は茨南、京架。
………元は、煉 榮と申します。
清から参った、狐に在り。
呼び名は、前の方で結構ですよ」
『何故に、ここへ来た』
「ん、自覚がないのですか?200年程昔、俺をこの国
に入れてくれたの、あなたですよね。
今日は、そのお礼に参りました」
一瞬軽く瞠目した風情の高於だったが、その一拍後に
は顔に薄い笑みをのせていた。
『律儀な奴よ。……去るのか、この国を』
「一応は、そのように。ここには200年程滞在
しましたし、そろそろ時代も安穏としてきた
もので。
…つまんないってのが最大の理由でしょうか」
軽くため息をつきながら、京架はぼやいた。
しかし、これは重要な問題なのだ。
世界中を旅してまで遊楽を追い続ける京架には、この
日本という国が、将来は平和な国家を築き上げる
だろうと目星がついている。
平和で安穏な生活ほど、飢え苦しむものはない。
しかし、昔は違ったのだ。
特にこの日本という国は、やれ戦乱だの飢饉だのと、
常に争いが耐えない国だった。
実際、京架も何回か、人間達の織りなす軍に紛れて、
妖狐としての力を奮ったこともある。
……その殺伐とした時代も、ついには潮干きの時を迎えるのだ。
そのために京架が選んだ道は、ただ一つ。
平和という渦に飲み込まれる前に、この国から
退散する事だ。
『主がこの国で出逢った朋友は…如何とする』
高淤のこの質問に、京架は形のいい眉を軽く吊り上げた。
「おや、よく知ってますね。実際会うのは初めてかと
思ってたんですが。
…うーん、そうですねぇ。夜雀は……まぁ、一緒に
いて楽しかったんですけど。
旅には、別れもつきものでしょう?」
《夜雀》と名乗る鳥妖に出い、早200年。
本来自分の縄張りを半永久的に離れることはない妖怪
という種族の中で、夜雀は迷うことなく常に京架の
背についてきた。
共に幻術を得意としていたこともあり、度々人間の里
に降りては悪戯心に火をつけ、人間を驚かせていた
ことも多かった。
しかし、
相棒というにも等しい間柄に在りながらも、別れの時
が迫った今なお、互いに対して感謝の念をぶつけた
ことはない。
それを今更のように思い出し、思わず溜め息がこぼれる。
『主がそう思っておるのならば、それまでのこと。
…後悔しない自信はあるのかは甚だ疑問だがな』
「在るわけ無いですよ、そんなもの。するに決まって
いるじゃないですか。
でもま、下手に別れを惜しんであいつに余計な重荷
を背負わせるよりも、俺が後悔して済むならそれが
一番の選択肢です」
『なりほど……主も妖怪ながら、色々と悩んでいる
ようだな』
「あなたに言われたくないですよ?」
『ふん、神には解けない事など在りはしないからな。
……一部、例外があるのは認めるが』
「人間どもの事ですか?あなたともあろう方が、
そんな詮無きことで悩んでいるのは知りません
でした。
……して、それはどのような?」
京架が問いかけると、高淤の神は言いあぐねるように
口をつぐんだが、やがて、ぽつぽつと語り始めた。
『ここ最近、我が庭であるこの京に、他国より異端児
が渡り歩いてきたようなのだ。奴らは、人間でも
妖怪でもない、ひどく灰色な存在らしく…。
言い換えれば、主たちの言葉でいう……鬼という
存在』
「鬼、ですか」
『あぁ』
「ふぅん……よく分からないけど、何だ、まだこの
時代にも面白そうな要素が残っているじゃない
ですか」
『その者達には触れぬ方が賢明だ。下手に干渉し、
これ以上我が庭を荒らすことは、この高淤が
赦さん』
双眸を鋭い燐光に包ませながら言いきる高淤に、
京架は冗談とも本気とも取れないような声音で
言い加える。
「ま、心配は無用ですよ。何せ……」
その先は、敢えて言わなかった。
高淤もこれには何かを悟り、瞳孔を蛇のように
細めた。
- Re: 【薄桜鬼】幹部+千鶴×九尾? ( No.27 )
- 日時: 2013/03/08 17:44
- 名前: アゲハ (ID: db3Hcctt)
続き更新、お疲れ様です!
やっぱり、この話まだまだ面白くなりそうですね^^
次、更新されるのを楽しみにしています!!
- Re: 【薄桜鬼】幹部+千鶴×九尾? ( No.28 )
- 日時: 2013/03/08 18:28
- 名前: 千哉 ◆M2fBZTt3XQ (ID: 3KWbYKzL)
ありがとうございます。
受験勉強もあるのでなかなか更新できませんが、
より面白い小説を書けるように頑張りたいと思います。
こからも、ぜひ応援してくれれば嬉しいです!(○´∀`
- Re: 【薄桜鬼】幹部+千鶴×九尾? ( No.29 )
- 日時: 2013/03/08 22:02
- 名前: 千哉 ◆M2fBZTt3XQ (ID: 3KWbYKzL)
すみません!
文章中に載せた、貴船山の高淤様について
一部表記を修正させていただきました。
京の本や少年陰陽師と言う本を参考には
していますが……何分、まだ未熟な身でして。
これからも、ちょくちょく設定を変えるかも
しれません。その辺は、どうかご了承下さいませ。
次からは京架、高淤様に加え、夜雀、そして
薄桜鬼の皆々様が登場してきます。
次からも、ぜひ見てやってください。
- Re: 【薄桜鬼】幹部+千鶴×九尾? ( No.30 )
- 日時: 2013/03/10 14:14
- 名前: 千哉 ◆M2fBZTt3XQ (ID: 3KWbYKzL)
「さ、そろそろ一杯呑みましょうか?
俺、これからも行くところがあるので」
『この国を去るのではなかったのか』
「それはもう少し後ですよ。……取りあえず、
もう一度お世話になった故人の方々へ会いに
行こうかと思いまして」
若干の照れを含みながら京架が言うと、
高淤の神は静かに微笑した。
『主はまこと、律儀だな。本来なら人間を騙し、
誑かすことで悦に浸っているのが狐一で
あろうに。それを丁寧にも、墓参りとは。
主は、その面の下に顔というモノを持って
いないのか?』
「確かに俺は化けたりヒトを騙すのが得意です。
だが神よ、あなたの前でそんな小細工が利き
ますか?慈悲深く、誠実な今のこの人格こそ
が、俺の本来の姿なのですよ」
あごを前に押し出しながら得意そうに言い切った
京架に、高淤は「そういうところが怪しいのだ」
と、肩を震わせながら笑った。
京架はそれを一瞥し、少し気分を害したように、
「笑わなくたっていいじゃないですか。
……ほら、さっさと飲みましょうよ?」
これ以上下手に何か言われる前にと口火を切り、
羽織の下に隠しておいた徳利を出した。
磁器でできたそれの中には、人間が飲むと一発で
昇天しそうになるほどの強い酒が入っている。
神様は、はたしてお酒に強いのか…誰も試した
ことのない挑戦を前に、京架の瞳が悪戯っぽく
光った。
『ほぅ、酒を持参してきたのか。よい趣向だ。
……ときに、主は酒には強いほうか?』
「は?俺ですか。……や、まぁ…それなりに」
高淤の突然の質問に目を丸くしながらもそれに
応じた京架に、
『ほぅ、それなりか。……その酒、銘柄は如何に?』
藍色の瞳をひときわ輝かせながら尚も問うてくる
高淤に、京架は背筋に悪寒が走ったのを感じた。
「千佐の依処という酒ですが。
高淤様、ちなみにお酒の方は…?」
徳利を振りかざしながら一応確認すると、相手から
はフッと嘲笑ともとれる笑い声。
その仕草だけで京架は、神を侮り過ぎていたことを
悟る。
見栄を張ってしまったことを、今更ながらに後悔した。
『早く開けぬか。……もし我より先にくたばれば、
主の命は無いと思え』
「そんな殺生な……高淤様。楽しく呑めればそれで
いいじゃないですか?」
『それでは興が削がれるというもの。久方の晩酌、
今宵はどちらかが諸手を挙げるまで飲み比べようぞ』
さぞや楽しみにしている風に舌なめずりを繰り広げた
高淤に対し、今や京架の背は半分退けきっていた。
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