二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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  ONEPIECE -海姫-  建て直し!!
日時: 2012/03/13 12:58
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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海に愛された不老不死の少女
700回目の夏を迎える時
海への道は開かれる


海に嫌われる悪魔の実
ただ1人海に愛されるその実を
〝ウミウミの実〟と呼ぶ


その実を食べた者は海に攫われて、
700年目の夏まで老い、死ぬこともできずに


——直に海に攫われる少女
海に愛されたせいで
人とともに死ぬ事が出来ぬ、

哀れな海の姫—












√建て直し完了


一度更新は止まりましたが立て直しという形でまたスレをたてさせていただきました。
更新を待っていた人たちには頭があがりません。
どうかまた、この物語とセナ、そして私を宜しくお願いします。


√本編【未完】
微原作沿いだがほとんどオリジナル。
少しエース寄りだけどエース〝落ち〟ではないので恋愛要素ほぼなしな連載。


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一度に読みたい方はこちら【>>1-43



√前スレでお世話になったお客様


・。*星空姫*。・様/氷兎様/なまくら将汰様/ゆえ様/凪様/ハノ様/ランランルー様/葵様/何でも様/Aerith様/星兎様/霧火様/月那様/白樫様/莉央様/Dr.クロ様




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Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.29 )
日時: 2012/03/11 15:36
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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—戦いの町、ルシファー島


ルシファー島は大きな地震のせいで避け、2つの島が出来た。2つは互いに嫌っていて、何時も戦っている。
理由は、宗教の違いからだそうだ。片方は、ルフシー教、もう片方はファシー教。どちらが正しいか。
詰まらない理由だ、と唇を歪めて笑う。


「噂には聞いてましたけど、凄いですねー…」
「ああ。危険だから、気を付けろよ」
「大丈夫ですよ。伊達に賞金首やってませんし、エースさんが居るでしょう?」
「あのなー…」


エースは、帽子を深く被る。耳が赤いのが見えた。あら、と思ってまた笑う。


「じゃ、セナは食料探せ。おれは、情報を集める。」
「はい。…そう言えば、ログは?」
「ああ、…5時間だ。さっさと済まさねえと。だから—…」


ちら、と時計を見る。——朝の10時。15時に集合と言うわけだ。
わかった、と言うようにこくりと頷くと、其々の道に歩み始めた。
食料を買うお金は無いから、山に。でも、山を見て、溜息をつく。山は焼け野原になっていた。


「……食料どうしましょう」
「主。此処に居たのか」


突然後ろから声が聴こえて振り返る。——ハクだ。


「ナガワを海軍へ届けて来た。勿論、世界政府直属国家機密超監獄ディアボロス・プリズンに収容されるそうだ。」
「御苦労さまです。」
「…我が居ない間に色々在ったのだな。…まさかエース殿と行動を共にしているとは。」
「…ハク。世界が歪みはじめている。戦争の始まりを知らせる、メロディーが、もうすぐ流れる」


ハクは、…そうか、とだけ答えて私の足に顔を押しつけた。




.(きっと戦争が終わるころに、夏が来る)

Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.30 )
日時: 2012/03/11 15:39
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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——で、食料を如何するか。


 山は燃えているのだから、勿論食料も燃えている筈。
ならば、如何するか。食料が無ければ、エースが生きていけない。エースは、大食漢だから。
だから、海に潜って食料を取ることにした。其れをハクに頼んで、私は情報収集をしようと町へ足を踏み入れる。町の中でも戦っている奴等が多いが関わっては駄目だ、と見て見ぬふりをした。


「うわあああッ!」


 悲鳴のような叫び声が聞こえてくる。——男の声?
如何したのか、と思って急いで駆け付ける。其処には、男に人質にされている青年の姿が在った。整った顔立ちをしていて、なかなか格好いい。


「おうおう、黙れよ男ォ。妙な真似ししたりしたらこいつの首、飛ぶぜえ?」


何と卑怯な。セナは、舌打ちをして、覇気を放出した。
覇気は、空気に溶け込むように、静かに周りの人を気絶させる。
幸い、青年は倒れていない。——ちゃんと、コントロールできたようで。そう思って、微笑を浮かべた。


「…大丈夫ですか?」
「………!!…あんたが助けてくれたんですか?有難う。おれはクラウドです。」
「私はセナです。宜しくお願いします」


クラウドは、セナを見た瞬間顔を赤らめる。
そしてセナが短く自己紹介すると、クラウドは驚きながらも、また少し顔を赤らめて、「…あんた海姫なんですね」と呟いた。


「御礼におれの店来てください。ご飯は美味しいし、しかも情報屋だから、ウチ。何でも聞いてください」
「…情報屋、ですか…。良いでしょう、行きましょう」
「そう?じゃあ行きましょう」


クラウドは、またにっこりと笑うと、セナの前を歩きはじめる。
セナもそれに着いて行った。





「此処が、おれの店です。…ただいま帰りました、父上!」
「……御邪魔します」


クラウドが入っていったのは、とんでもないところだった。表札には、「ラスディーズ一家」と大きく書かれている。
—ラスディーズとは、世界で上位に入るほどの財閥ではないか。

店自体がとても大きく、ワノ国を思わせるかのような日本風の御屋敷だ。

そういえば、聞いたことがある。
ラスディーズ・クラウド。ラスディーズ財閥の跡取りだという。


「……おお、クラウド。そちらの御方は御客様か?」
「ええ、そうです父上。私を助けて下さったんです。それで礼をと…」
「何と!それは感謝するぞ。そなたの名は何と言う?」
「………セナです。」
「…!海姫か!…おい皆の者!こちらの方に食事を用意するのだ!」


父上、とクラウドに呼ばれた厳つい着物を着ている男は、皆に大きな声で命令をする。
クラウドは性格が変わったかのように男にぺこぺこと頭を下げている。
「おれ」、という一人称も、「私」に変わっている。


「クラウド、そなたも食事を作らぬか!」
「あっ、は、はいッ。すみませぬ!仰せのままに!」
「速く行け!……………ところで、セナ殿。……本当に有難う。クラウドを助けてくれて…。あやつはバカ息子で、弱っちいが……優しい子だろう?」
「…………ええ。」


セナは、笑う。男は、見た目より息子想いの様だ。


「ああ、そうだ。私の自己紹介が遅れてしまったな。私は、ラスディーズ・ハウバード。宜しく頼むぞ」
「…ラスディーズ様、こちらも宜しく頼みます。」

「父上ッ、御食事が出来ましたゆえ持って参りました!」
「おお、それではセナ殿!こちらへ腰をおろして下さいませ」


言われたとおり腰を下ろすと、此の、純和風の屋敷に似合わない、洋食の数々が並んでいた。


「召し上がって下さい!」
「…いただきます」


近くに在ったスープを1口食べる。お野菜が、ふわりと口の中でとろける。

—サンジくんや、サッチさんの料理と同じくらい美味しいかもしれない。


「…おいしいです」
「…!あ、りがとうございます」


クラウドさんが作ったのか。セナが、ふわりと笑みを見せると、クラウドは顔を赤らめて伏せた。
そうしてる間にも、セナはどんどん食べ進め、あっ、と言う間に食べてしまった。
——うん、美味しかった満足だ。セナは「御馳走様」と手を合わすと席を立った。


「…値段はどれくらいですか」
「……っそんな!いらないです!」
「でも、…」
「セナさんは私を助けてくれたじゃないですか…っ」
「大したことはしていません。」
「駄目です!お金はもらえませぬ!」


セナは頑固なクラウドに、「あ、そうだ」と何か閃いた様子を見せる。
そして、自らのポケットから何かを取り出した。
——ペンダントだった。シルバーアクセサリーとは言え、ちょっとしたところに、金やプラチナ、さらには宝石が散りばめられていて、価値が高いことが分かる。


「これを。…私は要らないので。…せめてもの礼です。」
「…あ、りがとうございます…」


クラウドは顔を赤らめてペンダントを手に取る。
セナはそれを見て、ふっと笑うとハウバードに向き直った。


「ああ、そういえば黒ひげを見ていませんか?」
「黒ひげ?…すまぬが見ておらぬな…。情報屋とはいえ、そういった情報は来ておらぬもので…。すまぬな」
「いえ。美味しい食事を有難う御座いました。」


セナは、店を出ていった。
クラウドの顔の赤みは、まだ引かなかった。


(おれ、一目惚れ、したみたいです。)



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Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.31 )
日時: 2012/03/11 15:40
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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「…で、そっちはどうです?」
「いんや、全然だ。」


エースと途中で合流して、お互いの情報を言い合う。
しかし、やはり情報など集められなかったようで、セナもエースも、ともにがっかりしたような表情を見せる。


「仕方ありませんね…。ログもたまったようですし、次の島に行きましょうか。」
「あ、ああ……そうだな」


セナは、ストライカーを止めて在る場所に行こうと足を進めようとする。しかし、その瞬間、自分の名を呼ぶ声が聞こえた気がして、足を止めた。


「セナさーん!」
「……?クラウド、さん?」


クラウドが、手を振ってこちらへ走ってくる。エースは、誰だそれ、と言いたそうな顔をするが、それを無視してクラウドの方へ歩いた。


「如何したんですか?」
「…はあ、はあ…っ良かった、まだ行ってなかった…っ、セナさん、これ忘れ物です…っ」
「…?…これは…私の上着、ですか」


上着。そういえば暑くて店で脱いだんでしたっけ。そう呟いて、クラウドに頭を下げた。


「有難う御座います」にこ、
「…………!!〜〜〜っ」


微笑んで見せると、クラウドはしゃがみ込み声にならない声を発した。
どうしたものか、とセナはクラウドの顔を覗き込む。
しかしクラウドは頑なに顔を見せようとしない。


「ああ〜!もう、ずるいです!!」
「……………っえ?」
「わからないならいいです!」
「…?有難う、私、もう行きますね」
「……あ、ちょっと…ッ!もうちょっとだけ此処に、居て下さいよ!」
「………はい?」
「お願いします!」


クラウドは突然立ち上がったかと思うと、セナにそんな頼みごとをする。
セナは困った顔をして、エースをちら、と見ると、エースは不貞腐れたような顔をして、べーっ、と舌を出した。


「………、あ、…いいです、けど。」
「本当ですかっ!?有難うございます!」


クラウドは、にこにこと笑うと、あとで店に来て下さい、とセナに言って帰っていった。


「…誰だよ、あいつ。」
「はい?…あ、そういえばエースさんは知りませんでしたね。クラウドさんと言うのですよ。とても美味しい御飯を作ってくれました。…あとで一緒に行きましょう?」
「………ッ行かねえ!用事が出来たっ!またな!!」


エースは、近くの石を蹴ると、すぐに駆けていった。


「……?、行ってみましょうか…」


すれ違う気持ち。
2人は互いに背を向けて、互いに違う方に進んでいった。



(すれ違う気持ち。反対の2人はまるで唐紅と濃紺のようで)

Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.32 )
日時: 2012/03/11 15:42
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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「お主………クラウドと結婚してくれ」
「……はい?」


それは、世界が赤色に染まり始めた、夕刻の事。先に待っていたクラウドに、手を引かれてまた店に入った。
そして、言われた言葉がこれだ。クラウドは、顔を紅潮させて、少し熱っぽい瞳でセナを見つめる。


「……どういう、ことでしょうか」
「そのままだろう。…クラウドと結婚して欲しいのだよ、きみに」
「何故に…?」
「クラウドはお主を好いておるようだ。それに……お主なら、私も嬉しい。」


ハウバードはにやりと唇をゆがめ、セナを見据えた。



「すみませんが…」
「お主に拒否権は無いぞ。ふふ、こちらは黒ひげの情報を……しかも、とても重要な情報をつかんだのだよ。…教えて欲しくは無いか?」

「…卑怯ですね、流石はハウバード様。でも、無理です」
「ふふ、ふはははは!相も変わらずサバサバした女だ!
 ………だが、此の情報は火拳のためになるのだぞ?」
「…!……っちっ」


エースと行動していることを知られていたか…っ!流石情報界の王といわれる男、—地獄耳のハウバード…!
セナは舌打ちをして、少しハウバードと距離を取る。


「どれだけいわれようとも、私は…ッ!」
「、いいのか…?」
「!!……私は、…私は!!」


次の言葉が出てこない。重要な、情報?
それがあればエースさんは守れるのだろうか。
戦争から逃れられるのだろうか。


〝揺らいでは、駄目。〟


うん。そうだね。揺らいじゃダメだ。私は、エースを守ると決めたのだから。
それが危険な道だとしても。
遠回りだとしても。

にや、と笑う。


「私は……」








「クラウドさんと結婚はできない」
「当たり前だ、誰が結婚させるかよバーカ」



私は、エースの〝隣〟でエースを守ると決めたから。







「何求婚されてんだ馬鹿セナ」
「私は馬鹿じゃありません、エースさん。……覗き見とは趣味が悪いですね」
「なっ、…テメー気づいて…っ」


セナは、にやりと笑ってエースを見る。
気づいていた。エースが覗き見をしていることを。
クラウドは気づいてなかったようで、あんぐりと口を開けている。


「ひ、火拳!貴様、情報が欲しくないのか!?」
「いらねえよ。セナをとられるくらいならな。行くぞ、セナ。」


エースは、ハウバードの誘いをさらりと断ると、セナの手を引いて窓から逃げようとする。
するとクラウドがセナのもう片方の手を引いて、


「待って下さいよ!セナさんっ…!」
「クラウドさん……」
「わたしは……っ、いえ、おれはセナさんが好きなんです…っ!」


——叫んだ。ハウバードの前だというのに、一人称を「おれ」と言いなおすクラウド。
其れほど想いが強いことが良くわかって、セナは悲しそうな顔をする。
エースも——セナを好いてる身なためその気持ちがよくわかるのだろう——顔を顰めた。


「……私に捕われていたら、駄目。忘れて、私を。」

「………ッ!でも、でもっ…本当に、好きなんです…っどうしようもないほどに、泣きたいくらいに…っセナさんと居た時間は、短いけれどそれでも、大好きなんです…」


クラウドさんは、目に涙をためてセナを引きとめる。
セナはさらに悲しそうな顔をすると、柔くクラウドの手を握り返した。


「……私はクラウドさんを、———愛せない」
「………っっ!!?」


ごめんなさい、そう呟いてセナはクラウドの手を解いて、…エースと共に窓から逃げた。


「………っ追え!海姫と、火拳を追えぇぇぇ!」
「…父上………、」
「なんだ!?すぐに海姫はつかまえるぞ!」
「もう、いいです。」
「………何故ゆえに?」


「おれは、〝火拳のエース〟という人には、敵わない」


2人は、恋愛感情ではないけどお互いに大切な人なんだと、痛いほどわかる。(まあエースさんは恋愛感情みたいだけど)

おれはきっと2人の中に入ることはできないから




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Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.33 )
日時: 2012/03/11 15:43
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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ストライカーまで、手を引かれて走る。
揺れる黒髪と、背中一面に掘られた白ひげ海賊団のマークを視界にとらえて、ただ走った。

暫くは知ってゆくうちにストライカーを停めて在る場所までたどりつき、セナはエースを見上げた。


「エースさん、…有難う御座いました」
「まったくだぜ。何求婚されてんだし」


エースさんは、形のよい唇を歪めて弧を描く。セナも頬を少しだけ緩めて、ストライカーに乗り込む。


「さあ、行きましょう。ログはとっくに溜まっているでしょう?」
「ああ。……その前に」
「………………!」


セナは、エースにふわりと抱きしめられる。
吃驚して、目を見開いた。ぎゅうっ、首に顔を埋めるエースの背中に遠慮がちに手をのばす。


「おまえが、クラウドっつー奴と何処かに行っちまうのかと思って、
 …心臓止まりそうになった」

「!………ふふ、私は何処にも行きませんよ。」


エースはさらに、ぎゅううっとセナを抱きしめた。

その行為に恋愛感情など、無い。
ただ、
ただ、


純粋に。



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