二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪
- 日時: 2012/07/01 09:22
- 名前: 燕去 (ID: eXWZ7ycO)
初めまして。
燕去 tubamesari と言います。
学園アリスが好きなので書こうと思います。
中一(13)なので、あまりいい小説ができないと思いますが、
温かく見守っていただけたら幸いです。
不束者ですが、よろしくお願いします。
♪目次♪
オリジナルキャラクター >>001
十二月神将・四霊・扇子の種類 >>002
夢でみた記憶の欠片 >>003
Ⅰ曲目 >>004
Ⅱ曲目 >>005
Ⅲ曲目 >>006
- Re: 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪ ( No.3 )
- 日時: 2012/06/17 18:21
- 名前: 燕去 (ID: eXWZ7ycO)
夢でみた記憶の欠片
霞がかった視界。
朧げな世界に、佇む人影。
一人は、髪の長い女性。いや、少女というべきか。
身長から考えると、女性よりも、少女の方がしっくりくる。
もう一人は、髪の短い女の子。
少女を見上げて、必死に何かを言っている。
二人とも顔がわからない。
霞のせいでよく見えない。
「涼お姉ちゃん。またお歌、歌ってよ〜」
いきなり、女の子の声と思われる声が響いてきた。
声が高くて、すぐに子供とわかる声だ。
必死に、歌を歌って。と頼んでいるようだ。
「え〜。そんなことゆうたかてな〜。
今日も、いっぱいうとたやろ〜?」
語尾を伸ばした言い方。
おっとりとした言い方に、少しの愁いが入っている。
困ったような言い方だが、声が全然、困ったように聞こえない。
「そんなこと言わないで〜。お歌〜〜。」
駄々っ子のように、お歌!お歌!とせがむ女の子に、根負けしたようだ。
困ったような笑いをもらした。
笑ったのが気に入らなかったのか、女の子は頬をふくらました。
その様子を見て、ごめんごめんと言いながら、頭を撫でた。
「ほんまに、あんたら兄妹はよう似てんな〜。
『 』と『 』はそっくりやわ。
『 』もよう歌っててごねとったわ〜。」
女の子には兄妹がいるようだ。
重ね合わせて言っているのがわかる。
困ったように言っているが、何となく嬉しそうだ。
よく可愛がっていたのだろう。
表情は見えないが、微笑んでいるようだ。
「本当に? お兄ちゃんと私、そんなに似てる?」
不思議そうな顔で、問うてくる女の子に頷きながら、
「うん。似とる、似とる。
『 』も…お兄ちゃんもようごねとったわ〜。」
何らかの答えを見つけ出したようだ。
不思議そうな顔から、一転。
途端に、せがまれた。
「あと一回だけ!!!
あと一回だけ歌って!!! お願い!!!」
「しゃーないな〜。一回だけやで?」
もう降参とばかりにいうと、やったー!!と大喜びした。
やれやれ、まったくどうして兄弟二人そろって…。
という声も、女の子の歓声にかき消された。
「そんなに騒がへんの。何の歌の歌ってほしい?」
「えっとね〜」
怒りながらも優しく問うてきた女性と手をつないで。
本当に嬉しそうに、考えている声が聞こえた。
視界が真っ暗になり、何もわからなくなった。
最後まで二人の顔は、わからなかった。
意識が遠くなる。
アノコハ…
ダレ……???
- Re: 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪ ( No.4 )
- 日時: 2012/07/01 08:20
- 名前: 燕去 (ID: eXWZ7ycO)
Ⅰ曲目
カーテンが風で揺れる。
ベットの上で微睡んでいる少女に光がスポットライトのようにあたる。
「涼〜。早く起きなさい〜。今日はアリス学園にいく日ぃやろ〜。
ご飯いらんのか〜?」
「はいはい。わかってるから。怒らんといて〜な。」
気怠そうな声が聞こえた。
漆黒でサラサラの髪が身体に纏わりついている。
そんな声でも美しく聞き惚れる。
少女の名前は、花朝涼。
平安貴族のように淑やかな容姿をもっている。
「ご飯食べてからでもいいやろ?」
ここは京都市内にある花朝神社。
代々アリスゆう不思議な力をもった者が生まれる家として有名どす。
不思議なだけやのうて世界に数万人しかおらへん、めっちゃ珍しいもんらしいねん。
その珍しい力をもった者たちが集まるところがアリス学園。
ここ花朝神社もアリス学園にマークされてて、スカウトされてるっちゅう訳。
けど、うちのご先祖さんがアリス学園の校長先生と、
「うちの子供が10歳になるまではスカウトされてもアリス学園に入れない。
それまでは、家の手伝いをさせ、学校にも行かせない。」
と、約束したため、学校に行かず家の手伝いをしているっちゅう訳や。
アリス学園にいくんは初めてじゃないから、あんまり緊張しいひんのやけどな。
「涼〜、はよ起きんかい!!!!!!!!
ご飯抜きやで!!!!!!!!!!!」
「んな、アホな話があるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
そんなこんなで急いで朝ご飯を食べて、お父はんが待ってる本道へ急ぎます。
本堂……
本堂兼道場は
とても
とても
とても
広い……。
しかし、そこに行くまでが遠いねん。
だいたい5Kmぐらいあります。
遠いでホンマに。遠いで。
その道のりを軽々と走り抜け本堂の扉を開けると、お父さんが正座をして待っていました。
「遅れて…
申し訳ございませんでした。」
「いや、今日はそないに急いでないさかい、大丈夫や。
それより……行けるか………?」
「またそんなこというて〜。この服見たら分かるくせに〜。
そないに心配しんといてください。調子がくるってしまいますわ。」
今うちが着とんのは、巫女服。
うちが巫女服を着ているということは、次期跡取りという訳。
ほんまは、雪消兄ちゃんが継ぐはずやったんやけど…。
留学中というかアリス学園におるから、今おらん。
弟の天雅も生まれたばっかりやさかいに、残っとるうちが跡取り代理ということになってます。
基本的には女がなることはないんやけれど、うちは特別なんやて。
「今日のお前の仕事は…
10人を黄泉の国に送り届けることと、15人の怪我を治すことや。
いつもよりは少ないが、気ぃ抜くなや。」
「わかっとる。うちはそこまでぬるうないわ。」
うちの仕事は、亡くなった方を黄泉の世界に送り届けること。
それと怪我を治すこと。
それができるのは、この歌の力のおかげなんです。
「それでは……
はじめさせて……
いただきます……」
- Re: 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪ ( No.5 )
- 日時: 2012/07/01 09:19
- 名前: 燕去 (ID: eXWZ7ycO)
Ⅱ曲目
人にはこれを持つと何かが変わるというものが何か一つはある。
私の場合は『扇子』
これは先祖代々伝わるもので14種類あるのだが初めてもった時。
まるで何年も使い込んだかのように、手にしっくりと馴染んだ。
この扇子はとても繊細なので、手入れを欠かさない。
この『扇子』を使って私が舞うのは『白拍子』
平安時代末期から鎌倉時代にあったもの。
男装した遊女や子供が今様や朗詠を歌いながら舞ったものの事をいう。
それを受け継ぎ次の世代へと受け渡していくのが花朝神社の役目。
目の前には棺に入った遺体が10体。
そして、隣の部屋には重症患者が15人。
隣の部屋からは、絶えず呻き声が聞こえてくる。
だが、いつもよりは少ない。
多いときには一日で100人を相手に舞った。
怪我をした人を相手には、1000人を相手に舞ったこともある。
災害があった時には、もっと多い。
「今日は、亡くなった人から始めよう。」
私が歌うとこの力がゆっくりとこの世。現世への迷いを断ち切り浄化。
安らかに黄泉の世界に逝ける。
つまり私は亡くなった方々が安心して黄泉の世界へと逝ける手伝いをしている…という訳だ。
亡くなった方々への礼儀を決しては忘れてはあかん。
その方々への失礼にあたるからや。
はじめに礼をしてからはじめる。
そっから全身全霊を込めて歌い舞うんや。
相当な体力がいるさかい、一般の人がやると倒れて逝ってしまうこともある危険なことや。
扇子は死をあらわす『月扇』
「遊びをせんとや 生まれけむ
戯れんとや 生まれけん
遊ぶ子供の 声聞けば
わが身さえこそ 動がるけれ」
ちっ…。ダメかよ。
今日のお客(遺体の事)、怨霊憑きまくりじゃねえか。
めんどくせ〜な〜。おい。
しゃーーねーー!!! 使いたくなかったけど未桜の歌使うか…
「君を初めてみるをりは
千代も経ぬべし姫小松
御前の池なる亀岡に
鶴こそ群れ居て遊ぶめれ」
涼の口調が変わったのがお解りだろうか??
そう。涼は扇子をもつと、歌を歌うと人が変わるのだ。
何かに憑かれたかのように。
口調が変わる=性格が変わる。という訳なので。
彼女はかなり荒れております。
はい。荒れております。(怖いです…)
「終わりました。
これで皆さん。黄泉の世界に逝けたと思います。」
「そうか。
お前が大丈夫だというのなら大丈夫やな。
じゃあ、隣の部屋も頼むで。」
「はい。
まかしてください。お父はん。
いや、父上。」
そういうと、不敵な笑みを浮かべた。
瞳の色は、漆黒から月白色に染まっていた。
- Re: 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪ ( No.6 )
- 日時: 2012/07/13 17:55
- 名前: 涼 (ID: mb1uU3CQ)
Ⅲ曲目
隣の部屋に行くと様々な状態のお客(患者)がいた。
複雑・粉砕古拙、末期癌、乳癌、癌、神経・味覚・視覚・聴覚障害、くも膜下出血、自閉症などなど…。
よくもまあ、こんなにもいろんな客が集まったことだね。
知り合いは…いたわね。この子供。
確か『日向棗』とか言ったかしらね?
出血が多いけれど…って気ぃ失ってるし。
倒れるまでやったのか。大変だね。
「さあ、そろそろはじめましょうか。」
怪我人を治すには、白拍子ではなく、歌を歌う。
歌はどんな歌でも構わない。大切なのは、気持ち。心。
その時に、力を補ってくれるのが扇子。
私の大切なパートナー。
使う扇子は二種類。
《生》をあらわす『陽扇』
《季節》をあらわす『季扇』
歌うのは、春の歌。
いきものががり
『花は桜 君は美し』
早速歌いたいところだけれど、まずは季扇の力を借りよう。
陽扇を片手に持ち、一気に広げる。
すると、明るい光が一面を満たす。
もう一つ、季扇を広げる。
季扇には、春・夏・秋・冬の絵が描かれている。
朗々とした声で、祝詞を唱えた。
「我は涼。
季節の神、青竜、朱雀、白虎、玄武と契約を交わしたもの。
契約のもと、我が命じる。
求めるは
春の神、青竜!!」
そうすると、季扇が春のように温かく明るく輝いた。
その中から、蒼い光をまとった蒼い竜が舞い降りてきた。
地表に足がつくと、蒼い髪の背の高い美少年に成り代わった。
「我が名は青竜。
我の名を呼んだのは涼、そなたか?
ならば、力をかそう。」
「感謝いたします。」
さあ、歌いだそう。
「じゃあ、春だから。というか春の歌だから。
櫻と朧。曲よろしくね。」
何処からともなく、女と男の声が聞こえてきた。
櫻色の髪と瞳をもつセミロングの小柄な女、櫻。
透明の瞳と薄い緑の髪をもつ長身の男、朧。
「あたしはいいけれど…。
っていうか、いちいち変化するの面倒なんだから。」
「はーー。まったく人使いの荒い主人だな。
って、俺達人じゃねえか…。」
「んなこと、どーでもええから。さっさと準備せんかい。」
「はいはい/へいへい。」
櫻と朧は、私が式にした十二月神将のうち、二人だ。
私は、十二月神将という十二人の神将を従えている。
月が十二か月あるように、神将も十二人いる。
普段は猫に変化しているが、私が名前を呼べばどこからでも飛んで、駆けてる。
また、私がうたをうたう時に演奏してくれたりもする。
心優しいといえば心優しいのだが、性格は様々だ。
櫻は、三月の月神将で、初々しさを持っている。
朧は、四月の月神将で、揺るがない決意を持っている。
まあ、神将たちの紹介はまた追々するとして。
仕事しますか。
「涼。準備できたよ。」
「こっちもできた。」
「じゃあ、頼みますよ。お二方。
玄冬。」
櫻と朧が準備できたのを確認してから、新たな月神将の名を呼んだ。
名前は玄冬。
十月の月神将で、栗色の神と瞳を持つ小柄な男だ。
何事も落ち着いて見渡す慧眼を持っている。
「なんだ。」
「お客を守る、結界を」
返事はなかったが、応じる気配があった。
それと同時に、この道場を囲む強靭な結界が織りなされた。
治している最中に、いらないものがたまに入ってくるから用心の為だ。
そして私は一気に、『陽扇』と『季扇』を広げる。
Now.
It is tha time of a SHOW TIME
さあ、ショータイムの幕開けだ。
- Re: 学園アリス ♪戦慄の歌姫♪ ( No.7 )
- 日時: 2012/07/14 09:49
- 名前: 燕去(涼) (ID: mb1uU3CQ)
Ⅳ曲目
『花は桜 君は美し 春の木洩れ日 君の微笑み
冬終わり 雪が溶けて 君の心に 春が舞い込む
窓をたたく強い雨はまだ続くと ラジオから流れる声が伝えています
電話から聞こえた声は泣いていました 忘れたはずの懐かしい声でした
君はまた もう一度 あの頃に戻りたいのでしょうか
春を待つ つぼみのように 僕は今 迷っています
花は桜 君は美し 春の木洩れ日 君の微笑み
冬が終わり 雪が溶けて 君の心に 春が舞い込む
変わらぬ街の景色が教えるのは ひとつだけここに足りないものでした
「いつも場所」と決めていた駅の前 揺れ動く心が僕を急がせます
僕はまた もう一度 君の手を握りたいのでしょうか
春を抱く かすみのように 僕は今 揺らいでいます
花は香り 君はうるわし 水面に浮かぶ 陽が踊る
風が騒ぎ 町は色めく 僕の心は 春に戸惑う
春はまた もう一度 この花を咲かせたいのでしょうか
僕を待つ 君の傘が あの駅に 開いています
花は桜 君は美し 春の木洩れ日 君の微笑み
時に燃える 春の吐息 二人の時が 春に重なる
花は桜 君は美し 春の木洩れ日 君の微笑み
冬が終わり 雪が溶けて 僕の心に 春が舞い込む 』
ふわりと、暖かい風が舞い込んで。
ゆらりと、髪がなびいて。
きらりと、光が舞い込んだ。
ゆっくりと扇子をおろす。
さすがに息が上がった。
この歌は、いつもより長かった。
その分、より集中的に、客を治せた。
「臘月。 いる?」
「いるわよ。ここに」
臘月は、十二月の月神将。
雪のように白い髪と瞳を持つ、大人しい静かな女性だ。
よき、相談相手でもパートナーでもある。
上がっている息を整えながら、問うた。
「あと、何人残ってる?」
「全員完治。
と、言いたいところだけど…」
伏し目がちにして、珍しくいいよどんだ。
いつも、客観的に物事をとらえて揺るがない彼女。
助言をくれる彼女が、言いよどむことは本当に珍しい。
息が整ってきたので、核心をついた。
「誰が治ってないの」
揺らぎない瞳で見つめられ、不意に笑った。
悪戯が見つかった子供のように困った笑顔だった。
それはだんだんと苦笑に変わっていった。
「やっぱり、涼にはかなわないわね。
ええ、あと一人治ってないわ。
毎度、毎度。
大怪我でやってくる彼。
『日向 棗』 」
「やっぱりね。
相変わらず、傷をつくってくる、常連さんだもの。」
可哀想に。そうつぶやいた彼女の瞳から、しずくが零れた。
また一つ。また一つ。こぼれてゆくそれをぬぐいもせず。
しばらく、零れさせたままにしたもの拭うと、立ち上がる。
そんな彼女を、臘月は黙ったまま見つめていた。
声をかけようにもかけられない。
黙って、涙をこぼす彼女は美しく、妖艶で。
近寄りがたい、雰囲気を醸し出していた。
涼は、記憶を無くしたと思われているが、少しずつ思い出している。
雪消の術、アリスは強力で、十二月神将には解けない。
だが、雪消の能力を凌ぐ力を持っている涼には解ける。
花朝家最大の霊力は、涼に流れている。涼の血は、本能で解こうとしているだろう。
何故、涼が術を解こうとしないのかはわからない。
臘月は、解こうとしないのは死文が自分でなくなるのが怖いからなのだろうか。
と、思っている。
人は、時に我ら十二月神将の想像を超えたことをやってのける。
だから、人は見ていて飽きないのだ。
「臘月。玄冬を呼んで。
日向棗を自室に移すわ。
アリス学園関係者は、応接間に案内しといて。
…ほかの人は返していいわ。
早く、家族に会いたいでしょうにね。」
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