二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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獣の奏者〜王獣を操るものと闘蛇を操るもの〜
日時: 2012/12/02 12:45
名前: 悠 (ID: 5ZyVc2k3)

上橋菜穂子さんの『獣の奏者』に感動して、書こうと思いました。

舞台設定は、エリンが亡くなってから約500年ほど経った、という設定です。

頑張って書きますので、よろしくお願いします。


=1= 異変    >>1


=2= 新たな生命    >>2


=3= 処刑       >>3


=4= 夢の後味     >>4



=5= 我は・・・     >>5

=6= アラ・カム    >>7
































番外編

=0= 若葉の光     >>6








☆お客様☆(たくさんのコメントお待ちしています!!)

・藍永智子様 >>4 >>5














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Re: 獣の奏者〜王獣を操るものと闘蛇を操るもの〜 ( No.1 )
日時: 2012/11/01 19:57
名前: 悠 (ID: hmaUISmg)

=1=  異変


ラミは、カザムルの大きな王獣舎を見上げてつぶやいた。

「・・・ここで、私を何かが待っている。」


ラミは、王獣舎の大きな取っ手に手をかけた。

少しさびたような音がして扉が開いた。
一瞬、目の前が真っ暗になった。
王獣舎は、真っ暗なのだ。まだ、エリン師がおられたときから王獣舎はこのように暗かったのだという。

理由は、分かっていない。



王獣、それは最強で美しい獣___________

真王ヨジェに献上される獣__________

そして、汚れた闘蛇を一瞬のうちに喰らうことができる獣______

だが、武器として王獣を使うことは禁止されていた。
500年前__________
エリンがその身をもって見せつけた、あの『悲劇』
それが、すべてを表していた。


王獣は、ただ、真王の象徴として飼われているだけの獣となった。

もう一生、王獣が武器として使われることはない。


            ☆


王獣舎に入ると一斉に警戒音が発しられた。
「ふぅ・・・よしっ」

ラミは、王獣たちに体の臭いになれてもらうためにそこに体育座りで座った。

ここに座って、王獣のことを考え続けていた数々の獣ノ医術師たちを思い浮かべながら。



            ☆


キーーーーキーーーー
と獣たちの警戒音で目が覚めた。


ミサル師だった。

ここ、カザムル学舎の教導師長を務める女性だ。

「まだ、こんなところにいるの。はやく学舎の中に入りなさい。」

「いえ・・・まずは王獣たちに匂いからなれてもらわねばいくませんから。」


(あら・・・エリンと同じような発送の持ち主のようね。)

エリンも、始めはそこから始めたのだという。
教導師長になると、読むことが許される、{エサルの記}にはそう記してあった。



             ☆


ぎいいいいいいいいいいいい


明らかに王獣の苦しんでいる時に発する声であった。

喉元を突き刺すような悲惨な叫び、思わずラミは耳を塞いだ。

そうすると、ミサル師が思いがけないことを言った。

「王獣が死するところまで見続けるのが〝獣ノ医術師〟の役目。目をそらしてはいけない。ミィ(王獣の名)はかなりの高齢、いつ死んでもおかしくなかったのに・・・35年も生きて・・・ここでは最高齢なのよ。」


ミィが、がくりと膝をおり倒れると一斉に王獣たちが〝弔い声〟を上げ始めた。


かんかんかん・・・

と、悲しく響きは足るその声を、ラミは唇をかんでたえていた。


そしてとたんに、体のしたがすっと寒くなるような不思議な感覚にとらわれ続けた。

Re: 獣の奏者〜王獣を操るものと闘蛇を操るもの〜 ( No.2 )
日時: 2012/11/02 20:53
名前: 悠 (ID: hmaUISmg)
参照: http://みんな、獣の奏者読んでみてね〜

=2=  新たな生命


カザムルの学舎は、朝から<喜び>と<緊張感>に満ちていた。

なんと、ミィの子供エクがティアと飛翔し、クアと名付けられた美しい王獣が誕生したのだ。

ティアは、一番ラミが力を尽くた獣であった。

そして、唯一〝人に馴れる〟王獣でもあった。


けれど、ティアが、寝ているところを無理やり起こされたりされたら_____

一瞬にして、ラミやミサルの頭を噛み砕くであろう。
それは、皆が承知していたことだった。




王獣には、〝今〟しかない。〝明日〟や〝昨日〟の感覚はない。



王獣の、出産は軽いことで有名だ。
少しの陣痛を伴い幼く、可愛らしい幼獣が生まれてくる。
幼獣は、生まれた時から人間の身長をはるかに上回る。




            ☆


クアは、まだ母ティアの胸に顔を押し付け、〝甘え鳴き〟をしていた。


ラミは、生まれて初めて見る王獣の子供をじっと食い入るように見つめていた。




いつの間にか、空が茜色に染まり始めていた。





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