二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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妖界ナビ・リナ
日時: 2010/08/09 18:36
名前: 瑞沙 (ID: zRrBF4EL)

妖界ナビ・ルナの二次小説です!

次こそは消されたくないです……

見た方、ぜひコメを!!



   ☆登場人物

安堂 リナ・・・伝説の子の力を受け継いだ少女。半妖の父と巫女の母のあいだにうまれる
      好きなことは料理で運動音痴

こよみ・・・銀色オオカミの妖怪。リナの手助け役として、妖界から来た。変化の術が得意

アレック・・・火獣族の少年妖怪。本来は獣の姿。炎の術がつかえる

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Re: 妖界ナビ・リナ ( No.65 )
日時: 2010/08/09 18:34
名前: 瑞沙 (ID: zRrBF4EL)

    6 光と闇


「悠久の玉を呼び出すなんて……」

 こよみが目を見開く。

「いったい、どれほどの力を持って——借りているのよ!?」

「それは、黒幕様のおかげ」

 星羅……いや、シエラは、冷たい声で言う。
 
「これから、悠久の玉をあやつらせるために、身体を乗っ取らせてもらう。——光と闇の伝説の子に」

「光と闇の伝説の子——?」

 リナは「こよみ、知ってる?」ときくが、こよみは「分からないわ」と、険しい表情で言った。

「それは誰だ」

 イルがシエラに聞く。シエラは——微笑した。

「光がリナ、闇がイル……赤のうず目をもつ者よ」

 シエラのその言葉が放たれた直後、こよみとレンカが、リナとイルの前に立ちはだかった。

「邪魔者は、排除しなくては」


 次の瞬間、こよみとレンカのからだが宙を舞った。


「こよみ!!」

「レンカっ!!」

 シエラの笑い声が響いた。

「さあ、おとなしくしているのよ!!」

 そう言い、シエラが右手を突き出すと同時に、リナとイルは急に息苦しくなり、三人と悠久の玉の外に、結界が張られた。

「っ……あう……」

「……っ」

「そろそろ、楽になるわよ。ふふ……」

 イルが閉じていた目を少し開き、こよみを睨みつけた。

「……させるかよっ」

 すると不思議なことに、呼吸が楽になった。

 ……リナのおかげなのか、とイルは思い、


 今度はリナを守るために、


「封印解除!!」

 イルは右手にはめられた手袋をとり、


 第三の目を開眼させた。

 髪が銀色になり、瞳がうずを巻く真っ赤な目に変わ
る。

 これが、リナと血を分けた、イルの本来の姿だ。


「青龍、白虎、朱雀、玄武、空陳、南珠、北斗、三台、玉女」


 リナは目を開き、変化し九字を切るイルの姿と見ていた。


 やがて、リナも呼吸が楽になり、結界が解け、シエラが吹っ飛び——


 悠久の玉が消えうせた。

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.66 )
日時: 2010/08/17 17:51
名前: 瑞沙 (ID: zRrBF4EL)

    7 絶望


「き、消えた……っ!?」

 ケイが驚きの声を上げる。

 リナは、なんとなくわかっていた。


 あの悠久の玉は、幻だった、ということを。


「そうだよね……イルが、初めて会ったときに、言っていたもんね」

 イルが、リナの瞳を見つめて言う。

「ああ。あの玉を召喚するには、御子の玉を十個集めなければならない」

「御子の玉とは、あの玉のことね」

「ああ」とイルがうなずく。

 すると、次の瞬間——!


「ぐはあああああああっ!!ゆるさんっ……ゆるさない!!!」


 シエラが、まるで獣の雄叫びのように叫んだ。

 すると——大地が揺れた。

「うわ!?」

 そして、いきなり雪が吹き荒れ、ナイフのような物体が——この場にいる者に襲いかかる!!

「きゃああああっ!!こよみ!!アレック!!」

 二人の腹部から血が流れ落ちるのを発見したリナは、絶叫した。

(そうだ!!せめて二人にだけ——!!)

 リナは、こよみとアレックのそばに行った。そして、

「臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前!」

 たおれている妖怪たちに、結界を張った。

「これで、ここのみんなは……」

 言い終わる前に、光る刃が、リナの頬を切り裂いた。その直後で、

「がはっ!!」

 と、リナの背後で、ケイの声と、倒れる音がした。

「ケイ!」

「おい、大丈夫かよっ!?」

 セラもあわててかけよる。すると——

「隙がありすぎるな」

 シエラの声とともに、リナとセラの背に激痛が走る。
 リナの場合、うなじが切り裂かれていなかったことが幸いだった。

 リナは地面に崩れ落ち、セラは何とか立っている。

「シエラっ……!」

 イルが、シエラを睨みつけた。

「さて、次は、第三の目を切り裂いてやりましょうか」

 ケイがふらふらと立ち上がる。

「そうなるまえに、あんたを妖界に送る!!」

「そうなるまえに、倒してやる!」

 光る刃がふたたびあらわれ、飛んでくる。
 吹雪で視界が遮られる。

(まずは、星羅に呪符を……)

 と、リナが考え始めたその時、悲劇は起こった。

 パン、という破裂音が聞こえ、音がしたほうを向いた瞬間——!


 無数の刃が、結界の中にいた者を切り裂いた。


 四人は呆気にとられる。

 隙が、できてしまった。

 ぐさり、という音がして——


「ぐあああああっ!!」


 ケイが悲鳴をあげ——左の手のひらから血を流し——倒れた。


「いやああああああああっっ!!!」


「一体……何……が……?」


「うそ、だろ?———ふざけんなあああっ!!!」


 恐るべきことが——!!


 ケイの第三の目が——切り裂かれた!!


 そして、無数の刃を受けた妖怪たちは——身体のいたるところから、血を流していた。頭からも……。


「こよみ、アレック、レンカ、ラウ、ケイ……っ!!!
 いやあああああああっっ!!!!」


 リナの絶叫が、夜鳴島に響いた。

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.67 )
日時: 2010/08/18 09:14
名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: Thm8JZxN)


更新お疲れ〜

ケイぃぃぃ><


リナが可哀相だよ…

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.68 )
日時: 2010/08/18 19:06
名前: 瑞沙 (ID: zRrBF4EL)

お久しぶり♪

ああ……ワタシハナンテザンコクナコトヲカキコンダノデショウ。
(じゃあかきこむなよ!!!)

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.69 )
日時: 2010/08/19 19:04
名前: 瑞沙 (ID: Oui0uBDf)

    8 悲劇のあとの決意


「陰の……陰の伝説の子をやった……!!はははっ、あはははははははははっ!!!!」

 シエラの笑い声が響き渡る。

「ざけんじゃねえっ!!倒す、てめえを倒す!!」

 リナはぼんやりとした頭で考えていた。

 そして——決意した。


「セラ、イル、こよみとアレックとレンカとラウを、妖界へかえす」


 二人の目が見開く。

 やがて、セラが言った。倒れている、双子の兄を見つめて。 

「リナ、おれとケイも、妖界へ運んでくれ。妖界への道が開けるのは、リナとケイだからな」

 イルが言う。

「妖界に行ってどうするんだ?」

「こいつを……ケイの第三の目を復活させる。こっちより妖界のほうがやりやすそうだからな」

 リナはうなずき、立ち上がった。

「イルは、星羅が動いたら止めておいて」

 そして、倒れている妖怪たちのところへ移動したセラとケイ(セラがおぶっている)の前に立った。
 涙を流して——。

「みちびいて、向こう側の世界へ——」

 ゆっくり、ステップを踏む。

「天蓬、天内、天衝、天輔、天禽、天心、天柱、天任、天英……」

 妖界への道が、姿を現した。

「セラ、ケイを頼むわ……伝説の子を支えてくれた、こよみ、アレック、レンカ……そしてラウ……」

 涙がこぼれおちてゆく。リナは微笑んで言った。


「さようなら」


 そして、六人は妖界への道へかえり、

 「火」の玉が、リナの手のひらに落ちてきた。

 リナはゆっくりとシエラを見る。

「次はあなただよ、星羅」

 すると次の瞬間、シエラの姿が消えた。

 逃げたのだ。

 リナは緊張の糸が切れ、地面に倒れた。


 いつの間にか、雪がやさしく降っていた。


  五章 おわり


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