二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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幻想戦記〜接触の章〜
日時: 2010/02/16 21:11
名前: 黄砂 (ID: fmblAt2h)

古の時代、破壊神と人間との間に戦いが起こった、神にも匹敵する文明を得て創られた要塞を操る王と、強大な力を持つ破壊神の戦いは、後に魔大戦と呼ばれた、二つの力のぶつかり合いに大地は裂け、海や空は荒れ世界は崩壊した、誰もが絶望を抱いた時 、大地の守護者でもあるマナは精霊が選んだ勇者ロトに聖剣を与えた、

長い戦いの末、勇者ロトと英雄達はは神を打ち倒し、要塞をも封印した、破壊神と要塞の力は4つのクリスタルとトライアルフォースにてその存在を封印した
平和が訪れたかに見えた、しかし、争いの爪痕は残された人々の生活に大きな打撃を与えた、未知の種族モンスターの出現である
彼らは国や土地によってあらゆる種類、種族と共存、または争っていた
   そして永劫の時が流れた
巨大な軍事力を誇るパルメキア帝国を皇帝を筆頭としたが邪教の大神官ハーゴンと悪魔を操る大魔司教ガリウスや近隣や各国の勢力と手を組み世界征服へと乗り出したのである

これに対し各大陸の反乱勢力はフィン王国を筆頭に立ち上がるが敵の猛攻を受け
港町アルテアにて後退を余儀なくされていた
そして港町アルテア、物語は此処から始まる





 



関連作品(仮)
ファイナルファンタジーⅡ(1987年 FC)
ファイナルファンタジーⅥ(1994年 SFC)
ヴァンパイアハンター(1996年 SS)
メタルスラッグ(2003年 PL2 )
ドラゴンクエストⅡ(1987年 FC)
ドラゴンクエストⅥ(1995年 SFC)
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悪魔城ドラキュラ(1986年 FC)
月風魔伝(1987年 FC)
ストリートファイターⅢ(2004年 PS2)
メタルギアソリッド2(2005年 PS2 )
源平討魔伝(1990年 PCE)
大魔司教ガリウス(1987年 FC)
ワルキューレの伝説(1990年 PCE)
極魔界村(1986年 FC)
イースⅠ Ⅱ(1989 PCE)
ゼルダの冒険〜時のオカリナ〜(1998年 64)
ゴールデンアックス(1989年 MD)
クレイモア(月刊少年ジャンプにて連載)
鉄拳チンミ(月刊マガジンにて連載)
PC原人(1989年 PCE)
バイオ戦士DAN(1987年 FC)
ストライダー飛竜(1999年 PS)
KOF11(2006年 PS2)
ドルアガーの搭(1984 FC)
妖怪道中記(1988 PCE)
吸血鬼ハンターD(1983 小説) 
ギルティーギア(2007 PL3)
レッドアリーマ(1990年 GB)
モンスターハンター3(2009 wii)
(2001 PS2)
忍者じゃじゃ丸君(1985年 FC)
獣王記(1988 MD)
ナノブレイカー(2005 PS2)
アゼルーパンツアードラグーンRPG(1998年 ss)
レディ-ストーカ(1995年 SFC)
ガーディック外伝(1988年 FC)
バイオミラクルぼくってウパ(1988年FC)
バレットウィッチ(2007年 Xbox)
大神(2006年 PS2)
プリンスオブペルシャ(1992年 SFC)
新 鬼武者DAWN OF DREAMS (2006年 PS2)    

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Re: 幻想戦記〜接触の章〜 ( No.29 )
日時: 2010/02/20 10:47
名前: 黄砂 (ID: fmblAt2h)

村長宅へと案内されたダンを出迎えたのは、年老いたカメレオンマンだった、側にはダンのリュックを奪ったチビと呼ばれた子供の原始人もいる
村長「ようこそ、おいでくださいました。まずはチビの非礼をお詫びさせてください、コラ!オマエも謝らんか!」
村長に杖で頭を殴られ、原始人は不服そうにリュックを返した
村長「リュックのには一切手を触れてはおりませんのでご安心ください、あつかましいかも知れませぬが、どうか悪くは思わんでください、最近島に入ってはモンスター達を連れ去って行く輩が増えておるのです、チビも貴方様を敵だと思い込んで森から追い出そうとしたのでしょう」
村長の傍らにいた原始人はいつの間にか居なくなっていた
ダン「島?、ここは島なんですか?」
        *
辺境国家群、パルメキア大陸、アレフガルド大陸、エレシア大陸、大和大陸や周辺の島々と『イース』のような浮遊大陸意外にも確認されていない海域に位置する国家である、未知の大陸や島々にも当然集落等といった小さな組織は存在するし、未知の部族や村も存在するのだが国という大きな組織が有るとは考え憎いとされていた、それは海域や上空に発生する乱気流や海域が極端に変わりやすく、飛空挺はおろか船さえ近づけずにいるといった状況のおかげで調査の手は今だに及んでいない
ナマズ太夫「おいおい、そりゃ幾らなんでも考え過ぎじゃねーんか?」
ナマズ太夫が声を挙げる
ハーゴン「しかし、ペルシア公国は独自の航空海技術を持っている商業国家でもある、可能性は無いとは言えん」
ペルシア公国は一説では『旧世紀』で用いられた移動技術を有していた、パルメキアを筆頭とした同盟軍がペルシア公国に侵攻したのも目的の一つだ
ダーム「ふむ、未知の大陸に行ける技術を有していてもおかしく無いな・・・」
ガンドロノフ「それで、こちらの戦況は?」
皇帝「心配ない、我が軍の僅かな部隊が壊滅したに過ぎん」
自分の所有する兵が死んだというのに皇帝は顔色一つ変えようとしない、この男には良心というのが無いのだろうか?

Re: 幻想戦記〜接触の章〜 ( No.30 )
日時: 2010/02/21 13:13
名前: 黄砂 (ID: fmblAt2h)

原始人=原人は面白くなかった、せっかく森の密猟者を捕まえたと思ったのに飛んだ検討違いだ、高い木の上で相棒のマンドリルと木の実を頬張る、此処は彼のお気に入りの場所だ、最近は森の中に妖しい連中が出入りしている、そいつらは何をするわけでもなく辺りを探索しては去っていく、村の皆はその事には無関心だ、頼れるのは自分しかいない・・・17M先の森の奧からメイジキメラの群れが飛び出した、普段大人しい彼等が騒ぎだすのは何かあったに違いない、原人が口笛を吹くと火竜レオリウスが羽を広げてやって来た、原人とマンドリルが飛び移るとレオリウスは異変のあった方向へ飛び去った

髭面のハンターが功性生物達やモンスターの幼体達を片手に袋に詰めていく
ハンターD「おい、そんな雑魚なんぞ捕まえてどうするんだ?」
巨漢のハンターが向かってくるモンスター達を蹴散らしながら怒鳴った
ハンターC「放っておけ!俺達の目的は奴を誘き出す事だ、とにかく暴れるだけ暴れろ!」
森の侵入者を討伐する為に出現した功性生物達をボウガンで次々に蹴散らしていく、対功性生物として作られたボウガンは固い装甲を紙のように貫いていく
ハンターB「本当に奴は現れるのか!?」
向かってくるドスジャギイやサーベルタイガー達をハンマーで蹴散らしていく
ハンターC「今までの情報が正しければ奴はこの森のボスだ!、俺達が派手に暴れれば暴れる程奴が姿を現す確率は高い!」
髭面が次の獲物を袋に詰めようとする手に何かが当たり思わず手を放した、確認する暇もなく彼は第二撃を顔面に食らいその場に倒れ込む、眉無しが石の飛んできた方角を見ると、レオリウスが突進して来た、間一髪の所で巨漢が大剣で眉無しを庇うが仲間達の中で数倍の体躯を誇る彼でも火竜の突進を防ぎ切れず、吹き飛ばされたしまった、思わぬ所で邪魔が入った火竜の横腹に粉塵があがる、小柄の放った銃が火竜の横腹を直撃したのだ、思わぬ所で不意打ちを食らった火竜はその場に倒れ込んだ
ハンターD「やったか?」
ハンターC「いや!違う!こいつは」
眉無しが獲物を確認すると同時にターザンのように蔦を使って現れた原人が眉無しに体当たりをかける、すかさずボウガンで払い除けると原人は器用にかわす
ハンターC「いたぞ!本命のご登場だ!」

村長宅にも森で起きた異変は届いていた、大量の飛行形『モンスター』達や『功性生物』の群れが空を埋め尽くしていた
村長「あれは!森に何かあったのかの?」
ビクトル「森で何かあったみたいだ、チビもいない村長俺様子見てくる」
ダン「助けて貰った恩もある僕も行きます」
二人は森に向かった




Re: 幻想戦記〜接触の章〜 ( No.31 )
日時: 2010/02/21 22:57
名前: 黄砂 (ID: fmblAt2h)

原人がハンター達を威嚇する
ハンターA「へへ、本命の登場か」
髭が折れた鼻を戻しながら呟く
ハンターD「気をつけろ、子共だからて油断してると痛い目に会うぞ」
ハンターA「判ってるさ・・・」
髭が腰の短剣を抜いてで両手に構えると、原人が飛びかかった、髭面はギリギリの所まで接近したのを素早くかわした後原人を蹴り上げる、蹴挙げられた原人の体は樹木をなぎ倒した、粉塵と共に原人が起き上がる
ハンターD「なんてガキだ・・・」
ハンターC「殺すな!生捕りにして捕まえるんだ!」
眉無しが仲間達に指示を出すと四方に分かれた、原人が髭に向かって再度体当たりを始める、髭はかわそうとせず長剣を柄のまま抜き原人を吹き飛ばそうした。
が、原人は柄に噛みついた、噛みつかれた剣がギリギリと音を立ててる
ハンターB「どけ!」
小柄が髭に向かって何かを放った、粉塵をもろに食らった原人はのたうちまわった、そこえすかさず残りの二人が網を掛けると小柄素早く網を木に括り付ける
ハンターA「いったい、何を使ったんだ?」
ハンターB「コショウさ、ガキの頃悪さをした時は良く胡椒の倉を掃除させられたもんさ」
ハンターD「しかし、本当だったとはな・・・」
ハンターB「ああ、このガキを捕まえた途端、モンスター達の追撃が収まっている」
ハンターA「しかし、攻性生物まで味方にしてるとはな、どうりでコイツを欲しがるワケだ・・・」
ハンターD「確かにコイツがいれば戦況は一気に変わる戦争屋が欲しがるわけだ」
眉無しが吹き飛ばされた、続けて小柄のハンターが吹きとばされた、髭と巨漢が振り向くと義手を銃に構えたダンが構えていた、出力を最小限に抑えているとはいえ、人間に向けて撃つのは忍びない、残りの二人の背後からビクトルが現れ二人を羽交い締めにした







Re: 幻想戦記〜接触の章〜 ( No.32 )
日時: 2010/02/22 18:04
名前: 黄砂 (ID: fmblAt2h)

全ての装備を剥がされたハンター達はロープできつく縛られた上に、村の中にある今は使われていない小屋に縛られていた、村中の全員が島にやってきた第二の侵入者や彼等の装備品を珍しげに眺めていた
「こりゃ!凄い、こいつさえあれば岩石なんぞあっという間だ」
ボストロール族の男がハンターの持っていたハンマーを片手で振り回す
「こいつは鍋の蓋代わりにいいわい」
ドラゴンニュート族の老婆が盾を見つめながら呟いた
「それより見ろよ、この網、こんだけ頑丈ならベッド代わりなるべ」とギガンテスが傍らのゴブリン族の兄弟に話しかける
「おめーの体重じゃ、3日と持たねーよ!」
違いねー、と仲間のモブリン達とゴブリン族兄弟が大笑いする
村の住民達ははさっきまで森が荒らされていたと言うのに見せ物市でも見るかのようにハンター達の装備を手に取ってみていた、助け出したチビ=原人はというと森ジジイから容態を見てもらうと”薬草でも付けとけば直る!”と言って、自分の庭に生えた薬草を原人にバン!と貼っただけだった、現に原人のキズは1時間も経たずに瘡蓋が出来上がっており、村長宅よりくすねてきた干し肉を片手にダンを物珍しげに見ていた
どうやら先程の騒動の事をすっかり忘れているようだ
ダン(下手をしたら自分達も被害にあっていたというのに、なんて皆呑気なんだ)
ビクトル「村長、この4人どうするんだ?」
村長「暫く倉の中にでも閉じこめておけばよかろう」
ダン「村長さん、ちょっとよろしいですか?」
村長「ダン殿どうしなすったか?、腹でも減られましたかな?」
ドリア「それなら!家の店で食べて言っておくれよ!
この島に客人が来るなんて珍しいからね、皆も食べに来ておくれ!今晩は店のおごりだよ!家の亭主が腕によりを掛けて作るからね!」
女房より一回り小柄なランストーカズ亭主がエッと呻く
村長「よし!では皆!今夜は宴じゃ!」
ダンが何かを訴えようとするが村人達が歓声を挙げ、男達は自宅から机や椅子を持ち寄り、女達は自宅に戻り宴用の料理と準備に取り掛かった
結局ダンの訴えを聞かぬまま、その日の夜はお祭り騒ぎとなり、ゴブリン、ジャイアント、ランドカーズ
カメレオンマン、オーク、レッサーデーモン、ガーゴイル、モブリン、ドラゴンニュートといった魔物達や他の種族の魔物達は持ち寄った楽器を演奏したり踊ったりして楽しんでいた、ハンター達も酔っぱらった獣人達に無理矢理呑まされて酔いつぶれていた、原人も相棒のマンドリルもここぞとばかり運ばれた料理を次々に平らげる、ダンも村長からお酌を黙々と呑んでいた、酔い潰れたギガンテスが椅子事ひっくり帰り、その衝撃で椅子が潰れる
見れば体の大きい種族の魔物達は酔っ払っては家具を壊していっていた
エミリー「ビクトル、また、忙しくなりそうね・・」
ビクトルの傍らにいたエミリーが呟くとビウトルが苦笑いを浮かべる、
夜がふけると解散となり皆それぞれの家へと帰っていく、ダンは村長宅へと泊めてもる事となったが、側で寝ていた凄まじい原人のイビキに目覚めた、外へ出ると満面の星が輝いていた、これも地球では見られない光景だった、インクリーザの謎を解きにこの星に来て歓迎会とは何だか緊張に欠ける気もするが、ふと目をやると森の彼方がぼんやりと光り輝いていたと思うと、直ぐに消えてしまった
村長「ふむ、珍しいの始祖の地が輝くとは」
いつのまにかダンの後ろには村長がいた
ダン「始祖の地?」
村長「我らを生み出した始祖が眠るとされておる遺跡ですじゃ、普段霧が濃くなっとるんじゃが光が現れた時だけ霧が晴れるんじゃ」
ダン「始祖?、それはいったい?」
村長「祖父さんの話ではワシらは元々大陸に住んでおったのじゃが、大異変によって大陸が滅び、行き場を無くした所を勇者様がこの島に導いたと言う事じゃ」
ダン「大異変?」
村長「古の時代、王と破壊神との間に起きた戦いじゃが、詳しいことは判らん・・・」
        *
翌朝・・・村の入り口でたっているビクトル、原人、ダン達を、村長と村人達が見送っていた、始祖の地に興味を持ったダンが出発を求めたのだ、道中の道案内としてビクトルを同行させ、モンスター避けとして原人の同行も許可されていた
ダン「では、行ってきます」
村長「気を付けてな、チビ、ビクトル頼んだぞ」
エミリー「2人とも、気を付けてね」
ビクトルと原人はうなずくと始祖の地へと出発した
村長の心に不安がよぎった、彼の祖父から聞かされていた始祖の地に関するもう一つの良い伝え
”汝、遺跡に近づくな”と

Re: 幻想戦記〜接触の章〜 ( No.33 )
日時: 2010/02/22 22:29
名前: 黄砂 (ID: fmblAt2h)

赤いベスト、赤いヘッドギア、椅子の傍らには剣が置かれている、男は酒を飲んでいた、客は彼一人だけだ
彼の為に用意されたと言っても可笑しくない空間だ、まだ昼だ、酒を飲むには早過ぎるというのもあるが
酒場の主人にとっては、それがよかったのかも知れない、それは壁際に掛けられた一枚の手配書にその男が写っているからだ、10分前に連絡した、もうすぐ帝国軍が現れるだろう、そすれば恩賞金がたんまり手に入る・・・暫くすると荒々しくドアを開けた帝国兵達入って来て、男を取り囲む、直ぐさま主人が隊長らしき人物に近寄る
隊長「連絡をよこしたのは貴様か?」
主人「へ、へい」
隊長が男に近寄る
隊長「ソル=バッドカイだな・・来て貰おうか」
ソル=バッドガイかつて大陸中を騒がせた生体兵器「ギア」を狩る男、素性と経歴は全て謎、ただギアを狩るだけ、『モンスター』や『功性生物』と同じ高い戦闘能力を持つうえ、指揮統率や知性を有するこれらは人類の驚異となっていた、そのギアに対抗する為に各国が成立し作られた組織「聖騎士団」がある、ギア討伐を目的としたこの組織は各国からのエキスパートを集めて作られていた、ソルもかつてその「聖騎士団」の一人だった、だが、ある日を境に彼は組織を離れた、姿を消した、彼の戦闘能力に目を付けた帝国は彼に犯罪歴を擬装し生きたまま、もしくは情報提供者には多額の賞金を用意するとしていた
隊長「おまえの戦闘能力を我が軍は強く買っている」
ソル「・・・・・」
隊長「このまま、荒野を渡り歩き続けるよりもマシだとはおもわんか」
ソルは無言でウィスキーを飲み続けていた
聞いているのか?と副隊長らしき一人がソルの酒を取り上げると放り投げた
ソルが酒瓶を取ろうと面倒臭そうに立ち上がると兵士達に緊張が入り一斉にライフルをソルに向けた、直ぐさま隊長が”よせ”と部下達に銃を下がらせる
隊長「す部下が手荒な事をしてすまない、此処の酒代は俺が持つ、気が向いたらこの場所に来てくれ、決して悪い話しでは無いはずだ」
隊長が紙切れをテーブル前に置くと酒場の主人に金を渡して部下達を引き連れて店を後にした
兵士「よろしいのですか?」
隊長「俺達が奴に銃の引き金を弾いていたら全員命は無い、奴が断ろうと断らないと本国は1個師団を率いてでも奴を捕まえるだろう」
兵士「それ程までして軍はあの男を・・・・ソル=バットガイいったい何者なんですか?」
隊長「ソル=バットガイ、かつて聖騎士団の団員であり俺の隊長でもあった男だ」
兵士「隊長の?しかし・・奴はどう見ても」
隊長「当時俺は新米だったんで、あの人は覚えてはいないだろうがな、しかし・・・噂は当たりのようだな」
       *
一人の娼婦が乳母車を優しく揺らしていた乳母車には布袋に包まれた生後3ヶ月位の赤ん坊が眠っていた、ある日一人の客が少しの間だけ預かってくれと無理矢理よこしたものだ、わけも判らず赤ん坊を預かって2週間になる、彼女にはかつて息子と夫がいたのだが息子は生まれて直ぐに病気で死に夫は戦争に駆り出たきりだ、失意の中酒に溺れ、売春婦に身を落としていた
彼女の時間の中では預けられた赤ん坊の世話をする事だけが至福の時間だった・・・、その時間を打ち破るかのように家のドアをノックも無しにソルが入る
乳母車を押していた娼婦が振り向く
娼婦「ドア位静かに開けられないのかい!、赤ん坊が起きちまうじゃないか!」
女がソルに歯を向くが、気にせずソルは乳母車に近づくと赤ん坊を袋事抱きかかえて家を後にした
娼婦「ちょっと!何処へ行くつもりだい!」
ソル「世話になったな、用が出来たんでちょいと出掛けてくらァ」
娼婦の側に金が投げ込まれた
ソル「養育費だ・・・」
外へ出ると先程の娼婦がソルの前に立ち塞がる
娼婦「待ちな!金なんかいらないよ!、行くならその子を置いていきな!、あんたみたいな血の匂いのする男なんかにゃ渡せないよ!」
歯を向いてソルに金を突き返した
ソル「オメーにゃ子育ては無理だ、どきな」
無視して突き進むと娼婦は声を張り上げた
娼婦「誰か!!!人さらいだ!うちの子を取り返しておくれ!!」
声が街中に響き渡ると、騒ぎを聞きつけた何人かの男達が娼婦の元へ近づいた
男「どうした?」
娼婦「あの男を捕まえて!私の子をさらっていったの?」
男達がソルを取り囲む
男「何者かは知らんが、その子を返してもらおうか」
ソルが鞘事剣を抜くとそいつを張倒した、男が血を吹き出して鼻を押さえ藻掻き苦しんでいた
ソルの気迫に押されたのか男達がソルの前に道を開ける、ソルに抱きかかえられていた赤ん坊はその光景を楽しむかのように無邪気な笑みを浮かべていた
娼婦「坊や・・・・」
赤ん坊を抱きながら街を去るソルの背中を呆然と見ながら彼女は呟いた





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