二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 銀魂 【江戸炎上編】
- 日時: 2010/11/02 23:10
- 名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: ObYAgmLo)
初めまして灰色の空です
つい最近久しぶりに銀魂を見て銀魂の小説書いてみたいなって思いました
初心者でしかも記憶があいまいな所もあって間違いが生じるかもしれませんので、おかしな所を見つけたら教えてやって下さい
注意!
グロイ描写あります
パクリとかでます
銀魂の小説です
ギャグ下手です
宜しくお願いします!
***
プロローグ ≫No.2
第1章 万事屋
≫No.3
≫No.4
≫No.9
≫No.31
第2章 「灰雷」
≫ No.34
≫ No.37
≫ No.38
≫ No.39
≫ No.46
≫ No.47
≫ No.48
≫ No.50
≫ No.52
≫ No.53
第3章 神楽
≫ No.54
≫ No.56
≫ No.57
≫ No.58
≫ No.59
≫ No.60
≫ No.61
***
第1訓【冷蔵庫の中身はちゃんと確認すること】
≫ No.65
第2訓【母と子の絆の間に幽霊も人間もクソもねェ!前編】
≫ No.66
第3訓【母と子の絆の間に幽霊も人間もクソもねェ!中編】
≫ No.67
第4訓【母と子の絆の間に幽霊も人間もクソもねェ!後編】
≫ No.68
【銀時編】
第5訓【夜に町歩く描写は何かある前触れ】
≫ No.69
第6訓【地図は下手くそが描くとアートに見える】
≫ No.70
第7訓【一度言ったらやりぬき通せ!】
≫ No.71
第8訓【ピンチに駆けつけてくれる友を持て!】
≫ No.72
第9訓【助けてもらったらお礼を言いましょう】
≫ No.73
第10訓【背中の大きい大人になれ!】
≫ No.74
第11訓【苦しみを分かち合えるのが親友、家族】
≫ No.77
第12訓【オレは気にせず先へ行けって死亡フラグ?】
≫ No.78
第13訓【諦めたら全部終了】
≫ No.81
第14訓【敵はパワーアップするとたまにわけのわからない生物になることも】
≫ No.82
第15訓【傘は雨を防ぐために使いましょう】
≫ No.83
第16訓【常に相手の二手三手先を行く】
≫ No.84
第17訓【人は見かけによらない】
≫ No.85
第18訓【人は誰でもかけがえのない宝を持ってる】前編
≫ No.86
第19訓【人は誰でもかけがえのない宝を持ってる】後編
≫ No.87
***
第20訓【記憶障害で都合の悪い記憶だけ消しておきたい】
≫ No.90
第21訓【ペットは飼い主の心を癒す】
≫ No.92
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- Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.1 )
- 日時: 2010/11/14 20:25
- 名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: .aSTFw3a)
- 参照:
主な登場キャラクター
銀さんこと
「坂田銀時」
年 28歳(実際は非公開だそうです)
身長 177センチ
髪の色 白銀
眼の色 藍色
万事屋銀ちゃんという何でも屋を営んでいる。普段は何事にも無気力でダラダラとしている。極度の甘党で甘いものを食べないとイライラすると言う。ジャンプは毎週買っている。昔は白夜叉と呼ばれていた伝説の侍だった。
寺門通親衛隊隊長
「志村新八」
年 16歳
身長 166センチ
髪の色 黒
眼の色 茶色
侍魂を学ぼうと銀時の元で働くメガネの少年。純粋で優しい心の持ち主。ツッコミ担当。実家が剣道場で刀の腕もなかなか高い。
怪力少女
「神楽」
年 15歳
身長 155センチ
髪の色 オレンジ
眼の色 青
夜兎一族の生き残り。可愛い動物の面倒をみる事を好む。生き物を殺めることに嫌悪感を持ち、敵に襲われた場合でも、その相手を殺さないように加減して戦っている。日除けの傘を持ち歩いている。
春雨の雷槍
「神威」
年 不明
身長 170センチ
髪の色 オレンジ
眼の色 青
神楽の実の兄。アホ毛があり、小刻みに震えることもある。普段は飄々としているが、その本性は闘争本能と殺意の塊ともいえる。常に笑顔が絶えないが、笑顔が絶えないのは喜びでも侮蔑でもなく、殺す相手を「笑顔で見送る」ため。神楽と同じく、日傘を持っている。
オリジナル
「灰雷」(らい)
年 15歳
身長 160㎝
髪の色 灰
眼の色 赤
家族を失い、捨て子だったところを神楽、神威に助けてもらっていた。神威の事は親しみも込めて神威兄と呼んでいる。神楽と同じく人を殺めるのは好みではないが、戦闘力は神威も納得するほど。
>>No.28 イラスト記載
かぶき町四天王の一人
「お登勢」
本名は寺田綾乃と言う。かぶき町四天王の一人でもあり、周囲からは「女帝お登勢」という異名を持つ。
真選組鬼の副長
「土方十四郎」
鬼の副長の異名を持つ真選組のナンバー2。ヘビースモーカーで戦闘中であってもタバコをくわえている。たまに沖田に命を狙われたりもする。
真選組一番隊隊長
「沖田総悟」
副長の座(土方の命)を狙う真選組一番隊隊長。幼そうな顔立ちをしているが腹黒く、毒舌でドSである。土方から「サディスティック星から来た王子」と呼ばれていたこともある。しかし、剣の腕は確かなもので土方をも上回ると言われている。
狂乱の貴公子
「桂小太郎」
銀時含む昔馴染みの面々から「ヅラ」呼ばれている。その度に「ヅラじゃない、桂だ」と返すのが定番の形。また、ヅラ以外の名称で呼んでも同じように返してくる。神楽の事をリーダーと呼んだりもする。
謎の宇宙生物
「エリザベス」
ペンギンのような容姿をしている。文字の読み書きなどを桂に教わっていて、桂にはほぼ忠実。普段はプラカードに書かれた文章で意思を伝えるが、桂のいない時は普通に喋っているらしい。何故か口からキャノン砲を出したりドリルが突き出たりと謎の多すぎる生物。しかし、以前レントゲンを撮った時に何かおっさんのようなシルエットが見えたらしい。
春雨第7師団副長
「阿伏兎」
夜兎族の生き残り。数少なくなってしまった同族同士の戦いを嫌っている。以前神威とその師匠、鳳仙との戦いの間に立ったさい、左腕を失くしている。
復讐の鬼兵隊
「高杉晋助」
銀時と桂の二人とは幼馴染で、師であった吉田松陽の寺小屋で共に学問、剣術を共に学んでいた。祭りが大好きで破壊活動も派手な物を好む。
師匠、吉田松陽を奪ったこの世界への憎しみが渦巻いている。
紅い弾丸
「来島また子」
鬼兵隊の紅一点。高杉に思いを寄せているようだが、その恋が実るのかどうかは予想もつかない。
勘が鋭く、嫌な予感というのがよく当たるらしい。
人斬り万斉
「河上万斉」
サングラス、ヘッドホンと言う随分現代風な見た目だが、語尾に「ござる」をつけたり、一人称は「拙者」だったりと、古風な喋り方をする。背中に背負っている三味線には刀が隠されている。
変人謀略家
「武市変平太」
どんな時でも目を見開いた表情を崩さないポーカーフェイスが特徴。また子からはロリコン扱いされているが本人いわくフェミニストらしい。
だが実際は……
【神楽編 登場キャラクター】
オリジナル2
「亞途無」(あとむ)
最強の天人と謳われる鬼のような容姿をした天人。だが実際は彼よりも強い天人はいるとかなんとか……。だが、彼の強さは確かなもので灰雷も命を落としかけた。
オリジナル3
「黒兵江」
闇市を立ち上げた張本人。数多の強者を雇ってはまたそれより強いものを雇い、数多の侵入者、解雇人を排除してきた。灰雷の企みに気づき、亞途無を雇い、殺そうとする。
【銀時編 登場キャラクター】
元天才カラクリ職人
「工介」
人助けのためにカラクリを作り続けていた老人。働く事の出来なくなった彼のかわりに、息子が働きに出ていた。
長年カラクリをいじっていなかったとは言え、その腕は落ちていない。
天才カラクリ職人
「大造」
裏の世界でカラクリ兵器を売って金にしている男。体をカラクリに改造しているため、年齢は40代以降から進んでいない。
その体を手に入れるために何人もの人間を実験体にした。
感情無い侍人形
「長髪のカラクリ」
青白い髪のカラクリ。冷たいその笑みからは何も感じ取れない。だが、攻撃を受けたり傷を負ったりすると顔をゆがめたりもするため、完全に感情がないわけではない。
体中に武器を仕込んでいる。
感情無い鋼人形
「巨体のカラクリ」
常人より数倍背の高い大男。体は厚い鋼鉄で覆われている。頭部は繊細な機器が詰まっているため、下手に鋼鉄仕様にはできなかったため、案外脆い。とは言って御常人では破ることはできない強度。
長髪のカラクリほど豊富な武器はないが、強靭な拳を持つ。
〜頂いたオリキャラ〜
花魅華さんのオリキャラ
赤木 秦
性別【女】
歳【20歳】
髪、目、肌の色【黒・赤・白】
特徴【表向きは真選組で働いているが、裏では鬼兵隊とつながっている。ツンツンでデレが少しもない。
銀時いわく「ツンデレだったらいいのに…」とのこと。怒ると口調が変わる】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【高杉命!!】
サンプルボイス
「真選組など足元にも及ばないですよ」
「私に命令するんじゃない」
「銀さん…触らないでくれませんか」
「晋助様の役に立てるならそれでいいのよ」
「あ?てめぇ今なんつった あん?言えや」
ヴィオラさんのオリキャラ
風月 春(ふうげつ はる)
性別【♀】
歳【18歳】
髪、目、肌の色【栗色(セミロング)・黒に濁っている黄色・ちょっと白い肌色】
特徴【普段は皆に優しくてマイペースなのでぼのぼのしているイメージがあるが・・・過去のあの戦の頃から銀時たちと関わっているのだが何故かサディスト発言とかすることもある、年下の可愛い子には抱きついたり弄ったりすることもある。
そんな性格でほとんどマシに『友達』と呼べる人がいないので何故か万事屋に住むことになった。
子供っぽいところもあって意外と残酷なのかもしれないという不思議ちゃん】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【みんな大好きですが・・・特に土方大好きです!キャラクター性として凄くいいです^^】
サンプルボイス
「私は風月 春です、特技は束縛と・・・爆破です」
「じゃあ土方君が爆破すればいいんだ!(何だコレ・・・」
「神楽ちゃん・・・私、酢昆布ダメなんだ・・・」
「叩かれる側と叩く側・・・だよね^^」
アオイさんのオリキャラ
【アスカ】
性別【女】
歳【16歳】
髪、目、肌の色【黒色・赤紫色・普通の肌色】
特徴【天人で夜兎族と並ぶ戦闘能力を持ち、特に剣術を得意とする「月夜族」の1人。誇り高く無駄な戦いを嫌う一族で、戦闘を好み同族同士で殺しあいもあった夜兎を嫌っている。外見は地球人と変わらない。
クールで真面目な性格で、大人びてて落ち着いた雰囲気をしている。暴力、暴言、礼義知らずな人を嫌う。地球の甘い物が好物】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【新八、桂、灰雷】
サンボイ
「私はアスカ、よろしく」
「礼義の勉強をしたらどう?」
「新八、灰雷、団子買ったけど食べない?(銀さんと神楽スルー)。
仕方ないな・・・銀さん、神楽、うるさいと近所迷惑だから食べさせてやりますよ(結局2人にもあげる)」
空梨逢さんのオリキャラ
【夢幻/ムゲン】
性別【♀】
歳【18歳】
髪、目、肌の色【虹色・虹色・真っ白(髪と瞳の色は感情によって変わります。怒っている時は赤、悲しい時は青とか)】
性格【大人しめで優しい、穏やかな子。辛い過去から、話し方が年齢の割にたどたどしい。一番懐いてるのは桂、親友は神楽。仲間が傷つけられるのを見ると別人の様に冷酷になって暴走する】
特徴【鋼の身体の種族・玄武族、類い稀な美貌・朱雀族、凄い戦闘能力・青龍族、強い治癒能力・白虎族の血を引く。父が春雨に殺され、母は衰弱し春雨に売り飛ばされた。が、必死で逃げて桂に拾われる。母を護りきれなかった自分、自分を売り飛ばし父を死なせた天人を憎む(つまり自分も憎んでいる)。一見、最強だが情に流されやすいため弱点は多いとか】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【灰雷!】
みんと水飴さんのオリキャラ
【炎煉 えんれん】
性別【男】
歳【16歳】
髪、目、肌の色【緋色・緋色・白色】
特徴【ドジで天然。キャラ的位置はツッコミ。騙され易いタイプ。魚介類が駄目
職業は春雨で、阿伏兎と共に神威の傍らにつく。戦闘より頭脳派】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【神威・灰雷】
サンボイ
「俺は炎煉って言いますっ」
「なあ、阿伏兎。今日俺エビの大群に追われる夢を見た……。めちゃくちゃ怖かったんだ!
……って、阿伏兎さァァァァアん!? 俺の話訊いてる!? あ、ちょっと何処行くの!? ねぇ!!」
「神威に“御菓子くれなきゃ魚口に押し込むぞ”って言われて、俺のおやつ盗られたあああああ!!」
「え、魚? ハハ、君一回死んだ方が良いんじゃないですか?」
月兎さんのオリキャラ
【月光 鵺/ゲッコウ ヌエ】
性別【男】
歳【銀時や高杉達の2つ下】
容姿(髪、目、肌の色中に入れておきます)
【黒髪で毛先が少し赤みを帯びている。
右目は前髪で隠れていて右が赤、左が黒のオッドアイ。
肌はかなりの色白だが包帯を巻いている為顔以外は見せない。
着物は黒で金色と銀色に光る羽がちりばめられている。
帯が蒼、黒のロングコートを上から羽織っている。靴は黒のブーツ。】
性格(特徴)【敬語と標準語が混ざった独特の喋り方をしていて、冷静沈着に見えるが優しく心の広い性格。
それでも笑う事はほとんどないがボケ体質でいじられることもしばしば。】
その他【攘夷戦争中に高杉の率いていた義勇軍の鬼兵隊の一人であり今もなお復活した鬼兵隊にいる。
行動派で武闘派、刀の扱いに長けており信頼も厚い。
天人に妹を殺されてから、憎しみを抱き攘夷戦争に参加した。
今でもその憎しみは消えてはいないが、隠している。
そのためか女に弱いところがあるがいざとなれば関係ない。
身体に悪いものが嫌い、煙草やら酒やら…】
一人称/二人称(敬語時)【自分/貴方達】
一人称/二人称(標準時)【俺/お前達】
サンプルボイス【自分は月光 鵺です。何か用事?】
【晋助、そろそろ出発しませんか。】
【悪いんですけど、殺っちゃってもいいかな?】
【はい?何それ、えっと、ピーでピーなピーのことかな?】
【晋助、吸うのやめたら?胃に悪いですよ、お、俺はいいです!】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【灰雷・晋助・神威・銀時】
リリさんのオリキャラ
【桜良 未璃 (さくら みり)】
性別【女】
歳【16 歳】
髪、目、肌の色【茶色・ 黒色・ 白色】
特徴【真選組に入りたがっているが軽くあしらわれた。その後もしつこく入ろうとしているが、断り続けられている。土方が嫌い。沖田がお気に入り。夜兎族だけど関西人。銀さんとおなじく甘党で、銀さんと仲がいい。地味は嫌い。天然。ツッコミとボケ両方担当。武器はかさと愛刀「桜舞」。かなり強くて、実力は不明。身長が148cmと低くて、それがコンプレックス。万事屋に居候。服はいつもカジュアル系で、結構顔もかわいい。性格はS。でも優しくて、前向き。いざというときや、銀時たちがピンチのときには、必ず助けに行く。たまに一人で泣いていることがある。
】
作者さんの銀魂で好きなキャラクター【灰雷!・総悟!・高杉ィ!】
サンボイ
「あたしは桜良 未璃や!よろしくな!」
「あたしの未璃はミリメートルのミリちゃうぞコラ!!」
「土方のドアホ!おまえなんか死ねばええんや!沖田ァ、こいつ殺して!」
「銀時〜、あたし今金持っとらんねん・・・・・。あ、ポケットに小銭はいっとった♪」
皆さん御協力ありがとうございました!
新キャラとかがでたらまた更新します
- Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/22 17:30
- 名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: pzCc2yto)
プロローグ
雨が降り続ける。傘をさした少女は狭い路地をただ走り続ける。足の止まったその先に、灰色の髪の少年は座っていた。
「はい、これあげるアル」
幼い少女は手に持っていたパンを少年に差し出す。少年はそれを受け取り、夢中になって食べる。
「ありがとネ……いつもいつも」
パンを食べ終わった少年が二コリと笑顔を見せる。服もボロボロで痩せてしまった少年にその少女はいつも食料をあげていた。そしてこの先も、少年の行く先が見つかるまでずっとそうするつもりでいる。
そんなある日。いつものように少年に食べ物を渡し、喋っていた時だった。
「へえ、神楽、こんなところでいつもこんなことしてたの?」
その声に神楽と呼ばれた少女は振り返る。そこには神楽の兄、神威の姿があった。
***
「なんだ、そう言うことなら言ってくれれば力にもなったのに」
神威は事情を話した神楽からニコニコとした顔を少年へと向ける。少年は少し怯えたような表情で神威を見ている。
「オレが話つけておいてあげるよ」
「ほ、ホントアルか!?」
「ああ、本当本当」
神楽は明るい表情で表情の変わらない神威を見る。
「名前、なんて言うの?」
神威の質問におどおどとしながらも少年は答える。
「……ら……灰雷」
- Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.3 )
- 日時: 2010/09/01 18:04
- 名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: Sieha6Mw)
第1章 万事屋
「んで? それがオマエの初恋の相手ってわけ?」
白銀の天然パーマの侍がソファにだらしなく座り、眉と眼の間隔の長い——死んだ魚のような——眼で眼の前のソファに座るセミロングの髪を両サイドで纏めてぼんぼりで団子状にしているチャイナ服のような服の少女の話を聞いている。
「その通りアル!」
ぼんぼりの少女の名は神楽。死んだ魚のような目の侍は坂田銀時。そしてもう一人、神楽の隣に座って話を聞いている気弱そうなメガネの少年、志村新八。彼ら3人はかぶき町で万事屋を営んでいた。
「それにしても、神楽ちゃんにも初恋があったなんてね」
「悪いかこのメガネ」
新八がそう言うと神楽が相変わらずの辛辣な言葉を発する。
「そう言うところがあるからそう思うの!」
「もう一回言ってみろへタレメガネ!!」
「あ〜うるさいうるさい。 メガネでもへタレでも何でもいいから喧嘩は止めようか」
そう言って睨みあう二人の間に銀時は割って入る。そっぽを向いてしまった二人にを見て銀時はため息を一つ付いた。
「まったく、近頃の若者は糖分足りてないんじゃない? オレなんていつも苺牛乳飲んでるから全然キレな……」
その時、突然玄関の扉が開き、聞きなれたどなり声が耳に入ってくる。下の階のスナックの主、お登勢だ。
「おいこの死んだ魚みたいな眼の天然パーマ野郎!! いつになったら家賃払ってくれるってんだい!? 今日と言う今日は許さないよ!!」
「だあれが死んだ魚みたいな眼の天然パーマ野郎だって?」
玄関から銀時とお登勢の怒鳴り声が響いてくる。
「さっき全然キレないとかいいかけた癖に。 これだから大人は……」
神楽はやれやれと言ったように首を振る。
万事屋にもたまには依頼は来る。だが銀時の仕事の達成率は極めて低い。こんな事では一生家賃なんて払えないんじゃないかと新八は考えていた。
「私、ちょっと散歩行ってくるアル」
そう言った神楽は立てかけてあった傘を手に取り、愛犬である定春を連れて言い争っている銀時、お登勢の前を通って外へ出て行った。
***
神楽は夜兎族と呼ばれる一族の生き残りで、太陽が苦手。屋内や日が弱い時以外はほとんど愛用の傘——仕込み傘——をさして歩いている。
そして今も傘をさし、愛犬と共にかぶき町を歩いていた。そんな時、ある路地裏の方にふと目が止まった。そこには傘を地面に突き立てて地面に座っている男の姿があった。顔は傘があって見えない。しかし、段ボールのような物で作られた看板に赤い文字で「万事屋」と書かれていた。気がついた時には神楽はその青年の前に立っていた。青年は頭から眼元まで包帯を巻きつけていた。ところどころある包帯の隙間から灰色の髪の毛が飛び出ている。
「ここ、万事屋アルか?」
「そうだよ、ここは万事屋。 何でもやるよ」
声は少年のようなまだ幼さの残ったような声だった。また、よく見ると身長的にも神楽とはそこまで年齢は離れていないだろう。といっても新八よりは年下だと神楽は思った。
「依頼引き受けてもらっていいアルか?」
「もちろん」
「銀ちゃんの所の万事屋が儲からないからここの依頼をわけて欲しいアル」
唐突すぎる質問に青年も戸惑ったのか、少しの間黙り込む。
「万事屋って、ここ以外にもあるの?」
「あっちの方にあるアル」
神楽が指をさす方には確かに万事屋があるが、男には見えていたのか分からない。青年はそのまま続ける。
「そこ以外には?」
「ないアル。 多分」
それを聞いて男は神楽に微笑んで言った。
「だったら大丈夫。 絶対に大きな依頼が入ってくるから安心しなよ。 ね、神楽ちゃんさ」
そう言った男はその場で立ち上がり、さっさと道具を片付け、暗い路地の方に消えていった。その路地を神楽はボウっとして見つめていた。数秒たったあと、神楽は青年に自分の名を知られていたことに気がついた。
「何で私の名前知ってたアル……?
あ、私、きっとこの世間で大分有名になったアルね!?」
勝手な解釈をして神楽は町の通りをスキップで抜けて行くのだった。
- Re: 銀魂【灰色ノ恋】 ( No.4 )
- 日時: 2010/09/01 18:11
- 名前: 灰色の空 ◆zbc0mftbJU (ID: Sieha6Mw)
「ったくあの妖怪ババアめ!」
銀時は不機嫌そうにソファに座りこむ。何とかお登勢は帰ってくれたものの、このままじゃ本当にいつか追い出されかねない。銀時のだらしない姿を見た新八はそう思いながら茶をすする。この茶もいつ飲めなくなるか分からない。そもそも万事屋が無くなって一番困るのは神楽だろうと新八は考える。新八には帰る場所もあるが、神楽の帰られる場所はここにはない。銀時は果たしてそんなことも考えてこのようなダラダラとした生活を送っているのだろうか。静寂に包みこまれた部屋の中に、神楽の声が響いてくる。
「ただいま帰ったアル!」
「あ、銀さん、神楽ちゃん帰ってきましたよ」
「んあ? 随分とご機嫌じゃないの。 なんかあった?」
元気ルンルンで帰ってきた神楽を見て銀時が訊ねる。
「フフフ、ついに私の時代が来たある」
「はあ?」
「次の人気ランキング1位は貰ったアルよ!」
声を出して笑う神楽を見て銀時と新八の眼が点になる。
(おい新八。 アイツ何か悪いもん食ったか?)
(いや、そんなはずはないんですけど……)
「見てるアル! 今に依頼がくるアル!」
神楽がむねを張ってそう言った時、部屋中にチャイム音が鳴り渡る。ドアを開けてみるとそこには依頼人の波が押し寄せていた。それを見た銀時と新八は絶叫した。
「えーー!?」
***
人に知られていない日の光の入らない路地裏。そこには裏のかぶき町が広がっていた。そこでは非常識な行為、売買、仕事、がいたって普通に行われていた。しかし、今日はいつもとは違う。いつもは悪人達の賑わう闇の市場だが、今日はどこにも店を広げていない。
奇妙な静けさが包み込む中、包帯を巻いた青年は一人佇んでいた。そこに、10人程の侍達が駆けこんでくる。しかし、普通の侍ではない。全員黒に黄色いラインの入った制服を着た男ばかり。彼らは真選組と呼ばれる武装警察だ。
「子供? こんなところで何をしているんだい? ここは子供の来るような所じゃないよ」
一人の男が優しい声をかける。すると青年は逆に訊ねる。
「君達が真選組?」
「いかにも。 私達は特殊警察隊、真選組」
男の言葉に青年はニヤリと不気味な笑みを浮かべる。そして、頭に巻かれている包帯をほどいていく。包帯の中からは灰色をした癖毛の髪、紅い目。その目で見つめられた男達は背筋が凍るような錯覚を感じた。
「じゃあ、サヨナラ」
***
「あー……疲れた……」
気力を失ったように銀時が声を出す。結局依頼は全て保留。疲れ切った銀時、新八だったが、ただ一人、神楽だけは元気に依頼の書かれた紙に目を通していた。
「何でお前だけ元気なのよー?」
「ここに来て人気を落とすわけにはいかないアル! 頑張ってる姿をみんなに見せて人気を更にあげるアルよ!」
「お前なぁ……。 人気だけが世界の全てじゃないんだよ? 世界にはね、人気はなくてもでっかい心を持ってる奴もいる。 オレにとっちゃ人気だけが高い奴より、そう言う……なんつーか……心の優しいー人の方が好きなんだけどな」
「銀さん、たまには良いこと言いますね」
「ま、まあたまには仕事でもするか。 さ! 今から簡単そうな依頼探して済ませちまおう!」
(なんか急に頑張って仕事しようとしてる!!)
新八が銀時に冷たい視線を送っている時だった、またもや家中にチャイムが鳴り渡る。それを聞いた銀時と神楽は「はいはーい!」と言いながらダッシュで玄関まで向かう。嫌な予感のした新八は急いでその後を追う。
予想通り、そこでは神楽と銀時がどちらが客を部屋に案内をするかでもめていた。
「銀ちゃん! 人気が欲しいからってこんなことしたって無駄アルよ! おとなしくいつものようにソファの上で寝そべってるアル!」
「なあに言ってんだ! 人気が欲しいのはテメエの方だろうが!」
どちらも退かず、にらみ合っている。これはダメだと思った新八は二人を無視し、玄関の戸をあける。それと同時に銀時と神楽が新八の胸倉をつかみ、怒鳴り散らす。
「テメエ! なに勝手に戸開けてやがる!!」
「私の仕事とりやがって!!」
「何やってんだよ、テメエらは」
何となく聞き覚えのある声に銀時達3人は客人の顔を見る。そこには短めに切った無造作な髪型で、煙草を一本加えた真選組副長、土方十四郎の姿があった。
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