二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- Knight of Cygnus
- 日時: 2011/10/02 05:43
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
シグナス騎士団の五人を主人公に、メイプルワールドとマガティア、アリアント、オルビス、エレヴ、ルディブルミアなどの各ワールドを中心とした話
主人公やピヨ族などが分りにくい場合、HPを見てください(シグナス騎士団と打てばでます)
とりあえず、1スレずつ各団長目線で話は進んでます。
★この話はメイプル公式サイトで投下した物です。
向こうは事情により投稿できなくなってしまったの でこちらで書いています。
公式のほうでは題名が『団長が団長になる前の話1 〜10話』
途中までですけど。
☆とりあえずパロディーです。アンソロかな?
*シグナスやナインハート等、その他脇役視点になる
こともあります。
- Re: Knight of Cygnus ( No.19 )
- 日時: 2011/07/15 19:42
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
19
「いい?この青い印をたどっていくんだよ?」
イリーナが地図に青い印を付けてくれた。
自信ないなぁ。
また道に迷いそうだ。
「本当に平気?」
こうきかれたら、大丈夫としか言いようがない。
「平気平気。コレたどればいいんだろ?楽勝だよ」
楽勝とはいったものの・・・ホントへいきかなぁ。
ホークアイは心の中でため息をついた。
「・・・じゃぁ、私はもういくから。迷わないようにね」
イリーナがいってしまうと、ホークアイは頭をかいた。
これどっちが北なんだろう?
海図なら分るんだけど、こういう陸地はどうも苦手だ。
「とりあえず・・・こっちだよな・・・」
ホークアイは歩き出した。
10分くらい暑い日ざしの中を歩き続けると、やっと建物が見えてきた。
「おぉ!間違えてなかったらしいな!」
意気揚々と戸口の横に開いた穴から、りんごや飲み物、肉や野菜を滑り込ませる。
よそ者を信用しないアリアント人はこの管を通じて食料を運んでもらう。
(こんなへんなつくりをしなくてもいいんじゃないか?)
そう思いながらも、決まった数の食べ物を管に滑り込ませ、次の家にすすむ。
(あとは崖下の家か)
崖下をのぞくと、ほぼ垂直の斜面の下に岩の家がある。
(こんなところに家なんか作るなよな!)
ポシェットの中のロープをサボテンにくくりつけ、するするとしたに下ると家のドアに真っ赤なバッテンがついていた。
頭の中にナイフの人の声がこだまする。
『バッテン印の家は、近づくな。赤サソリ団という腐った盗人の家だから』
でも、食べ物は余ってるし・・・この食べ物は何なんだろう?
「何かようかい」
家の中から声がした。
ぎぃっとドアが開く。
「えぇっと。おまえ赤サソリ団?だよな?」
単刀直入に言うホークアイに、中から出てきた男は目を丸くした。
「いやいや、私は旅人でね。アリアントに着たんだが村人はしゃべってもくれない冷たい奴ばかり。家に止めてくれるはずもないから、この空き家に住んでいるんだよ」
やつれた男は3日ほど前から滞在しているようだった。
「調度あまってるんだ。食う?」
ホークアイがあまった食べ物を掲げると男は笑った。
「あんたも、アリアント人じゃないね。こんな親切な人はこの村の人じゃない」
(きっとナイフの人はこの男がいることを知っていたんだろうな。それでこの人のブンを俺に持たせたんだろうな)
配達がすべて終わったので、ホークアイはこの男の空き家で少し休んでいた。
「ところでさぁ。何でこんなところにいんの?」
ホークアイがいすにもたれて言う。
男が不思議そうにこっちを見た。
「知らないのかい?ここはリチウムという宝石がたくさん取れるんだ。それを探しに着てね。まぁ、そういう理由からもこの国の人には嫌われていてね」
男は立ち上がって麻布を採ってきてテーブルに置いた。
そして麻布から丁寧に両手を添えて中から紫色の輝く美しい宝石を取り出した。
「これがリチウムだ。どうだ、美しいだろう?」
男はホークアイにリチウムを渡した。
へぇ、と彼がリチウムを眺め回していると
「この国の女王は、このリチウムが大好きなんだよ。それでいつも町の人にリチウムを納めさせている。リチウムはとても珍しくてね。だから血眼になってみんなリチウムを探しているのさ。リチウムを女王に渡さないと人をさらっていくんだ。一人ずつね」
ホークアイはリチウムを返しながら顔をしかめた。
「集めて何に使うんだよ?」
「宮殿に飾るのさ。とてつもない数だよ。目がくらむ」
- Re: Knight of Cygnus ( No.20 )
- 日時: 2011/07/31 05:18
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
「ふ〜ん。じゃぁさ、王宮にはリチウムがたくさんあるんだよな?」
そういうことだ、と男が言う。
しばらく男と会話してからホークアイは家を去った。
「またな!また時間があったらくるからさ」
「あんたみたいな親切な人なら歓迎するよ」
ホークアイは男に別れを告げて、垂直な崖をロープを伝ってよじ登る。
(あのおっさん、よくロープとかないのに上り下りできるよな)
アリアント村のナイフの人の家に集合だったので、ホークアイは戸を開けて中に入った。
「ん、あ お帰りー」
「お帰りなさい」
オズとイリーナがナイフの人やシリンといた。
「ただいま・・・あれ?ミハエルとイカルトは?」
ホークアイが聞くと、踊り子のシリンがハンモックを指差していった。
「あの黒い子なら、熱射病で死んでるよ」
ハンモックを見ると、イカルトがぶら下がっていて大事な仮面を団扇代わりにしている。
「じゃぁ、ミハエルはまだなのか・・・」
そのころ、ミハエルはというと、オアシスで感動していた。
エレヴのような柔らかい日差しの中では発生しない薬草を見つけたのだ。
「これはお父さんにけっこう前に教えてもらった薬草じゃないか!」
「天日干しにすると香辛料になる・・・」
料理好きな彼には見逃せない薬草であった。
それを小さい小瓶にせっせと入れて集めているうちに配達がおわってから一時間半が経過してしまったのだ。
「香辛料もたくさん取れたし、そろそろ帰ろう」
- Re: Knight of Cygnus ( No.21 )
- 日時: 2011/07/31 05:39
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
「その・・・まことに申し訳ない・・・」
ミハエルが帰ってきたのは夕方、薄暗くなってからのことだった。
「キメラに襲われたらどうするつもりだったのだ!」
ナイフの人がまるでお母さんのようにしかる。
「つい、感動してしまって・・・」
「なににだ」
「エレヴでは見ることのできない薬草に感動していました」
ナイフの人は唖然としていたが、咳払いをしてキメラの恐ろしさについて語った。
その後、薬草は没収されミハエルは撃沈したという。
「第三の試験だ!」
次の日、ナイフの人が五人に言う。
「少しばかり、危険だ」
危険問い言葉に身が引き締まる。
「昨日のように、熱射病で倒れたり、薬草を拾ったり、どこぞで寄り道をするという行為はしないこと。もう一度言うがこれはとても危険な試験だからな」
すこし、から、とてもに言葉が変わりミハエルは昨日のようなことは絶対にしないと心に決めた。
「大きな声では言えないのだが・・・。王宮に忍び込んで指輪を盗ってきて欲しい」
- Re: Knight of Cygnus ( No.22 )
- 日時: 2011/08/12 16:59
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
「何のために盗むんだ?」
すかさずイカルトが言った。
少しためらいがちに、ナイフの人はポケットから真新しい写真を取り出した。
「今は言わないでおこう・・・。この指輪を何も言わずに盗んできて欲しい。言っておくが、命に危険がある場合はすぐに戻ってくるのだぞ」
指輪を盗む目的がよく分らず、もどかしい思いで一向は写真を食い入るように見つめた。
銀色の指輪に赤い宝石が三つだけついている、お世辞にも豪華とは言いがたい代物だった。
「・・・これに命をかける意味あんのかよ?」
ホークアイが不満足気に言う。
たしかにこんなもの一つだけに、命なんかかけたくない。
しかし、ナイフの人はしきりに頼み込んだ。
「この指輪を取ってきてくれ。たのむ・・・」
能天気な踊り子のシリンも、不安げにこちらを見ている。
(これは、何か隠しているな・・・)
イカルトは直感したものの、引き受けることにした。
一向は夜に忍び込むことにした。
出発前に、ナイフの人と一緒に身なりをチェックする。
「鎧は脱げ、ミハエル。音でばれてしまうじゃない」
「いや でも しかし・・・」
「私達も帽子置いていこっか・・・」
イカルトとイリーナはほぼそのまんまで、オズとホークアイは帽子を、ミハエルは鎧をおいていくことにした。
「剣は・・・剣はだめですか・・・?」
鎧の下に着ていた黒い服装姿のミハエルは剣を両手に抱えて頼んでみた。
その結果、剣は落とさないという条件の元もっていけることになった。
「では、暗いから案内しよう。まぁ・・城の抜け穴までしか案内できないけど・・・」
- Re: Knight of Cygnus ( No.23 )
- 日時: 2011/08/25 16:26
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
アリアントの中心部、オアシスの真上に作られた宮殿に向かうため、一向はナイフの人につれられて家を出た。
「気をつけてね・・・」
能天気な踊り子のシリンが、小声で言った。
「大丈夫。彼らならきっとできるはずだよ」
シリンを安心させるようにナイフの人は優しく言った。
「それもあるけど・・・キメラとかにも気をつけてよね」
その様子を見て、本当に危険な事なんだとオズは改めて思った。
宮殿のすぐそばまで来ると、ホークアイはちらりと崖の下に目をやった。
崖下には、昨日知り合ったばかりのリチウムを発掘している男が寝泊りしている小屋がある。
あのおっさんはキメラに教われないだろうか、と心配しているとナイフの人が小声で言うのが分った。
「もうすぐだ。音を立てるんじゃないよ」
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