二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- MH 紅蓮の大陸 Ep1.黒狼 第六話更新 コメ求む!
- 日時: 2011/04/22 21:21
- 名前: 風 (ID: 4.ooa1lg)
お早う御座います,こんにちわ,こんばんわ♪
風と申しますvv
宜しくお願いします^^
〜作者状況〜
執筆していない【〇】執筆中【】
申し訳ありませんが執筆中に〇が付いている時は書き込まないで下さい。
≠≒=≠≒=≠注意≠≒=≒≠=≒=≠
1.更新速度は遅いです。そして,今までの実績から完結する可能性は低いです。
それでも良いと言う方はどうぞ!
2.グロ表現などが普通にあるかと思います。平気な方のみどうぞ。
3.他人の悪口や作品の悪口などを言うような方,モラルの無い発言などは止して下さい。
4.チャット化やチェーンメール等もなるべく止めて下さい。
〜〜〜〜〜〜〜ご来店下さったお客様〜〜〜〜〜〜〜〜〜
神月+月希夜様
アビス様
ねこうさぎ様
御弟子様
夢様
虎様
志筑様
雷電様
ただの敷島クルル様
の9名様が書き込んでくださいました^^
ご来店有難う御座います!
◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆目次◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆
>>5より 第一話「翡翠色の巨大竜」
>>9より 第二話「翡翠色の巨大竜 Part2」
>>15より 第三話「碧き烈風」
>>21より 第四話「G級へ」
>>30より 第五話「紅蓮の山」
>>43より 第六話「紺碧の鎌VS白き双剣」
ストーリー更新毎に追加
◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆設定資料◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆
>>5より フィールド紹介 Part1
>>9より キャラクタ紹介 Part1
>>15より フィールド紹介 Part2
>>21より キャラクタ紹介 Part2
>>28より キャラクタ紹介 Part3
>>30より フィールド紹介 Part3
設定を追加する毎に追加。
コピペ(←自分用
名前:
年齢:
性別:
身長・体重:
血液型:
誕生日:
容姿:
性格:
備考:
武器:
防具:
ランク:
>>主要キャラクタデータ
主人公
名前:アルセイス・ベルザーベル
年齢:21
性別:♂
身長・体重:175cm・61kg
血液型:A型
誕生日:2月9日
容姿:氷の様な透明感のある青の肩まで掛かる程度の髪。目は鋭く翡翠色。綺麗な女性の様な顔立ち。
性格:生真面目で私情を挟まない様務めるような言動が目立つが実は情熱家で仲間思い。
そしてモンスターには異常なほどに残忍。
備考:父が率いた猟団「紅蓮」のメンバーの一人・ワルキューレに師事を受けた。
父が行方不明になったのを切欠に独立する。黒刀(クロきカタナ)の異名を持つ。
武器:鬼神斬破刀・飛竜刀【葵】・セイリュウトウ【狼】etc
防具:レウスSシリーズ・キリンSシリーズ・バサルSシリーズetc
ランク:6
ヒロイン
名前:イリア・ヘルメーラ
年齢:22
性別:♀
身長・体重:166cm・50kg
血液型:AB型
誕生日:7月22日
容姿:ピンク色のポニーテルで銀色の大き目の瞳。容姿端麗で清楚な雰囲気が滲み出る。
性格:お淑やかで少々天然。好い所出なのか少々世間知らずな面も有るが基本的には賢い。
備考:「紅蓮」の最年少メンバーであるノーヴァに師事をして貰った経験がある。
蒼弓(アオきユミ)の異名を持つ。小さな頃に家族をシェンガオレンにより失う。
武器:アイシクルボウⅠ・オオバサミⅣ・パワーワイルドボウⅡetc
防具:サザミSシリーズ・モノブロSシリーズ・ヒプノSシリーズetc
ランク:6
ライバル
名前:死樹ツヴァイ
年齢:21
性別:♂
身長・体重:185cm・73kg
血液型:O型
誕生日:12月15日
容姿:赤のボサボサ頭で左目に傷がある。褐色の肌で角ばっているが端正な顔立ち。
深遠のように黒い瞳。
性格:効率主義で狩りをどれだけ迅速に終らせられるかを考えるタイプ。
何もかも見えすぎるほど見えすぎる鋭い洞察力を持つ。
備考:「紅蓮」メンバーの大陸随一の槍使いギアガスに教えを請う。
主人公とは其の頃から犬猿の仲で有名。父はワルキューレの更に師匠に当る死樹龍三郎。
「紅槍(クレナイのヤリ)の異名を持つ。
武器:撃竜槍【吽】・フロストアイシクル・激槍グラビモスetc
防具:レックスSシリーズ・フルフルSシリーズ・キザミSシリーズetc
ランク:6
幼馴染
名前:ベルサー・トットナム
年齢:22
性別:♂
身長・体重:179cm・66kg
血液型:B型
誕生日:4月11日
容姿:焦げ茶色のトレッドヘアの青い瞳の陽気そうな顔立ち。
性格:見た目どおり陽気で音楽を愛する粋な男。飄々としていてレディーファースト。
備考:主人公と幼い頃から面識の有る唯一の人物。主人公の父に師事を受けていた。
白双剣(シロきソウケン)の異名を持つ。
武器:インセクトスライサー・ギルドナイトセーバー・スノウヴェノム改etc
防具:ブランゴSシリーズ・レイアSシリーズ・ディアブロSシリーズetc
ランク:6
以上がこの物語の中核となる「宵桜」メンバーです。
※プロローグ
肉食む獣達,
木々の合間から響く獣の猛る声……
泉・草木・そして,襲い掛かる生物……
ハンターの世界…鉄の鎧より尚硬い鱗の防具を身に纏い,
巨大な剣より尚鋭い天然の宝刀を産まれながらに手にし…
威容正に威風堂々……強大な飛竜達に立ち向かう戦士達の物語…
ザリッ…
「眠っているぞ!静かに忍び寄り畳み掛ける!!」
朝靄の中,大雪の中,夜の帳……彼等の休む暇は無い。
世界に巨大な竜達存在する限り彼等もまた存在し続ける。
戦いに明け暮れる存在として……
ズババババババ…
「グギャアァァァァァァ!!?」
今宵,又1つの魂が断末魔を上げハンターの町民達の村人たちの供物となり世界を支える…
モンスターハンター エグレアナ地方を舞台に新たなる物語が解禁する_____
活目せよ生き様を!!
END
〜各種募集のお知らせ〜
今回,オリキャラ及びオリジナルモンスターや武器・防具の募集を開始しました。
夫々のコピペは此方です↓
>>43
オリキャラ募集は終了しました!
モンスターとかを募集して下さいね^^
- Re: MH 紅蓮の大陸 Ep1.黒狼 第二話更新!! コメ求む ( No.14 )
- 日時: 2010/12/25 19:25
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
トットナムs、ペイントボールの匂いに従順とはw
ペイントボールってあんま良い匂いとかしそうにないんですけどね。
- Re: MH 紅蓮の大陸 Ep1.黒狼 第二話更新!! コメ求む ( No.15 )
- 日時: 2011/02/22 12:13
- 名前: 風(元:秋空 (ID: KjzdqHYY)
御弟子様へ
コメント返すの遅くなって申し訳有りません(汗
大学生活も終盤で就職活動も一段落つき暇人に見えるのですが…
何気に就職に向けての準備とか忙しくて此方を力注げなくて(汗
____何と言うかそんな古いHNを知っている人が居ると凄く嬉しいですね^^
夢へ
アーチャー先生は出ますよ今後!!
太刀使い格好良いですよね^^
最近嵌ってる武器です!
そうですねぇ…今回の問題は後一話で無理矢理でも終らせるです(オイ
Monster Hunter〜
紅蓮の大陸 Ep1 黒狼
〜設定資料集Part3〜
町やフィールドについて Part2
6.テドン湿地(フィールド)
エリア数は14
フィアンマ洞窟の近くに有る高低差のある湿地帯。
湿地草やトリカブト等毒草が多く存在していて間違って其れを食べて死んだハンターも多い。
味は美味で其れを食べて死ねるなら幸せと言う伝承があるらしい。
夜はフィアンマ洞窟と近い影響も有ってか幾つかのエリアで毒が地面から吹き出る。
代表的な大型モンスターはフルフルやボルボロスで
注意が必要なモンスターは地方特有のモンスターのベルキネスやグラビモス等である。
この大陸で最強の力を有する古龍クシャルダオラが良くこのフィールドの上空を移動する。
7.グランドクロー砂原(フィールド)
エリア数は20で大陸中三番目に多いがそれ程入り組んでいる訳ではない。
其の分迂回の必要などが多い。
エグレアナ地方中央に存在する巨大砂漠。
フィールドの中心…エリア10には巨大な湖が有りラギアクルス等が住める要因。
砂漠だが荒涼としていて寧ろ夜はホットドリンクの効果も直ぐに解けるほどだ。
怪力の種や竜骨大等が主要でサボテンの花等は砂漠である此処でしか取れない。
他にも砂漠でしか取れないような物は多く此処は何かと重宝される。
また至る所にラオシャロンと思われる巨大な竜の骨格が有り其処を足場に移動できる場所も多い。
別名老山龍の墓場。
主要な大型モンスターはドスガレオスやこの地方特有の魚竜ヴァヴァロアス等。
注意すべき存在はウラガンキンやディアブロス……更に時々だがリオレウスも出現するらしい。
8.エプレゴン雪原(フィールド)
エリア数は13
万年雪の積もる北端の地。
この地方では平坦で見晴らしが良い珍しいフィールドである。
普段の狩場では見られないモンスターが多く楽しむ為に来るものも結構居る。
一番暑い時期はまるで雪を護るかのように巨大な幾つもの木が雪原を覆い
その木から垂れた水により出来た巨大な氷柱が大きな危険と成る。
此処でしか手に入らないものも多くこの地方特有の雪原巨岩はその際足る物である。
代表的な大型モンスターとしてドドブランゴやドスギアノス等が居る。
注意が必要な大型モンスターはベリオロスやこの地方特有の亜種モンスター,アグナコトル亜種である。
9.ベッケン剣山(フィールド)
エリア数は18と多く造りも複雑。
特殊な風の影響で刃の様に切り立った峰峰。
蔦などを蔦ってわたらなければならない場所が多く
登っている間にランゴスタに襲われ落下し死んだ等という者も多い。
また常に強風が煽りハンター達の動きを阻害しその寒風は否応無くハンターの体力を奪う。
住まうモンスターは総じて飛行能力が高く上級初心者は入る事を禁じられている。
主要な産物は鉱物でノヴァクリスタルやユニオン鉱石等が取れる。
植物類や虫類は極普通である。
主要な大型モンスターではイャンガルルガやベリオロス等が居る。
そして,危険な大型モンスターとしては空中戦の達人リオレウスやラージャン等である。
10.カグツーフー海洋洞窟(フィールド)
エリア数は14とエグレアナ地方の洞窟にしては少ない。
造りも単純だが水中を移動しないといけない場所が幾つも有る為
基本的に水中戦が苦手なこの地方のハンターたちは嫌っている。
海藻類や魚類が此処の狙い目である。
また洞窟地帯でも地上から低い所に位置している為か暗く敵の発見が遅れやすい。
主要な大型モンスターはロアルドロスやチャナガブルなど。
危険な大型モンスターとしてはラギアクルスやギギネブラなどが居る。
MH 紅蓮の大陸 Ep1 黒狼
第三話「碧き烈風」
ガサッ…
嫌な音を感じトットナムは恐る恐る後を振り向く。
其の先には既に何も居なかったが此方が振り向く事を判断して跳躍した事を着地音で理解する。
「チッ…雑魚モンスターが!」
ガキィン
辛うじて目の前の紫色の体色の鳥竜の爪を剣で防ぎ彼は後へと逃れる。
ハッとなり上空の気球に目を向けるが何ら変化は無い。
気球に乗る監視人の目を掻い潜りコイツを倒して粘着草を取るのは難しくは無い。
一体ならそうだが…奴,目の前の紫色の頭に角を付けた鳥竜,
この地方特有のレヴェレムは一体ではなかった。
三体……一瞬で倒して通るか…古龍観測船の目をかわしてそれは幾らなんでも不可能だ。
ならば相手の動きを操作して相手を盾にして一瞬にして抜かす。
そして帰りも奴等が屯していたら同じくする。普通ならそれも難しいが彼の動体視力ならできる。
グオォ…
バッ
相手の攻撃を草むらで避けながら確実に相手の動きを調節して壁を作っていく。
相手は二対以上は突っ込んでこない。
理由は草丈の高い此方側に全員突っ込んでくるのは無策と知っているのだ。
しかしトットナムにとっては其れこそが計算…二体目が壁になるように行動すれば
気球側からの視界を完全に防げる…レヴェレムの行動は気球側から見れば
小さな小動物を狩っているだけに見える。しかし,そう見せるには此方は攻撃は出来ない。
当然だ…小さな弱者を相手に躍起になっているのなら相手が損傷を負うはずはないのだから。
サッ…
「ギギャアァァァ!」
けたたましい声を上げ三体の内一体が後ろへと跳躍する。
その瞬間二体が一直線に並ぶ。トットナムが待っていた瞬間だ。
バッ…
『今だ!」
目前の敵の完全にトットナムの姿が見えない上での半端な狙いの攻撃など容易く回避し
彼はレヴェレム二体の横を悠然と素通りする。
帰りも彼らが居れば是を繰り返すだけだ。
幸いにもこのエリアはエリア移動する間際の道が殆どが草丈が高く人間程度なら身を隠せる。
レヴェレムとしての通常の生態の中に納まる行動なので見られても怪しまれない。
「よし,ネンチャク草天国に到着だぜ!」
そう言ってトットナムは忙しく手を動かす。この場所でネンチャク草を取れる場所は計10箇所。
その全てを隠れながら回りきりネンチャク草を取る。時間にして4時間以上…然し必要な行為。
「まぁ…此処からが本番か」
ぼそりと本音が出る。
_______________
一方___蒼氷龍ガバル・デナバルとの戦闘へと向かうツヴァイとイリアだった。
ツヴァイの武器はガノトトスのタックルを予想したガード性能+1の有るグラビドSシリーズ
そして,武器はガノトトスの弱点属性を憂慮したガンランス…ナナ・ロアだ。
それに対しイリアは普通の何時も通りの装備である。武器は鳥幣弓Ⅲである。
スンスンとツヴァイはペイントの香を嗅ぎ其方を振り向く。
「エリア9か。広く遮蔽物も無い…そして毒の吹き出る場所も無い。
最も戦い易いフィールドだな。」
此処で戦いたいと言う気持ちが逸り二人の足が早足になる。
エリア2の段差を登りエリア9へと到達すると其処にはガバル・デナバルが佇んでいた。
「イリア,援護は任せる!」
「えぇ,ガノトトスもガバル・デナバルも焔が苦手で嬉しいことですわ!」
ガチャンガチャン…
二人は武器を一斉に抜く。
瞬間,場の空気の変動に気付きガバル・デナバルが威嚇の咆哮を発する。
死樹ツヴァイは全く其れを気にせず盾を構えながら槍は背負ったまま走る。
威嚇する蒼氷龍に牽制の矢の雨をイリアは容赦なく浴びせる。
全てが彼の頭に命中してガバル・デナバルは多少よろける。
其の瞬間にツヴァイが奴の懐に入る。
グラァ…
「竜撃砲を撃つ…」
ドドドドドド…
———ズガァン—————
轟音と共に槍の先端から強力な焔の塊が押し出されガバル・デナバルの巨体が浮く。
其れを見て死樹は後へと何度かステップする。
だが,確実に攻撃を食らわせたのは此処までだった。
着地すると同時にガバル・デナバルの体の空気口の様な穴四箇所から氷のブレスが発せられる。
ツヴァイは盾で防ぎ…イリアは射程外に逃れる。
イリアの姿が蒼氷龍の視界に入る。
蒼氷龍は瞬間に睨みを利かせて大気の空気を震撼させ氷柱を彼女の近くに造り攻撃を仕掛ける。
ゴゴゴゴゴ
「くっ!」
ゴロン…
彼女は逸早く相手の仕草と音で気付き前方に回転回避して難を逃れるが
ガバル・デナバルはそれを見越し跳躍していた。彼女はすぐさま上を見上げ危険を感じ更に回転する。
ギリギリで回避されたそれは強力な風圧を生み彼女の軽い体など容易く吹き飛ばした。
ブワァ…
「あうっ!」
ドザァ
無様な情けない声を上げて吹き飛ばされ二度三度回転してようやく止まる。
蒼氷龍の方を見ると既にあの空気口の様な場所から攻撃が繰り広げられている。
立ち上がった瞬間に其れを浴びる。何とか薄皮一枚で戦闘不能の損傷は免れるが,
体中が雪で包まれ身動きが出来ない。
無論,この局面を想定など出来るはずも無く解氷剤など気の聞いた物は無い。
不味イ——————
そう悟ったツヴァイはガバル・デナバルの視界に態と入り挑発する。
少しの間ツヴァイのほうに向おうかと彼は動きを止める。
トットナムが来て閃光玉の準備が出来るまではこの苦戦は続くだろう。
忌々しく思いながら彼は挑発し続けるが奴は冷静だった。
ダン…
「くそっ!」
動く事もままならない彼女を攻撃する事を決定したらしい。
然し,彼女も無能ではなく既に如何に動き辛い状態とはいえ
相手の攻撃を一度なら回避できる場所に居た。ツヴァイは急いで武器をしまい走る。
彼女が攻撃を回避できるのは恐らく一度…
ズゥン…
着地音がすると同時にツヴァイは彼女の居る場所に近付く。
ガバル・デナバルの止めと言わんばかりの爪の一撃が繰り出される瞬間…
ズゥンズゥン…
砲弾を脇腹に入れる。
奴の動きが一時停止されツヴァイを向く。
彼女は其の間に何とか体に纏わり付いた雪を拭い捨てた。
その瞬間,緩やかにガバル・デナバルは体を捻り体全体を回転させる。
死樹ツヴァイは其れを盾で防ぐも吹飛ぶ。蒼氷龍最高の攻撃力を持つ一撃だ。
グググ…
『くっ!此処であの技が来るのか!!』
ドゴォッ
盾で防いでも体中に来る強力な振動が甚大な損傷を与える。
轟音と共に彼の持つナナ・ロアの盾の一部が砕ける。そう何度も受ける事の出来る攻撃ではない。
吹飛び態勢を立て直そうとする彼に向かい地を這う氷の刃を放とうとする敵。
それを阻止しようと口内を狙い弓矢を射るイリア……然し,奴の攻撃は今度は停止しなかった。
カッ…
「ツヴァイ!」
思わず彼女は声を荒げる。
然し,その氷の刃はツヴァイを捉える。
グッ…
バリィン…
捉えた瞬間に彼は自らの体の煩悶をかなぐり捨て盾を構え難を逃れる。
「グルルルルルル」
忌々しげに龍は吼えた。
==================
一方,地底湖で1人アルセイスはガノトトスと対峙していた。
悠然と背びれを出し泳ぐガノトトスに彼は蛙の付いた釣竿を持ち歩く。
そして,彼の大好物である釣り蛙を釣り場にポトリと垂らす。
数十秒後彼が蛙に喰らい付く。
グググッ
他の魚等とは絶する圧倒的な重量が手を伝う。
「うっうおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ザパァァン_____
ズゥン…
アルセイスは顔に似合わぬ声をあげ体全体を使いガノトトスを吊り上げる。
巨体が地面に堕ち轟音が響く。
尻餅をつきながらもすぐさま立ち上がり彼の下へと向う。
途中までは鬼神斬破刀を抜かず全力で走り途中で剣を抜き瞬間に背びれを斬る。
急に陸地に誘われた驚きと地面に叩きつけられた痛みに体をうねらせる彼に容赦なく斬りかかる。
そして突き突き上げ薙ぎ更に斬り練気を上げ爆発させる太刀の奥儀気刃斬りを叩き込む。
そして,立ち上がると同時に薙ぎ払い距離を取る。
ガガガガガガガガガ
ズバァ…
「此処からだな」
今までは確実に攻撃を入れられる時,相手が臨戦態勢になった此処からが本番だ。
アルセイスはそう体に言い聞かせる。
「グルルルルルルル…」
怒りの吐息を見せ巨大な地底湖の主は威嚇する。
それに対し埒も無いとアルセイスは逆に挑発してみせる。
頭の何かが切れたようにガノトトスは行き成り水のブレスを発射する。
それが最大の隙だと言うことを教えてやるとアルセイスは走る。
快速で____
ブワァ…
バッ
ズバァ…
先ずはブレスにより伸び切った顔面に一撃…そして,奴の横転を狙う為に
細い足を狙う。二脚の内狙うは一方,右足。先ずは突き突き払い…
そして,相手が次の攻撃の態勢を立てた瞬間に薙ぎ払い逃れる。
彼が自らの巨体の弱点と成り得る体の下を付かれた時の対処法として手にした
最もハンターにとって彼の技として厄介な攻撃であるタックル。
広範囲かつ出の早い其れは正に脅威。然し,彼は類希な瞬発力と脚力で其れを避ける。
そして,またその強力な攻撃は此方の攻撃の好きにもなる。
すかさず練気を練ろうと首筋に一太刀…更に一太刀。
そして,戻りの薙ぎ払い。
長年の経験による攻撃。
奴は体を戻しすぐさま離れたアルセイスにブレスを放つ。
彼は来た横薙ぎのブレスを体を屈め突進して回避して奴の懐に入り先程と同じ行動をする。
ズバァ
相手の体が揺らぐ。
瞬間,魂って練気の全てを解き放つ。すると奴は横転する。
横転した瞬間も容赦なく攻撃し彼は更にまた気刃斬りを解き放った。
ズバババババババ
然し,旨く行き過ぎたのは此処までで彼が立ち直ってからは違った。
2時間〜3時間____巨体の持つパワーは矢張り凄まじく
一撃も損傷を受けていないはずなのに奴よりアルセイスは疲れを感じていた。
『くっ___体力馬鹿どもが!!』
ピシャァ…
そう,脳内で思った瞬間に放たれたガノトトスのブレス。
彼は柳の様に何時もの如く其れを回避するがレウスSシリーズの肩の部分に其れは命中し
肩の部分を粉々に粉砕する。その衝撃に体は揺れる。その瞬間を見逃さず
ガノトトスは体を地面に設置させ這いずる様にして近付いてくる。
ズズズズズズズ
「くっ,動け…体!」
ギアァン
無理矢理体を捻らせ回転回避するがガノトトスの鰭に鎧の一部が掠め取られる。
妙な金属音がして後ろを振り向くと紅い鎧の破片が舞うのが見えた。
「少し遅れていたら胴体が真っ二つだったか…」
ゾッとする。
立ち上がるガノトトスを見届けるほどに彼の思考は停止していた。
「くっ!何を下らないことを考えている!!」
そんな自分に腹が立ち声を荒げ剣を握る力を強める。
そして,何十度目かの懐に入っての足への攻撃…彼は相手のタックルの出を見間違い…
グオォ…
『くそっ…間に合わない』
回避間に合わず奴の攻撃を受ける。
鬼神斬破刀否太刀全般の刀身は通常防御向きでは無いがそれで防ぐしかなかった。
武器の腹で攻撃を防ぎながら後ろに衝撃を逃し最小限の損傷に納めるが…
ズゥン
「くっ……がぁ!これ程の損傷を受けるのは何時以来だ」
体中を激烈な衝撃が襲い立ち上がるのに苦労する。
そんな事をしている内にも下手をすれば攻撃が来るのだが奴は水中に逃げている最中だった。
運が言いと口にする余裕など無く先程の攻撃で切った口内が痛むのを我慢して
彼は回復薬グレートを口にする。
ゴクゴク
「はぁ,第二ランドか____全く,」
呆れたような風情で更にこんがり肉を頬張りながら言う。
其の瞬間敵は水面から顔を出し直線のブレスを放つ。
こんがり肉を食べながら余裕で其れを回避すると彼は水面に音爆弾を投げる。
水中は音を強く反響する。そしてガノトトスはドスガレオス等の直系で
耳が良い。溜らず水面から跳ね上がり地面へと逃れようとするのだ。本能的に
「音爆弾は残り8個…蛙は4匹____まだ罠は使っていない。
あぁ__見た目では大して損傷は無いようだが相当の損傷を受けないと
モンスターってのは痛みを億尾に出さない…まぁ,まだまだ是からって事さ」
誰に言う訳でもなく経験則を口にする。
まだまだ大丈夫だと中間達が頑張っているのだと…自らを奮い立たせる為に。
___________
一方,ガバル・デナバルの相手をしているツヴァイとイリアは何度ものピンチを迎えながら
何とか二人で突破口を編み出し戦っていた。
イリアの援護の冴え…ツヴァイの容赦なく正確な攻撃……
全てが噛み合い何とか二人は息も絶え絶えながら堪えていた。
「大丈夫かイリア?」
「誰に言ってますの……この程度なんでも有りませんわ!!」
「頼もしい……な。然しそろそろトットナムが着てくれる頃か」
「余り期待はし過ぎない方が良いですけどね」
「グガアアアアアアアアァァァァァァァァァ」
損傷と消耗の余り二人はトットナムの姿を思い浮かべる。
然し,目の前の脅威の甚大な叫び声にそんな物は露と消え直ぐに臨戦態勢に戻す。
其の瞬間だった————
「目を伏せろ!!」
聞き覚えの有る声が響き,二人の横を見覚えの有る球体…閃光玉が過ぎる。
二人は目を覆う。
______カッっと音ヲ立て其れハ炸裂シ
光の洪水ヲ造っタ_____
トットナムの帰還を知った二人は色めきたつ。
予め光蟲と石ころを何匹か拝借していたトットナムは此処に来るまでに
仲間のピンチを想定して何個か閃光玉を造り置いていた様だ。
「トットナムの姿を見てこんなに安堵したのは初めてですわ!」
「酷いなその言い様…ほら,粘着草だ……俺がアイツ引き付けるから造っとけ!」
そう言って彼は粘着草を二人に分け与え
狂走薬グレートを飲み祭囃子・野分ノ調を構え鬼人化し奴の懐に入る。
「ギガ…アァ」
光に目を遣られ殆ど動く事の無い蒼氷龍の懐,最も柔らかい場所に入り
彼は容赦なく乱舞する。敵の視力が回復するまで腕の筋肉がはち切れ様と構わないと言う風情で。
ズババババババババババババババババババババ…
「うおおおおおおおおおおおおお!」
その乱舞,正に鬼神の如く————
普段,三枚目で余り強さを見せない男だが実はアルセイスの次に実力を持った男なのだ。
だが,無論それでも大型モンスター特に古龍には致命傷は与えれない。
奴は絶命する遥か前に視力を回復させ体を緩やかに捻り回転させるあの力を見せようとする。
その瞬間にイリアが閃光玉を投げる。
奴はまたすぐさま目を焼かれる苦痛に襲われ攻撃を停止する。
閃光玉が有るとこんなに容易いのかとばかりに閃光玉を消耗しながら一方的に攻める。
閃光玉を15回位使った頃奴は溜らず逃げ出すのだった。
バサッバサッバサッ…
「結局逃げられたか」
「時間を掛けすぎましたわねトットナム」
「うるせぇ…こっちだって大変だったんだ!って言うか充分な戦績じゃネェかよ」
少し悔しそうにツヴァイが言うと当て擦りの様にトットナムに悪口を言うイリア。
そして其れを言い訳するトットナム。何時も通りの風景に死樹ツヴァイは苦笑いするのだった。
「よし___アルセイスの所行くか」
「あっ,すっかり忘れてましたわ!」
「おいおい,しっかりしろよ…」
興奮も冷めアルセイスの事を思い出しアルセイスの居る地底湖に向う面々だった。
________________
アルセイスは未だガノトトスと死闘を繰り広げていた。
釣り蛙も消耗し音爆弾も調合分まで使用し幾度と無く気刃斬りを放った。
流石に相手も背鰭が垂れ下がりソロソロ命を失う瞬間だと教えている。
其れを見て彼は勝利を確信した。音爆弾等は残り少ないがまだ落とし穴が残っているからだ。
何度か奴を陸地に誘き寄せそして水中に戻る姿を見て彼は奴の水中に戻る時のルートを見切った。
中間達が生延びているとすればガバル・デナバルは敵の鬱陶しさに嫌気をさし
このフィールドから撤退しているだろう。そして,ツヴァイ達が此方に向かっている。
「おっ!生きてるよあいつ♪」
聞きなれた声がアルセイスの元に響きそして,チラリと後を見ると皆生還しているのが分る。
捕獲用麻酔玉を持っているのは援護役のイリア。そのイリアも勿論生還している。
アルセイスは奴が水面に居る間にブレスを放とうとする前に落とし穴を張る。
そして,すぐさま最後の音爆弾を投げた。
奴は飛び上がり水中から地面へと投げ出される。ツヴァイ達も奴の背鰭で消耗具合を悟ったらしい。
落とし穴を見て捕獲を考えている事も一目瞭然で捕獲の手助けの為に降りてくる。
「さてと…終わりだ」
アルセイスの方に振り向く彼をみてアルセイスはにやりと笑って言った。
そして,ガノトトスを挑発する。
ガノトトスは怒り這いずる。其れを疲れた体に鞭打ちながら回避行動し……
ガノトトスは落とし穴に落ちる。
「グワアァァァァァァァァガアァァァァァァァァァ」
ジタバタ
必死に落とし穴から出ようともがくガノトトスの背中に何かが当る音が二度する。
無論,捕獲用麻酔玉だ。
相手が有る程度以上消耗していないと効果の無い代物だが大体の存在は
絶命の危機に瀕するとその効果を受けるようになりその危機は粗全てのモンスターが
見せる特定の行動で理解出来る……
ガノトトスは暴れるのを止め眠り付いた。
「遣りましたわねアルセイス!」
「____そうだな。本当は捕獲じゃなくても倒せたんだが」
「おいおい……まさか」
素直に喜ぶイリア。
余り喜んだ風情じゃないアルセイスの言葉…そしてその言葉の趣旨に気付くベルサー・トットナム。
眠り鼾をかくガノトトスの頭の上にアルセイスは立ち太刀を構えた。
「おい!捕獲で良いじゃないか!!無闇に命を…」
「黙れ___どうせ,すぐ死ぬ命だ」
ズッ…
ガノトトスの脳を深々と彼の太刀は貫きガノトトスは絶命した。
そのアルセイスの姿に或いは顔を覆い或いは悔いる面々だった。
∞END∞
NEXT⇒第四話「G級へ」
- Re: MH 紅蓮の大陸 Ep1.黒狼 第三話更新!! コメ求む ( No.16 )
- 日時: 2011/01/02 14:44
- 名前: 虎 ◆31XQ1HOJn6 (ID: 6CqIKfIj)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/hououtou
どうも、お久しぶりです。【虎徹】です。
最初から此処まで読ませてもらいました。
やっぱり風氏は文才能力が高くて羨ましい、つか妬まs(ry
モンスターに対して冷酷なアルセイスさん、良いっすね。冷酷な理由は人物紹介と物語の通りですが。
- Re: MH 紅蓮の大陸 Ep1.黒狼 第三話更新!! コメ求む ( No.17 )
- 日時: 2011/01/02 15:59
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
アルセイスs・・・捕獲したモンスターに態々を刺すとは。
非情っぷりが凄いですね。
- Re: MH 紅蓮の大陸 Ep1.黒狼 第三話更新!! コメ求む ( No.21 )
- 日時: 2011/02/27 23:16
- 名前: 風(元;秋空 ◆jU80AwU6/. (ID: KjzdqHYY)
コメント下さった方々有難う御座います+明けましておめでとう御座います^^
健康には注意して下さいね?人間関係は円満で有る事を願います!
虎へ
お久し振りですねぇ本当^^
いやぁ,GAIM(綴り有ってる?)ではかなり悲しい目にあった風ですvv
やっとアキレスの物語も楽しい所に差し掛かってきた所で……リーブロ復活まで書けただけで良しとするか(苦笑
妬ましいって……僕と君とでは結構な年齢差が(汗
アルセイス…是からもっともっと冷酷な面を目立たせて行こうと思います…
まぁ,アルセイスがモンスターに執着する理由は追々もう少し細かく記す予定です!
アビス様へ
どうしてもアルセイスのその凶暴性と言うかを示したかったのでこうしました……
然し,良く遣ったなぁ…捕獲したモンスターに攻撃を当てれないのが何でなんだろうとか考えながら(オイ…
Monster Hunter〜
紅蓮の大陸 Ep1 黒狼
〜設定資料集Part4〜
>>登場人物 Part2
名前:フォルサーミア・シュノーケル
年齢:28歳
性別:♂
身長・体重:182㎝:72㎏
血液型:AB型
誕生日:2月15日
容姿:兜の後ろより出る長い青髪以外は常に装備により隠されていて分らない。
性格:任務主義で余計なことを喋るのが苦手。堅物で禁欲的。
備考:リーブロの友人で古龍掃討部隊第二部隊副隊長を勤める。
武器:カチワリ・鬼鉄ノ命・デモンズメテオ(オリジナル)
防具:アンタレスXシリーズ(オリジナル)・カイザーXシリーズ・夜叉・真シリーズetc
ランク:G級
名前:リーブロ・ヴェイン
年齢:29歳
性別:♂
身長・体重:179cm:63kg
血液型:O型
誕生日:10月10日
容姿:身で肩まで掛かる茶髪……何時も笑顔の端正な顔立ち。
性格:他人をおちょくるのが好きでシニカルな言動が目立つ。
常に自分の本心は暈し表面上は丁寧。冷静な判断力もある。
備考:キーラの師匠であるフォルサーミアの友人。否,同じハンターを師匠に持つ兄弟子的立場。
武器:キリキザミ・霞双剣オオナズチ・影縫狂コクヴェ(オリジナル)
防具:金剛・真シリーズ・ガルルガXシリーズ・ギルドナイトシリーズetc
ランク:G級
名前:キーラ・ナルドブレア
年齢:24歳
性別:♀
身長・体重:167cm:52kg
血液型:B型
誕生日:8月28日
容姿:唇が色っぽい青の優しげな瞳の綺麗な銀色の短髪が映える溌剌とした女性
性格:母性的で心配性に見えて毒吐きで楽天的な所がある。
面倒事と鬱陶しいのが苦手。
備考:フォルサーミアの弟子でアルセイス達の所属する町の受付嬢もしている。
武器:雷神剣インドラ・マスターオデッセイ・双鋏etc
防具:メルホアZシリーズ・キリンXシリーズ・ガンビスZシリーズ(オリジナル)
ランク:G級
〜あとがき〜
結構オリジナル装備が増えてきました…オリジナル装備,オリジナルモンスターの構想が♪
MH 紅蓮の大陸 Ep1 黒狼
第四話「G級へ」
クエストの成功をギルドへと狼煙を上げてアルセイス達はクエストの成功を
気球に乗って居るギルド直属の監視官に伝える。やや立って気球から光が発せられる。
帰りの馬車を手配するから指定の場所で待てというサインだ。
ギルドの設けたキャンプで各々疲れた体を癒していると数十分後,
モンスターの居ない安全な場所に待機していた竜車が到着した。
「はぁ,待ち草臥れましたわ…」
「お待たせしてすいやせんイリアの嬢ちゃん!全速力で街へ走らせるんで,早く乗んなせぇ…」
竜車の運転手に促され先ずイリアが乗り込む。
其れを見てトットナムが次にアルセイスが最後にツヴァイが乗る。
狩りで体力を消耗したから防具を全て外している為か見事に竜車の中は満員となった。
ツヴァイがパタンと易しめに扉を閉めた瞬間に竜車が動き出す。
_____________
____夜
竜車により帰路に着き数時間,当りはすっかり暗くなり満天の星空が空に広がる。
その星空を見る事が出来た事…詰り生きている事に感謝して四人は笑みを浮かべた。
街が姿を現す。街の中へと竜車は悠然と進み門から数mの所で歩を止める。
アルセイス達は其処で竜車から降り運転手の男に会釈して報奨金を貰いに酒場へと向う。
酒場の様子が妙に可笑しい。
今は夜更けだ。無論,ハンターの世界は夜でもクエストを受けられる。
夜クエストに出る物も怏々に居る。
然し,それにしても活気が有り過ぎるのだ。
夜,ハンターがクエストを受注する事が有るといっても
人間は夜行性と言う訳ではない。朝ほどに活発にクエストの受注がなされる筈は無いのだ。
「妙だな」
アルセイスが口を付いていう。
「まぁ,入って見リャ分るだろ!」
バン!!
____G級昇進オメデトウ!!!
ガシャアァン…
「は?」
「G…………級?」
アルセイスの言葉に対して
大型モンスターとの直接の対峙はしなかったお陰か
他の面子と比べるとまだ体力が残っているベルサーが派手に扉を開ける。
其の瞬間,幾つものジョッキとジョッキがぶつかり合う音と
G級昇格おめでとう!と言う声が響き渡る。その言葉にイリアは唯,驚く事しか出来ず
他の面々もシドロモドロだ。
当然だ。彼等は裏の事情を知らないのだから…
シュカッ!!
アルセイス達の放心を冷ます為に投擲されたナイフがツヴァイとアルセイスの横を通り
外に置いてあった空ダルに当る。
その恐怖に頭が動き出し自分達がG級になった事を祝っているのかと考え始める。
だが,思い当たる節が無くナイフを投げた主を見詰める。
「未だ分らねぇって表情でヤンスね?」
「心当たりが無いんだが…」
ナイフを投げた痩せ型のひょろ長い顎の細い目付きの悪い嫌みったらしい男が話しかけてくる。
青目の茶髪の異国訛りの有る男でナイフ投げの達人であると同時に
イリアの師匠であるノーヴァのファンクラブの会長である男イザーク・トルランチェだ。
そのイザークの嫌味を含んだ言葉に怪訝に眉根を顰めツヴァイが問う。
すると,イザークの横で酒を呑んでいた肩幅の広い長身の深紅の頭髪の堀の深い顔立ちの男
ゾッド・ヴェルノランスがイザークの顔面にジョッキをぶつけイザークを吹飛ばし話し始める。
そして,今回のガノトトス討伐クエストの件には最初からギルドが関わっていたと言う事実を伝える。
詰り蒼氷龍は最初からギルドが捕獲した物だったと言うのだ。
もし,ガバル・デナバルから逃げる事を考え奴の撃退をせず
ガノトトスのみを討伐するなどと言う狩りの結果ならG級に昇進は出来ていなかったらしい。
「雲を掴むような話だな…俺達がG級」
「雲を掴むも何も事実ですよぉ?もっと喜んで下さいぃ♪」
「そうじゃぞ息子よ…良く遣った」
「父上」
最初から何か可笑しいと思っていた。
若しかしたらギルドが関与しているとも思っていたがまさか上位から一気にG級まで昇進するとは
冷静沈着なツヴァイも流石に呆けている。その様に既に酒が入り酔いが周ったキーラが言う。
更にツヴァイの父である竜三郎も続く。
龍三郎はツヴァイと比べ小顔で全体的に先鋭的な顔立ちで
筋肉質ながら引き締まった肉体をしている様だ。武器も太刀だし容姿的に余り似ていない為
血縁関係に有ると言う事は知らない物が多い。
「父上……そう言えばフォルサーミアさんやワルキューレさん達が居ませんが?」
「あいつ等は北東のルーフェンス峡谷で今頃シェンガオレンと戦ってる所だ。」
「アーチャーが指揮官らしいですぜ…」
猟団「紅蓮」の面々や自分達に近しい者達が集まる中,何人かの深い知人が居ない事に気気付く。
自らの父に疑問を投げ抱えるツヴァイ。
事情を知らない龍三郎は押し黙るが直ぐに事情を知るゾッドが応える。
それに加えゾッドに吹飛ばされたイザークが顎を抑えながら
先程は悪かったと言う様な様子で続ける。
其処に,キーラが出来立てのアプトノスの霜降り肉と地酒を持ち運んでくる。
厨房の方に目を向けると髯を蓄えた厚化粧の角張った顔立ちの健康的な肌の男
俗に言うオカマと言うに相応しい男,ハミュッツ・グランヴェルテがママさん振りを発揮している。
何時も死と隣り合わせの戦いの世界に身を置いている時分…
こう言う無礼講の場は本当に嬉しいと思うツヴァイだった。
「おい,師匠のほうにも行って遣れよ」
ゾッドの言葉に忘れていたとばかりに立ち上がりツヴァイは
1人で寂しく酒を啜るこの中でも一際目立つ筋骨隆々の黒い肌の巨漢の所へと歩む。
目の色と髪の毛は黒,百戦錬磨の証の傷が至る所にあり左目は眼帯を掛けている
「巨人兵」と評されるギアガスだ。
「来たか…登り詰めると信じていたぞ」
「有難う御座います」
「今は無礼講だ…ハンターの世界は常に戦い,死と隣り合わせの危険な職場だ。
だが,人間とは小さきかな…所詮延々と緊張感を保ち続ける事は出来ぬ。
この様な休める時に羽を休めねば次に続かんのだ…今の祝いの時を味わえ。
明日はまた,何時もの狩るか狩られるかの日々へと変るのだから」
師ギアガスは自らの弟子が自分と同等の地位に登り詰めた事を賞賛し
今は休み明日に向けて英気を養えと言う。普段はもっと単刀直入に言うが
酒が入っている性か少し言葉が長く人間らしい。ツヴァイとしてはこの方が話しやすい。
ツヴァイは師匠であるギアガスの横に座り酒を啜り始めた。
一方,アルセイスは師匠であるワルキューレが居ない事を確認した瞬間に酒場から出る。
元々,酒や人と騒ぐと言う事が嫌いな上に彼にとってG級昇進は通過点に過ぎず
祝って貰うに値しない事なのだ。唯,黙々と自分の家へと向かい眠りに着いた。
「はぁ……ぐっ!?」
眠っている途中,突然悶絶するほどの痛みに襲われる。
何時もならこの激痛の後請口内から血を噴出するのだが今回は其れが無い。
何かの予兆なのだろうかと最近,早くなる吐血の速度に恐怖を感じるアルセイスが其処に居た。
誰にも知らせていない持病が何時かばれる可能性が出来たという恐怖に…
一方,酒場———
「呑〜め呑〜め呑め♪一気一気!!」
バタァン…
「負けたでヤンス…」
「次!」
「じゃぁ,俺が相手しようか♪」
「リーさん?死にますよ?」
「俺は不死身なんだよ…今日も可愛いなノーヴァ」
「ふぅ…始めますよ」
タン!
「ではぁ,位置に付いてぇ………ヨ〜ィ…ドン!!!」
____30分後<勝者ノーヴァ・ヒュールン>
アルセイスが帰路に付いた頃,定例の酒豪ノーヴァとの飲み比べが始まっていた。
始めに犠牲になったのは無論ファンクラブのNo1であるイザークだ。
白い肌の気だるげな美しい表情と水晶の様な青い瞳…黒く結ばれた綺麗な長髪が特徴的な
イザークの意中の相手,靴を甞めろと言われればイザークは喜んで甞める。
そんな害虫を倒しノーヴァは頬を赤らめる事も無く余裕綽々だ。
そんなノーヴァの相手をしようと現れたのはギルドナイトスーツを着たリーブロだった。
底の見えない厭らしい笑みを浮べお手柔らかに頼みますという風情で座る。
然し,そんなリーブロにもノーヴァは容赦なく牙を向く。
ハミュッツの飲み比べのスタートの合図と同時に一気にジョッキ壱杯分を飲み干す。
そのスピードたるや正に神速…リーブロは挑む事が愚かだったと思い知る。
そんなリーブロの横でテンションの高いトレッド頭の馬鹿が飲め呑めコールを続けている。
ビシャァ…
「てめぇの声はイラつくんだよ…トットナム」
「すんません」
苛立ちに我慢できず残ったビールをベルサーの顔面にぶっ掛ける負け犬が其処には居た。
其れに対して負け犬リーブロの殺気に当てられたベルサーは
愕然とした表情で怯えながら涙声で謝るのだった。
ジ〜……
「ん?」
ニコリ…
「ミー?」
「YES」
「ノノノノノノノノノNO————————!!!」
そして,その日最後の犠牲者と成ったのは調子に乗りノーヴァの近くでうろついていた
ノーヴァファンクラブ会員番号1031番のベルサー・トットナムだった。
酒を碌に飲めないトットナムは僅か二杯でダウンしノーヴァにつめたい言葉を浴びせられるのだった。
「あ〜ァ,良い男居ないかなぁ?」
「居るじゃないですか…リーブロさんとか♪」
「はぁ〜,無理無理…アレと結婚するとか考えられないですぅ」
「トットナムは譲りませんわよ!!」
「トットナム君は要らない子ですよ」
「ひ……どぃ」
「イリア……飲み比べしません?」
「謹んで却下します」
一方,ノーヴァの弟子であるイリアはノーヴァが飲み比べをしている姿を尻目に
今,婚活に力を入れ始めているキーラと恋バナを展開していた。
普段は敬語調の彼女だが酒が入った事とイリアの事を深く知っているという事もあり
口調が随分砕けているようだ。
イリアはと言うと自らの恋人は渡さないと釘を打つが
全く魅力の分らないキーラには言う必要も無い事だろう。
キーラのきた無い物を見るかのような瞳を確認したトットナムは
涙を流しながら卓上に伏した。
酔った師匠の申し出を丁重に冷静にイリアが断ると同時に
糸が切れた様にノーヴァが倒れ込む。
どうやら呑み過ぎて意識を保てなくなったらしい…
その日の夜,酒場は貸切状態となり彼等は朝まで騒ぎと通した。
_____________
次の日,アルセイス達は正式にキーラの元で手続きをして晴れてG級と成った。
余り呑めもしないのに一気に飲んだ性で酒が頭に残っているトットナムは
苦しそうに千鳥足で遅れて現れた。
「うぅ〜…ノーヴァちゃんファンクラブ万歳」
「ヤレヤレ…」
途中からツヴァイに肩を借りて来たらしい。
キーラに何時もの様に口説きに掛かる余裕も無い程に憔悴していた。
イリアはと言うとあの程度の酒で情けないと心配する所か愚痴を言う。
「既に皆さんはG級として当ギルドから認められていますが,
カードを造らないといけないので少々お待ち下さい」
G級への申請は承諾されたがG級認定のカードを是から手渡される事になる。
上級の認定カードをキーラに渡し出来るまでの間に
次のモンスターを何にするか会議する事となった。
何時もの場所に座り皆で話し合う。
結果…ティガレックスとショウグンキザミ…そして,大焔竜べギアロスの
大討伐クエストを選ぶ事と成った。
上級ハンターから受注できるクエストだが全モンスターが手強く,
G級成り立て…それも特別条件の下にG級になった程度の自分達には厳しいクエストだ。
先ずはG級へ行く前に各々腕を磨き更に強力な武器を手に入れる事に力を注ぐと言う
意見で一致したのだ。
「カード出来ましたよぉ♪」
ザッ…
「早速クエストですか?」
「あぁ……紅蓮の王者達,是を受注する」
「畏まりました♪」
ドン!
カードが出来た事をキーラの報告で知りカードを取りに行くついでに
受注書を出す。キーラは認定印を受注書に押す。
「宵桜」G級昇格後初のクエスト「紅蓮の王者達」開幕。
〜クエスト No.193562〜
依頼者:ファイアニアス火山を良く通る行商人
場所:ファイアニアス火山
依頼内容:ティガレックス・ショウグンキザミ・べギアロスの討伐
備考:俺はファイアニアス火山の向こうの街シナントでしがない鉄鋼売りをしている。
鉄鋼類はあの辺では有り余ってて街では売れないんであんた等の街に何時も来てるんだ。
熱い火山を何とかモンスターの目から逃れてな。いっつも大型モンスター位見かけはすんだが…
今回はちぃと厄介だ…何と,普段いがみ合ってる筈の連中が何故か提携をとってやがる!
大型モンスターが提携を…群れを成すなんて有得ねぇんだが……確かに統率が取れてんだ!
とても俺等じゃあの火山は渡りきれねぇ!!頼む…何とかしてくれ!!
推奨ハンターランク:6
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
∞END∞
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