二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

薄桜鬼夢小説〜誠に生きる者達〜雪華録始動!
日時: 2012/12/26 15:17
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

こんばんは桜舞姫です。
前から考えていた新作を書く事にしました。
私の事をご存知の方、そうでない方、双方お楽しみください。

作者紹介

名前 桜舞姫・さくらまいひめ
性別 女  14歳の中一
誕生日 4月2日
埼玉県越谷市在住

<ここへ来た皆様へ>

・荒らしに来た人、薄桜鬼嫌いな人。回れ右。
・辛口コメント程々に。
・色々募集します。その時はどうぞ、よしなに。
・アニメ、ゲーム、オリジナル…ゴッチャです。
・千鶴の家族とか過去とか、意外と捏造です。
・不定期更新です。

これを読み、理解してなお足を踏み入れるという方。
………ようこそ。小説の世界へ……。

>>60 目次 


  【採用オリキャラ】
>>91 クラア殿
>>99 ノエ 殿

ありがとうございました<m(__)m>
キャラの詳細は、後日『新・オリキャラ』に
記載します。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28



Re: 薄桜鬼夢小説〜生きる者達よ〜 ( No.4 )
日時: 2011/12/10 21:48
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

1話 都来たる少女

幕末——何もかもが動きだす、狂乱の時代。そして、その中心とも
いえる動乱の都—京。今その町に、ある一人の少女いや、女鬼が、
足を踏み入れた——。

?「ここが、京の町…」
声は少し甲高く、色白の肌に結った黒髪が彼女の美貌を際立たせる。
顔だけ見て声を聞けば、誰が見たって美少女と答えるだろう。
しかし、袴をはき、笠をかぶり、腰に刀を差した今の彼女は、
誰が見ても10代の美男子だと答えるだろう。そんな男装美女は、
町娘が見惚れているのにも気付かずに、町の検問を待っていた。

(ああもう!検問があるなんてっ。こんな事なら、鬼の力で町に
 入っておくんだったわ。)
一般人が聞いたら、彼女の美貌に関わらず変な目で見られるであろう
心の声。そうしているうちに、列が進んだようだ。
役人「そこの者、書状を!」
呼ばれて、彼女は前へ進み、役人に身分証明書を手渡す。

役人「ふぅむ。…確認する、一つずつ述べよ!」
彼女は頷いて、はきはきと答える。しかも、声は青年のようだった。
水「私は水月千幸、18歳。出身は江戸であり、ここへ来たのは
  友人に会うためで御座います。」
水月—そう、男装美少女の彼女は、水月千幸といった。
千幸の返答を聞いていた役人は、書状の中身と言ったことが間違って

いないことを確認すると書状を返した。
役人「通って良し!」
千幸は一礼を残し、静かに歩み去る。
町人「兄ちゃん、役人に一礼残すたァすごいな。」
水「いえ、僕は何となく。失礼します。」
褒めてくれた町人に優しい笑みを送り、狭い裏路地へはいる。

水「時間は食ったけど、入れたからいいわね。」
さてと…と一息つくと、千幸は眼を閉じる。
(1つ、2つ……全部で7つか)
ゆっくりと目を開けると、静かに息を吐き考えをまとめる。
(風間、天霧、不知火、君菊、千姫様…あとの2つは…?それに、
 この人か鬼かわからない気配は何だ?)

水「鬼の純血が7に、おかしな気配が幾つか。そしてその気配の
  根源は……」
千幸は顔を上げて、少し前にある建築物を見やる。
水「西、本願寺…か。」
(仏教の集い場所に、一体どうしたらこんな闇が集まるのよ…)
さっそく疲れてきて、千幸は軽く頭を振る。

もう一度今わかった事をまとめて考えると、今度は千幸の背中に
軽く冷や汗が流れた。どうすべきか考え。
水「あの人に会わなきゃ。」
一言つぶやくと、町外れの森に向かって走り始める。頭の黒髪を揺らし
ながら、千幸はまず、当初の目的を果たそうとしていた。
(八瀬の郷へ……)

空は、うっすらと茜色に染まり始めていた。

Re: 薄桜鬼夢小説〜生きる者達よ〜 ( No.5 )
日時: 2011/12/13 21:05
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

2話 鬼達の出会い

さく、さくと、落葉を踏む音があたりに響く。今は夕刻であり、
場所が森なのでもともと人気などないのだが、紅く照らされる
地面を見ていると、神秘的である。
水「日が暮れる前にはって思って走ったけど。帰りは暗いな。」
茜差す森の中を、千幸は一人で歩いていた。
そして、前方の大きな屋敷に入る。はずだった。

?「何者ですか?」
聞こえて来たのは、凛とした女性の声。千幸は入口で止まったまま、
話す影に笑い掛けた。
水「突然で申し訳ないけど、いきなりクナイ投げることはないんじゃ
  ない?君菊。」
君「そのお声は…水月千幸様!?」

走り寄って来て千幸だと認めた彼女—君菊は、深く一礼した。
君「申し訳ありません、とんだ御無礼を!」
水「いいのよ、こっちだって急だったんだし。」
明らかに年上そうな女性が男装をしている少女に跪くという奇妙な
光景だが、幸い誰も見ていない。
?「お菊、どうしたの?」

ここでまた、可愛らしい少女の声がした。今度は千幸も一礼する。
水「お久しぶりです、千姫様。」
千「貴方……千幸!どうしてここに?」
事情を説明しようと口を開くと、千姫が一度止めた。
千「立話もなんだから、中へ入って。」
水「失礼いたします。」

中に入ると、彼女達は居間へ座った。
水「今日は、千姫様に会いに来たのです。」
千「え、私に?」
そこで千幸はすべてを話した。今日、この町で感じた事を。
千「貴方の感じた事は、全て正解よ。」
そこで千姫も語った。今、京で起きている全てを。

水「この町に、雪村の生き残りが!?」
千「確証はないけど、大体西本願寺から力を感じるわ。」
君「それから、南雲家も来ているそうです。」
水「西本願寺は、今何かになっているのですか?」
千「ええ。新選組屯所にね。」
新選組……京の人斬り集団が、寺にいる。その事実を、千幸は

今知った。
千「今の段階では、私もあまり教えてあげられない。全て、自分で
  確かめる気はある?」
水「もちろんです。」
その答えを最初から予想していたように、千姫は
穏やかに微笑んだ。

千「貴方は、近いうちに新選組と関わりそうな気が
  するわ。私の勘は当たるのよ?」
水「えぇ、よく知っています。」
つられて、千幸も微笑んだ。そこでふと窓を見て、
月明かりに気がつく。
(そろそろお暇しよう…)

立ち上がった彼女を見て千姫が気付く。
千「帰るの?君菊。目的地まで…」
水「ああいえ。大丈夫です。」
送ろうとした君菊を遮り、千幸は屋敷の門を出る。
千「本当に?気をつけてね。って、貴方は平気か。」
千幸は深く一礼して、森の中にある帰路を辿った。


水「今は……戌の刻位かしら。」
サクサク…と、小さな足音を立てて帰路を辿る。
(雪村家は、滅んだと思っていたのに……まさか。)
千幸の背後に影が降り立ったのは、まさにその時
だった。
?「久しいな、水月千幸。」
水「っ!!何者っ!?」

刀の柄に手をかけたまま、距離を取って振り返る。
そこにいたのは
水「風間、千景……」
刀を差し、金の髪に紅い瞳をもつ男—風間千景。
西国の鬼一族の頭領であり、千幸が鬼の中で最も嫌う
相手だった。

水「何の用だ?背後に立つのは感心しないが。」
風「フン。話は京の鬼姫に聞いたか?」
一体何の用だと思ったが、確認に来たらしい。
水「ああ。この町の鬼も…まがい物の事もな。」
風「そこまで聞いていたか。なら、俺が話す事は
  何もないな。」

水「ならば失せろ。貴様は好かない。」
冷笑を浮かべ、鬼の頭領らしい言葉遣いで言い放つ。
風間も薄く笑った。
風「まあいい。お前も新選組と関わるなら、また会う
  事になるだろう。」
次の瞬間、一陣の風が吹いた。静かになった後、

そこに風間の姿は無かった。
水「誰が会いたいもんですか。」
ひとり言のように言い捨てると彼女は森を抜け、
京の町へと足を踏み入れた。見晴らしのいい大通りへ
出た途端、背後から聞こえる2人分の足音。
やがて走る音に変わったが、千幸は構わず歩き

続けた。そしてその後、ついに声がかけられた。
?「そこの者、止まれ!!」

Re: 薄桜鬼夢小説〜生きる者達よ〜 ( No.6 )
日時: 2011/12/11 20:51
名前: 花暦桜花 (ID: lUcqHz23)

こんばんは〜!

来たよww

おおぉぉぉぉぉぉwww

なんか…。すごい!
主人公は鬼、ですかw

更新楽しみにしています!
お互いに頑張りましょう!

Re: 薄桜鬼夢小説〜生きる者達よ〜 ( No.7 )
日時: 2011/12/17 11:17
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

3話 きっかけの出会い

背後から声を掛けられ、ゆっくりと千幸は振り返った。
見ると、浅黄色の羽織を着た男が二人、千幸を睨んでいる。
どうやら、新選組の平隊士のようだ。
隊士「貴様、このような夜間に帯刀し出歩くとは、何者だ!」
水「………(ずいぶん無礼な人たちね)」
ムスッとした顔で、二人を睨み返す。そんな千幸に何を思ったのか、

一人が警戒心むき出しの声をあげた。
隊士「まさか、薩長の者か!?」
薩摩、長州。この藩に属するという事は、千幸から見て風間と同じ
という事になる。その考えをまとめた途端、そんなでたらめを問うて
きた二人に怒りを感じた。
水「だったら、何だ?」

この時の千幸の声は、誰が聞いても男のものだった。
一方隊士は、その台詞を肯定とみなしたのか、抜刀してきた。
隊士「捕縛する!!」
きらめき迫って来る白刃を前にしても、千幸は全く動じない。そして、両手を突き出した。

隊士達「うぐっ!?」ドサリ。
水「はあ。少し挑発しただけなのに。」
腹部に千幸の拳を受け気絶した二人を呆れ顔で見やっ
てから、踵を返したその時だった。
?「おーーい!どうしたっ!!」
まだ若い浅黄色の羽織を着た青年が、長髪を揺らし

こちらに駆けてきた。まだ若いが、さっきの言葉遣い
からして、幹部なのだろう。
?「おいテメェ!俺の隊の奴らに何しやがった!?」
すぐさま抜刀体制をとる。どうやら、千幸を完全に
男だと思っているらしく、今にも斬りかかる雰囲気が
あった。

水「僕は、いきなり斬りかかられたので、応戦した
  までですよ。気絶ですので、ご心配なく。」
言う事だけ言い放って、その場を離れようとまた歩き始めた。その時ふと
(彼らは真選組。名前を教えておけば、関わりやすく
 なるかも。)

と思い直し、くるりと振り返って、さも突然を装い
青年に尋ねようとしたが、彼の方が早かった。
平「おい。俺は真選組8番組組長の藤堂平助。お前、
  名前教えろよ。」
おそらく、名前聞き上官に報告するのだろう。自ら
名乗ったのは、知れても困る事ではないからだろう。

水「これはご丁寧に。僕は水月千幸と申します。
  藤堂平助、覚えておきます。」
これで用は済んだといわんばかりに、千幸は颯爽と
身を翻し、京の闇へ消えてしまった。
平「水月、千幸。」
藤堂平助は、一人呟いていた。


京の町の裏路地を歩きながら、千幸も一人呟いた。
水「本当に、姫の勘は当たるのよね。」
小さい声で口に出してみると、実感がわくのだ。
(新選組…か。)
そこで立ち止まり、白く光る月を見上げた。この形なら、明日の晩には満月だ。

水「また、会う事になりそうね…」
千幸の微笑と呟きを見聞きしているのは、空の月以外
何もなかった。


Re: 薄桜鬼夢小説〜生きる者達よ〜 ( No.8 )
日時: 2011/12/17 15:14
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

4話 鬼とオニ

暗い夜中の大通り。道を照らすのは満月の月光のみ。
(今宵は満月か。何か起きないといいけど…)
千幸がそう思った矢先だった。
?「ひゃはははっ!!」
浪士「ぎゃああっ!!」
(ちょと、何事よ!?)

千幸は慌てて声のした裏路地へはいる。
水「うっ!!」
そのまま飛び込もうとして、急いで退いた。
水「白髪紅眼…。こいつ等、まがい物!!」
滑らかな動きですぐさま抜刀した。磨き上げられた刀は、月光を浴び美しく輝く。

水「水龍を持つのも久しぶりだな…。」
水龍——この太刀は、水月家家宝なのである。歴代に
おいて、沢山のものをその刀身に浴びてきた。
千幸が刀を構えたのを見て、殺した浪士の血を啜っていた二人の羅刹もまた、顔を上げて体制を変えた。
羅刹「血!血をぉっっ!!!」

二人同時に斬りかかって来た。千幸の頭上を白刃が
煌めいた。
水「まがい物如きがっ!!」
ひゅっ、と。音がした。その直後、
羅刹「ぎゃああああっ!?」
二人の胸から血飛沫が上がり、息絶えた二人は地面に

倒れた。
水「姫に聞いた容姿の通りだ。白髪紅眼。」
顔に着いた帰り血を拭うことなく、歩き出そうと
した時だった。
水「!!(囲まれている…)」
暗くてよく見えなかったが、いつの間にか5人の

男に囲まれていた。全員が浅黄色の羽織を着ている。
?「ねぇ、これやったの…君?」
茶髪の若い男がさっそく話しかけてきた。返答しよう
とした時、千幸を遮って大声が上がった。
平「あー!お前昨日のっ!!」
昨晩会った青年、藤堂平助がいた。という事は、この

男達は新選組の幹部連中だろう。
水「今晩は。藤堂平助君…でしたよね?」
?「おい平助、知り合いなのか?」
?「おいおい左之、そりゃないだろ!」
今度は彼のわきに立っていた二人の男が声を上げた。
まさかぁ!という顔をしている。

平「土方さんこいつだよ!昨日話した青年!」
土方と呼ばれた男が、千幸を見て目を鋭くする。
土「なるほどな。斎藤。」
その呼びかけで、唯一の逃げ道だった背後の路地から
蒼髪の男がでてきて、道を塞いだ。
斎「如何致しますか、副長。」

斎藤と呼ばれた彼が、物静かに問う。
土方が決断を考えている間、千幸は彼らの事を見て
探っておいた。新選組は今多少有名だから、幹部なら
身なりでわかる。左利きは斎藤一、槍使いが原田左之助だという具合に。
土「何にせよ、見られたら仕方ねぇ。やるぞ。」

彼の一言で、その場の空気が一気に殺気立つ。
土「千鶴、お前は下がっていろ。」
雪「は、はい…」
その一言で、土方の後ろに誰かがいた事にようやく
気付いた。少年の身なりをしているが、顔立ちは
少女のようである。こんな所に連れてくるとは、屯所に留守番させられない理由でもあるのだろうか。

(あの子は…まさか!!)
千幸は何より、その少年のだす気配に驚いた。自分と
同じ。鬼の気配。
水「生き残りは、本当だったのか…」
とても小さな声で呟きながら、千幸は千鶴と呼ばれた
少年を見つめ続けた。だが、その視線に土方が気付き

すぐに少年を自らの背に隠してしまった。
平「りゃああっ!!」
まず平助が突っ込んできた。しかし千幸は軽く受け流し、さらに回し蹴りを当てた。
平「ぐあっ!!」
雪「平助君っ!!」

彼がやられてか、他の幹部も突っ込んできた。
沖「隙があるよッ!」
斬りこんできた沖田の件が頬に傷をつくる。しかし、
水「……フン。」
鬼である千幸は、傷などすぐに塞がる。
雪「えっ……」

千鶴はその光景を見て唖然とした。
雪「…(私と、同じ?)。」
原「こなくそっ!!」
原田の槍がまっすぐ向かってきた。
かわすのは無理だと察し、抜刀した太刀で槍の穂先を
払った。しかし、もろくなっていた穂先は、払った
衝撃で外れ、飛んでいった。千鶴の方へ。

原「しまった!!」
土「くそっ!!」
彼らが慌てて助けようとするが、間に合う速さではない。そう、人の速さでは。
水「うぐぁっ!!」
人並み外れた鬼の速さで、千幸は千鶴の前に飛び出

した。当然、穂先は千幸に刺さる。
水「怪我…は?」
かすれ声で尋ねる千幸を前に、千鶴は首を振る。
水「なら…いい。」
鬼であっても、中々塞がる傷ではない。そのまま千幸は意識を失っていった。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28



この掲示板は過去ログ化されています。