二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【~日常☆ヒットマン REBORN!~】
- 日時: 2010/03/24 15:41
- 名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15636
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シヅキと言います、初めましてorこんにちは♪
またまた消えちゃいました!!
ですが今はもう消えなくなって一安心ですよ((笑
カキコサイトリニューアルには涙ですねvv
それでは!是非是非応援ヨロシクお願いしますねbb
↓登場人物↓(各お話の主人公達限り)
神田 瑞生 ♀ ~Mizuki Kanda~ ((ベル編
出てくる話【サバイバルで恋をする】完結
望月 比遊 ♀ ~Hiyu Motiduki~ ((雲雀編
出てくる話【咬み殺されない理由】完結
五十嵐 柚梨 ♀ ~Yuuri Igarasi~ ((骸編
出てくる話【幻覚じゃない甘い夢】完結
筬 也 ♀ ~Nari Osa~ ((草壁編
出てくる話【周りの目なんて気にしない!】完結
海槻 雅 ♀ ~Miyabi Umithuki~ ((山本編
出てくる話【きっと叶わぬ恋は無い…】完結
美並月 風 ♀ ~Huu Minamiduki~ ((獄寺編
出てくる話【春に吹く風———】
〜*お知らせコーナー*〜
・このたびめでたくアク禁解除されました!!
↑について一言【BLの方で協力してくださった「ちぃ」「美穂」!
そして心配してくださった皆様!!本当にどうもありがとう御座いました!】
[*。・作者の一言+。:]
「駄文ですが、それでも頑張って行きたいと思います、どうぞ宜しくお願いしますね♪」
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- Re: 【~日常☆ヒットマン REBORN!~】コメ求! ( No.1 )
- 日時: 2010/01/24 11:34
- 名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15636
≪サバイバルで恋をする≫
標的1【出 会 い】
ジリリリリリ!!
「———煩い!!」
ガション!!と音を立てて目覚ましを止める。
「ふあぁぁぁ…朝は苦手・・・・もちょっと寝ちゃおっかな・・・・」
朝。
今日あたしは並盛中に転校する。
そして——。
マイペースに考えるコイツの名前は———
「起きなさい瑞生!!いつまで寝てるの!?」
「どわーっ」
神田瑞生。
それがあたしの名前。
お母さんに怒られながら遅刻ギリセーを狙う日々。
「いってきまーすっ」
「行ってらっしゃい」
バタンとドアを閉めて並盛へダッシュした。
「いやー朝からお母さんはおっかな過ぎだって・・・もっと手加減しろっての」
独り言をしながらタッタッタと駈ける。
その時だ。
…リ・ボーン
何処からかヘンな音が聞こえた。
「うおおおおおおおお!!」
「!?」
途端に向こうから頭に火をつけた寒い時期にハダカの男のコが走ってくる。
「死ぬ気で走る!!うぉぉぉぉぉおおおおお!!」
ダダダダダダダダ!!
あたしの前をも越して行く。
「イッツ死ぬ気タイム!」
!?
ヘンな男が行ったと思ったら———
次はへんな赤ん坊!?
「誰?キミ…名前、は?」
キョトンとした顔つきで赤ん坊を見てみる。
「ヒトの名前を聞く前に自分の名を名乗れ!」
ドゴォォォン!
「痛ー!!」
何この…
赤ん坊!!
真っ黒のカッコをした赤ん坊にいきなり大きなパンチをくらわされた。
「オレの名はリボーン!——家庭教師だぞ」
「家庭教師ー!?」
end+*.
標的2【転校しました】
「家庭教師!?ぷっあははっ意味わかんねー!」
ドスッ
「っく…」
これまた赤ん坊は強い蹴りを入れてくる。
「本業はヒットマンだぞ。…それにしても——」
少し間を空けて赤ん坊…リボーンは言った。
「———お前ツナに似てるな」
「ツナ?ヘンな名前・・・・ってあだ名か」
「そうだ、ダメダメダメツナだ」
ダメ多!
ツッコミ所ありすぎだコイツ——。
「まぁいいや。じゃーね、リボーン」
…意味分かんねェ——…
フツーに話しちゃってるよあたし——!
「まぁいいや…早く行こう・・・・・」
そう言いながら瑞生は去っていった。
「フン」
ニヤッ
リボーンは呟いた。
「———アイツのボンゴレに入れれば・・・・おもしろくなりそうだな、最も大きな戦力になるぞ」
「ハックシュン!!」
「ん?どうした神田」
「何でもないッス…」
風邪引いたか?
「何やってんだ、行くぞ!」
「はーい」
先生はHRを開き始めている。
「・・・・よし、入れ」
ガラッ
「神田 瑞生、よろしく!」
「お前の席はあそこだ」
ピッ
指を差す先生。
そこの場所には手を振る男子がいる。
「ココだココー!」
「あぁ、そこか」
「オレは山本武、ヨロシクな」
「あぁ、よろしくっ」
ニッとはにかむ笑顔がとてつもなく似合っている。
「ふあ〜ぁ…しかし今日さぁ、ヘンな赤ん坊に出会ったんだよねー」
「ヘンな赤ん坊?」
「そう、家庭教師で本業はヒットマンとか言ってたな?」
「ツナん家の小僧みてーだな、ハハッ」
「ツナ・・・・その赤ん坊もダメダメダメツナとか言ってたっけな…」
すると他の男子が騒ぎ出した。
「おいダメツナ!転校生もダメツナの事知ってるってよ!あっはっはっは!遠い街までもダメダメツナの事は知れ渡ってるんだな〜」
「どわっはっは」
クラス中が笑いに包まれた。
「十代目を悪く言う奴はぶっ殺すぞコラァ!!」
ダイナマイト(おもちゃだろ?)を手にもった男子が襲い掛かっていく。
「獄寺クン止めてー!!」
「おっおい獄寺っ!!」
山本まで止めに入る。
「ナンだ?騒がしいな・・・このクラス」
「そうだね、でも楽しいんだよ」
「へ?」
超可愛い・・・・
あたしの前には可愛い女の子が立っていた。
「私は笹川京子、こっちは——」
「黒川花。よろしく」
「よろしくっ!京子と花〜!」
隣の花は京子とは違う大人びた雰囲気を漂わせていた。
「静かにしろお前達!」
お〜ぉ〜先生大変そ・・・・
内心クスクス笑ってるけどね。
ガラッ
?あれ??
シン・・・・
教室は静まり返る。
———誰かが入ってきたと共に。
「ヒッ雲雀さん!!」
「風紀を乱す奴は咬み殺すよ」
カタン———
そんな中。
席を立つ者。
「瑞生ちゃん?」
——あたしだ。
「雲雀って言うの?転校生の瑞生、よろしく」
「ふぅん…風紀を乱さないようにね————じゃ」
スタスタと雲雀は歩いていってしまった。
「アイツすんげーツり目だね」
ザワザワと騒がしい教室の中目に留まった人物。
「ふあぁ〜…!ビックリした」
!!
あのツンツンした頭…
「あっキミ———」
「今朝の頭に炎ついてたヤツ!?」
「えぇ!?オレ!?」
「そうそう、ダッシュで走ってたじゃん・・・・でも目つきさっきと違う?」
「色々あって・・・オレは沢田綱吉、ツナでいいよ」
「こっちも瑞生でいいよ」
「十代目に触るんじゃねェ!!」
「ちょっ獄寺くん!!」
「あ、さっきのダイナマイト振り回してた・・・」
「てんめぇケンカ売ってんのかコラァ!!」
「獄寺よしてー!!」
「じゅ、十代目が仰るなら…」
「ダイナマイト怖いって、あはは」
「ヘンなあだ名着けんじゃねェよクソアマぁ!オレには獄寺隼人っつー名前がァんだ!」
「そっかそっかゴメンって」
「お前ら席つけ!!」
!!
クラス全員が大人しく席に着いた。
——だって・・・・
一秒もすれば説教しそうなスゴイ形相の先生が立っていたんだからね。
end+*.
標的3【良い奴山本】
「やーさっきはすげぇ騒ぎだった、ははっ」
「そー言いながらお前笑ってんじゃねぇか〜」
「そこっ煩いぞ静かにしろ!」
「「はーい」」
あたしと山本は授業中喋っていたせいで怒られてしまった。
「それにしても神田、ツナを知ってたのか?」
「今朝ハダカで突っ走ってたんだ、さむそーだったぞ…」
「あははっやっぱりな、ツナはスゲーのな〜」
ハッ
ゴォォォォォ…
あたしと山本はとっさに教科書に目をやる。
先生が目の前で恐ろしい目をして立っていたのだ。
「全くお前達!神田!答えを言え!」
「ゲッ」
何処の問題だっけ…!?
「え〜と〜…おっ」
問題が分かればこっちのもんだ…
「8…です?」
あ"
語尾にハテナ付けちゃった…
「正解、次、山本」
結果オーライ!
グッと親指を立てる。
「えぇ〜オレわかんねーよー・・・・んじゃ2で!」
どっ
皆が笑い出す。
「あはははは」
あたしも思わず噴出してしまった。
「ぐぬ…正解だ」
「おっラッキー!!」
「山本凄いじゃん!」
ツナが叫ぶ。
「ハハッサンキューな、ツナ」
「…ふぅ」
ストンと席に着く山本。
「ヤマが当たったのな」
「お前スゲーよ…」
「いつもこんな感じだぜ!」
あぁ・・・・
一目で分かった。
山本はこのクラスに無くてはならない存在なのか。
「すごいよ…本当に」
ぽそりと呟くあたしだった。
「あ、そーだ、昼休み一緒に食べようぜ?」
「ん?いいの?」
「ツナと獄寺とオレと笹川に黒川だよ、今日はお前と一緒に食べようって言ってたんだ」
「ナンでさ?」
山本はこう言う。
「決まってんだろ!!」
ガタン!!
席を立つ山本。
「転入祝いだよ!——それと…新しい友達としてな!」
ニカッと笑みを浮かべた…がそれは一瞬だった。
「山・本ぉぉぉぉぉ・・・・?」
ニィィ…
「ゲッ先生」
怪しげに笑う先生。
「お説教だ!後で職員室!!」
「えぇ〜!?」
眉にしわを寄せている山本を見て、瑞生は思った。
・・・・ドンマイ山本、サンキューなっ!
end+*.
標的4【昼食前は騒がしい!?】
キーンコーンカーンコーン
!!
「昼休みだぁ〜!」
ん〜っと背伸びをする。
「逃げっか…」
ん?山本何やって——
そのとき。
ヌッと黒い影が山本を覆った。
「——逃げるな山本!お説教だ!!」
「うわぁぁー!!…後でなっ」
パチッと引きつった笑顔でウィンクをする山本。
あらら〜
先生に捕まったか…
「お〜!頑張れよー山本〜」
とりあえず笑顔で山本を見送った。
ひょこん。
京子が顔を出す。
「山本君から話は聞いたよね?行こうか瑞生ちゃん」
「あ、そーだね〜」
「バカなお猿よね…」
「もう花!ダメだよそんなこと言っちゃ」
「分かったわよ京子っほら行くよ〜?」
「だねー」
「行こう京子ちゃんたち」
「うん!ツナ君」
皆楽しく和気藹々のときにただ一人———
「十代目!何でこいつらが一緒なんですか!?」
反論者、
「獄寺君!」
そう、獄寺隼人だ。
「でも歓迎会だし…」
「そうよサル!大人しくしなさいよ」
「んだとテメェ黒川ァ!!」
「何よ文句あんの!?」
乱闘開始———!?
っておいおいちょっとちょっと…
それは無いだろッ
「止めてってば二人とも〜!!」
ツナが止めに入る。
——が。
「どきなさいよ沢田!」
ドシン!
玉砕。
ウィィイン
何処かで音がした。
消火器の中から今朝のリボーンが出てきたのだ。
「死ぬ気でとめろ、ツナ」
「えっちょっリボーン!!・・・・うわぁっ」
ドン!
「銃〜!?」
意味わかんない大丈夫かツナ!?
っつーか銃で撃たれてるし…!
「——リ・ボーン!!死ぬ気で二人を止める!!」
「うおおおおおおおお!!」
復活しちゃってる!?
「今っ今朝の…!」
「イッツ死ぬ気タイム」
リボーンがぽつりと呟く。
「止めろぉぉぉぉぉ!」
「十代目!」
「沢田!?」
その時。
ぴょこん!
「ランボさんも遊ぶモンね!」
「ランボジャマしちゃダメ!」
何あの新しい赤ん坊二人!?
見慣れない赤ん坊二人がやってきた。
「ランボちゃんイーピンちゃん!」
「京子知り合いっ!?」
「ツナ君のお家に一緒に住んでるの!」
「ランボダメ!ジャマやめる!イーピンたち帰る!」
「ランボさん帰らないもんね!あっ」
ツルッとその辺に落ちてあったゴミをふむ牛赤ん坊。
すって〜ん!
「ガ・マ・ン…ぴぎゃぁぁぁあ!」
!?あれ何!?——まさか…
ゴソッと牛が頭からヘンなバズーカを取り出す。
やっぱバズーカ…?
「アッアホ牛のヤツ…!」
「ランボ!」
シッポみたいな赤ん坊が牛の赤ん坊を止めようとした。
ガチャッ
バズーカは二人にあたって爆発した。
ボワン!!
途端に煙が出てくる。
「ちょっ大丈夫かこの赤ん坊達!?」
「大丈夫だぞ、アホ牛なんてもっと酷い被害を受ける事になっているからな」
リボーンの目がキラッと光った。
「…間違いないリボーンのヤツ自分から牛を痛めつける気だ———!?」
モワモワ…
煙が消えていく。
現れたのは可愛い女の子にカタ目を瞑った男の人。
「これは若きボンゴレ、こんにちは」
「沢田さん!かわひらのおじさんどこか知ってます?ラーメン伸びちゃう!」
変身してるし…
手品か?
「よう!お前らまだそんなとこいたのか?屋上行って早く飯食おーぜ!」
「山本!」
「説教短かったよ、良かったよかった」
「皆さんでお食事ですか、良いですねぇ」
「大人ランボも来る?」
お、ツナ。
またイメージ変わって…
「若きボンゴレ、それではお言葉に甘えて…」
「きゃ〜っあのヒト!あのー私のお弁当一緒に食べませんか?」
花のキャラも変わったァ!?
でもそれより——
チラッ
ツナのほうを見てみた。
本当ツナって不思議なヤツだな…。
「ツナ、また顔つき変わってる…」
「あはは、私もね、最初はビックリしたけどどっちのツナ君も良い人だから大丈夫だよ!」
「わっビックリした!」
「えへへ、ツナ君はいつでもツナ君でしょ?」
「おーい、ミズキ達も早く!」
ツナが手を振る。
「——…そっか、まぁいいか!」
ニコッとあたしは微笑んだ。
ちょっと変わってるだけかもしれないし…
普通じゃないけど普通だって思ってよう。
「…後でみっちり色々教えてやる。瑞生」
ニヤリと笑う赤ん坊。
「何笑ってんの?…」
「さっさと行け、ツナ」
ドゴォォォン!
「痛ーーーーー!!分かったから!ひぃぃぃぃ‥」
名前は・・・・・
「オレは家庭教師ヒットマンリボーンだぞ。生徒を増やすのも悪くねェかもな」
end+*.
標的5【真実は目の前】
「ココが屋上なのな!」
「ひっろーっ!」
気持ち良いかも!
お気に入りスポット登録だな〜これは!
「さて、昼食にしようか」
「わーいっいっただっきまーすっ」
「瑞生ちゃんの玉子焼き美味しそうだね」
「いる?」
「わっちょーだい!」
「ありがとう!えへへ、私ミートボールあげるね」
ニコッ
京子の笑顔があまりにも可愛い。
「あぁ〜カッコイイわ〜・・・・ふふっ」
花はあいかわらずだ。
牛がらの男性に一目惚れしたようだ。
「んん〜おいしーっ」
———その時。
「その弁当ランボさんいただきだもんね!」
「———コラかえせ牛ィィ!」
食い物の恨みは恐ろしいと知っているか!?
「あちゃーランボ元に戻っちゃったね」
「煩くて困りますね十代目!」
「イヤッイヤァ!よるなガキ!!あの人いないなんて————もう嫌!あたし帰るから!京子!行くわよ!」
グイッと京子の手を引っ張る。
「ちょっと花〜!!・・・・あ、あとでね瑞生ちゃん」
「うんっ!」
バタン!
ドアを閉め、二人は去って行った。
「後は・・・・・」
「まてーっ弁当〜〜〜!!」
「ランボ!早く返す!悪戯ダメ!」
さっきのシッポちゃん!
「煩いぞイーピンン!」
「ランボ!イーピン達帰る!」
牛がランボでシッポちゃんがイーピンか!
「ギョーザ拳!はぁぁ〜っ」
1分後。
「ごめんなさい、コレお弁当」
「ありがとイーピン!全くランボは・・・・!」
「本当すみません」
「イーピンは悪くないよ」
「じゃぁ・・・・早く行くランボ!」
「えぇ〜ランボさんいやだ〜・・・・——」
バタン!
「ふぅ・・・・静かになったな」
獄寺がつぶやく。
「本当だな、コレでやっと話せるぞ」
「リッリボーン!」
「リボーンさん!」
「小僧!」
「あ、リボーン」
「瑞生・・・お前に話さなきゃいけないことがある」
「あたしに?」
「そうだぞ・・・・よく聞けよ」
そういうリボーンの目は、まっすぐでしっかりとしている目だった。
end+*.
標的6【ヴァリアー再び…】
「よく聞いてろよ」
そのままリボーン達は色々な事を話してくれた。
守護者、だとか六道骸とかの事。
ヴァリアーのことにリング争奪戦の事、十年バズーカの効果も知った。
リングがどーたらこーたらとかも言ってた。
最初は信じてなんかなかったけど、傷跡を見たり、死ぬ気弾の効果も目の前で見た事ははっきりしている。
「…っつーわけど、京子達には言ってねぇがな・・・」
ん?ちょっと待てよ!?
「何であたしに話したの?どーでもいい事じゃん、関係ないし」
「大アリだぞ。瑞生」
「何で…?」
いやいや…
そこないっしょ、あはは。
「理由を教えろよっリボーン!!」
「そうッスよリボーンさん!こんな女関係無いのに!」
ツナと獄寺が言った。
「話はすんだかい?」
「あぁ、雲雀」
「おいっリボーン!!」
「まぁまぁ落ち着けってツナ、獄寺!」
山本が抑える。
「・・・・本題に入るぞ」
「ボクがココにいる理由、分かる?」
「雲雀がそこに居る訳?・・・・さぁ——」
「群れるのが嫌いなボクがココに居られるのは…戦闘の話を聞いたからだよ、じゃないと居る訳が無い」
「あ、なるほど!」
ポンと山本が手を打った。
「でも話が繋がらないよ?リボーン」
「その通りだよ、リボーン、オレには全然分かんないよ!」
「いいから・・・・聞けっ」
ボカッ
「いってー!」
「ココ最近、またヴァリアーが動き出してな」
「ヴァリアーってさっき言ってたリング争奪戦の?」
「そうだぞ瑞生。よく覚えてたな」
「まぁね…で、ヴァリアー次は何をやろうと?」
「ツナを殺そうとリベンジしにやってきやがる・・・団体戦の試合を申し込まれたんだ」
「えぇぇ〜〜〜〜〜!?」
「昨日返事を伝える為にコロネロをヴァリアーの元へ行かせた」
「もちろんノーなんだろ?リボーン!?」
ツナは酷く焦っていた。
「イエスだ」
カチーン
ツナが固まってしまった。
「だ、だいじょーぶか〜・・?」
「仕方なかったんだぞ」
「どんな理由があってイエスなんだよぉ!!」
ツナが言う。
「今度の戦い、出ねぇと京子達がかわりに殺されるんだ!」
「何だって京子達が!?」
「そうだぞ瑞生。ツナ、それでも出ねぇのか?」
すぅ…
少し息を吸って答えた。
「———出るよ、出る!京子ちゃん達をまきぞいになんか出来ない!!」
「ツナ!よく言った!」
「さすが十代目!なんてお優しい!!」
「勝つぞ、ツナ!」
「咬み殺しがいがあるといいけど…」
「油断するなよ」
キッと皆を睨みつけてリボーンは言う。
「あいつらはレベルアップして帰ってくる、修行再開だぞ」
「みんな頑張ってっ京子達を守って!」
「何言ってんだ瑞生、お前も出るだぞ」
「へ?」
「何言ってんだよリボーン!」
「そーッスよ!リボーンさん!?」
「正気か?小僧」
「いやいやいやいや・・・・!」
必死に首を横に振る。
「今回、「晴れ」「雷」の守護者・・つまり了平とランボは出ねぇんだ、ルッスーリアがどうやら怪我をしているらしい、試合に間に合わないといっている。出られない条件の変わりにもう一人代役が出るらしい。
続いてコロネロが話し始めた。
「そして都合が良すぎると反論した所ランボは出なくていいという許しが出たんだ、コラ!」
ランボの件にしてはラッキーだと思う。
前回争奪戦じゃぁツナに助けられたわけだし——。
「だからっだからなんであたし!?」
「お前が代わりの守護者に大抜擢だからだぞ」
何でやねん!
「でもさ・・・・ボンゴレリング(だっけ?)だって使いこなせないしさー第一守護者じゃない——」
「今回の試合ルールは違うんだ、だから属性なんて関係ねぇんだぞ」
「ルールが違うって?」
「コロネロ!」
「やっと俺の出番が来たか、コラ!」
「あぁ、待たせたな」
「お前が瑞生か、コラ!」
「あ、うん、キミがコロネロか」
「今回の試合のルールは——サバイバルだ」
「サバイバル!?」
「ある島での殺し合いサバイバルだ、コラ!まず、相手チームの「パネル」を取り合いするんだ、パネルを取るためなら殺しても良い、どんな取り方でも文句はいえねぇぜ!」
「この殺し合いサバイバルはボンゴレが作った由緒あるもんだからな」
「へ、へー…」
んなもん作るなよ・・・・!
「次だコラ!3日間以内に多くのパネルを取ったチームが勝ちとなるぜ。ちなみに負けたら・・・」
「負けたら?」
全員ゴクリとつばを飲み込む。
いや、正しくは雲雀はあいかわらず無愛想な顔をしているが・・・かな、あはははっ。
「ボンゴレ10代目のチェンジとなっている!」
「うっそぉぉぉぉぉおおぉぉお!?」
「うるせーぞツナ」
「でも何でまたぁ!?ザ、ザンザスは氷漬けのハズ・・・!」
「何故出られたかはオレもしらねぇんだ、コロネロもだ」
「コロネロ、いつどこでやるんだ?」
「一週間後、この島だ」
「ボンゴレ歴史ある島だな、なかなかおもしれーじゃねーか」
「瑞生」
「んっ!?」
「お前、左手に付けてあるブレスレットあるだろ?」
「何でしってんのー!?」
「家光がな・・・家光がお前に預けたものだ」
「家光ってツナん家の親父?」
「そうだ。そのブレスレットがボンゴレリングのかわりとなり良い働きをするぞ」
「これが、ねぇ・・・」
このブレス・・・確か、押入れにあってデザインがカッコ良かったからいつもつけてるようにしてたんだっけな〜・・・。
いやいや、つーかさ?
「働きってどんな事をするの?」
「ツナと一緒に修行だ、そのブレスの効果は家光だって・・・オレさえ知らねーんだ」
「知らないのー!?」
「明日からみっちり修行だぞ、お前ら。山本と獄寺には特別かてきょーのコロネロがいる。雲雀には・・・」
バンッ
いきなりドアがあいた。
「よっ恭弥」
「ディーノさん!?」
「可愛い弟分よ、久しぶりだな」
話で聞いたディーノさんか!
「着てたんだ・・・並盛に。今日こそ咬み殺す」
「いきなりかよ!じゃーなリボーン、・・・あ!よろしくな瑞生!・・・しかたねぇな恭弥はっ」
「さて、ロマーリオも着いてってやれ、アイツ部下が居ないとまるで教えられねーだろーな」
「ハッハッハッ!了解!」
ロマーリオさんは笑いながら後を追った。
「行っちゃった・・・」
「うかうかしてんじゃねーぞ、ツナ、瑞生」
ビクッ
「今から修行だ、着いて来い」
「ラジャー・・・!」
end+*.
標的7【死神家庭教師】
リボーンに連れてこられた場所。
「ココって・・・」
そこは———
「山ァァァァァァア!?」
「そうだ、山だ」
「リボーン・・・また意味不明なカッコして!」
リボーンは金○郎のコスをして洞窟から出てきた。
「黙れダメツナのクセに。今回の修行、さすがにオレ一人じゃちと人手が足りなかった。そこでだ」
「こんにちは」
ガサッ
草陰から出てきた人。
「紹介するぞ。コイツは——」
「御神 裄だよ。よろしく!」
ニコッ
「裄か、よろしく!」
あたしは挨拶を交わした。
「裄君よろしく、・・・・リボーンとまたヘンな関係なんじゃ・・・・」
ツナはいらぬ想像をしていたらしい。
顔が真っ青になっている。
「コイツはお前の家庭教師になるんだぞ、瑞生」
「へっ?そーなの?」
「そうだよ、よろしくね、瑞生」
「あ、うん!よろしく!」
「おい、しっかりと鍛えてやれよ」
「まかせてよ、リボーン!」
リボーンとずいぶん親しそうだな・・・・
二人の間にどんな関係が・・・!?
「瑞生?行くよ?」
「了解、先生!」
山の中を暫く歩いていた。
裄の導くがままに。
すると——
裄は突然こんな会話を切り出した。
「ねぇ、瑞生」
「何〜裄?」
「死神って——いると思う?」
「死神ねぇ〜リボーンみたいなヘンなのがいるくらいならいるんじゃねい?クスクス」
笑いながら答えた。
「あはは、そうだね・・・・実はね、ボク・・・・」
その瞬間、大きな足音が森に響いた。
ズシン!
熊だ!
大きな巨体と共に熊が現れた。
「話は一旦中断だよ!戦おう」
「ガオオオオオオオオオ!!」
「うわーっ襲ってきたァ!」
「瑞生!」
ザン!
大きなつめで頭をはたかれてしまう瑞生。
「痛〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
「瑞生!!ッ・・・・のぉ・・・・」
「裄?へ?」
ビックリした。
裄の目の色が変色し始めたからだ。
「許さない!」
裄はものすごい速さのパンチでくまを殴りつけた。
「マジに裄———?」
「ギャオオオォォォオオオ!」
ズシン・・・・!
熊を木々を倒し、横になった。
たったの一撃で裄は熊をのしたのだ。
「スッすご・・・・」
「僕・・・目の色、赤くなってたでしょ」
「う、ん・・・・」
「僕・・・・・死神なんだ」
!?
「じゃぁさっき話してた事って——」
「全て、僕のこと。最初に君に知っておいてもらいたかったんだよ」
「そっか・・・」
「僕が死神だってこと、誰にも言わないでくれる?」
「ナゼだー?」
「どうしても、だよ。リボーンなら知ってるからいいけどね」
「分かった、約束する!」
「良かった・・・・あ、ココが修行の地だよ」
「ココが・・・・?」
「そう、この———」
たどり着いた場所、そこには———
「たくさんの針のなる木がある特別な場所」
たくさんの針が生える不思議な木がいっぱいに生えた場所だった。
end+*.
標的8【修行は一段階目】
「針の木ィ!?」
「驚いた?あはは」
「あははじゃないよ裄・・・ココで修行って———絶対無理だよ!?」
「でも、やらなきゃ」
そういう裄の目は真っ直ぐだった。
迷いの無い、しっかりと道が見えている「目」。
「そうだよね、やんなきゃ!やってやるよ!」
ニコッ
裄は笑んだ。
「その意気だよ!瑞生!」
ザァァァァ
ドシャァァン!
水を大きく打つ音。
「おいリボーン!」
「何だツナ」
「何でオレ・・・・・」
「滝なんかにうたれてんだよぉぉぉぉ!!」
ココは滝つぼ。
以前エンツィオが巨大化してしまった所。
今回のツナの修行は集中力を付ける事だった。
「文句言うな、お前のため、京子たちのためでもあるんだぞ」
「分かったよもう!!——所で」
「何だ、無駄口叩くとやる時間延ばすぞ」
「むっ無駄じゃないから!・・・で、骸たちはどうなってるんだよ!今回はレベルアップしたヴァリアーなんだろ!」
少し間を空けて、リボーンは答えた。
「心配いらねぇ、アイツにも家庭教師が付いているんだぞ」
ニヤリと不適に笑うリボーン。
「マ、マジかよ・・・」
「マジだぞ、無駄口だったな。2時間延ばそう」
「無茶言うなァァァァァァァァァ!!」
「(骸は大丈夫だ。のみ込みが早いし、何より————)」
「柚梨が付いているはずだからな」
「へくしゅっ」
ずずっと花をすする柚梨。
「風邪かなぁ?まぁいいか〜・・・」
「で、どんな修行?」
「まずはお手本を見てて。瑞生、僕が飛んだらこの・・・・・よっと」
ブチッと木から針を抜く裄。
「この針を僕に向って投げて」
「キケンだって、怖いよ裄!?正気!?」
「大丈夫、さっき強い僕を見たでしょ?行くよ!」
ギュン!とジャンプをする裄。
あたしは裄に向ってこんしんの力で針を投げつけた。
「よっ!!」
シュシュッ
針は裄に向って飛んでいく。
「はぁっ!」
キィィィン。
ドン!
見えない何かが針を止める。
「えっ何アレ!?」
裄は針が来る直前に、気迫で針を止めたのだ。
「ふぅ・・・」
シュタッ
宙返りをし、気が無い所へ上手い着地を決める。
「すごい・・・・ってアレあたしやるて事!?」
「そう言う事。瑞生にはまず一般離れした、「戦の恐ろしさ」を知ってもらいたいんだ」
「な、なるほど———」
さすがのあたしもあっけに取られた。
確かに一般離れをしているであろう、「マフィアの戦い」。
針を敵からの襲撃だと考え、戦いに必要な覚悟の気迫で止めるのか。
「家庭教師である限りこの実力、そう・・・力があるのかぁ・・・・」
「その通り!さ、瑞生もやってみて」
「う、うん・・・・まずは飛んで——」
ギュン!
裄のマネをし、足に力を入れて飛ぶ。
「行くよ!」
裄はそう言いながら一本針を投げてきた。
「手を針に向けて前に出して!自分の気持ちを手に集めて!」
グッ
集中して、裄の言われたとおりやる。
「いまだよ、その気持ちを放出するようにするんだ!!」
「はぁあっ!」
シュッ
裄の力には及ばないが、針1本は防げる気迫を作れたらしい。
「一段階目は成功だね」
腕組みをして裄は言う。
——が。
ソコまでは良かった、瑞生は一気に疲れたらしく、気が抜けて落下していった。
「うわーーーー瑞生ーーーーー!!」
裄の大絶叫の中、一人受け止める者がいる。
ギュッ
「お、落ちる・・・ん?」
夢でも見ているのか?
あたしの前に・・・・
「アブねぇじゃねーかクソ野郎!」
「あ、キ、キミは・・・・・・」
「よくやったわ、隼人」
獄寺がいた。
獄寺の隣には美人さんもいる。
落ちそうになった所を獄寺が受け止めてくれたのか。
「わ、悪いね獄寺———でもおろせー!ハズいっつーの!」
「フン!こっちのセリフだ!」
ぽん。とあたしを優しく下ろしてくれた。
「おーい瑞生!大丈夫〜!?」
向こうから裄が駈けてやって来る。
「あぁ、獄寺が助けてくれた・・・って裄は知らないよね」
「うぅん、リボーンからお話は聞いてるよ、獄寺君。僕は裄」
「リボーンさんの知り合いッスか!?よろしくッス!裄さん!」
たっ態度違ェェェ・・・・!
「隼人・・・行くわよ」
「チッうっせーよ!」
「あら・・・貴方が瑞生?」
「あぁそうですよ〜・・・・」
あまりの美枠に少し手間取ってしまった。
「毒サソリビアンキ!」
「あら裄・・・・久しぶりね」
「私はビアンキ、隼人の姉なの」
「ビアンキさんか、よろしくお願いします。獄寺の家庭教師なの?」
「えぇ、そうよ。じゃぁね、瑞生、裄」
「さよならビアンキさん!獄寺!」
「またね、ビアンキ、獄寺。修行頑張って」
「・・・・裄ビアンキさんの事も知ってたの?」
「クスクス、まぁね。さ、修行第二段階始めるよ」
「おーっ!」
こうして修行第二段階が始まろうとしていたんだ。
end+*.
標的9【夢、そして誓いのブレス】
「第二段階に入ろう」
「うん、裄・・・・」
次はどんな修行が待ってるんだろう・・・・
さっきのは普通じゃなかった。
でも・・・・
きっと今から始めるのはもっと凄い事のはず。
「次の修行はブレスレットに関係があるんだ」
「これ?」
シャラッと袖を上げて裄に見せる。
「うん、それだよ。そのブレスの力をいつでも出せるようにコントロールしよう」
「分かったよ」
「まず、ブレスの力を教えてくれる?」
・・・・・・・・・・・・
「へ?」
「へ?って知ってるんでしょ?僕はリボーンからアイツになら分かる、とだけ聞いたんだけど・・・」
ふるふるふる・・・・
体が怒りで震えるのが分かる。
「リボーンのヤツ・・・・っんにゃろーーー!!」
「えっ!?ミズキまさか・・・・」
「——察しの通り、「知らない」よ」
「えぇぇぇ〜っ!?ど、どうすればいいの!?」
裄も声を張り上げている。
リボーン・・・・
何考えてんだ!?
「と、とにかく瑞生がなんとかするしかないよ」
「だよね〜・・・・裄が知らないってんだし、持ち主のあたしがどーにするしか・・・・・ねぇ裄?」
「何?どうしたの?」
「少し休んでていいよ」
「ありがとう瑞生。ちょっと川のほとりまで言ってくる!」
たたたっ
そう言い残し、裄は走って言った。
きっと疲れているんだろう。
ついさっき聞いた話、裄はどうやらイタリアにいたらしい。リボーンにいきなり呼び出され、忙しい日々だったと。
「ブレスの秘密、か・・・・」
木陰で座ってしばらく考えていた。
眠ってしまったらしい。
あたしは夢の中におちいっていた。
ついこの間のことが、夢となって出てくる。
『このアホ牛ィ!!』
『やめて獄寺くん〜〜〜!!』
これ・・・・・
あの二人のケンカのときの話?
ん?
『瑞生・・・・未来を託す、このブレスと一緒に』
『何このキレイなのはさ〜・・・・・』
あ、れ・・・・は・・・
小学6年の頃の・・・・
あたし・・・・・・・?
隣にいるおっさんは・・・・?
『それは・・・・・・』
『ア・・・・コ——・・・バ・・・・・——ノとの・・・』
———誓いのブレスレット———
パァァァァァァァァァァ!
「うわぁぁぁあああ!」
ガバッ
あたしは強い光に包まれたかと思うと、飛び起きていた。
「瑞生っ!?」
「裄・・・」
「寝てたんだよ、瑞生。うなされてたね、大丈夫?」
「うん——」
それにしても——
あの夢、一体・・・・・・
どういう意味だったんだろう。
それに誓いのブレスとかって・・・
意味わからねー事ふえたって仕方ないのによ・・・
「今日はココまでにしようか、ほら、リボーン達がお出迎えだよ」
「瑞生〜!!」
「ツナ!リボーン!」
「僕はホテルに泊まるから。じゃぁね、またココに集合だよ」
「うん、また後で」
「瑞生」
「何?リボーン」
「お前、今日は強化合宿としてツナん家で泊まれ、京子達も一緒だぞ」
「いくいくー!おもしろそーっ!」
「勝手に決めんなよリボーン!!」
今日はツナの家で止まる事になった。
その後、山本に獄寺も集まって皆でツナの家に行ったんだ。
———でも・・・・。
友達とのある意味お泊り会・・・・・
集中できなかった。
ブレスのあの夢のことが
頭から、離れなかったんだ。
「ふぅ・・・・」
そんな中、一人瑞生を見守る人物。
「(アイツ・・・・そろそろ気付いてきたんだな)」
「——・・・なかなかおもしれーじゃねーか」
“アルコバレーノ”の一人。
リボーン。
「家光め、次は何を考えてやがる」
ツナの父、家光も関係しているのだろうか。
不思議な言葉を残すリボーンだった。
end+*.
標的10【修行は幻覚と共に…】
柚梨たちが色々やっていた時・・・
こっちはこっちで沢山練習を積み重ねていた。
ツナの家に泊まったあの時の続きを話そう。
「神田、どうだ?調子は〜」
「山本!」
あたしは少しドキリとした。
調子って聞かれたから——。
ブレスの事だって分かんないんだ。
「ボチボチ、かな。山本どうなん?」
「絶好調!時雨も中々決まってきたんだぜ?ハハッ」
「凄っげーじゃん!さすがだね!」
「そーか?サンキューな!」
山本、絶好調か。
山本だけじゃないな。
獄寺も・・ツナも———
雲雀だって絶好調みたいだ。
あたしはまだブレスの事分かってないんだ・・・
でも!
カッ!と目を見開く。
なんだか気合が入ってくる。
「うーっし!!」
頭をわしゃわしゃと書いて、吹っ切れた。
「こーなったら修行だーっ!修行修行!」
そう、分からないで止まっちゃいけない。
分からないから——
「解明するんだ!」
すると・・
「ちゃお瑞生」
「リボーン!ビックリさせないでって・・・全く〜」
「苦戦してるみてーだな」
「う・・・・」
ギクッと来る。
どうして・・こう、痛いところを着いてくるかなー
「オレが手伝ってやる」
「リボーンが?」
「そうだ、お前・・・・・夢見たんだろ?そこまで成長すればカンペキだ」
「んなーーーー!」
成長!?
たいしてしてない気がする!
つーか!
リボーンどんな修行させる気!?
めちゃくちゃ怖ェェェ———!
「着いて来い、ママンたちにバレねーよーにだぞ」
「分かった」
でも・・・・
強くなれるなら構わない・・
皆のために頑張らなきゃだ・・・・・!
「でぇ!アンタに着いてきたけど!」
「ココ!?」
「そうだぞ」
連れてこられた場所は・・・・
「黒曜ヘルシーランド・・・・・あの遊園地みたいな場所?」
あの頃とはずいぶん違う・・・・
黒曜ランドは汚いし汚れてる。
「おまえも着た事あるのか。つくづくツナに似てるんだな」
「骸!出て来い!」
リボーンは叫ぶ。
たちまち霧がはる。
「クフフ———何のようですかアルコバレーノ?」
「お前、コイツの修行手伝ってやれ」
「コイツ・・・・おや、かわいらしいお嬢さんで」
ゾクリ。
可愛いなんていわれると——
——鳥肌立ちますよ骸サン!?(だったっけ?)
「名前は?」
「瑞生です」
「ほう・・・・ボクは骸と言います、ヨロシクお願いしますね」
「じゃーな、オレはおねむの時間だ。ちなみに骸の修行はこの夜しか受けられねーぞ」
「はぁー!?アンタが修行するんじゃ・・・・」
「ちゃお」
赤ん坊とは思えない身のこなしで去っていく。
「はぁ・・・・リボーンの奴ゥゥ!」
はらわた煮えくり返るほどの怒りをもちながらも理性が勝利している。
「骸さん・・・どんな修行するの?」
自分の心を持ち直し、骸さんに問う。
「キミは不思議なブレスレットを持っていると聞いた。そして———夢を見たそうですね?」
「うん・・・何が何だか意味不でねぇ・・・・」
「どうやらアルコバレーノは・・・・」
「夢をコントロールできるよう・・・・いえ、クフン。正しくは夢をコントロールする位の気持ち、心を保つ為に幻覚を作り出す事が出来るこの霧の守護者であるボクに教えてもらってほしいみたいですね」
「霧の守護者はいつになっても冷静である事は戦いの場でとても大切ですからね。クフフフフフ」
「でも何でリボーンの言いつけを聞いたの?話では結構恨みがあるみたいじゃん」
「ク———フフフ」
決まっているじゃないですか・・・
この家庭教師役を引き受けないと柚梨の家庭教師を他の奴と変えると言い出すのですからね・・・・。
ボソッ
骸はつぶやいた。
「全くだから嫌いなんですマフィアなど・・・・」
「骸さん?」
「あ、ああ———では、まずはこのトレーニングメニューを見てやってみて下さい」
こうして———
霧の守護者こと骸サンとの修行が始まったんだ。
end+*.
標的11【負けられない気持ち】
「もっと落ちついてください!」
「違う!今の心は・・・・!」
「こうですよ!ほら!」
・・・・・・・・んんー!!
「つっ疲れた・・・・」
教え方キッツい!
喋り方で判断してた!
甘かった・・・・・!
「次の修行、行きますよ」
「うわぁぁぁぁ!」
瑞生がスパルタ指導で骸に教えられていた・・・その頃。
ヴァリアーもヴァリアーで修行を・・・
「弱ぇんだよ!ロン毛が!」
「う"おぉい"!煩いぞぉカスがぁぁ!」
ザンッザクザクゥッ!
ヒュン!
ベルとスクアーロが練習試合(もはやケンカ)をしていた。
「もっと静かに修行してよねぇ〜!スク!ベルちゃん!」
「お前もうるせーし、つーかオカマは消えろって」
「おい、気が散るだろ」
「うっせぇーこーなったら王子がまとめて切り裂いてやるよ」
「上等だこのカス野郎がぁぁあ!」
「うけてたとう!」
練習・・・・
「んもぅ!煩いわねぇ!」
練習・・・・が・・・・・
「僕の金汚さないでよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ふはぁぁぁ・・・・骸さん・・・疲れ・・・」
「休まないで下さい!次!」
「はーいっ」
精神統一・・・・頭の中を真っ白に———
「良いです、そんな感じ」
ゆっくり、ゆっくりと・・・・
———zz(z?ぇ?
「・・・・瑞生?」
「zzzzz・・・・ぐぅ、ぐぅ」
「・・・・寝ちゃいましたか」
ふぅ、とため息をつく。
「良いです、1時間でこれだけ上達したんですからね。少し寝かせてあげましょうか」
沢山の練習を重ね、驚くほどに上達しましたね。
「クフフ——上出来です」
所で・・・・今度の戦い・・・・
「サバイバルですか・・・・」
パネルを取った方が勝ちとでも言ってましたね。
柚梨・・・・
ボクは・・・・絶対・・・・・
「ふあ〜ぁ、寝ちゃったよ・・・・骸さん?」
はっ
「あ、は、はい——続きをしましょうか」
「うん」
軽い返事をし、修行は再開された。
「中々良かったですよ」
「今日はありがとう、骸さん」
「いえいえ。おさらいも忘れずにして下さい」
「ラジャー」
てくてくてく・・・
てってって
たたたたたた——
たったったったっ
ダーーーーーッ
歩く早さを次第に早くなる。
何処に行くかって?
決まってるよ。
もっと修行する為・・・
あの山に走るんだ。
第二のヴァリアー戦にむけて
〝勝つ〟為だけに。
——ヴァリアー戦まで残り4日。
end+*.
標的12【出来ないならぶっつけで】
「裄ーっ」
ブン!
大きく手を振る。
「瑞生、おはよ」
「おはよう裄・・・・さ、修行しよっか」
「そうだね・・・何か掴めたのかな〜?」
ニッ
笑みを浮かべる。
「裄、分かるんだ?」
「モチロンだよ」
その瞬間・・・・
ガァァァン!
石が裄の頭に直撃する。
「痛い・・・うわぁぁぁぁっ」
「ユキ!?ってうあぁ!」
「リボーン!?」
「うるせーぞ裄、泣き止めヘタレが」
「ヒドイよリボーンっ!うわぁぁっ」
んなー!?
初めて裄の本当の一面見ちゃったよ・・・・
「瑞生、どうだった」
「どーもこーもねェよ・・・さき帰りやがってさっ」
「良いじゃねぇか」
「よくないし!」
たたたたっ
誰かが走ってくる。
「おいリボーン!何してんだよ!」
「ツナか、お前ちょっと待ってろ」
「仕方ないなぁ・・・あ、瑞生おはよう」
「おはよ、ツナ」
「じゃぁオレ先に行ってるからな」
「あぁ、そうしろ」
「じゃーね、瑞生〜」
「バイバイ、頑張れよ」
そう言い、ツナは去っていった。
「で、何か用があって来たんじゃないの?リボーン」
「その通りだぞ。さすがにカンが良いなお前」
「まぁ…ね。で、何?」
「ある事実が発覚したんでな。お前に言いに来た」
「ツナにはどうなんだい??」
裄・・・・復活したみたいだ。(まだ少し半泣きでいるけどね)
「言ってないぞ」
「それじゃぁ何であたしに?」
「お前が関わるんだ」
「ふぅ・・・ん」
「今回のバトルな・・・負けたらボスの権限が変わるだけじゃねーんだぞ」
「!?何だって!」
「裄、少しは落ち着け」
「前ルールを話したがな、少し詳しく言うと・・・・」
「パネルは7つあって、サバイバルが終わるまでにパネルを持っていないヤツは・・・・・」
「敵チームの仲間になっちまうんだぞ」
「っな・・・・・なんで言わなかった!!リボーン!なんで!」
「・・・あの場で言える事だと思うか」
はっ
「これが最後かも知れねぇんだぞ・・・学校の思い出の一分一秒、不安な気持ちで過ごして何が楽しい」
「・・・・・・そーだね・・・」
「気を落とさないで瑞生。・・・・みんなならきっと——」
「そうだ、信じる事が一番なんだぞ」
「うん、分かってるよ。分かってるんだ、あたしも」
それでも———
仲間なんて消えて欲しくない。
みんな消えずに・・・また楽しく過ごすんだ———
「転校早々こんなんじゃダメだね」
「だから勝つよ、絶対!!」
ニヤリ
リボーンは不適に笑う。
「良い度胸じゃねーか。偉らいぞ、成長したな」
「親には言ったの?これからの事」
裄が問う。
「合宿があるといっておいた」
「そっか!とりあえずお茶飲む?」
・・・・・・・・裄——
マイペースなんだね・・・・あは。
「お前は少し黙ってろ!!」
ドゴォォォォン!
「きゅぅ・・・」
バタン。
裄失神。
「何やってんだリボーンーーーーー!!」
「瑞生、お前・・・・ブレスレットのことは?」
「う・・・・・」
「何もわかんねーのか」
「そうだね、分からないや——あれから夜骸サンとこ通い続けたよ。結構良くなってきたとも言われた・・・・けど」
「使い方が分からなきゃ意味はねーって事だな」
「・・・・びんご」
「どーすんだ?」
「こーなったらブッツケ本番で行くしかないと思うよ?・・・・リボーンさぁ——」
ニヤニヤと不適に笑みを浮かべ続けるリボーン。
「同じ事、考えてたんじゃない?」
ニヤリ
瑞生も笑みを返す。
「おもしれーじゃねーか、やれるとこまでやれ。ツナに似てるならきっと乗り越えられるはずだぞ」
ヴァリアー戦まで残り・・・・2日。
end+*.
標的13【改める気持ち!】
「はぁっ!」
ボッ
ブレスから二色火が出る。
「ッし!」
思わずガッツポーズをしてしまう。
「よくなったね、瑞生!!」
「裄のおかげだって」
あれからリボーンがツナの元へ戻り、
裄と修行を開始した。
・・・・・リボーンの言われたとおりに、ね。
リボーンは言った。『ブレスもリングと同じ役割をするんだ。覚悟の炎を出せ』と。
そんなこんなで練習を続けて10分。
火の色は赤、どうやらあたしは嵐属性だったらしい。
「出たけど小さいね」
「うん、じゃぁもっと・・・・」
30分後、少し強い火が出る。
次に水色の青い日が出る。
「瑞生、元々は雨属性なのかもね」
「嵐の炎より強いから?」
「そーゆー事」
———そして、1時間後。
「良くなってきたね」
裄の最初のセリフだ。
つまり、今。
「二色同時に炎を出せるなんてね・・・本と飲み込みが早いったら!」
「ハハッさんきゅ裄」
嵐と雨の炎を同時に出せる、それまで上達が出来た。
「次にボックスだよ」
「そうだね・・・・・けど!」
「「ボックスが無い・・・・・」」
「すっかり忘れてた・・・・!ゴメンっゴメン瑞生ぃぃ!」
ガンガン地面に頭を叩きつけて土下座する裄。
「止めてー裄ーーーー!?!?」
そう、ボックスが無かった。
ボックスがなければ炎を出しても役には立たない。
え?何でこの時代にボックスがあるかって?
それは作者が混ぜてるんだよね〜
十年後の世界とごっちゃだよ全く・・
「・・・・でもさ」
「どうしたの瑞生」
「最初の頃と比べて強くなったよね、自分が」
「そうだね———」
あの頃が遠く感じる。
本当に、本当に・・・・
戦わなければ
いけないと言うことを
今改めて実感している。
「戦うんだ、あたし一般人だと思ってたよ」
スクッ
立ってブレスを日にむけて、かざす。
「でも違うみたいだね」
こくん・・・
裄は静かにうなずく。
「あーあっ」
大きく伸びをしながら言った。
「勝ったら・・・・負けたら・・・・・・・その後に何が残るのかなーーーーーーーーー!!」
そして叫ぶ。
何もかもが分からなくて。
何をすれば良いか分かってるのに・・・・・
変な気持ちだ。
分かっているのに分からないのだから。
「瑞生・・・・」
「何てね・・・ただ未来を知りたいんだ、あたし」
「ボクもだよ。あ———ねぇ瑞生」
「んー?」
「帰ってきたらさ、アイスおごって上げるよ」
「よっしゃァァァ!ぜって勝つぞ!!」
ニカッ
満面の笑顔を裄と交わす。
絶対に・・・絶対に・・・・・
勝って・・・・並盛で平和に暮らす。
答えは見つかった。
だからそれに向けて
少ない時間
しっかりと修行しよう。
end+*.
標的14【武器は刀】
休憩を終え、再び修行が再開された。
「裄!頼むっ!」
「OK!行くよ!」
ババッ
大木を裄が投げつける。
と、共にあたしが大木を刀で切り刻む。
ザザッザクザクッ
パコンパコンパコン!
大きな音を立て、大木はマキとなり丁寧に積み重なった。
「刀の腕も悪くないね」
「裄に褒められると自身着くわ〜あはははっ」
今は刀の修行。
今は武器も必要だ。
裄はあたしの瞬発力のよさ、反応のよさを生かし「刀」で戦う事を決めた。
やはりむいていたらしい。
獄寺の爆弾・・・あれはもはやダメである。
あたしは大きな音が嫌いだ。
花火のバーン!てのも運動会のピストルも、風船が割れる音も大キライだからだ。
次に肉弾戦、笹川兄のようなね。
アレもNGだ。
あまり腕や筋肉の無い(と言うか付けたくない)あたしにはむいていない。
それにランボやツナの特殊攻撃。
ブレスの力が分からない今、やろうとしても無駄な足掻きといえるであろう。
その判断からもして、骸や雲雀や山本の武器を生かす戦い方を進めた。
その中から刀を選びぬいたというわけだ。
「もう一丁!」
「はいっ」
何度も何度もその修行の繰り返しだ。
一分一秒を惜しみ、裄に遅くまで付き合ってもらう。
「裄、今日もありがとうね」
「良いんだよ〜さーて早く魔界に行ってお菓子お菓子〜じゃ、オヤスミ〜」
・・・・・・魔界。
なんとなく声が出ないあたしであった。
夕方8:00帰宅。
夕飯を食べ風呂に入る。
自分の部屋の窓から飛び降り、黒曜ランドに向かう。
「——前やったおさらいしながら向かおう」
心を無心にしながら障害物をよけ、そして進む。
「感じる」トレーニング。
これは「感覚」が優れる山本に手伝ってもらった。
「・・・・・・・・・・」
ガァァンン!!
思いっきり誰かの家の窓にぶつかる。
「いったた・・・」
ガラッ
勢いよく窓が開く。
出てきたのは真っ黒の可愛い目に小さいチャームポイントのタレマユ・・・・
「エ?リボーン?」
「ちゃお瑞生」
「ちゃ・・・ちゃお。あ、ココツナん家じゃん」
「しっかり修行してるみてーだな」
「当たり前だって〜」
「そう言えば裄からの伝言だぞ」
「ん?何?」
「『明日は山本の道場に行ってね〜』だと」
「ふぅ・・・ん。分かったよ」
「じゃーな・・・・あ、オレの眠りを妨げたな」
「——へ?」
仰る意味がよく分からないのです・・・・・がァっ
ビビビビビビビビ!
電流が体中にながれる。
「んぐぁーーーー!!」
「おしおきだぞ」
ぴしゃっと窓をしめリボーンは行った。
「油断大敵だ・・・・・?」
あんがい、
油断大敵のメッセージは
リボーンからの
贈り物だったりして・・・・
end+*.
標的15【対面!黒曜メンバーズ】
「今日もお願いしマース」
「えぇ、よろしくお願いしますね——クフフ」
「ですが」
ピタリ、と最初の和らぎが無くなる。
「そのケガはどうしたんですか?これじゃ練習になりませんよ」
「そんな事言わないで骸ぉぉぉ!!」
「おやおや、元気ですね・・・まぁ良いでしょ、始めますよ」
「おーけぃだしー」
今宵も夜の修行は始まった。
「そうだ瑞生」
「ほい?」
「キミは嵐と雨属性の炎を持っているようですね」
「うん」
「霧や雲、晴れに雷——大空なんてことはましてや無いでしょう?」
「さすがに大空はね、でも———絶対って言う保障は出来ないよ」
ニヤリ
勝気な笑みを施す。
「クハハハハハ!おもしろい!アルコバレーノが認めただけはありますね」
「そりゃどーもっ骸はやく修行してよー!遅い、ノロマ〜」
キラーン
三叉が光る。
「そんなに———契約がしたいのですか?」
「申しワケありません骸様どうぞお許しをすみませんでしたぁ!」
棒読みで誤る。
悪気なんてちっともないしぃ〜。(負けず嫌いで生意気なヤツです(笑))
「クハハハハ!良い度胸だ!」
「んぎゃぁぁぁあ!」
フッと現れる人影。
「止めてあげて・・・骸様」
「おやクローム」
え?骸が二人?
いや、似てるけど全然違う。
「このコはクローム髑髏と言います」
「ク、ローム・・・・」
とてててて・・・
クローム、と名乗る(骸が言っていただけだが)女の子は近寄る。
「よろしく・・・・・貴方が瑞生?」
「う、うん・・・よろしくっ」
やっやば・・・・
素直=可愛い・・・・・・!
こーゆー女の子アニメにしかいないと思ってた・・・・!(思いっきりアニメ)
「ヴァリアー戦にも出るかもしれないのですよ、クロームは」
「ふーん・・・・あ、そっか。二人は契約してるんだっけ」
「よくご存知で」
「アルコバレーノから聞いたんですよ・・・・クフフ」
骸の口調の真似をし、イタズラっぽく笑みを浮かべる。
次に現れたのは・・・・
「クロームどこだびょーんっ」
「犬・・・・静かにしてよ、煩い」
ツンツンヘアと目が死んでる(※いっちゃいけません)男子が出てくる。
「柿ピーだってうっせーびょん!あ、クローム!——に骸さん??」
「瑞生、この二人は・・・・」
「柿本千種&城嶋犬でしょ」
骸の言葉を引き取り、答える。
「・・・・・何故しっているんです?見たことがあるのですか?」
少し間をあけて答えた。
「——カン!」
「カン・・・・・?」
「うん、カンだよクローム」
「ク・・・クハハハッおもしろい!」
さっきからそればっかじゃん骸!?
「今日は黒曜メンバーにもお手伝いしてもらいましょうか」
「ワオッ楽しめそう!」
「あの男のマネだけはしないでくださいね」
ギッと黒い目でコチラを睨む骸。
「・・・はい」
「——よろしくね」
「骸サンがゆーなら仕方ねーびょんっ!!」
「———めんどい・・・・」
少し心強い、そんな気がする。
end+*.
標的16【迫り狂う決戦の時】
「行くぞ瑞生ィーっ!」
「来い犬!」
「ライオンチャンネル!」
犬がうなり声を上げて迫る。
「よし来たか!んじゃぁ・・・」
ぽん。
千種の肩に手を置く。
「柿ピー頼んだ」
ダダダダダッ
猛ダッシュ!
「・・・・・・瑞生、裏切ったね」
ピシュンピシュン!
毒針が飛び散る。
「キャィンッ!!」
グサッと犬の身体に針が刺さる。
「瑞生!!それはないびょん!ズルイびょん!」
「逃げるが勝ちってね、騙される方が悪いんだよーだ」
犬と瑞生の追いかけっこが始まる。
「全く・・・・騒がしいですね、クフフフ」
「骸様・・・・楽しそう」
「おや、そう?見えますかクローム?」
「はい・・・・・」
そういうクロームの顔はかすかに笑っているように見える。
あたしはそばにあった骸の三叉の槍をつかみ、犬に向けた。
「くらえ!必殺ナッポーアタックッ!」
グサァッ
「キャイインッあーっヒドイびょん!どんだけズルすれば気が済むんれすか!アンタは鬼れすかぁ!」
「騙される方が悪いって行ったじゃーん———あっ」
ゴォォォォォォ
「瑞生・・・契約しましょうか?」
「んぎゃぁぁぁぁぁっ千種ッバトンタッチぃ!」
ダダダダダッ
千種に任せ、あたしはダッシュで逃げる。
「—————犬、頼んだよ」
ポン、と犬の肩を叩き、あたしに続く。
「じゃ、じゃぁクローム!!」
犬はくるりと振り返るがそこにはクロームの姿は無い。
「待って千種、瑞生・・・・・」
たたたたっ
静かに小走りしながら二人の後を突いていく。
「あぁーっウソ!?」
「お前等俺を立てにする気かびょん!・・・・・うわぁっ」
ガシィッと骸に肩をつかまれ、犬は骸の晩餐となった。
「あっははははっ」
その様子を見るものは爆笑だ。
「・・・・・・とても美味しい晩餐でした・・・・・クフッ」
ペロッと口元をなめる骸。
「ねぇ瑞生——犬・・・・・死んでるみたい」
クロームが声をかける。
「へ、マジ?おーい、犬〜」
「ぐぐぐぐぐ・・・・ぅッ」
バタン。
「最期の言葉かな・・・・・」
「別に構わないけど」
千種はメガネをクイッと上げてつぶやく。
「ダメだよ千種・・・・・・・そんなこといっちゃ——」
「所で瑞生・・・君も今日が最後になりましたね」
「うん・・・・今まで有り難う御座いました」
「良いんですよ———明後日の試合、健闘を祈っていますよ・・・・・・クフフフ」
「こちらこそね、バイバイ——黒曜メンバーズ!!」
そういう瑞生の顔は、笑っているのに少し悲しげのある表情をしていた。
「骸さん・・・・・」
犬は呼びかける。
シュンとした表情で骸を見詰めながら————
「何ですか犬」
「死なないで下さい————」
千種の表情は分からない。
漂々とした顔…だが————
メガネの中の目は少し潤むようにも見える。
「信じて、犬———千種」
「「分かってるよ」」
ボンゴレも同じように———
悲しい思いを
するのは
一人じゃない。
全員がそうだ。
それぞれ———複雑な思いを抱え———
決戦一日前の夜をすごした。
end+*.
標的17【修行が休みの朝】
「おはよう母さん・・・」
「おはよ!明日は合宿だって?」
「あ、うん」
ピクン
耳が反応する。
合宿———そう、決戦。
今日はゆっくり休めとリボーンに言われ、普段通り学校に行く。
「いってきまーす」
バタンとドアをしめ、最初に出会ったのは・・・
「ツナ——」
「おはよ、瑞生」
「うん、———はよっ」
ぴょこん!
リボーンが出てくる。
「元気ねーみてーだな。元気があることだけがお前のとりえなのに」
「出したくても・・・出ないんだよ」
「オレだって同じだよ———明日が決闘なんて・・」
沈んだ気持ちでツナと歩いていた。
「おはようございます十代目!!」
「ご、獄寺君」
「どうしたんですか!元気なさそうですね」
チラッとあたしのほうを見る獄寺。
「分かりました!アイツがいるから元気が無いんですね!」
「え、ちょ———獄寺君!!」
「果てろォ!」
シュバシュバッ
爆弾を投げつける。
「やめろ獄寺っ———ンにゃろー!!」
ババッと獄寺のほうに投げ返す。
「おーいツナー!おはよう!——ん?何だコレ!おもちゃの爆弾か?はははっ」
「違うよ山本!!」
「良い気味だ、お前が果てやがれ」
「山本危ないよ!」
みるみるうちに火は爆弾へと近づく。
「うわーーーーっ」
「山本バックホーム!行け!」
ギン!
凄い気迫でダイナマイトを空に投げる。
ギュウウウウウン!
ドッカァァァァン————
「「あ、危ねぇ・・・・・・」」
思わずツナと声がハモってしまう。
「それでいーじゃねーか」
ニヤッ
意味ありげ〜にリボーンは笑みを浮かばせる。
「それが普通の日常だって言ってんだ。お前等はそれが似合ってるぞ・・・・この時を忘れるんじゃねーぞ」
全員の目はしっかりと光が放っている。
「今は今を楽しめばそれで良いんだ、早く学校行かないと遅刻だぞ」
キーンコー・・・ンカ・・・・ンコーン————
遠くでチャイムが鳴り響く。
「遅刻する!!———最下位のビリはバツゲームな!よーいドン!」
あたしは声を張り上げて叫んだ。
「おっおもしろそーだな」
「十代目!早く行かないと!」
「うっうん!!」
「そうだ、楽しむ気持ちを忘れるなよ・・・・これが———コレが————」
「最期になるかも知れねーんだからな—————」
end+*.
標的18【風紀委員長の思惑】
「おっはよーっ京子、花」
「おはよう瑞生ちゃん」
「おはよ瑞生・・・この超ズル休みっ子!ツナ達と何してたの〜!?」
「っと〜そ、それは・・・・」
どうしよどうしよ何て言おう!?
「あ、分かったぁ!」
京子が叫ぶ。
バ、バレた!?
「相撲大会のマネージャーしてるんでしょ!?ツナ君たちが休む時って対外相撲大会だもん!」
「そ、そーなんだよ!」
ツナ達今までこんなイイワケしてたの———!?
「変な奴等・・・」
ボソッとつぶやく。
「瑞生なんか言った?」
「何でもないよ花!」
「花・・・・あたしちょっとサボる」
「あんだけ休んどいてまた!?——しょうがないわね!」
「何処いくの?瑞生ちゃん!」
「屋上だよ〜先生にはバレるまで内緒ね!」
「うん!」
キィ・・・・
屋上のドアを開ける。
「ふぅ・・・・・」
疲れた・・・・
修行のせいではないと思う。
気持ちの問題だろうな。
骸さんとの気持ちの修行———それに・・・・
明日の・・・・
「決戦———」
「ワオ、君いたの?」
・・・・・・!
「うわーーーーっっっ!」
ビ、ビックリしたビックリしたビックリしたビックリしたしィ!
「驚かすなって雲雀・・・・」
「君が驚いただけでしょ」
「・・・・雲雀も明日の決戦出るんだろ?」
「——そうだね、中々寝付けないと思うよ」
「怖いから・・・・?」
ニヤリ。
不敵な笑みを浮かべ、雲雀はこう答える。
「違うね・・・楽しみだからさ」
「・・・・・・!楽しみだって?何でそんな事が言える?」
「派ね馬が言っていた・・・・『ヴァリアーは今のオレより強いかもしれない』とね——」
そうか・・・
雲雀もディーノさんっつー人にかてきょーを・・・
「ディーノさんは強いか?」
「さぁね、派ね馬、中々本気は出してくれないから」
「———だろうね」
あたしもディーノさんの立場だったらそうすると思う・・・・。
「じゃぁね、僕は行くけど・・・・・君、ちゃんと勝ってくれる?君は僕が咬み殺すんだから」
これってきっと———
雲雀なりの「応援」なんかもしれないな・・
「…さんきゅ」
バタン
雲雀はドアを閉め、屋上にはあたし一人。
「ふぅ・・・・雲雀はそんなことを思ってるのか」
正直——凄いと思った。
戦いを楽しむことなんて出来ない。
とうていあたしには無理なことだったから・・・
「戦いなんてしたくねーし・・・・・」
ガシャァン!
フェンスの上に立つ男。
「お前がボンゴレの新しい見方っつーヤツ〜?」
「だ・・・・誰だ!」
思わず身構えてしまう。
「王子にそんな口調すんなっつーの〜しししっ」
男は白い歯を見せ、無邪気に笑った。
end+*.
標的19【分からない感情】
「寄るな!!」
ストンっ
フェンスの上から飛び降りる男。
「ふーんっ、アンタが・・本当にボンゴレ守護者?女じゃん」
シシシっと笑いながら近寄る。
「来るなと言っているのが——聞こえないのか!!」
キィィン!
炎を出し、刀にたくわえる。
「おーおー勇ましい姫・・・・しししし」
「黙れ!!」
シュッ
刀を一気に振り下ろす。
「こんくれー避けられるっつーの〜」
ひょいっと軽い身のこなしで避ける男。
「貴様名を名乗れ!!」
「ん〜王子の名前?つーかさ〜…————」
グイッと不覚にも、あごを引き寄せられる。
「王子お前のこと気に入っちゃった・・・・シシ」
「近寄るな!!」
ドンッと男を引き離す。
「ベル・・・もういいだろ」
「まぁもーちょっと待てよマーモン。オレは・・・・・ベルフェゴールだけど、お前は?」
「ベルフェゴール・・・・お前に名乗る筋合いはない!」
今までに無い闘争心を燃やしベルフェゴールに襲い掛かっていく。
「誰なの、ベル・・・・」
マーモンと呼ばれる小さなガキがベルに話しかける。
「旧・ボンゴレの守護者じゃねーの?シシシ」
「旧だって!?今のボンゴレはこれからずっと———」
ギュウウン!
思いっきり刀を振りおろす。
「在り続ける!!」
チッとベルフェゴールの頬をかする。
——いや…
かすれるだけじゃ・・・ダメだ。
「もーいーや・・・・姫、明日王子のモノになんのは確実だからな・・・・シシシッバ〜イビー」
チュッと投げキスをして去っていくベルフェゴール。
続いて・・・マーモンも着いていく。
ズルッ
全身の力が抜ける。
なんなんだ——アイツ等・・・・
「しかも気に入ったって・・・・・意味わかんねーよ・・・っ」
戦っている最中も・・・・
なんだかワケが分からなく、本当に適当に戦っているだけであった。
本当に——分からなかった。
ただ———動揺していただけか、
それとも・・・・
何かあのベルフェゴールと
名乗る少年に・・
感じるものでも
あったのだろうか?
だが・・・・・
何もかも分からなかった事は
確かだと思った。
end+*.
標的20【全員の覚悟】
「はぁ・・・・はぁ・・・・・」
何なんだ何なんだ———
ハッ
やっと思い出した・・・・
アイツ敵だ!
前リボーンが話してくれた・・・・・
プリンス・ザ・リッパー、ベル。
報酬、お金が大好きだというアルコバレーノの
ヴァイパーことマーモン・・・・
「あたし———感じてたんだ、アイツが敵だと言う事」
だから——
だからあんなにはしゃいだのかもしれない・・・・
その時。
フッ
・・・・・・うぁ・・・
意識が———
遠のいて行く・・・・・
誰か——助けて・・・・・
暗いや、
何か怖いな・・・・・
何処?ココ何処?
・・・・・・・・おきて
「瑞生!瑞生!」
ハッ
ココ・・・・何処?
保健室の・・・・天上だ。
ドクン!!大きく脈を打つ。
「うわぁぁぁぁぁ!」
ガバッ
「はぁっ———はぁっはぁ・・・ビックリした・・・・」
「うわっビックリしたのはこっちだよ・・・瑞生どうしたんだ?屋上で倒れてて」
「ツナ!獄寺に山本?———雲雀まで」
「ツナがはこんだんだぞ、死ぬ気モードでな」
リボーン!
「そ、そか・・・さんきゅ」
「・・・・お前、何があったか話せ」
話さなくちゃいけねーみてーだ・・・
畜生、畜生畜生!
負け犬だ、あたしっ————
敵だと恐れ、敗北。
これは変な感情でもなんでもない・・・・
日常で怒らないと思っていた・・・「油断」なんだ。
リボーンはあの時・・・忠告もしていたはずなのに・・・・クソッ
「いいから話せ」
はっ
我に返る。
「そうだね・・・・・話すよ、みんな」
それからあった事全てを話した。
気に入られた事も、何もかも———
「そんな——許せない!!」
「ツナ———悪いな、油断したせいで・・・・」
少し申し訳なさそうにあたしは誤る。
「瑞生は悪くないよ・・・・・・ヴァリアーの奴等・・・!」
「十代目———」
「ツナ・・・・・」
「何言ってるの?君たち」
「雲雀・・・・?」
雲雀が話し始める。
「そんな事分かりきってる。だから咬み殺しに行くんじゃないの」
確信を付かれる。
「そうだぞ、瑞生。今回は知らなかっただけのことだ。後は実践で役に立つだろ」
リボーンが続ける。
「お前等は明日の事を考えれば良いんだぞ」
「リボーン——そうだよ、みんな、絶対に勝とう!平和な日常を取り戻すために・・・・ボンゴレの為にも・・・」
「さすがッス十代目にリボーンさん!」
「だな!水に流そうぜ!はははっ」
ガラッ
保健室の窓が開き、はいって来たのは———
「報告だぞ・・・コラ!!」
「コロネロ!?何でいるのーーー!?」
ツナは驚いているようだ。
つーかあたしもだけど・・・・
病人驚かすなよコラぁ・・・
「コロネロどうしたんだ?」
あたしが聞く。
「ヴァリアー戦での集合場所は船で行くらしいぞコラ!これがそのチケットだ」
「悪ィなコロネロ、恩に着るぞ」
「リボーンに恩返ししてもらうつもりはねーからな!コラ!!」
リボーンはチケットをうけとる。
「船はそのチケットに記されてある場所に行けばあるはずだぞコラ!じゃーな!」
ぴしゃぁん!
窓を閉め、コロは出て行く。
「忙しい奴・・・・」
ぼそっとつぶやく。
「お前等、明日はココにくるんだぞ」
「ラジャーッスリボーンさん!」
「よーし!時雨で勝ち取るぜ!」
「———早く明日になって咬み殺しがいのある奴と戦いたいよ」
「分かったよ、リボーン」
自信が無い・・・怖い。
手が震えるのは分かる。
「大丈夫、瑞生———」
「ツナ、ありがとね」
こんな時でも優しいツナ・・・・
だからこそボンゴレ十代目に選ばれたのかな・・・?
「絶対に勝つよみんな!!」
「「「「おーっ」」」(雲雀無視(笑
決戦は明日。
9:00からが・・・・・イクサ、のスタートだ。
end+*.
標的21【ルール変更】
「行って来ます」
「言ってらっしゃーい合宿頑張ってね」
「うん、バイバイ」
バタン。
ドアを閉め、ふと思う。
〝バイバイ〟って言葉——
現実に、起こった時は・・・?
それは——
大変な意味だよな。
「おっす神田!」
ポン、と肩を叩かれる。
———山本だ。
「山本!」
「いよいよだな・・・・ヴァリアー戦、サバイバル」
「だね——なぁ山本・・・」
「何だ?」
「もしも・・・・もしもだけど、負けたらどうする?」
そうだ・・・・
負けたら————味方が敵に渡ってしまうのだから。
「負けたらそれはそれで仕方ねェよ」
ニカッ
あぁ———そうだ。
山本はこう言う奴だ。
「だな・・・・」
自然と笑みがこぼれる。
「俺等は生き残れる事だけを考えよーゼ」
「おーっ勝つぞ山本!!」
さんきゅー山本・・・
何か元気出たみてーだ。
集合場所。
「着いた・・・・けどよ」
「ココであってんのか?神田」
「そうだね、あってるよ」
地図を見、一度確認をする。
「おせーぞお前等」
バコッ
リボーンに会うとなんかほぼ殴られる気がするんですけど————!?
「いてぇなリボーン!」
「いつまでもしょぼくれた顔してんじゃねーぞ。今ので目がさめたか?」
「何言ってんだよ・・・とっくに目なんて覚めてるさ」
ニヤッと笑う。
リボーンもニヤリと笑みを返す。
「そうか・・・・」
「皆様集まりましたか」
ビクッ
「驚くことはねーぞ、アレがチェルベッロだ」
「あの人たちが———」
「貴方が神田氏ですね」
「はい」
「船に乗る前に、一つだけルールが変わった事をお知らせします。これはXANXS様からの命令です」
「ルールが変わっただと?」
獄寺が聞く。
「その通りです。パネルを持たない者は相手チームに渡される、と言うルールでしたね」
「あぁ、オレが一人ずつ説明してある」
あの時あたしに話した後皆に言っていたのか・・・
「少し変更です——簡単になりました。「負けたチームが欲しい人材を一人選び、味方にできる」と言うルールです」
—————!?
犠牲者は一人・・・・そんな。
じゃぁこの中で一人・・・・ヴァリアーに・・・?
「説明は終わりました。船の中へどうぞ」
気まずい沈黙だ。
「———丈夫・・・大丈夫・・・」
ぼそっ
ツナは何度もつぶやく。
「大丈夫・・・・・誰一人欠けさせない————」
ツナ————!
そうだ・・・・誰一人欠けさせてはいけないんだ。
とにかくパネルを取りまくらなきゃいけない!
あたしも・・・精一杯やる事を考えよう。
平和な日常を取り戻すために。
end+*.
標的22【夢の続き】
ココは戦場。
はっ
「いや違った、船上!」
「瑞生何呟いてんだ、緊張でボケたか?」
「んなっちげーってリボーン!」
ボーっとしすぎた!ハジかいた!
海を走る船は風を突きぬけ猛スピードで島に行こうとしている。
風を切る速さが凄く飛ばされてしまいそうである。
「あ・・・・眠いな」
気分転換に3階の一番見晴らしの良いところへ行った。
キィと、ドアを開け入ろうとする。
————すると。
「(————誰か入る)」
「比・・・・う」
この声・・・あ、そうだ————
「比遊・・・・」
雲雀だ・・・・。
「比遊・・・・・ボクは君に溺れてしまったのかな」
比遊・・・・?ヒユの事?
雲雀・・・・ヒユを好きなのか?
・・・・・そうか———
この戦い負けて雲雀が連れて行かれたら?
———ヒユには会えないじゃん…。
「雲雀・・・・」
その時。
ガッとつま先が何かのコードに引っかかる。
「うあわーーーー」
ドんがらがっしゃん。
「・・・・・君、居たの?」
ひぃぃぃぃぃ・・・
アイツ目、ヤバイ殺意に導かれちゃってる!?
「い、いや違う!その、お前がいたから入ってきただけ」
ベタだ!ベタないいワケだ!
どうしよう、どうする!?あたし———
「ねぇ」
「はひゃっ!?」
「・・・・何してるの、入れば。用があって着たんでしょ」
「————う、うん」
「あ、あのさヒバ————」
「すぅ、すぅ・・・zzzzz」
「って寝てやがる————!?ぷっ変な奴」
そんな雲雀を見ると少し笑える。
のん気なコイツの姿なんて始めて見た。
———いや、だれも見たことがないのかもしれないな。
「くすっんん〜あたしも眠くなってきた———」
少しねちゃおう。
心からリラックスできる。
夢の中におちいった。
————あれ?
こんな体験、いつか・・・・
『瑞生————』
誰かがあたしに話しかける。
そうだ・・・・・・
あの夢と初まり方が一緒だ。
でも・・・・動けない。
『よく聞いてくれ———』
誰?誰————
貴方は誰だ・・・・
end+*.
標的23【過去と誓い】
「あ———ココ・・・・うッ」
夢の中・・・・だ。
久々だな・・・・。
『瑞生・・・』
おっと、きたな、誰かさん。
骸との修行を思い出さなければ。
この場所、この風景。
——そうだ。
あの誰かさんと・・・初めて・・・・
初めて、出会った場所。
————二年前。
あたしが…六年の時だ。
『あーっもうヤダ!!授業なんてサボってやろー!!』
学校に飽き飽きしていたあたし。
ヒマで・・・授業をサボって・・・
大好きな並盛山の景色を見に行ったんだ。
ドサッとランドセルをおろして木陰に寝転ぶ。
『きんもちぃぃー!!』
伸び伸びした空間はいつ来てもいつ見ても飽きはしなかった。
大好きなスポット上位に入っている。
——その時だ。
ガサッと盛の奥から出てきた人物。
『やぁお嬢ちゃん』
『だ、誰』
前にはタンクトップの無精ひげのオッサンが立っている。
そう、このヒトこそ誰かさんの正体だ。
『んん〜?オレは通りすがりの工事のオッサンだよ!君は瑞生と言うらしいね』
『何で知って・・・っあ!』
チラッとランドセルのほうを見る。
「ミズキ」と書かれたカバンが放置してある。
『そうだよランドセルに名前が書いてあるぞ』
『さて———瑞生』
キリッ
目が違う。
さっきのふざけた表情は無い。
『君は・・・・将来の夢はあるかい?』
『はっ?』
キョトン、とする。
何でそんな事を聞くんだろう・・・
『声優になりたい。それに・・・人生が幸せならソレで良い』
昔から・・・アニメ好きだからな、あたし。
『ハハハハ!おもしろいな!確かにソレが一番だ・・・・だが・・・・瑞生は———』
ぐいっと顔を近づけ、悲しそうな顔をするおっさん。
『な、何スか?』
『何でもない・・・・君にこのブレスレットをあげよう!幸せな日常の為に必要だぞ』
『い、意味分からないよオッサン・・・でもかっけー!!何このブレス・・・・』
しゃらっ
ブレスに何かがついている。
『んっ?変なリングがとっついてる』
ブレスには不思議なリングがある。
色は銀色のシルバーだったけど、真ん中に二次の模様がしてある。
シルバーだ・・・
かーっこいー!このオッサン良い人かもしれない!
『君が持っていてくれ。プレゼントだよ。———それと覚えておいてくれ』
『?』
『それは————』
『アルコバレーノとの誓いの————』
——その瞬間。
グクアァァン!!
あっ・・・あぁ!!うわぁ!
夢が途切れ、この世に無いような痛みが走る。
頭に上る、激痛。
痛さと衝撃で起きてしまう。
「ハァッハァッ!!」
「何急に」
「ヒッ雲雀・・・・」
「君、うなされてたよ」
「そ、そっか・・・悪いな、なんか」
もうちょっとでフィナーレだった。
それにしても・・・このブレス。
まさかとは思うけど—————
さっきの夢からして
過去が関係しているという事———?
その時。
「よ、瑞生」
ピョコンとリボーンがカモメのカッコで現れる。
「リボーン!?」
「赤ん坊・・どうしたんだい?」
「瑞生に用があってきたんだぞ」
end+*.
標的24【波動の秘密】
「来いお前等」
キィッと船のドアが開く。
「何だよリボーン呼び出して!!」
「少し聞け。瑞生———話せるな」
ツナ達が着た。
リボーンが言うのは夢の話しだろう。
あたしはコクリとうなずき、全員に1から話し始めた。
全部・・・全部話した。
初めはみんな少し驚いていたようだ。
ブレスは特別な存在であるからね。
それを持つあたしにビックリしたんじゃないかと思う。
話し終わると質問タイムが始まる。
「なぁリボーン、そのオッサンって誰なんだよ」
「・・・・お前等気付かなかったのか。まだまだあめーぞ・・・・・家光だ」
「!?んなーーーーーーーーーーまた父さん関係してる!?瑞生を危険な目に合わせるためじゃないかー!!」
「黙れツナ、理由があったからに決まってるだろ」
「本当。あんまり騒ぐと咬み殺すからね」
「まぁまぁ!雲雀もツナも落ち着けって〜」
相変わらずマイペースな山本。
でも山本が居るからこそのファミリーなんだろうな。
優しくファミリーを思うツナ。
人情のある人気者で暖かい山本。
喧嘩っ早いがムードメーカーのような存在、獄寺。
頭がさえている、落ち着きのある冷静な雲雀。
騒がしいけど楽しいランボ。
裏での行動もしっかりと支えてくれる骸にクローム。
明るい希望を持つ、ポジティブな笹川兄貴。
————7人のボンゴレファミリー。
改めて偉大さを知った気がする。
「で!?何で瑞生なんだよ!!」
「瑞生はな・・・・特別な波動を持っているんだ」
「波動・・・・?特別?何の事だよ。あたしにだって分からないよ」
「普通はな、大空、嵐、雨、雷、晴れ、霧に雲だ。そこは分かるな、おめー等」
うんうんと皆がうなずく。
ん?そういえば・・・・
「骸たちは?」
「あっ瑞生そのキーワードは!!」
ツナが叫ぶ・・・・が。
「僕の前で六道骸の名前を出すなんて・・・・良い度胸だね」
ジャキィッとトンファーを装備する。
「ひぃぃぃぃっ」
な、なるほど。
雲雀・・・・誰よりも骸を嫌っているっけ。
「骸には話してあるんだってリボーンが言ってある!」
「落ち着け雲雀。話はこっからなんだぞ」
「赤ん坊が言うなら仕方ないね」
スッとトンファーをしまう雲雀。
リボーンすっげ・・・・ぇ。
「お前の特別な波動はな・・・・全ての属性が通っているんだぞ。もちろん大空もな」
「—————————!?全部だって・・・・?」
あまりの驚きにシン、と静まり返ってしまう。
「そうだぞ。そしてそれらの波動全部が通った属性を—————」
「マフィアは〝アルコバレーノ〟といった」
end+*.
標的25【属性は虹】
「アルコ、バレーノ…?」
確かめるようにツナが聞く。
「そうだぞ」
「ふぅん、君特別なの?じゃぁ勝負しようよ、強いって事でしょ」
コイツはまた・・・
勝負マニアめ!!
「そうだな〜無事にサバイバルが終わったら良いよ」
「契約成立だね」
「話を進めるぞ、瑞生、雲雀」
「うん」
「・・・・・・好きにしなよ」
「アルコバレーノの意味はしってるな?」
「確か虹ッスよね、リボーンさん」
「そうだ」
「じゃぁつまり神田・・・・虹属性って事か?」
「あたりだぞ山本」
「虹属性?そうか・・・・このリングの変な模様は虹を表していたんだ」
「瑞生見せて・・・・あっ本当だ」
ツナが見る。
「確かに虹の模様になってる・・・・」
「虹の属性のフレーズはな〝常に希望を見続けて、希望に導く七色の虹〟だぞ。どんなピンチの時も…瑞生お前はな———」
「希望を忘れず、前を向いてこいつ等と一緒に戦うっつー役割だ」
「希望を忘れず前向きに、ね———自分の性格とあってるなんてツナの親父よく分かったな」
あたしの長所・・・・
唯一で前向きって事だもんね。
「当たり前だ、家光は優秀でスパイみてーなもんだからな。誰でもどんなことでも知ってるぞ、きっと」
「でも・・・・属性で出た炎は雨だったよ」
「言っただろ、お前は全部の属性を持ってんだ。どんな炎が出るかなんてランダムにすぎねーもちろん炎の強さだってランダムだ」
ランダムか。
なるほど!
「話は済んだのかい赤ん坊」
「雲雀、聞いてたのか?」
「さぁね」
「あいかわらずみてーだな・・・それが一番だぞ」
ガチャッと次に入ってきたのは・・・
「クフフ、終わったようですねアルコバレーノ」
「骸!?ちょっ今ヤバイ・・・あっ」
あたしは絶望に落ちた気がする。
雲雀いるのに!!入ってくるなよー骸!!
・・・・ツナと同意見を持つ瑞生であった。
「咬み殺す!!」
「クフフ・・・こんな時もですか?」
「・・・・・・・」
無言のまま決闘が始まった。
———その時。
「じゃ、じゃぁ瑞生希望に導いてくれよ!」
「頼んだぞ神田!!」
「じゃーなクソ女」
「言っとくが、あいつ等を止めないと船が壊れて沈没するからな。ちゃお」
ツナ、山本獄寺にリボーンはひょこっと顔を出し、それぞれ一言ずつ言って————
バタン!!
・・・・ドアを閉め、逃走する。
「あ、っアイツ等〜〜〜〜!!」
・・・・結局。
あいつ等を説得するまで30分かかるのであった。
end+*.
標的26【時雨の銀時】
「大変だったんだぞツナ、リボーン獄寺に山本ォ!!」
「悪かったって瑞生〜」
「ははっ悪ィって神田〜」
「コーヒーは美味いな」
「あーあー悪かったよー所で十代目〜!!」
ぜってー反省してねぇ…((泣
あの二人のケンカは納まった。
雲雀は相変わらず昼寝をしてる。
骸は一度休むといって今は・・・・
チラッ
「どうしたの?瑞生・・・・」
クロームになってる。
「そいえばリボーン・・・あたしが入ったことでヴァリアーの敵ってあと一人誰になるの?」
「そういえば俺も聞いてないッスリボーンさん」
「誰なのな?」
「さぁな、オレもしらねーけどあと一人見たことのない奴ッつーのは確かだぞ」
「一人は分からない、か〜」
「どんな奴でしょうね、十代目」
「そうだね獄寺君」
あと一人・・・・・
どれ位強いのかな。
リボーンも知らないって言うし・・・・
瑞生みたいに属性は特別なものなのか?
それとも嵐とか?
うーん、考えれば考えるほどこんがらがるよ!!
「とりあえずは着いてから考えよう」
ふぅっとオレはため息を着いて気を落ち着けた。
「ツナ何考えてたんだろうか・・・・」
っつーか・・・・まだかな〜
ヒマが一番嫌いなんだよなーあたしは・・・・。
カチャッ
あたしの背中についているものがゆれる。
「あ、刀————」
そう。
この刀こそあたしが使う剣である。
裄に言われたとおり今日歩いてくる時山本の道場へ寄った。
数時間前。
『山本の家・・・・お、ココか』
ガラッ
『お邪魔しまーす、山本のお父さん居ますかー』
『おう、オレだ』
このヒトが・・・・・
『こんにちは、えーと、刀を受け取りに来ました。神田です』
『お前か裄が言う刀の天才少女!!』
裄、アンタこの人に何言ったんですか—————!?
『ほらよ、コレだ』
ぽいっ
刀を投げられる。
『おっとっと・・・切れ味よさそうッスね』
『あたぼうよ!俺が修行の時使ってたすげぇ刀だからな!名前は時雨銀時だ』
思いっきり金時のパクリ———!!
『武なら後から追いつくと思うから・・・・先に行ってな』
『ありがとうございましたーっ』
ぴしゃっと寿司屋のドアを閉め、先に歩き出した。
後から山本も追いついて刀の話をしながらここへきたんだ。
「銀時————一緒に勝つぞ」
ギュッと刀を握り締めて自分に誓った。
ピンポンパンポン!!
ビクッとしてしまう。
船内に変な放送の音が鳴り響いた。
『皆様———ボンゴレ由緒あるサバイバルゲームが始まる島にまもなく到着します。全員一階に降りなさい』
窓からは大きな島が見えた。
end+*.
標的27【ヴァリアー特別な守護者】
あたし達はボンゴレ島に上陸した。
「着いた・・・・ココが」
大きな島にあっけに取られる。
「久しぶりだな、全く」
リボーンが小さくぼやいた。
「リボーンさんは来たことあるんスか?」
「まぁな、何度か来た事はあるぞ」
一応リボーンもマフィアだしな、うん。
「皆様こちらへ」
チェルベッロが指差した方向には・・・・
「う"おぉい!おせーぞてめぇらぁ!」
「うしししっおーい姫〜」
うるっさっ!
白髪で長髪の男が大声を張り上げる。
それ以前に嫌なのは・・・・
「何?シカト?嫌われてるわけ?」
あの屋上で襲ってきたあいつだ。
じっと見詰められているような気配がする・・・・あたしには虫唾が走った。
「ヴァリアー!!」
ツナが大きく目を見開いた。
「早く始めろカス!」
中で最も殺気を持っていそうな奴がチェルベッロに向かって言った。
「は、はいザンザス様!!・・・・・ではまずヴァリアーもう一人の守護者の紹介を・・・・番氏、来てください」
ピクッ
ツナ達が一斉にヴァリアーのほうを見た。
守護者・・・・あたしが入ったからというもう一人の守護者!
「はいはい・・・・」
現れたのはダルそうにのそっとやってくる男の人。
構わずにチェルベッロは説明を始めた。
「彼は番 和叉。ヴァリアーの・・・・」
「〝夜〟の守護者」
!?
「夜か」
「リボーン夜なんて聞いた事あるか?」
ツナがリボーンに問いかけた。
「ツガイ、と聞いた所から予想はついていた。番 和叉は————」
「裏社会トップクラスのヒットマン「番 和都」と言う・・・・・ずっと前に逃亡したマフィアの子孫だからな」
end+*.
標的28【始まる時】
「アルコバレーノリボーン・・・・父を知ってんの?」
「まぁな。知り合いだぞ」
「ふーん。ま・どーでもいいけど」
ふあぁっとあくびをする番。
「何なんだよソレ!言えよリボーン!!」
「静かにしなさいボンゴレ」
チェルベッロがツナの言葉をさえぎり指揮をとった。
「うん・・・」
コレにはおとなしく引き下がるしかなかった。
「・・・・・アレを」
一人のチェルベッロが言う。
コクンともう一人のチェルベッロがうなずき、全員に地図を渡しまわった。
「何なんスか、コレ?」
山本が問う。
「コレに示してある指定地へ各自着きなさい。島の頂上から私達が色々な使命を伝えます。それに従って3日間生き延びる事。殺しもアリです」
間を切り、マタもう一人のチェルベッロが話し始めた。
「より多くのパネルを持っている方が勝者となり、勝者は敵チーム、好きな人材を選ぶ権利が与えられます」
「そして—————ボンゴレ時期十代目が改めて決まる。・・・・さぁ、各自指定地へ着きなさい」
ボンゴレ、ヴァリアーはそれぞれ指定地へ向かった。
10分後。
あたしが着いた場所は海辺がある場所だ。
突然大きな声が島中に流れた。
『指定地に着きましたか?・・・・それでは・・・・』
あたしは時雨銀時を強く握り締めた。
『サバイバル・ゲーム・・・・・スタート』
———プッ
メ
ガ
ホ
ン
カ
ラ
声
ハ
途
切
レ
タ
end+*.
標的29【山本に襲う刃物】
「始まった・・・・・さて、とりあえずは夜食?隠れ家?」
3日間用の食べ物、それに隠れ家が必要だよね。
「よし!まずは銀時、頼むよ」
ボォッとブレスから炎を出す。
・・・・出たのは雨の波動だ。
そうと決まれば!
草の茂みに向かい、技を放った。
「たーーーーーーーっ!!しのつく雨ぇ!」
ジャキィィンッ!
ザザザッと草の茂みは崩れ、穴が出来た。
「こんなもんかな?」
パチパチパチっと拍手が出てくる。
「誰だ!」
刀を構え、身を固めた。
「ウマイもんだな、神田!」
「・・・・・・山本!?」
現れたのは山本。
少し安心して方の力が抜けた。
「ハハハッオレも負けてらんねーぜ!」
のん気そうな山本・・・・でも良かった。
「ビックリさせないでよ山本ぉ」
「悪い悪い!」
———その時。
ビュビュビュッと刃物が飛んでくる。
「危ない神田!」
「————へ?」
ザクザクゥッ
「・・・・・山・・・———本———・・・?」
ぽたぽたと流れ出る、————「血」
「山本!大丈夫!?」
山本はあたしをかばってくれたらしい。
山本・・・・ゴメン。
「あぁ、コレくらい平気だ。つーか・・・このナイフ・・・!」
飛んできたのはナイフだ。
山本は何か気付いたらしい。
「ベルフェゴールだな、出て来い!」
ガサアッと草の茂みが動く。
「うししし、姫に近づくからイケねーんだよ、ししッ」
「・・・・・姫?なんじゃそりゃ・・・あっもしかして——」
チラリとあたしを見る山本。
ため息をつき、あたしはコクリと頷いた。
「なるほどな・・・・」
「ッ・・・・ベルフェゴール!山本に手ェ出すな!」
あたしは叫んだ。
嫌だった。
自分の為に誰かが傷つくところを・・・見たくなかった。
「何姫・・・・コイツをかばう訳?・・・カッチーン!お前、オレが針千本のサボテンにしてやるよ」
「ふざっけんな!」
コノ生意気王子がぁーーーー!
「神田・・・・」
山本があたしの気迫に押されている。
それほどベルが嫌いと言う信念が見せた賜物であろう。
こーなったら仕方ない、あの手で行こう!
「・・・そんなことしたらなぁ・・・・ベルフェゴールを逆に嫌っちゃうよ?いいの?」
「・・・・・ししっウマイこと言うな、姫。しかたねーし許してやるよ」
「(山本とりあえずお前移動しろ)」
あたしはこっそりと耳打ちで山本に伝えた。
「(悪いな、サンキュー)」
「(あたしこそゴメン。どうか無事で逃げろよ・・・)」
「ベル!あそこ見て!」
「?」
かかったァ!
そのうちに山本は立ち去って行った。
「なんにもねーじゃん」
「ゴメン見間違え」
山本・・・・無事でいてくれよ、頼むよ・・・・
end+*.
標的30【以外に…?】
「ヒーメッ」
ピョコッと抱きついてくる、ベルフェゴール。
「話せー寄るなー!!」
「つーか名前教えろよ、いずれお前の王子になるオレだし?うししっ」
誰がいつお前の婚姻届けオスかぁーーーー!
・・・・と、心の中でツッコミをいれる。
内心言いたいわけだが「言ったら言い返す」法になるのが嫌なのだ。
「・・・・・瑞生ですーぅ!神田瑞生ぃ!」
「イイ名前。王子にコト「王子様」って呼べy・・・」
バキィッ
こんしんの力を込め、ベルを殴りつけた。
「一生クタバってろぉーーーー!!」
「いったぁ・・・・そーゆーのが他の奴と違っていいんだけどな」
・・・・・・失態。殴っちゃいけなかった。
心の中ではとほほでした、あたしです。
それにしても・・・・
「山本・・・・・」
アイツ大丈夫かな。
「また言った。やっぱ殺してくる」
「やめろーーーーーー」
もう嫌だこのパターン!!
「ベル、あっち行けよ」
「無理」
「じゃぁくっついてるし、離れて?」
「無理無理」
無理しかいえないのかコノヤロー!!
その時。
「グガォォォオオオオオオオオオオォ!」
!!はぁ!?
「熊ーーーーーーーーーーーーーー」
「お、イイ肉発見。コイツ今夜の夜食にしよ」
デカイ、無駄に迫力あるよコイツ!
てかベル何喜んでるんですか!
「うししっ・・・!?・・瑞生ッ!」
「————ん?・・・うわーーーーーーーーっ」
「ガオオオオオオオオオオォッ」
熊があたしに襲い掛かってきた。
ザクザクゥゥッ
ドシィィィ・・・ン。
「・・・・!!」
タヒぬかと思った。
・・・・だが、直前にベルが助けてくれたらしい。
「あぶねーじゃん、よけろよ!ケガあったらどーすんだ!女だろ!」
「ベ、ベルさんきゅ・・・・」
た、助かった・・・・ってぇぇえ!
不覚、敵に助けられるなんて!?
——でも助けてもらったし、以外にイイヤツなのか?
はっでも敵、コイツは敵!
ナントカ自分に言い聞かせる。
「つかおろせて、姫抱はハズいっつーの・・」
「王子としてはこのままがイイ」
しれっ
「ふざっけんなーーーーーーー!!」
いいヤツ、と一瞬でも思う・・・
自分が許せないのでありました。
end+*.
標的31【人食い大カモメ放出】
「ったくコイツは・・・・」
やっとこさ、なんとか説得して降ろして貰えた。
「ちぇっ」
「なーにが〝チェッ〟だバーロー!」
ベルは熊を切り裂き、焚き火でパチパチと音を立てながら焼いていた。
「瑞生食う?」
「あたし肉キラいだからいらないよ」
「じゃー王子食っちゃうよ?」
「お好きにどうぞ〜」
こいつの相手してると無駄に疲れる。
「木の実でも探そう」
「ん。いってら〜」
何か美味しそうなのないかな?
そんなことを思っていながら真っ赤な実を見つけた。
「コレ・・・・・どっかで見たような・・・あ!」
思い出した。
獄寺の「世界不思議」ナントカに乗ってた木の実じゃん。
「確か名前は・・・・」
「〝アカイロザクロ〟・・・だったっけ」
ザクロ・・・・ザクロって毒?いや、なんだろう・・。
「・・・・味見してみよう」
恐る恐る口にした。
パクン。
「!!コレ・・・・・」
「めっちゃウマーーーーー!!何コレもっととろう!」
以外にウマイ。
アカイロザクロって食べれるんだ。
「・・・・獄寺に会ったらわけてやろうかな」
木の実を沢山とって、とりあえずあたしはさっきいた場所に戻った。
「————そ・れ・で!」
「おかえり瑞生」
「なーんでアンタがあたしのアジトでごろごろ寝転がってんだー!!」
帰ってくるとベルがあたしの味とでごろ寝していた。
「別にいーじゃん。オレココ気に入ったし?」
「そーゆー問題じゃない・・・・」
その時。
『今から〝人食い大カモメ〟を放します』
ブツッと放送が切れる。
・・・・・・・それってどういう意味ですかチェルベッロ。
ていうか、あの・・・その前にさっきの放送の後からやけに上が「ギャー!」と大きな声で鳴いているものが居るのは・・・・・・
「空耳ですかー幻聴ですかァァァァァ!?」
「キエーーーーーーーーーーーッ」
変なデカイ鳥が放された。
end+*.
標的32【悲劇、喜劇】
「ってコッチ着たーーーーーー!」
上空を見れば100匹くらいは飛んでいる。
「何アレ、無駄にデカイよ!意味わかんねーよ!」
隣にツナが居れば、ハモっていたと思う。
「ゲッ何あの鳥・・・・めちゃくちゃキモいじゃん」
「仕方ない・・・・たたっ切る!」
銀時を装備し、構える。
「ギエーーーーーーー!」
「来い鳥ィ!」
「たぁぁぁぁっ」
ジャキィィィッ
鳥を真っ二つに切り裂く。
「ふぅ・・・・って!」
安心したのはつかの間。
もう一匹飛んでやってきた。
「ギィエエエエエ!」
「また着たー!!チッこんなんじゃキリがねぇよ」
「はぁぁぁっ」
次々に襲いかかる鳥。
お構いナシにたたっ切って行くのは良いけど・・・
「こんなんじゃ終わんない・・・さて、どーする!?」
———その時だった。
「何言ってんだよ瑞生」
「ベル!?」
ぎょっとした。
次にマトモなことを言ったベルに驚く。
「後ろはオレに任せれば?俺の後ろはお前に任せるから」
———フフッ考えたね。
「行くよベル!」
「シシシシッはいはい!」
ズガァァァァッン!
二人の人間と大群を成した鳥との大きな衝突の瞬間だった。
————————!!————————
・・・・・。
「ふぅ・・・・」
「やーっとアイツ等他んトコいったな」
鳥をまき、なんとか終わる戦い。
「辛いわ・・シンドイ」
「王子もだし?こーゆー時は姫が膝枕でもするんじゃねーの?」
「誰がするか・・・・って意見ムシですか!」
知るか。
———と言ったような顔をして正座をしていた足に頭を老いてすやすやと眠る。
「しょうがないな・・礼とでも思って許してやるよ」
その時の瑞生の顔に笑みが浮かんでいたのにはある王子様しか知りませんでした。
end+*.
標的33【いざ勝負】
・・・・じゃーな、ベル。
「何処行くワケ?」
!!
ガシリと服のすそをつかまれる。
「うっわァァァァァ!起きてたの!?」
「起きてたのじゃねーよ、王子にナイショで何処行く気?」
「き、木の実をとりえvうぃqljvndydgウ」
ダメだ・・・・逃走失敗。
「バッカじゃねーの?王子から逃げようたってそーはいかねーし!うっしし」
でもでも・・・・そろそろパネル見つけなきゃいけない。
ヴァリアーに勝ちをゆずるワケには・・・いかない。
「敵のクセして・・・・あたしの手を放せ」
「・・・・?ヤダよ?」
「ベルフェゴール!今ココで・・・貴様との決着をつけてやる!」
ニヤッとベルは笑い、こう言った。
「おもしろそー…いいよ、やってやろーじゃん。・・・ただし」
ピクン。
耳が反応する。
「ただし・・?何だよっ」
「王子が勝ったらオレとお前は一緒に行動して、将来恋人となる事。オレが負けたらお前は自由にしてやるし、どこにでも行ってやるよ」
条件付き、か・・・・でも。
「まぁイイよ。最後に勝つのは・・・あたしだ!」
「じゃ、勝負スターァト!」
ゴクリ・・・・。
油断は対敵だ。
ベルフェゴールは仮にも幹部・・・・・
「来ないんならコッチから行くよ、はーーーーっ!」
死ぬ気の炎を出す。
出た色は・・・・・・
「霧属性の炎。霧銀時の技を見せ付けてやる!」
「何その炎?おもしろそー…」
ザウンッ
ベルフェゴールを銀時で切り刻む。
「な、なんだよココ!」
サバイバル島じゃない、アイツとあたしの目に見えるのは・・・・・
氷の世界!
「幻覚の世界さ!霧の炎で包まれた銀時は切り刻んだ相手を幻覚の世界に巻き込む・・・・まずは!」
ジャキーンッ
銀時を地面にブッ刺す。
「はぁぁぁぁっ」
骸との修行・・・・サボっていたワケじゃないよ!
「うわっ地面がゆれる・・・・マグマ!?は?意味わかんねー!」
地面の氷がわれ、マグマが噴出す。
「・・・し・・うししッ!やるね瑞生?じゃ、行くよ」
ナイフとワイヤーを器用に扱う・・・
リボーンから全てを聞いている。
「ホラよっソノ服切り刻んでやる!」
ナイフが襲い掛かってくる。
「フンッそんなものかよ!——行け!」
幻覚で出来た氷柱を縦にする。
「どーせ幻覚じゃん」
「それはどうかな?」
ニヤッと不適に笑みを浮かべる。
「・・・はっ?」
キィィィィン!
大きな氷柱に襲われるナイフ。
「ナイフが・・・・凍った?幻覚なのに?」
「幻覚・・・・侑幻覚。幻覚に潜む・・・・〝侑 幻 覚〟!」
この勝負・・・・どっちが勝つか?
あたしに決まってる、
と思ったその時は——
ア
マ
カ
ッ
タ
ン
ダ
。
end+*.
標的34【勝負の結末】
勝負も終盤に入ってきたと言える。
「これでとどめを刺してやる!終わりだよベル…」
そう終わり・・・・
「それはこっちのセリフ・・・シッシシ!」
!?
ピシッピシィィィ・・・・
「何で!?氷が・・・割れていく!」
ピシッと氷にヒビが入っていく。
はっ
「まさか!」
クルッと後ろを振り返る。
「ピーンポーン・・・正解!お前の前に居るのは俺を移した・・・・」
「氷のカガミ!」
「しまった・・・・・ッあ!」
ジャキィンッ・・・・
ナイフとワイヤーで刻まれて行く・・・・
——自分ノ体——
「うわっ・・・・アァァァァ!」
「悪いね姫・・・どんなに傷つけても瑞生が好きなんだよ・・・・・・それほどスキ」
・・・・・・くっ
負けた・・・?
〝最後まで希望を見る——それが虹〟
そうだ・・・・コレが終わりじゃない。
前を見るんだ、今負けても・・・
「前が・・・・あ・・・る・・・」
バタン。
———それから何分立った?
血を出しすぎて気を失ったらしい。
つまり————貧血って事だろうか・・・・・・?
メ・・・・
ヒメ・・・・
ヒメ・・・姫!
「起きろ姫ぇ!」
キィィィィッン!
「耳元で騒がないで・・・・のぁ!!イっつつつつ・・・」
「無理して動くなよ、治療してちょっとしか立ってないし」
「ふぅ・・・・なぁ・・・あたしさ、負けちゃった?」
「そーだよ?言うこと聞いてくれるよね、ひーめ」
「や、約束は約束だ!・・・・・でも!次は勝・・・・・・」
「・・・てないよ、姫は王子より弱くなきゃね」
グイッと顔を覗き込むベル。
近いんですけど———!?
負けた・・・・・でも不思議だ。
何故か悔いが残っていない・・・て、言うか悔しくない・・・?
イコール・・・・イヤじゃ・・・・ない?
「ん?ん?何でだろ?」
不思議な子の感覚に惑わされるが、あの気持ちに気付くのはマタ少し先の話である。
瑞生vsベル戦が静まった時・・・・
その頃————
「あぁ〜もう!ココ何処だよぉー!」
ツナは川辺を彷徨っていた。
end+*.
標的35【その頃のアイツ等】
「とりあえずは何処かにあるパネルだよな」
オレの指定地はきれいな川辺・・・と思っていた!
それが・・・・・
ザッバァァァァン!
川辺から出てきた生物・・・・
「また出た人食いザメェ!もう何で川に鮫がいるんだよぉぉぉ!」
ダッシュで逃げまくるオレ。
さっきは変な鳥が飛んでくるし・・・・
一体この島・・・・
「どーなってんだよぉぉぉぉ!!」
おぉぉぉぉ——
エコー・・・エコー・・・・エコー———
…その声は、ある若者に届いたらしい。
「・・・ハッ十代目の声!?」
チッ・・・・
「一瞬じゃ分かんなかったか…」
オレの指定地は森林だ。
「つーか・・・よぉ!」
さっきから妙な殺気がするのは気のせいか?
こう・・・・後ろから・・・・
「グッギャァァァァ!!」
「うわぁ!またかよこのクソ・・・・」
出たのは超!巨大な・・・・
「キツツキィィィィイイ!」
「ッグギャァァァァ!」
口ばしでコンコンと攻撃してくる。
その威力はものスゴかった。
地面の岩、草木が散っていく。
ズドォォォン!ズゴォォン!
「果てろォ!!」
ドカァァァァンッ
さて、大きな爆発音・・・・
——これもまたある者に届いていた。
「何この煩い騒ぎは——」
それにしても。
・・・・悪くない島だよ、赤ん坊。
強い猛獣が・・・・・
ガサッ
ゆらりと動く影、草むら。
その動く正体は・・・・・・トラだ。
「ガルルルルルゥゥ!」
「たくさんいるんだからね」
バッキィィン!
「キュゥ・・・・」
ドスゥゥン!
トラをトンファーの一撃で伸してしまうコイツは雲雀だ。
どんな境地も楽しく感じてしまうほどのバトルマニア。
「中々楽しいよ・・フッ」
この不敵な笑いさえも届いてしまう・・・・
ある彼の冷静さには驚かされてしまうだろう。
「おや、何でしょう?・・・一番聞きたくない声があるような気がしますね」
冷静・・・と言うより、嫌な声だからこそ聞いてしまうのだろうか。
まぁ良いです・・・・・
とりあえず、パネル一枚見つけました。
あった場所は滝つぼの中。
偶然にもクロームが見つけた所を知らせてくれてよかったです。
「最初にパネルをとったのは僕でしょうね、クフフ」
——六道骸。
冷静さが一番ある彼・・・落ち着きながらパネルを一枚ゲットしていたらしい。
「柚梨・・・・すぐに勝って会いに行きますよ、クハハハ!」
さて、この変体的な笑い声は誰に届いていたでしょう?
正解は・・・・・
「?なんだ?このこだましてる笑い声・・・・ハハッおもしろいのな〜さすが山!いや、一応島か」
山本武だ。
オレの指定地は山だった。坂道が多くあるコース。
カサリ・・・・
ピクン。
「おっと、油断は対敵だったな」
ジャキィっと刀を装備する山本。
後ろから忍ぶ足跡も聞き逃さなかった。
「出て来い、いるんだろ?ヴァリアー」
end+*.
標的36【守護者達の対決(1)】
「後を付けようたってそうはイかねーぜ!」
ガサッとしげみが動く。
じっと動きを固め、警戒する。
「ヒョウテキ、ヒョウテキ・・・・」
あれは!
「雲の守護者・・・・ゴーラ・モスカか!」
雲雀戦で消えたと思ったんだがな…
チッ修理しやがったか?
考えている暇はねぇ、こうなったらやる事は一つだ!
「勝負だ・・・行くぜゴーラ・モスカ!」
「ヴォォォン・・・・ターゲットカクニン」
形態が少し変わってやがる。
モスカは腕に仕組まれているバズーカをこちらへ向ける。
「着たな!」
チュドォォォン!!
「おっとあぶねェ!」
ドォッドォォォン!
さっと軽い身のこなしで攻撃を次々とかわしていく山本。
野球部で鍛えられたパワー・・・見せてやるよ!
「しのつく雨!!」
ガガガガッ
金時がモスカの身体を刻んでいく…普通ならば。
「!?何ッ!?」
そう、モスカは前の戦力を目にし、さらに強さが強調された身体になっていた。
最強無敵の時雨が!?
弱そうに見えるからって力を弱くしちまったのか・・オレの馬鹿野郎!
しかし硬ェ・・・・コイツは中々手ごわそうだぜ。
「なめてっと、大怪我するかもな」
冷や汗をかきながら死ぬ気の炎をともす。
そのままボックスをカイコウする。
「頼んだぜ」
ツバメが雨を降らせる。
そして——モスカに突っ込んでいく山本。
「うぉぉぉぉぉおっ!」
「ギ・・・・グギギギ」
バァァァンッ
攻撃を避けようとしたモスカの銃声が鳴り響く。
「う つ し 雨!!」
バシャァァっと後ろから山本が突っ込む。
前に居る山本は雨で移した鏡の自分だ。
「ヴオオオ・・・・ォ・・・」
ジャキィィンッ!
キランッ
獄寺の目の前では何かが光っていた。
「お、アレ・・・まさかぁ!」
崖からついに見つけた希望の光。
そう・・・・
「嵐属性のパネル!?いよっしゃぁっ十代目!!オレが一番ですよね!でも十代目なら一番先に見つけてるとしたら・・・・守護者一番はオレだな!がっはっは」
———その時だ。
独り言かよ、と誰もが思わず突っ込みたくなる瞬間であった。
「そのパネル、オレがもらうぞぉ!」
「てっテメェは!」
白髪のロン毛の男。
「う"ぉぉい!勝負だぁぁ!」
「ヴァリアー雨の守護者・・・スクアーロ!!」
end+*.
標的37【守護者対決(2)】
「ヘッ勝負かよ・・・いいぜ、勝った方がパネルをゲットだ」
「望む所だぁ!受けて立つ!!」
「つーかお前は声がデケぇんだよ!うっせー!!」
「行くぞぉ!スコントロ・ディ・・・・」
川辺沿いを走り抜けるスクアーロ。
「スクアーロォォ!!」
いきなりか!?
———でもなぁ!
「んなモンが効くかよ!行くぜ・・・フレイムアロー!!」
雨と嵐の一騎打ちが始まった。
「うぉぉぉぉぉっ!」
「うらぁぁあああ!」
キリがねぇぜ!
こうなったら・・・
「嵐と雨の混合!いっけぇぇぇええぇ!」
「何!?」
ドガァァァンッ
ガシャァァァァッ
「うわあぁぁぁぁっ」
大きな衝撃と共に、上にあった崖の岩が崩れ落ちてくる。
その時だ。
・・・・一瞬の時間、二人は見逃さなかった。
———キラッと光る影。
「パネルが!!」
「先にとるのは・・・・」
「「オレだあああああああああああ!!」」
その頃。
山本、モスカとの対決・・・・・
ガラッと岩に埋もれていた何かが動いた。
「っててて・・・・・」
「ヴ・・・・オ・・・・・・・・プスン・・・・グガ・・・」
シュゥゥン、と眠るようにモスカは焼けていく。
「モスカは電池ギレのようだな」
———そうだ。
勝者・・・・山本 武。
俺が勝ったのか・・・・やったぜ、ツナ!
「よっしゃ・・・・・あ・・・」
バタン。
気を失ったのか、山本は倒れてしまった。
「うおぁぉーーーーーーーーーーーッッッッ!」
「うおあぁーーーーーーーーーーーッッッッ!」
スクアーロ、獄寺の短距離走が始まる。
崖の上にあるパネル・・・・・
ガガガガガガガガッ
・・・と崖を一気に上っていく二人。
「オレが勝つ!・・・・十代目ェェェェ!!」
「オレ達の・・・・・ボスの為にィィィィ!」
互角の覚悟だった。
————だが。
運の差なのか・・・・・それとも・・・・・
〝ショウリノメガミガホホエンダノカ——?〟
ガラッとスクアーロが握り締めてつかんだ崖の壁が崩壊した。
「う"ぉぉぉ!?————しまったぁっ」
「何だ!?」
ガゴォォォォォッ
一気にスクアーロが転落する。
「今しかねぇ・・・今!今本気を出すしか———!!」
最後の力を振り絞り、獄寺は手から血がドクドクと流れ出るまで・・・・皮がズリむけるまで・・・・・
「オレが勝ァァァァァつ!!」
———登りきった。
・・・・そして。
ガシッとつかんだ、その先の希望。
「常に攻撃の核となり・・・・・休む事の無い・・・・
怒涛の嵐ィ!」
勝者、獄寺 隼人————。
end+*.
標的38【守護者対決(2)】
「この辺・・・何も無いみたいだね」
キョロキョロと敵をわざわざ探し回る人物・・・。
「惜しいな、沢山の獰猛生物は咬み殺しがいがあったのに・・・」
名台詞「咬み殺す」。
そう、コイツの正体———それは
雲雀恭弥であった。
せっかく変な大きな鳥が現れたと思ったら・・・・
「一度殴っただけで倒れるとは思わなかったよ」
ふぅっと少し深いため息をつく。
「もう少し探し回ろうか・・・・・」
その瞬間であった。
!?
「・・・アイツは・・・」
雲雀の目の前に立っていた人物。
「クフゥ、おかしいですね・・・・あれは柚梨だと思ったら・・・クフッそんなに柚梨を愛しすぎる僕が憎い・・・」
馬鹿げた様な話を独り言で話している・・・紺色のナッポーヘア。
ワオ、もっと良い珍獣がいたよ。
「六道骸」
雲雀が呼びかける。
すると耳がピクンと反応する、向こう側の青年。
「クフフ・・・おやおや、雲雀恭弥ではないですか」
独特なこの笑い声。
そう———彼こそが雲雀の言う「六道骸」。
「調度良い。早速この場で始末してしま・・・・」
「うるさいよ」
ギュウウウン!
最後の一言も言わせないうちに雲雀の仕込みトンファー一撃がおそいかかってくる。
「やれやれ・・・・せっかちな人だ」
ツーッと骸の口からは血が流れ出た。
わずか1㎜程度であろう、骸の口先をかすらせた。
「無駄口叩いてると、君・・・・」
ビュオオッと雲雀のトンファーが襲い掛かる。
「死ぬよ」
ガァァァンッ
「クフフ・・・・いいです、君とは本気で殺りたいと思っていた」
三叉槍でトンファーを押さえ込む。
そのたびに・・・・
ガンガンガンガンッ
キシィィィン!!
オフェンス(打撃)の雲雀の一撃、骸のディフェンス(守備)との一騎打ちが始まる。
「いつまでも構えてないで、襲ってきたら?」
にやっと雲雀が黒い笑みを浮かべた。
「君こそそんな弱い攻撃・・・僕に効くとでも?」
骸も黒い笑みを返す。
—————その時。
「猿の茶番か・・・カス共」
「!!君・・・・」
「おや、貴方は・・・」
二人の目の前に現れる者。
「ジャマだ、どけ」
「如何して僕が命令されなきゃいけない訳」
「聞き捨てなりませんよ、その口調」
・・・どさりと転がり落ちる、動物の死骸。
死骸の上で大きなイスに座り込む青年・・・・。
「Xを名前に二つ持つ・・・・このオレザンザスに逆らう気か、カスが!!」
end+*.
標的39【最後の守護者対決】
「クフッ全く派手な登場だ・・・」
「君・・・僕にそんなに咬み殺されたい?」
フッと鼻で笑うザンザス。
「カスが!!そんなこと出来ると思うのか?ハッハッハッ!!」
大きな口を開けて笑うザンザス。
それを見た二人の顔つきが少し曇る。
「・・・・一時休戦ですよ」
「君と気なんて合いたくないけどね」
「何だ?カスが、殺る気か」
少し間を空け二人は答えた。
「当然です(だよ)」
空は暗く、夜を廻っていた————。
「全く・・・・何処なんだいココ」
フワフワと宙を舞う・・・ある赤ん坊。
素顔は見えず、顔全体にはフードをかぶっている。
本当は念写したいけど・・・・こんな所で能力を使う必要はないよ。
今この時に使うなんてことがあったらそれはただのバカだ。
「僕が見つけたパネルは一つ、大空だね。もし勝って僕がパネルをたくさん見つけていたら———ふふっ報酬はたんまり貰えそうだね」
その赤ん坊はニヤリと笑みを浮かべた。
ヴァリアーでは「マーモン」アルコバレーノの一人でもあり、本当の名は「バイパ−」と言った。
どうやら大空のパネルは彼が持っているようだ。
「ム、アレは・・・」
マーモンが見つけたもの。
「あぁ〜っもうパネルなんて何処にも無いよー!!」
「ボンゴレの・・・・沢田綱吉じゃないか」
ボンゴレ沢田綱吉。
そう、見つけた者とは———
「マーモン!?」
ツナだ。
「なっなんでお前がココに・・・!」
「ソレはこっちのセリフだよ」
こんなヤツの相手なんてしたくないけど・・・・・
「もしも殺せたら報酬は・・・フフフッ考えただけでもぞくぞくする・・」
「なっ何のことだよ!?」
「僕は今大空のパネルを持っているんだ・・・このパネルをかけて勝負だよ。どうだい?受ける気は無い?」
大空のパネル!?
し、仕方ない・・・・
オレ達のためにも、皆の為にも・・・・
〝京子ちゃん、ハル、母さん——みんな!!〟
「やるよ!それで・・・・絶対に勝って平和な日を取り戻す!」
「のん気な考えはよしなよ。・・・・・それじゃぁ・・・・」
「〝 ス タ ー ト 〟」
end+*.
標的40【ボスvs敵守護者】
「・・・・行くぞ」
ゴクン。
バジルからもらった物を飲む。
「ム・・・少しはやりがいがありそうだ。・・・行くよ
」
マーモンが幻覚を生み出す。
地面が割れ、下からはマグマが噴出した。
ゴォォォォォッと大きな噴火。
足場も崩され、体制が崩れる。
「行け!」
幻覚で出来た肉食植物がツナを締め付けた。
「・・・・・ぐ・・・ぐあぁぁぁっ!」
「もっと苦しみなよ・・・〝幻覚〟と言う地獄でね」
どうする・・・・
この体制じゃ零地点突破も不可能だ。
「————だったら!」
締め付けられ、下を向いている手の平にグッと懇親の力を込める。
「はぁぁぁあっ」
ドン———!
死ぬ気の炎を一気に打ち出す。
「・・・・ムウ・・・・・・」
マーモンのつむんだ口から少し焦りのため息が漏れる。
ギュウウウン!
マーモンがツタのほうに気をとられているスキにツナがマーモンの目の前に立つ。
「終わりだマーモン」
「ム!?」
「オペレーションX・・・」
あの時リボーンに渡しておいて貰ったコンタクト。
しておいて正解だったな。
「X・・・・・バーナー・・・!!」
「し、しまっ———」
ドオオオンッ
——一気に発射されるバーナー。
今のツナの段階にマーモンの力は到底及ばなかったらしい。
————その時。
キラァンッと光る四角い者をパシッと受け取るツナ。
シュウウゥン・・・・・。
次第に死ぬ気の炎もしぼんでいく。
「・・・・・・お、大空のパネル・・・!」
よかった・・・・ゲット出来たよ。
「あ、あれは———?」
ヒラリ。
飛んできたのはマーモンのフードの切れ端だ。
「アイツ———逃げたのか?」
マーモンは辛うじて避け切ったらしい。
「でもどうせ暫くは動けないだろうな・・・・無事で良かった」
いくら敵でも・・・やっぱり命をかける試合なんてイヤだよ。
「みんな・・・・今、何しているんだろう・・・・?」
どうか無事でいてくれ————
ボンゴレなんてゆずったって・・・みんなが無事なら・・・
「山本、獄寺君に雲雀さん。骸に・・・・瑞生・・・・」
悲しそうな表情でツナは呟いた。
「絶対生きて——いつものように楽しく・・・毎日の暮らしに戻ろう」
オレの願い———それだけが願いだ。
end+*.
標的41【険悪コンビ】
「行きますよ・・・・クフフッ」
「君何言ってるの?僕が攻撃するんだから大人しく待っていなよ」
「僕に負けた人が何を言っているんですか?」
「君・・・・最後に時間をかけてゆっくり咬み殺すよ」
バチバチバチ…
二人の間に火花が散る。
一時休戦という言葉は一体何処に行ったのか・・・
ザンザスは少し不満げにその様子を見ていた。
———が・・・
「うるせぇカス共・・・こねぇんならオレが潰す」
とうとうキレてしまう。
二人に凄い形相で睨みつける。
ゴォォォォォッ
強いさっきがあふれ出て、一歩だけ後ずさりをしてしまう二人。
「ワオ・・・・これは君とのことなんて忘れてしまうくらい良いね」
ニヤリとバトルマニアは楽しそうに笑った。
「行くよ・・・この前の借りは———キッチリ返す」
シュタタタタッと雲雀がトンファーを構えながら走り出す。
「君に任せてなんておけるわけ無いでしょう?」
槍を構え骸も一緒に走り出す。
「無謀だな」
ガァァンッ
雲雀のトンファーが襲い掛かる・・・が。
「無謀だ」
ザンザスは意図も簡単に受け止めてしまう。
キシィィィンッ
骸の槍がザンザスに向けられる・・・が。
「無謀・・・・無謀・・・無謀だ」
コレもアッサリと交わされてしまう。
「ハーッハッハ!!無謀なカスが!」
「無謀?何言ってるの。こんな弱い一撃でのされる様じゃ・・・・つまらないよ」
「クフフフフ・・・・僕たちに変化がないとでも思いか」
ゴォォォォォッ
雲雀の「ムカツキ」の炎。
骸とのケンカ・・・・・ザンザスからの前の仮・・・・そして今の気持ちが合わさったムカツキの炎は凄まじいエネルギーを達していた。
「おや、君もそんな炎を出せるんですね」
骸は「では」といって目を閉じ、集中する。
ゴオオオォッ
こちらもまたむかつきの炎に負けないくらいの覚悟の炎を出す。
「ボックスでしたっけ・・・アルコバレーノから預かったこの兵器。確かココに炎を注入でしたよね」
アルコバレーノから預かっていたボックス———。
確か 御神 裄 が作ったオリジナルと聞いている。
骸は確かめるように炎を調整しながら炎をボックスに灯す。
「・・・・・・・・・・・・」
雲雀は無言でボックスに炎を灯す。
夜は明け・・・・・二日目に入ろうとしていた。
end+*.
標的42【サバイバルゲーム二日目】
「ん・・・ふあぁぁ・・・」
夜が明け早朝にあたしは目覚めた。
サバイバル二日目。
「おっはよーやっと起きたんだ。姫」
ニョキッとベルがあたしの目の前に顔を出す。
「!!ギャーーーーーーーーーー!!」
「わっうっせ!何驚いてんの?」
「そんな所にベルが居るからでしょうが・・・」
「あ、それより朝食。ほらよ」
ポイッと投げつけたもの。
「木の実?」
「姫昨日取ってきたじゃん」
「ああ・・・そうだね、つーか姫呼ばわり止めろよっ」
「やだ。いずれ妃となる姫だぜ?・・・朝食は口移しで行くか?」
「誰がなるかァァァァァァ!!そして止めろー!!」
神田瑞生です、おはようございます。
あたしたちはあたしたちで色々やっていました!
その時。
『サバイバルゲーム二日目です。残り時間約17時間』
チェルベッロの放送が流れる。
「そうか・・・あーもー!!早くパネル探さないと!!」
飽き飽きしてきちゃったよ・・・全く。
「ベル、あたし出かけるよー」
「オレも行く、姫」
パネル探しに行くのに・・・・
邪魔者到来!?
「ヤダ!着いてくるな!」
「無理だね、姫オレに負けたんだから」
「!!・・・・・その事は、誰にも喋るなよ!?」
「そーだな、『着いてきてよ王子様ぁ』っつってくれたらいいぜ。あ、抱きついてこいよ?」
————!?
寒気がするほど嫌なセリフ!!しかも抱きつく!?
——でも!(泣)
「う・・・つつつつつつ着いてきてよおっ王・・・子サマ」
ギュッとベルの腕の中にすっぽり納まる。
ちくしょー・・・背高い、悔しい何もかも!
「うっわー照れちゃって!可〜愛いっ!なぁキスして良?」
カッチーン!ときちゃったよあたし〜・・・・
「茶化すなーーーーーーー!!」
「・・・・・うしし」
その頃ザ・険悪コンビの二人は———
「何だ・・・・そのハコは」
「クフフ・・・・これから殺される人に・・・・言う資格はありませんね」
骸は槍をトン、と地面に軽くつく。
だが骸の槍とは少し違った。
そう、骸の槍は形状が変化していた————
クフッオリジナルの兵器というのは・・・
槍の変化を遂げるための武器でしたか、さすがに御神 裄。
アルコバレーノが信頼した者だ、僕の槍のパワーが前と比べ圧倒している。
「はぁあぁっ!」
ドン!と槍を地面に突きつける。
「まさかクロームの技まで出来るとはね」
地面が揺らぎ・・・・あたりの景色が変わる。
「何処此処」
「クフフフ・・・・見ての通り大自然氷の国ですよ」
「不思議な武器を・・・・フン、そんなのでオレに勝てると持ったら大間違いだがな」
ザンザスは銃を構える。
「——死ね」
ドオオオンッ
ザンザスの武器、拳銃が骸を襲う。
———が。
「クフッ・・・どういうつもりですか?」
ゴゴゴゴゴゴッ
これもまた形状が少しだけ変化したトンファーが拳銃を押さえつける。
「ワオ、御神裄・・・・後で腕試しに付き合ってもらおうかな」
中々おもしろいよ。
さすがに赤ん坊が認めた人物のオリジナルだね・・・・。
「君を助けたわけじゃない。試したかっただけ」
「クフフフ・・・・そうでしょうね、さぁ———」
二人はザンザスを睨みつけ、言った。
「行くよ(きますよ)」
『サバイバルゲーム二日目です。残り時間約17時間』
end+*.
標的43【二人の作戦】
「…はぁあっ」
キィンッ!
雲雀のトンファーがザンザスに襲い掛かる。
「…カス如きが」
すると…
ダダダダンッ
ザンザスによって作られた死ぬ気の炎の拳銃が雲雀に襲い掛かる。
チッと雲雀の頬を掠めるが、雲雀の表情は一向に笑うばかりだ。
「何故笑う」
「決まってるでしょ…そんなの——」
ガシィンッ!
ザンザスにこんしんの力を込めて放つがトンファーを食い止められる。
「戦いが大好きだからさ」
「——所でお腹ががら空きだね」
ガァァアアンッ!
とうとうザンザスの腹をトンファーが突く。
「・・・・グウゥッ!」
「ワオ、結構効いた?どんどん行くよ」
ガンガンガンッ
ダダダダダンッ
トンファーと拳銃のラッシュを骸はただ見るだけだった。
「僕も参加させてもらいますよ、もう見るのはこりごりだ」
槍がザンザスに向かって走っていく。
そしてクルクルと槍を回しながら霧の突風を起こさせた。
「行きますよ…はああっ」
ギュウウウウンッ
強い竜巻が出来る、さらに槍を回すともっと強い台風の塊のようなものが辺りを包み込んだ。
包み込まれた木々や草原は一気に散って消滅して行く。
「ラストですよ?クフフフッ」
骸はザンザスと雲雀に向かって突風を投げつけた。
「君・・何自然を破壊しているわけ」
雲雀は一瞬の間に移動する。
————まるで分かっていたかのように。
そう、これは二人の作戦だったのだ。
「何が起こった!?」
ザンザスもよけようとした———
だが。
「何!?…周りに………」
「針の山!?」
ザンザスは針に囲まれていた。
いや、正しく言うと・・・・
「違うよ…それは…僕のハリネズミさ」
そう、とてつもなく巨大なハリネズミが後ろ向きになり、ザンザスを囲んでいたのだ。
「ぐああああぁぁッッッ!!」
「————チェックメイト」
————パチン。
雲雀と骸は指を鳴らす。
二人の守護者の手により…
敵ボスは倒された。
サバイバルゲームの残り時間は、残り15時間だ。
end+*.
標的44【小さな気持ち】
「あぁ…楽しかった」
「クフフ…これでようやく戦えます、ですが———少し…疲れたようで———」
バタン。
最後の一言を言い終わらないうちに、骸も雲雀も倒れてしまった。
文で伝わらないが、アニメだったら伝わっていただろう激戦の末二人は力尽きてしまった。
———その時。
「アレ!?骸に雲雀さん!?」
通りかかったのは———ツナだ。
「二人とも如何したんですか!?ってえぇ!?ザンザス!?一体どうなって…えぇ!?」
何が何だかわけのわからないツナであった…。
「よしょっ」
瑞生は崖をヒョイヒョイと登っていく。
途中大きな獣に襲われたりもしたが…裄から教えてもらった剣術でなんとか場を凌いでいった。
———もちろん…
「おースカートだったら見えたんだけどn((投石」
コイツも…。
ガラガラガラッ
瑞生が上から石を落とす。
ベルの顔面に直撃した。
ガッツン!!
「いったー!」
「着いてくるな((黒笑」
「ヤダよ?だってオレ…」
「王子だもん、でしょ?」
「違うね、「お前の王子だもん」だz((投石」
「一生くたばれっ!」
こっちもこっちでやってました。
獣が襲い掛かってきた時といったら…
「思い出したくねぇ・・・!」
コンビネーションバラッバラだったな・・・あははは。
なんだか笑いが微笑してしまう。
「おっ着いた!」
長い長い崖の上を一時間切って登りきる。
「なぁ瑞生」
不意にベルが呼びかける。
「ん?何?」
ベルは悪い奴じゃないって知ったし、あたしはシカトやぶっきら棒な返事はしなくなった。
「・・・・・・あのさ、告白の返事は?」
ピクン。
耳がかすかに反応する。
「本気だったワケ?」
「当たり前」
知らなかった。
だいたい『姫!姫になる気ねーの!?なぁ!』とか…
『愛してるから付き合え』とか…
ふざけた告白だったのは、皆様の想像から生み出されているとは感じます…。
「あのさ、何で好きになったの?」
「ん?屋上であったじゃんオレ達」
「あぁ…サイアクな出会いだったね…」
サイアクだった、確かにね。
「でも姫他の奴と違うんだよな。フツー女ってギャーギャー泣いたり煩いって思ってた…けどさ、あんなに勇敢であんな強い目ェする一般人の女は見た事なかったんだよなまぁ男勝り?っつーかさ〜」
殴られたいの?君。
男勝りな所は「ボーイッシュ」と呼んでくれ。
——でもあたしもソコを褒められるのは初めてだったよ。
「・・・さんきゅ」
ボソリ。
「へ?瑞生が礼を言った?——王子に対しての好意?」
「ハイ抹殺決定」
「ストップ!ストーップ!」
____ドキン。
小さな心臓が激しく鳴いた。
おかしいよ最近の自分は。
ベルと一緒に居て———
誰と居るよりも・・・
『楽しい』って思うなんてさ。
end+*.
標的45【夜の守護者】
「瑞生何ボーっとしてんの?」
「ん?別に何でもないよ」
黙々と黙って歩き続けていた。
だが、なんとなく立ち止まってしまう。
「フーン、そ?別にどーでも良いけど」
ベルは「納得いかねー」的な顔でじっと見てきた(実際目なんて見えてないけど)。
———その時。
「何敵と仲良くしてるんですかー王子?」
ビシュウン!
上から弓矢が突然飛んでくる。
「ん?…お前、番じゃん」
そう、現れたのは番和叉、ヴァリアー「夜の守護者」だ。
「番 和叉!?」
いきなりの攻撃にあたしは顔をこわばらせた。
ベルが番の姿を見ようと顔を上げ、くいっと上を見上げる。
ひょいひょいっと番は木から気に飛び移る。
「あ…幻覚?ましてや敵と仲良くするはず無い、けど———「惚れた」とかなら話は食い違うんだよね〜」
番は首を傾げながら腕組みした。
「番、コイツに手ェー出すなよ?」
ベルはあたしをピッと指差す。
「・・・何言ってるんですかねぇ王子?敵ですよ、無理な話」
ふぅとため息をつく番。
「ふーん。じゃぁどっか行けよ?オレと瑞生のジャマすんな」
「・・・・・・・見損ないました」
弓を構える番。
「王子・・・いや、ベルフェゴール、もうアンタは敵だよ。・・・・・死んでくれる?」
ビュビュビュッと弓矢が放たれる。
「ヤーダね」
ひょいひょいっ
その度にベルが軽々とかわしていく。
だがたくさんの弓矢からの攻撃に口元から血が伝った。
もはやあたしの存在なんて何処にもなかった。
暫く二人がにらみ合いながら沈黙が流れていく。
「勝負しよーぜ?番」
ベルはペロリと舌を出し、口元から出る血を舐めた。
end+*.
標的46【ナイトクラッシュ】
「無理」
キッパリ。
番が勝負の申し受けを断った。
「はぁ?何言ってんの?」
「無理だって言ってるんだけど?駄目王子さん」
「カッチーン…お前殺す!!」
「駄目王子に殺されるわけないし」
ビュビュッとナイフとワイヤーの攻撃が番に襲い掛かる。
——が、番もまた先ほどのベルと同じようにヒョイヒョイとナイフ攻撃をかわしていく。
「何で無理なの?番和叉」
あたしは番に問う。
だって気になったからね。
「決まってんじゃん?格下は相手にしねーんだよ」
「格下だと?」
ベルの表情からおぞましいオーラが漂う。
「何でアンタをボスが守護者にしたか知ってる訳?オレが夜属性の波動を持っていたからだよ…ま、別に派手にやる馬鹿なアンタ等とは別にオレは裏の裏社会で行動してたって構わなかったんだよ」
ハン!と言い切る番和叉。
それに対しベルはそんな事どーでも良い、的な顔をして…
「つか、死んでくれる?とか言いながら勝負断るわけ?」
「これだから低脳の馬鹿は…」
はぁ、と首を横に振りながら重いため息をつく番。
「ウッゼー!もうガマンならねー死ね!!」
ベルがナイフを投げようとした…その瞬間であった。
カシャァン!
いきなりベルがナイフを落とす。
「何やってんのベル———カッコ悪」
「ち、違ェし、今の!ま、まさか————」
チラリと番を見る。
「今のが夜の波動を持つものだけの特権、「ナイト・クラッシュ」だよ」
ゆらぁ…
黒い闇が、ベルの持つナイフを弾き飛ばした——。
「ナイトクラッシュ…凄い、コレが…」
「なっ瑞生!?惚れたんじゃねーよな!?」
「んなワケあるかー!!」
その時。
「うっせーよクソ共」
番が話題の終わりを切り出す。
「サバイバルゲームは残り10時間か…着いて来い」
シャシャシャッ
番が木の上を軽々と渡っていく。
「逃げンじゃねーよ番ィ!…姫行くぞ!」
ガシリとあたしの腰を持ち———
「えぇ!?」
「うししししっ」
自己中な王子に連れられていってしまいました…。
end+*.
標的47【思わぬ再会】
「怖い、高いよベル!!」
「じゃー王子ん所強く抱きしめれb…じゃなくて捕まればいいじゃん」
「えぇ…ソレはヤダ」
「じゃぁ怖い思いしてろ、シシシシッ」
番の後を追い、木の上を淡々と飛び回る。
その時、何処からか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「骸、雲雀さん止めて!!」
「クフフ…無理な話です」
「行くよ南国果実」
今にも勝負をしてしまいそうな二人と、ソレを止めようとする無謀な一人。
!?あ、アレって………
「ツナ、骸、雲雀!?」
そう、ツナ達が居た。
「み、瑞生!?」
「神田瑞生…何で入る訳」
「おや瑞生……?クフフッ」
その時、番が思いがけない声を出した。
「おーやっぱ居たし」
居たし?まるで…
「番は知っていたの…?ツナ達がココにいること」
そう、知っていたかのように。
「アノ噂マジだったんだ」
そういうのはベル。
「噂・・・・?」
「あー夜の守護者の番って、「夜影」っつー変な生き物を使う事で相手の位置とかバレないで分かるらしーんだよ」
凄い・・・凄いんだ、コの人。
「つーかさ、お喋りはそこまでにしてくれる?」
番が言った。
「今オレの元には雲のパネルがある。後のパネルはお前等が持ってるだろ?」
「だからどーした!!」
ツナが叫んだ。
「実はな・・・ソレ・・・アッハッハ!マーモンいいぜ、出てこいよ」
番は笑い出す。
「やれやれ・・・全くもう僕の出番かい」
ガサリと出てきたのはツナがボロボロにしたはずのマーモンだ。
マーモン?あぁ、ヴァリアーの霧の守護者だ!!
「ソレなぁ・・・・偽者だぜ、マーモンやれ」
笑っていた番が・・・・突然強気で怪しげな顔つきに変わった。
偽者、という言葉とともに・・・・。
end+*.
標的48【集まる…守護者達】
「偽者だって!?」
ツナが言う。
あたしは声が出なかった。
「クフゥ…折角頑張って取ったというパネルが偽者?クハハ、信じるわけないでしょう」
骸は疑っている様子だ。
無理もない、いきなりそんな事言われて信じる人なんて早々居ないだろう。
っていうか、ツナって感情深いもん。
「了解、報酬は別料金にしてよね」
その時だった。
全員を巻き込む、
恐ろしい恐怖の瞬間が
起こったのだ…。
マーモンは指を構えた。
そして————
…………………パチン………………
指を鳴らす音が響く。
すると———
パァン!!
「!?パネルがっ———」
あたしが声を出す。
「割れただって!?」
次にツナ。
「何の音」
雲雀の目の奥は誰も気付かないが不安の色が揺らめいている。
「何が起こった」
骸は「信じられない」という顔つきで呆然と立ち尽くしていた。
「ウソじゃないって分かった?アンタ等」
番が喋る。
パネルが割れた…マーモンが指をパチンと鳴らすと、パネルが一気に破滅したのだ。
「ふぅ、ちなみに本物は…」
マーモンが服の中に手を入れて何かを出す。
「ココだよ」
「ソレ!パネル!!」
「でもなんで骸が気付かなかったんだ?」
ツナが言った。
「ヴェルデが作った新兵器のせいさ、霧の守護者だけ本物かどうか見分けがつかなくなるって言う特殊なね…」
マーモンは答える。
その時。
「十代目!」
「ツナ!!」
「獄寺君山本!?」
獄寺と山本が同時に現れる。
「嵐のパネルを取ったんですけど…何故か急に割れて!その途中で山本に会ったんスよ!!」
「オレもなんだ、どういうことだ!?」
二人の気が動転しているのが分かる。
そして———あたしは気づいた。
「ツナ…獄寺と山本にはあたしが話しておくよ」
パクリとバジルからもらった物を食べる。
「そうしてくれ」
ツナは死ぬ気モードに入る。
骸と雲雀も戦いの体制へと変わる。
________何故かって?
「番…マーモン…勝負だ」
「・・・・仕方ないね」
マーモンは呟く。
「フハッ…やれるもんなら…」
番ハ殺気ニ溢レル目ヲシテイタ。
「やってみれば?」
end+*.
標的49【終戦は間近…】
「行くぞ番…」
「ハイハイ好きにしなよザコ」
余裕そうな笑みを浮かべ…
番とツナ、マーモンと骸に雲雀達はあたしと獄寺と山本の真上で戦闘の真っ最中だ。
そんなに近いというわけではないが、途中途中攻撃が流れて木々が倒れていくのが怖かった。
だが。
「うわっまた倒れてきた…ッ!」
あたしに大木が襲い掛かってくる。
その時。
ズガァン!
「姫ケガは?」
ベルの大きな蹴りが大木へ襲い掛かる。
「ないよ、ありがと」
ベルがあたしたち三人のフォローをしてくれているから安心だ。
「良いか、良く聞けよ二人とも」
本題に入る。
コクリと二人はうなずいた。
それからあたしは今までにあった全ての事を話した。
まぁ、二人の質問の鋭さには…
「何でザンザスは倒れてるんだ?」
少し
「そうだぜ、しかもお前敵と仲良くしてアホじゃねーか!?」
驚いた(ムカツイた)けどね…
「アホじゃないし!」
ザンザスの事は分からない…
だがきっと骸や雲雀、ツナが倒したんじゃないだろうか?
「ベルとは…その、まぁ…」
少し言いにくかった…だが、代わりに…
「将来結婚する関係だからな、守るのも当たりめーじゃん。うしししっ」
ベルが答えてくれた。
ってちょっとまて!
「ベル!誤解するような言い方するなy…」
「へーっそうなのか神田!」
「お前敵と恋人になるなんて…フザっけんな!」
将来結婚って何だよ!?
あの野郎ー!!後でシめる!
「ち、違う!とにかくだ!あたし達も応戦するよ!?それと敵を甘く見るな、番はねぇ…」
ちゃんと話そうと思った瞬間だった。
「ってアイツ等…いねぇー!!あっもう戦ってる!?全く…しょうがないな」
忽然と姿を消した二人は最後まで話を聞き入れずに先頭の真っ最中へ入っていった。
「姫、無理すんなよ?」
「うん」
さぁあたしも…
「行こう、最後の決戦に」
end+*.
標的50【最終決戦…Ⅰ】
まずはブレスから炎を灯した。
出た色は…藍色、つまり…
「雲じゃん、姫って雲属性?」
ヒョッコリとベルが顔をのぞかせる。
「違うよ、あぁっもう話すとややこしくなるからほらベル!」
ドンとあたしはベルを木陰に押し倒した。
「アンタは戦いすぎ!少しくらい休んでてよ…感謝、してるんだからねあ、じゃ、い、行くから!」
あたしはそう言い…去った。
本気で照れていたからだ。
ベルはぽかん、と口をあけ…
「シシッ何か…良〜い方向向いてきてねぇ?」
ニヤニヤと炎で飛ぶ瑞生をじっくり見届けていた。
「さぁてどうしようかな」
今の戦闘隊形は凄くややこしい。
骸がマーモンに槍を突きつけようとしても…
「ジャマだよ、どいて」
雲雀が骸を押して、っていう…
いわゆる「チームプレイ」が成っていないからだ。
「アイツ等…馬鹿じゃないの?」
ぼんやりと立ち尽くしたあたし。
少し考えた。
「山本と獄寺は以外に気が合ってる、まぁツナは普通に良いとするでしょ?問題は…」
チラリと険悪コンビを見てみた。
「何するんですか?この邪魔物」
「ふん、それはそっちでしょ」
凄い笑っている…いや、凄く黒い笑みでお互いを見合っている…
「あの二人だよね」
ここからは対戦と言うより二人を止めてからの応戦だ。
「ちょっと二人とも!」
二人の間を割って入るように出るあたし。
「何ですか瑞生」
「煩いな、何か用?」
落ち着いて返事をしているようですけど二人とも黒い笑みを消したらどうですかー?
「ケンカするなよなっうわっマーモンの攻撃きたよ避けろ!」
ドゴォォンッ
幻覚で出来た大きな石をマーモンは投げつけた。
「調度良いよ、和叉を倒すには3人じゃ到底無理だしね。君たちは僕と戦ってもらうよ」
…はい?
「番和叉はあの3人で倒せないだって?」
「そう言ったよ」
意味わかんない…
あれで本気じゃないの?
苦しそうに戦うツナたちが今目の前にいるんだよ?
それに比べて番は「アハハハッ」なんて笑いながら戦ってるじゃん!
「・・・・・ッあぁあ!!!」
あたしが心の中にたまる怒りが爆発しようとしたその時だった。
「本当意味分からないよ、マフィアなんて」
雲雀があたしの言葉をさえぎるように喋る。
「クフフ…でもしょうがないです」
骸も喋り始める。
「「前にいる敵を倒さなければ先に居る者と戦えない(んです)からね」」
——常ニ希望ヲ見続ケテ…前ヲ見失ワヌ希望ノ光——
end+*.
標的51【最終決戦…Ⅱ】
「行こう二人とも」
「えぇモチロンです」
「って言いながらボーっとしてるだけじゃないの?」
そうだった、前の希望を見忘れない…
それが二次の守護者の指名だ。
でもココで「守護者として失格」って思ったら…
逆に希望見てないっしょ!
「ふん、減らず口だね。はぁっ」
マーモンが一気に三人を幻影の世界へと導かせる。
「おやおや?クフフ」
「ココ———」
「並盛じゃんっ!」
そう、あたし達が連れてこられたのは並盛だ。
「最終決戦にぴったりだろ?ほら、ボーっとしてると嵐に巻き込まれるよ」
ゴォォォォオオッ
「ギャー!!今日の並盛の天気は台風ー!?」
強い風が吹き荒れる。
砂埃が目や口に入る、息をするのもとてつもなく苦しい。
「ケホッケホケホッハァッ…ゴホォッ………ぶえっくしゅんっ!」
咳止まらない!くしゃみ止まらない!
「クハハハッ面白いステージだ」
骸が笑って答えた。
「でも僕に幻覚で勝とうなんて…甘い、甘すぎる」
「それはコッチのセリフだよ…今までの僕とは違うんだ」
ヒィッ
何あの睨み合い!?
「つか気のせい?雲雀の発言ナインですけ」
ガガガガガァンッ!
「どーーーー!?」
雲雀が無口だと思ったら、何かいきなり台風の中に突っ込んでってるんですけど!?
「アイツ何やってるんだよ!アホか!?」
あたしがパニクっていたその時だった。
「瑞生、ココは僕に任せなさい。君は…雲雀恭弥を追いかけるといい。このままでは無駄死にするだけだ」
ハッ
骸の目はまっすぐに透き通っているようだった。
多分——雲の守護者同士だからこそ戦いたいとか、自分が守護者としてのプライドを持っているからだろうな。
「………無事で居ないと柚梨cに言い付けるよ!」
「どうして瑞生が知っているんですかね?まぁイイです。柚梨に嫌われるのは死ぬよりも…」
チラリとマーモンを見る骸。
「怖い事だ」
ものスゴイ覇気でマーモンを睨む。
「僕が勝ったら本物の雲のパネルを寄こせ」
「良いよ…ただし」
「勝ったらね」
骸…負けないでくれ。
あたしはただそれだけの事を思って、雲雀の元へと炎で飛び続けた。
end+*.
標的52【最終決戦…Ⅲ】
骸に言われ、雲雀の後を追いかける。
「雲雀…待て!待てッ!雲雀…ィ!」
うわ…
今回出た炎何かスゴイ強いのに!
「なのにっ…ごほっごほごほっちょっ台風強い!頑張ってスピード出しても何か進まない!」
台風強いよ!
マーモンのレベルがアップしてる…確実に。
「——あれ?雲雀…?あっどうしよ見失った!」
雲雀を見失った事に気付いたあたし。
ちょっアイツ何処行った!?
その時。
「何か用」
!?
「うわぁぁぁぁぁっ」
雲雀が突然現れる。
「雲雀!?驚かすな!ビクる!」
「着いてこないでくれるかい。僕は………並盛よりも大切なものを守らなくちゃいけないんだ」
並盛より…
「大切なもの?」
「うん、そう。だから邪魔しないでよね。例え———どんなに無謀な行動だったとしてもだよ」
信じられなかった。
雲雀にそこまで言わせるものがある何て、思わなかったからだ。
「あっちょっ雲雀…!」
雲雀はまた台風に突っ込んでいった。
「全く…ほっとける訳無いじゃん。比遊が待ってるってのに!…………待てよ?比遊?…あ、そうだ…そうだよ、雲雀…比遊の事…」
並盛より大切なもの…
今、はっきり分った気がする。
「でも!」
考え直せあの馬鹿!
「雲雀と同じように…比遊も雲雀の事が大切なんだ!」
雲雀、雲雀、そして気付いてくれるか?
これは幻覚…幻覚だという事を。
「くっ…」
比遊…早く君を…助けに行かなければ…。
雲雀の意識は朦朧としていた。
立っているのがやっとだというのにこの男は…
「絶対に立ち止まらない」
その時だった。
「きょーちゃん……」
end+*.
- Re: 【~日常☆ヒットマン REBORN!~】コメ求! ( No.2 )
- 日時: 2010/01/24 11:35
- 名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15636
≪咬み殺されない理由≫
標的1【これが比遊!】
皆さんこんにちは!!
え?忘れた?
ちょーちょー忘れんで下さいって!
瑞生です!ミ・ズ・キ!!
え?名前を名乗れって?
すんません…((反省
名乗らなきゃ分かりませんよね!うんそりゃそーだ!
今日は「日常ヒットマン」のもう一つの長編です。
今回、これからの長編ではオリキャラの恋愛を書いていくらしいです。(作者情報)
一番最初は望月c主役です!!
今回の1話はこのわたくしミズキが
お話したいと思います!
クスクス、コホン。
———それでは
一人の少女の
今よりちょっと未来の恋物語…
標的1、始まり始まり・・・・・。
たったったった・・・・
黒いボブショートの女の子は廊下を走っていく。
ガラッ
教室のドアが開くとともに可愛い女の子が入ってきた。
「おっはよー!」
「比遊おはよ〜」
返事を返すのはこのあたし瑞生。
比遊はかわいいけどまだ顔は幼く見える。
そこがまたモテる条件にはまっているのかと思う。
「あ、比遊ちゃんおはよう」
「よう望月!」
「十代目に近寄るなメスネコがぁ!!」
「つっくん達やっほ〜はやちゃんそんなだと皆から嫌われちゃうよー…ねぇ?十・代・目」
チラッとツナに寄り添って意地悪そうに微笑んだ。
だがその笑みからは不思議と悪意は見えないのが不思議だ。
「ンの野郎・・・・!果てろォ!」
「待てって獄寺っ」
必死にあたしは押さえつけた。
「バラす!」
シュッとダイナマイトに火をつけたかと思うと比遊に容赦なく投げつけた。
「わ〜っ非遊!?」
シュッ
比遊の目の前には黒い影。
「学校内を壊すつもり?」
そう言いながらもダイナマイトを窓の外に投げつける。
ドゴォォォォン!!
大きな音を立て、ダイナマイトは爆発した。
「チッジャマすんじゃねぇ雲雀!」
「———咬み殺す」
くら〜い心境の中、ニッコニコと笑っている人物。
「あははっさすがきょーちゃん!」
「君、———分かってたんだ」
「さぁどーだろー?」
…比遊だ。
ナルホド、どーりで!
よく笑ってられるなと思ったけど———
雲雀が学校を守るためダイナマイトを阻止するのは計算済みだったのか?
あたしは一人で比遊の心意気に感心していた。
「キミ、本当に気に入らない———風紀委員に入ってやり直しなよ」
「は?」
比遊を除く一同は唖然としていた。
「うん、別に良いけど」
アッサリと答える比遊の目はニコニコしていた。
簡単に答えちゃう比遊にも驚かされる。
「じゃ、決まりね・・・・さてと、僕は行くよ」
学ランを靡かせて雲雀は去っていった。
「ってぇえ!?いいの非遊!?」
「うん〜別にいーんだ!へへへッ」
「比、ひゆ・・・・!?」
あの時の比遊には実際驚かされちゃったよ!
…とまぁココまでが1話。
続く第2話からは比遊が物語を進めてくれるハズ。
それじゃぁ皆さんまた会いましょう!
バ〜イビ〜!!
end+*
標的2【恋の予感と屋上の出来事】
「紹介するよ」
「新しく入る風紀委員——」
ココは応接室。
私、比遊は風紀委員になる。
「望月比遊でーすよろしくねっ」
「ちょっと待ってください雲雀さん本気ですか!?」
「そうだけど。文句あるなら…咬み殺——」
「いっいえいえとんでもない!」
真っ青な顔をして、風紀委員の人たちは答えた。
「じゃぁキミは明日、これを着て来て」
渡されたのは・・・・
「セーラー服?可愛いねぇきょーちゃんっ」
「その呼び名止めてくれない?」
「嫌だよ〜えへへ」
「全く・・・僕たち風紀委員って学ランを着てるでしょ。さすがに女に学ランは着せられないからね」
「なるほどね〜!」
「明日から必ず着てくるように」
「ラジャー!!」
「・・・・って事が昨日あってねぇ〜」
「へぇ、だから比遊セーラー服なんだ?」
「そーなんだよ、みーちゃん!」
目の前に居るのはみーちゃん。
神田瑞生って名前、私はニックネームで呼んでいる。
「よく比遊って雲雀さんの事きょーちゃんって呼べるなぁ」
「あ、つっくん!おはようっ」
つっくんはツナの事。
こっちもまたニックネーム。
「よ、ツナおはよ〜あれ?山本と獄寺は?」
みーちゃんはさり気無く聞いた。
「おはよう二人とも。あの二人は保健室だよ」
「いったい如何して保健室!?」
「それが・・・・獄寺君が腹痛でね。——ってゆーかビアンキがいきなり学校に入ってきただけなんだけど」
「ん?最後のほう聞き取れなかった。ツナも一回ー」
「あ、いいよ別に!独り言だし!」
ハッ
ツナは不意に比遊のところへ目をやる。
こつぜん。
「あれ?」
「どしたツナ」
「比遊は・・・?」
「あぁぁあ!比遊ったらどこ行ったのさー!」
「とりあえず瑞生も保健室着いてきてよ」
「そーだね、二人の行方が・・・」
「「心配!」」
ツナと瑞生は声をハモらせて答えた。
「いっ急げ!獄寺が煩そうだよ!」
「うわぁぁぁ!」
スッテーン!
大きな音を立て、転ぶツナ。
「あたし先行くよー!」
——その頃比遊具はと言うと。
「ふあ〜ぁ〜」
「つっくん達二人で話してたしこっそり抜けてきちゃった〜!それにしてもヒマ・・・・」
私はピンと思いついた。
そうだ!
「———屋上いこっかな!」
屋上で風にあたるのも、さほど悪くはないだろうと考えたのだ。
キィ・・・
ドアを開け、大きく声を出す。
「気持ち良い———!」
ん〜と伸びをしながら言う。
その時。
トントン
方を叩かれる。
くるっと後ろを振り返ると・・・・
「ねぇ」
「わわっきょーちゃん!?ビックリしたよ!」
「何やってんのこんな所で」
「風にあたりに来たの!気持ちいいでしょ?」
「ふぅん。——僕寝てたのにキミにおこされちゃったんだよね・・・・何かお詫びしてよ」
「お詫び・・・うーん・・・」
いきなり言われたって分からないよ・・
どうしようかな?
「もう一度寝られるように・・・君が枕代わりになって。それでチャラ。嫌なら咬み殺す」
「わーやるやる!やるから!」
スッと私のひざに頭を乗せ、寝てしまった。
「・・・・・ふぅ———」
あ、きょーちゃんの髪、サラサラ。
キレイ・・・・。
「あ、そうだ。セーラー服似合ってるね。以外——」
ドキン!
!?
不覚にもときめいてしまった!
お、おちつこう・・・
「ん・・う・・・・・ん——すぅ、すぅ」
雲雀がふいに寝言を言う。
ぎゃぁぁぁぁ!!
ドッキンドッキンドッキン
鼓動は収まるばかりか早くなる。
「恋・・・・?」
不意につぶやく一言。
次の瞬間。
パチッ
ガバッ
勢いよく起きる雲雀。
「顔——赤いよ」
「別に何でもないって、きょーちゃん・・・!」
ズキュンッと胸を打つ。
貴方が原因なんて口が避けても言えませんんんん〜〜!
「ふぅん。———熱があるのかもよ?帰ったら?」
コツン。
おでこを合わせて来るきょーちゃん。
ドクン。
———ドクン。
ドクン。
「・・・少しあるかも。帰りなよ」
「でも委員会でないと咬み殺されそうだし——」
「何いってんの?」
雲雀は顔を少しそらす。
「——キミのほうが大切だから」
end+*
標的3【制御不能な気持ち】
`——キミのほうが大切だから´
そんな甘いセリフ、
漫画にいる誰かが
言ってたんだ。
「きょ、きょーちゃん?」
ポカンと口を開けたまま、やっと聞きたい事を聞けた。
「何」
「さっきの言葉って——」
「本心からだけど」
サラリ。
そう言うきょーちゃんの顔はほんのりと赤かくて睨むようなキッツ〜イ目だったけど・・・。
その目の奥に、優しい光が宿ってた気がしたんだ。
「——あのさ」
「なっ何きょーちゃん!」
慌てて雲雀のほうを見た。
ビクッ
「きょっきょーちゃんっ顔近・・・!」
驚くのも当然であろう。
振り向いた瞬間雲雀の顔が私の目に映し出された。
ドッキドッキドッキドッキ
鼓動はやまずに鳴り響いている。
きょーちゃん・・・
ど、どーしたの!?
何があったの!?
「・・・・顔やっぱり赤い」
「え、あ・・・」
なんて答えれば以下、見当がつかない。
「保健室、つれてってあげる」
ひょいっ。
「きょーちゃぁん!?降ろして!ほんと恥ずかしすぎるコレ!」
きょーちゃんはお姫様抱っこで私を抱き上げ保健室へ連れて行こうとした。
「ヤダ。何で僕が指図されなきゃいけないの?」
「意味不明な理屈作らないでよ〜っ!」
雲雀の腕の中でジタバタ暴れだすと・・・・
スッ
きょーちゃんはいきなり顔を近づける。
チュッ
「〜〜〜〜〜!?!?」
頬にキスをしてきた。
「次なんか言ったり暴れたらまたするよ」
「きょーちゃんのバカ・・・はっ」
いっ言っちゃ・・・・
とっさに気付く、——が。
チュッ
「何か、言ったよね」
「・・・・・・・・・」
自分の考える隙も無くしてきょーちゃんはまた頬にキスをした。
保健室へ着くと「お大事に」とだけ言ってきょーちゃんは応接室に歩いていった。
後でみーちゃんがお見舞いに来てくれた。
みーちゃんに、「どうしたの!?」とか「大丈夫!?」とか心配そうに聞かれた。
一応「大丈夫、先に帰ってて」とだけは返しておいたんだ。
その時、きょーちゃんとあった今の事は・・・・
当然、話さなかったけどね。
家。
ドサッとベッドにもぐりこんで布団で顔を伏せた。
「ふぅ・・・・」
きょーちゃん・・・
あのキスって何か意味があるの?
少し——
期待して、いい?
私・・・・
多分、きょーちゃんの事・・・・
ブルブルッ
頭を振る。
「しっかりしよう!しっかり私!しっかりっ・・・・」
・・・・
思い込む力もなくなってしまう。
ソレもその筈。
あんな事があったのだから。
それでも自分の気持ちを制御して、やっと寝付けたのはまた後の事だったんだ。
end+*
標的4【「理由」の「意味」】(最終話)
「ふー・・・・」
気持ちがダルい。
大好きな学校にいたって、
どうにも気が進まない。
その時。
ピーンポーンパーンポーン
「呼び出しの鐘だ」
呼び出しの鐘がなる。
その約0.8秒後だ。
『風紀委員、望月比遊・・・・・後1分で応接室に行かなきゃ咬み殺す』
ブツッ
放送は途切れる。
私の頭の中は真っ白になった。
「・・・・・・・・・えぇ!?」
——そう、それは・・・
突然の出来事だったの。
ダダダダダダダ!
ダッシュで応接室へ向かう。
「何でそうなるの!?」
廊下を走りながら大きな独り言を叫んだ!
「教えてよきょーちゃぁぁぁんっ」
バタン!
ドアをあけ、一言言って倒れかけた。
「はーはぁ・・・・くっ苦しい・・・・・」
「ワオ。惜しいな、後2秒で咬み殺せたのに」
「何言ってるの〜もう!で、何か用なの??」
それが一番聞きたい。
私はそう思った。
「うん、キミ・・・・その——好きな男っているの?」
・・・・・・・・はい?
好きな男?好きな男って友達関係じゃなく?
いやいや、きょーちゃん・・・・何を言い出すの?
「好きな男って・・・いきなりどうしたの?」
「別に。ただなんとなく———僕がそう思ったらしい」
「意味わからないよきょーちゃんっ」
「で、いるの?いないの?」
いるかいないか言われたら・・・・
少し考えた。
ツっ君は?
優しいしおもしろいし・・・・でも
ドキドキした事なんて無い。
良い友達なんだよね・・・・
じゃぁはやちゃん。
はやちゃんも凄く面白い。
ツンデレなところも、からかいがいがある所も好き。
たけちゃんも心が広くて、凄く楽しい。
それでも———
それでも、違うと思う。
『キミの方が大切だから』
はっ
頭の中に、ふいにきょーちゃんの声が浮かぶ。
きょーちゃん?
きょーちゃんはどうなの?
私・・・・もしかして・・・・・
「望月比遊、まだ?」
ド キ ン
あ、分かった・・・・・
「分かったよ———きょーちゃん・・・・・・」
ピクンときょーちゃんの耳がかすかに動く。
「誰」
「私ね・・・・・・きっと———・・・」
たくさんビックリするのに
毎日、楽しかった気がする。
今日疲れてたけど・・・・・実はね。
応接室に呼ばれた時・・・・
心が晴れた。
なんでだか分かる?
「私・・・・きょーちゃんが好き」
そうだよ。
きょーちゃんの事好きになってた。
「ボクを?」
コクン・・・・
目を瞑ったまま優しい顔をしてうなずく私。
「・・・・・・・・・ねぇ——今僕どんな顔してる?」
スッと顔を上げ、きょーちゃんの方を見てみた。
「きょーちゃん・・・大丈夫?」
「顔、赤い・・・・・熱があるの?でも———」
きょーちゃんの頬は赤く染まっていた。
でも・・・・・
きょーちゃん・・・
「嬉しそう、そんな表情だよ」
笑ってるね。
「そう・・・・・比遊、ボクも好きみたいだね、キミの事」
ギュッ
優しく抱きしめるきょーちゃん。
小さい私はきょーちゃんの腕にすっぽりと包まれた。
「きょー・・・ちゃん——っ」
「比遊何泣いてるの?」
「何でだろ・・・嬉しいような気がする」
「ふぅん・・素直だね。じゃぁ・・・・」
グッ
きょーちゃんは私のアゴをクイッと上げて、こう言った。
「ボクがキスしたらキミの表情トマトになる訳?」
私のファーストキス。
多分コイツに奪われるんだ。
それでも良い気がする。
だってきょーちゃん
私の彼氏でしょ?
「よくその時の事覚えてるよね」
「ふふっきょーちゃんって呼んでたね」
「———今は辞めてくれるかい?」
「分かってるよ・・・・」
今、このときは10年後。
私達はめでたくゴールインしていた。
「そういえばさ・・・咬み殺すって言ってたくせに全然実行してなかったね!」
「知らないの?僕が咬み殺さなかった理由」
「さぁ〜何でかなー?」
ワザとらしく私は笑んだ。
「全く・・・・・決まってるでしょ」
〝世界一君のことが好きだからだよ〟
end+*
【コ メ ン ト】
最後と言う事で少し長めの
最終輪にしました(笑)こ
のお話少し短いと思ったん
ですが・・・・中でも気に入っ
ている作品でした!バカッ
プルなこの二人の十年後を
早く書いてみたいと思いま
す(笑)最後までお付き合
い、本当にどうも有り難う御座いました!!!!!!
- Re: 【~日常☆ヒットマン REBORN!~】コメ求! ( No.3 )
- 日時: 2010/01/24 11:37
- 名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15636
≪幻覚じゃない甘い夢≫
標的1【は じ ま り】
ギャァギャァ!
「二人とも落ち着けってぇ!」
「ウルセぇんだよアホ牛がァァ!!」
「ランボさんは悪くないもんねぇ!タコなんてこーしてやるっえいっえいっ」
ゲスゲスと獄寺の頭を踏みつけるランボ。
今このクラスでは乱闘が始まっている。
誰のケンカかって?
それは——
「ランボっ落ち着けよ〜!」
ランボと・・・
「ストップストップ獄寺!」
「ケンカはやめよーぜっ!」
獄寺だ。
ランボをツナが押さえつけるのは良いが、獄寺を押さえる瑞生と山本がまた一段と大変だった。
その時。
「煩いな〜何の騒ぎなのぉ?」
サラッ
漆黒の黒のロングヘアをする少女。
「誰?キミ・・・」
瑞生が聞く。
すると彼女は答えた。
「名前?えぇと・・・・五十嵐柚梨だよぉ——何やってるの?煩いな〜・・・迷惑」
「んなーーーーー!?」
心にグサッときたらしい。
ツナが大絶叫を及ばす。
「(か、可愛い顔と声して毒舌だ———!?)」
心の中、ヒソかに感じる瑞生であった。
「タコヘアのおサルさん、おとなげないんだね〜?こっちのアホみたいに煩い牛は牧場に返したらぁ・・・?」
「ランボさんはアホじゃないモンね!!ベーッお前なんかあっち行———うわぁぁっ」
ゴーン!!
誰かに頭を思いっきりグーで殴られたランボ。
「しずかにしなさいよガキ!」
これまたランボが苦手なヤツがやって来る。
「あーっシッシばばぁ!・・・ガ・マ・ン!!うわぁあああぁん!」
「ほへぇ?誰ぇ?」
「黒川花。よろしくね!」
キッ
ツカツカツカ!
花は睨みを利かせながらツナに近づく。
「———ちょっと沢田!何よまたつれてきて!」
「ランボが勝手に着いて来たんだよ!オレじゃないって!」
「良いじゃない、花!」
「京子!」
「京子ちゃん!」
「こんにちは、ツナ君!」
あはははは!
京子が来た事で周りは明るくなった。
——が。
一人、不満なコが居るようです・・・。
・・・・・・・・・また煩くなった。
やだなぁ〜もう〜。
私、柚梨はあきあきしていた。
つまらない、毎日の——そう。
平和、な日常に。
もっと面白い事、見つかったら楽しいのかな〜?
そんな時、誰かが柚梨の方をはたく。
トントン。
「ねぇ柚梨って言ったよね?」
「さっきのメガネちゃん」
「メガネはよしてって・・・瑞生って名前があるし!」
「ふぅ〜ん・・・・何か用なのぉ?」
「特には無いけどね。キミ、前のあたしと同じ顔してる」
「そうなんだぁ〜・・・で?」
「日常がつまらなそうだね、———転校前は、あたしがそうだった。・・・だから分かる」
「もういい?じゃぁねぇメガネちゃん」
スタスタスタ——
瑞生を無視してスタスタと行ってしまった。
「ふぅ、柚梨も大変そーだな。これからきっと何かが起こりそうだよ」
「・・・つーか!!」
さっきからツッコミたかったらしい。
「何見てんのリボーン!」
リボーンが観葉植物に変装して盗み聞きしていたのだ。
無論、誰がどう見てもバレバレである。
「気付いてたのか、これも修行の成果だぞ」
「盗み聞きって趣味ワリーぞっ・・・ウギャッ」
ボカアッッ!
「痛ってーッ殴る必要ねぇじゃん!?」
「なんとなくだ」
「ふざけんなぁー!!」
「ふぅ。———ったくリボーンは・・・あたし行くよ〜」
スタスタとリボーンをおいて去っていく瑞生。
ボソッ
リボーンは呟いた。
「五十嵐柚梨・・・・財発の経営者であり、何より———ボンゴレと同盟を組んでいる・・・」
そしてニヤリと笑う。
「アイツを使って協力させてやるか、ヴァリアー狩りにな」
この話は・・・
未来へと続く鍵になる。
霧の守護者が
柚梨を変える。
そしてまた———
柚梨も
守護者を
変えたのだ。
end+*
標的2【骸の登場!】
「ん〜ヒマぁ〜もうサボって帰ろうかな〜」
ついにサボる事まで決めた柚梨。
カバンを手に取り、玄関へ出た。
すると——
フッ
「えぇ〜?何この霧・・・きゃっ」
前に人が現れた。
右目には「六」の文字が浮かぶ。
「誰・・・・?」
「クフフ——ずっとキミに会いたかった・・・・柚梨」
キュッと柚梨を抱きしめて男はそう言った。
———が。
バシン!
思いっきりその男を柚梨は殴りつけた。
「私の質問に答えなかったからだよぉ〜名前は?誰?」
「クハッそうですね、失礼しました。」
「——クフン僕の名前は六道骸。キミは僕の家庭教師になって下さい、ボンゴレと同盟を組んでいる以上、分かりますよね?」
ニッコニコの笑顔でむくろは言った。
「ふぅ〜ん、私はイヤだよ〜」
「何故ですか!貴方と出来ると思って喜んでいたのに!」
「どうして私が良いの〜?」
「決まってるじゃないですか、僕——」
骸は次の瞬間目が点になる位驚く一言を発言した。
「貴方に一目ぼれしたんです。好きです柚梨!」
「——えへへっ」
「クフフ」
「イヤ、帰る」
バッサリとノーの返事を交わし、スタスタと歩いていく。
「待ってください柚梨〜!」
めんどうなこと、やってられないもん〜
私はやらないよ〜リボーン・・・?
———確かに私強いけどねぇ〜。
そんなヒマあったら寝てたほうが絶対に良いと思うなぁ〜?
「柚梨!」
バッと骸が飛び込んできた。
サッと
柚梨はよける。
「クハッなぜよけるんですか!?———そうですか分かりました」
クルッ
ココで柚梨がようやく笑顔でむくろに話しかけた。
「分かってくれたのぉ?変体さん!」
「ハイ!もうバッチリです!照れているんですね!」
「・・・・・・・・・」
ウザイねぇ———。
はっきり言って凄く苦手だな〜・・・
再び私は歩き出した。
「違うんですか!?」
「うん〜、所で——」
「キスしていいのですか!?」
・・・・・・無言の脱力をカンジさせられる柚梨。
気を落ち着かせて満面の笑顔でこう言った。
「違うよ〜私、むくろのかてきょーはやらないからついてこないでねぇ〜凄くウザッたいし!」
「・・・・・・そんな」
少しシュンとなる骸。
でも仕方が無いんだよぉ〜骸〜。
だってやりたくないもん〜。
その時だった。
骸は大声で叫んだ。
「明日、僕が迎えに行きますね!クハハハハ!」
来なくていいんだけどなぁ・・・・
その後、骸は霧となって帰っていったの。
end+*
標的3【変体パイナポー】
朝。
「ふあ〜ぁ」
少し眠気に誘われながらも制服に着替える。
「おはよう・・・柚梨」
お母さんだぁ・・・。
「煩いなぁお母さん、話しかけないでよ」
「・・・・・ごめんね、お母さん仕事いってくるね」
パタン——。
え?
どうしてそんなにそっけないかって?
だって〜
お母さん大ッキライだもん!
仕方ないよねぇ〜あはは。
さーて・・・
「そろそろ家を出なくちゃ〜つり名風紀委員長に怒られちゃうよー」
パタン、とドアをしめて家を出る。
その瞬間!
「おはようございます柚梨!!さぁ手を繋いで一緒に行きましょう!!」
来ちゃったのぉ〜・・・・
「ウザイよ〜消えてくれる?」
「クハァッ酷いです!ほら手を繋いで!」
きゅっ
骸は無理矢理私の手を握ってくる。
「——10秒以内に離さないとむくろ死ぬよ〜」
「イヤです」
グイッと柚梨の手を引っ張り歩き出すむくろ。
「ちょっと〜離してって言ってるよねぇ〜聞こえないの?南国果実さんっ」
「南国果実・・・・ですか?」
「そうだよ〜この変質パイナッポーさん〜」
「そ、そうですか!柚梨、僕をニックネームで呼ぶほどこの僕が好きなんですね・・・・・!クハッ」
わぁ・・・・・
ウザさ倍・増!してなぁい?
少し蔵笑いを浮かべ、骸を見つめる柚梨。
それに引き換え骸はニッコニコした満面の笑顔で柚梨の手の甲にキスをした。
「キモイよ、ナッポーくん」
「クハハハ!愛があるならどんな言葉でも受け入れられますね!」
結局その日は骸に強引に手を繋がられて学校へ行った。
「はぁ〜いつにもまして疲れるなぁ・・・・日々が」
ため息をつきながら窓の外を見つめる。
その時、リボーンが柚梨の机に飛び乗って来た。
「よう柚梨、元気か」
「・・・・久しぶり」
「どうだ。霧の守護者の育成は」
「しないよぉ〜私・・・どういうつもりなの〜他の人がいるでしょ〜??」
「お前は強い、骸も好意を抱いているらしいしな」
「今回ヴァリアーも関係してるって言ってたっけぇ?」
「そうだぞ、柚梨。同盟を組む以上はボンゴレに協力してもらうからな」
「仕方ないな〜あぁ・・・めんどくさぁぃ」
「じゃ、頼んだぞ」
ピョコンと飛び跳ねてどこかへ消えていくリボーンだった。
「さて・・・・骸に足りない力を見つけなきゃ〜ねぇ〜」
end+*
標的4【不 思 議】
「むくろの弱点・・・・」
今まであった事を思い出している。
かてきょーとしての素質もバッチリの柚梨。
実力も相当であった。
「よし、こんな物かなぁ〜??」
ペンを取り出し、ノートにまとめる。
「後は・・・・・骸が着てくれたら完璧なんだけどなぁ〜」
コツッ
「ん〜?」
窓に何か当たった。
———石だぁ・・・
ガラッ
窓をあけ、見るとソコには———
「柚梨!会いに着てしまいました!」
「・・・・・グッドタイミングだね〜」
「クハッ柚梨は僕に会いたかったのですか!?グッドタイミングなどと・・・・・クフフ、嬉しいで——」
ヒュン!
ガツーン!!
私はさっき飛んできた石を思いっきり骸に向けて投げた。
「痛いです!」
「クリーンヒットぉ〜えへへ」
半泣きの目で私を見て訴えるように骸は言う。
「愛する柚梨のためなら・・・」
「煩いよ〜むくろ〜それより、ちょっと着てくれないかな〜」
教えるついでに・・・・・
ふふふ、泣かしてあげよーかなー?
少しドS風に柚梨は言うのであった・・・・・。
「ではお邪魔しますよ!」
ギュン!!
下から飛んで柚梨の前の窓に骸は立った。
「クフフ——両親は?」
「今はいない〜・・・」
「クハハハハ!愛する君と共に夜を過ごすのですか・・・・良いですね、クフフ」
「妄想はそこまでだよぉ〜」
「柚梨が言うなら——」
「私が呼んだのは家庭教師を引き受けたからなの」
ピクッ
骸は反応する。
「そうですか、よろしくお願いします柚梨」
「うん〜ソコは真面目なんだぁ?」
「えぇ、嫌いなマフィアの手伝いとは気にくいませんが・・・・・リングをかけるのなら仕方がない」
「どーでもいいよ〜そんなの関係ないなー・・・骸の弱点まとめたから目を通してね」
「ハイ!」
さすがの変体パイナポーさんも真剣に読んでる〜
なんだかビックリだな〜?
まぁどーでもいいんだけど〜
「さすがです・・・・柚梨」
「当たり前〜なめないでくれる?ナッポーくん」
「そうですね、少しあまく見ていたようですよ・・・柚梨のこともっと好きになりました」
うぅ〜ん・・・
どうしてそんな歯が浮くような言葉を平気で言えるんだろぉ——??
やっぱり変態だからかなー?
「ねぇ骸〜」
「何ですか?」
「骸は如何して私を好きになったの?」
「クフフ・・・・・一目惚れ、ってヤツですかね?」
「一目惚れ・・・・かぁ〜」
「えぇ、自然と目で追ってしまいました。性格だって・・・・全部キミが好きなんです」
「ふぅ〜ん、変なの〜」
「何処が変なんですか、こんなに可愛いコは世界で柚梨だけですよ」
ドキッ
あれぇ?
今なんか胸が変だったかなー?
「柚梨・・・・好きです」
ギュゥッ
骸は抱きしめる。
「離してくれる?このナッポーくん」
「嫌です愛しています柚梨!!」
・・・・・不思議——
本当に如何してコンナ言葉を言えるの?
それに———
むくろに抱きしめられる自分が・・・・
何で?
何で・・・振り払わないの?
骸の・・・・身体を———
「どうしました?柚梨。いつもなら嫌がって叩いていたはずなのに・・・・クハ!もしかして僕のことを・・・!?」
「・・・・・・ふふ」
笑いながら柚梨は・・・
バコぉぉぉン!
お約束。
骸を引き離し、殴りつける。
「痛いです!ヒドイです!——おや、もうこんな時間ですか・・・悲しいですがお別れの時間です。またあし・・・・」
ドン。
「た・・・・」
ヒュルルルルル———。
「さよなら〜変体君〜」
満面のドス黒い笑顔で骸を窓から突き落とし手を振る柚梨であった。
ドーーーーーン!
下で何があるかも見はせずに窓を閉める。
「ふぅ〜」
何でかな・・・・・
ほんとに骸を——?
「そんな訳、無いかぁ〜・・・・」
私はそのまま少し寝た。
end+*
標的5【——二人で見る甘い夢…】(最終話)
「いよいよ・・・・なんだな?」
そう、いよいよだった。
ヴァリアーとの戦い・・・・忘れたわけじゃなかった。
ココに骸が出るんだ・・・・
「骸・・・」
ガラッと窓が開く。
「呼びました?」
!!
「キャーーーッ」
「驚かさないでくれる〜??」
黒笑いで骸に近寄り・・・
ドゴォォォッ
お約束。
————暫くお待ち下さい。
「スミマセンでした柚梨!許してください!」
「しょうがないな・・・・」
ちょこっと納得いかない承諾、でも骸には甘やかしてしまう。
———こんな自分が変だと思う。
少しボーっとしていると・・・
「柚梨?」
ハッ
気が着き、我にかえる。
「ねぇ骸・・・・明日———」
「ヴァリアー戦ですね・・・?」
「そう・・・・——だよ・・骸、ちゃんと弱点の部分鍛えたの?」
「モチロンですよ、クフッ」
そういう骸の顔には、骸らしくない弱そうなのにやさしい笑みを浮かべている。
「本当は————戦いなんてしたくなかった」
そっと大きな手で私の顔に触れてくる。
「骸、こーゆー戦いスキなんじゃないの?」
「えぇ、大好きでしたよ・・・・君に出会うまではね」
「骸・・・・」
ギュッ
抱きしめる。
優しく腕の中に包み込んでくれた。
「柚梨・・・・・キミは、ボクの事をどう想っているんです?」
「骸・・・の事———」
最初は・・・
ウザイし・・・ヘンタイで
いても抱きつくだけだし、本当に大嫌いだった。
でも、最近は?
最近の自分は?
———骸に、ドキドキしてない?
気のせい?
違う、気のせいに・・・・
〝———シタカッタ———〟
恋をした自分が嫌で・・・・
心を裏にしたんじゃないかな・・・・
「私、私は———」
ポロッ
———あ・・・
涙?涙?涙?涙?
分からない、ワカラナイな・・・・・
さっき、断ろうと想った。
口に出せば終わりになるのに——・・・
どうしてもその言葉は出ない。
どうしてか・・・?
あ、そうだ・・・・・
そうだよ・・・私———
骸のこと・・・
「骸」
「何ですか・・・・?」
「私が言う事はこれだけ」
コソッと耳打ちで骸に話しかける。
(無事に帰ってこないと・・・・泣くよ)
骸は暫く黙っていた・・が——
「・・・クハハ、勝って来ますよ、絶対———こんなに優しい勝利の女神が僕に向いて笑んでいるのですからね」
笑えなかった自分を笑わせてくれた。
口で本当に言葉には出せないけど・・・・
きっとスキって事、
伝えられたはずだ。
無事に帰ってきたら・・・・しっかり
しっかり自分から・・・言えるようにするよ。
好きと言う気持ち。
幻覚に惑わされない私を・・・
〝有幻覚〟という形で見せてくれた・・・・
甘い夢の続き、二人で見ようよ。
end+*
【 コ メ ン ト 】
ご視聴ありがとうございました!!
この二人の続きはヴァリアー戦の
時に表して見ようかと想います!!
実を言うと、骸が登場するからこ
そ(甘い夢)を書かなきゃだったん
ですよね〜(笑)無事完結できて
凄く嬉しいと思っています!!!!!!
それではちゃお〜m(^ヮ^)m(ペコリ
- Re: 【~日常☆ヒットマン REBORN!~】コメ求! ( No.4 )
- 日時: 2010/01/24 11:42
- 名前: 志筑 ◆aIk.35GwhE (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15636
≪周りの目なんか気にしない!≫
標的1【平和なんてウソさ!】
み〜どりたな〜びく・・・
——これは・・・・
並盛中学校校歌だ。
毎日、平和での〜んびりした・・・・
おだやかな日・・・っ
「ひゃぁぁあああああああああああああ!!誰かぁぁぁぁぁ!!」
どどどどどどど・・・・・
こ、こほん。
ではでは改めて———
おだやかn・・・・・
「キミは絶対に咬み殺す・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
ダダダダダダ!
・・・・・・・・・(何も言えないナレーター)。
「誰かーーーーーーーーっ」
わ、私は筬也。
今ちょっと自己紹介どころじゃないから!
後dっ——
しゅたたたたたたッ
「待ちなよ———————!!」
「着たぁぁぁぁぁぁあああぁ!いやだーーーっ」
ドタドタドタ!
これは日常。
後ろから追いかけてくるのは雲雀恭弥と言う、並盛最強の風紀委員長。
私に何故かいつも勝負を仕掛けてきて・・・・!
朝から忙しいの・・・・・・・
「捕まえた・・・・・!」
ガシッと腕をつかまれる。
もう、本気出すしかないのかなぁ!?
「仕方ない——ッ」
バッコーーーン!!
雲雀、瞬殺。
「はははっいつも強いな」
「ひゃぁぁ草壁さん・・・・!?」
こっちのリーゼントの人が草壁さんと言って、風紀副委員長。
「雲雀!起きろ!」
「わーっ起こさないでくださいよおおおぉ!」
「分かったから先に逃げれば良いだろう」
「さよーならーーーーーーーーーッ」
「全く・・・・・・騒がしいけど———楽しいヤツだな」
草壁はそう言いながら雲雀を起こした。
「大変だったんだよー?」
「だろうね、ナリ」
前に座って話しているのが友達の瑞生。
「それにしてもさ〜雲雀って怖ェよなー」
「ひぃっ」
「あ、そっか。ナリ雲雀恐怖症なっちゃってるから・・子の名前出しちゃまずかった?」
こくこく!
無言のまま、冷や汗をかきながらうなずく。
「でも本気出しちゃったわけだ」
「雲雀さん大丈夫かな〜」
「・・・・・(自分で雲雀って言ってるし)」
これが日常、毎日。
でも、これから起こる出来事なんかは
予想できていなかった。
end+*
標的2【正義のヒーロー(?)草壁】
「瑞生おはよ〜」
「あ、おはよナリ!!今日はどうだった?魔のロード」
「あ、今日は成功したよ〜」
説明しよう。魔のロードとは。
校門前に立ちふさがる風紀委員の中にいる雲雀。
筬也を待ち伏せし、咬み殺す気であるのだ。
ここが魔のロードの恐ろしい所である。
万一見つかった場合昨日のように也は朝っぱらから地獄鬼ごっこが始まるのであった・・・・
では本編へどうぞ(笑)
「それは良かったねー」
「うん。そうだね・・・・あ、私ちょっとトイレ行ってくる」
「いってらー」
パタパタと走ってトイレに向かう。
「急げーッあ!!」
「おい筬は何処だ!!」
「雲雀に咬み殺されるぞ、急げ!!」
「探せー!!」
ドタドタドタ!!
「ひぃぃぃぃ…!」
その時。
ぽん
と肩を叩かれる。
「ギャーーーーーーッ!!」
「やぁ筬」
「くくくく草壁さん」
見つかったどうしようどうしよう!!
「ココは俺に任せろ。筬は逃げれば良いさ」
「へっ?」
キョトンとしてしまった。
いや、誰もが私と同じ立場に在ったならばきっと…
してしまう、方が正しいのだろう。
「良いから!…さぁ行け」
「はっはーいっ」
タッタッタッと一回側のトイレに駆け抜ける。
「困るよ草壁さん・・・・そんなことされちゃ・・・」
ドキンっ
「好きになりそうです————」
そういう私の顔は凄く熱かった。
end+*
標的3【憂鬱】
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
このあたし瑞生は思った。
・・・・・・・・・今日のナリおかしい!
いつもボーっとしているナリだけど・・・・今日は格別に変。
「ほへーーーー・・・・」
ナリがボトリと昼食のウィンナーを落とす。
———!?
「・・・・何があったんだ君はァ!」
「何か言ったの・・・?瑞生ちゃん」
「さっきから陰気臭い顔してコッチのメシがね、まずくなるんだって!」
「それは・・・・その、ね・・・・・草壁さんが・・・・」
草壁が絡んでたか。
もーめんどいし、答えを切り出そう。
「ナリは草壁さんが好きなんじゃね?」
「——————————!!!!!」
ドンガラガッシャンッ
イスからなりは転げ落ちた。
「ななんあなn!?」
「は、あ、私トと、イレひ、い、行って来るね」
ダダダダダダダッ
「ナリ・・・・・・全くもう・・・」
少しため息をつく。
さすがに言わなければよかった気がするあたしであった。
「何てこと言うの瑞生ちゃんはぁ!」
水で顔を洗っている私。
バシャッバシャバシャァ!
顔が熱かった、瑞生に言われたあの時から・・・。
バシャッ
「何で?」
バシャァンッ!!
「何で?」
バシャッゴシッゴシィッ!
洗いながら強く顔をこすり続ける。
「何で?何で冷たくならないのぉ・・・・?」
何度も何度も顔を洗い続けた。
唇が真っ青なのに顔は熱くて
おかしな気分で、もう———
私は何をして良いのかわからなかったんだ。
———その時、あの人が現れるまでは。
end+*
標的4【ココら辺でハッピーエンド!】(最終話)
「うっう・・・・」
なんだか少し苦しいよぉぉ。
————その時。
「何やってるんだ」
「!?———あ・・・あ・・・・・草壁さん」
ドキ————ン。
鼓動は早まる、収まるどころか次第に、次第に——
「おい筬」
———ドクン!———
早くなり、胸が苦しくなる。
「草壁さん・・・」
「落ち着いたようだな・・・何してたんだ?真っ青な顔をして」
真っ青?
こんなに熱いのに___?
「その・・・・・私、顔が熱いんです」
ぽかんと口を開ける草壁。
「あ、熱い?」
「そうですよ草壁さん!私は草壁さんを見ると——!」
ハッとなる。
草壁さんを見ると熱くなる?
顔が?
鼓動が早まる?
ねぇそれって————
恋の感情に似てる?
じゃぁ私は・・・・草壁さんに——?
「草壁さん・・・・私・・・・その————」
「・・・・・言わなくていいさ」
ポン、と優しく頭に手を置く草壁さん。
「筬、大丈夫だ」
にこやかに微笑むその顔に私の目は奪われた。
告白・・・しちゃおうかな?
そんなことを考えていた時だった。
「ねぇアレ見てよ、あのコ風紀副委員長と付き合ってるのかな!?」
「趣味悪〜い!クスッあ、見つかるよ、ほらいこッ」
パタパタと走り去っていく女生徒。
「・・・・・・!?」
かっこ悪い?カッコ悪いことの・・・・
「お、おい筬!?」
「ちょっと待ってよぉソコの二人!!」
何処が悪いのーっ!?
女生徒は立ち止まり、目をぱちくりさせる。
「カッコ悪いだの色々言ってるけどねぇ!草壁さんは———」
あぁもう何言ってるんだ私!!
でももう———
「・・・すっごくカッコイイんだから!草壁さんの中身も全部、私は、私は———」
〝 止 め ら れ な い ! ! 〟
「大好きなんだから!」
ハッ
い・・・・言っちゃったよ私!!
気が動転しているその時最初に口を開いたのは——
「おいお前たち」
「ハッハイ!?」
「風紀を乱したことにより・・・・後始末をするから放課後玄関にいろ———落とし前をつけてやろう」
草壁さんだった。
女生徒はタタタっと駆け足で駈けていく。
「筬」
「は、はひぃっ!」
「今の言葉本気にしていいのか?」
・・・・・!!
「は、はいっ」
「そうか。それじゃぁ一緒に帰るぞ」
そ、それって————
「ハイ!!」
OKってことですか?ですよね!?
何度聞いても草壁さんは答えてくれなかったけど・・・
照れてるってことで、見逃しますね。
今日の帰り道はきっと——
通りかかった人たちは変に思うだろうなぁ。
それでも良いや。
私の気持ちは変わりはしない。
どんなに変に思われたって、
周りの目なんて気にしないんだからねぇ!
end+*.
【 コ メ ン ト 】
周りの目なんて気にしない!
無事完結いたしました!!!!!!
4話で終わるのは早いかと思
ったんですがやはりネタが思
いつく時に書き終わらせたく
なっちゃったみたいですww
最後までご視聴本当に有り難う御座いましたm(´ω`)m(ペコリ。
- Re: 【~日常☆ヒットマン REBORN!~】コメ求! ( No.5 )
- 日時: 2010/01/24 11:43
- 名前: 椿薔薇 (ID: p4jphIw6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15421
志筑>>
よっ!よかったよぉー><
やっぱ凄いなァ!
10年後も楽しみにしてるね!
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