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涼宮ハルヒの願望<復活初仕事>
日時: 2010/05/04 14:34
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: 5ITqb3s4)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

どうもw

たったさっきたてたばかりなのにもう消えやがったwwwww
ワロタwww



まぁ、がんばりたいと思いますw
一番最初に書いたハルヒの小説でちょこちょこアレンジ仕様です。
最後まで見守ってくださったら恐縮です。

☆登場人物
涼宮ハルヒ
面は美少女ながらも傍若無人、破天荒な性格。ツンデレ、ロリ顔好き。
退屈を嫌い、常に楽しいことをするのがセオリー。
尚、「願望を実現する」能力を持っておりハルヒの言った事はどんな不可能なことでも実現してしまう。
そして、ハルヒが苛立ち始めると「閉鎖空間」、ハルヒの感情を具現化される断界となる。
さらにその世界で常に破壊を続ける「神人」がいたり
と、かなり不安定な心。
言葉にはあまり出さないが、みくるや長門にも結構キョンのことで妬いてたりする。

☆キョン
SOS団団員其の一。いろいろと厄介事を背負い込まれる苦労人。
「やれやれ」と溜息を吐くのが癖。
OS団で唯一の一般人。
ハルヒ絡みの事件で一番の鍵が握られているのもキョンであって、責任重大な存在。ハルヒの絶対的な相手である。
ハルヒとは過去に会って、その時は「ジョン・スミス」
と名を偽り、現在もハルヒは知らない。
ポニーテール萌えである。

☆長門有希
SOS団団員其の二。正式には「文芸部兼SOS団」となる。
隅で本を読み常に無口だが。ハルヒを観察対象と
している組織「情報統合思念体」に造られた、対人コミュニケート用人造人間:宇宙人である。
主に異相空間の後処理や戦闘の重要的存在。
眼鏡は入学当初付いてたがキョンにはずした方がいい
と言われて以来つけてない。
SOS団といる内に感情が芽生えてきて、キョンにはだいぶ豊かになってるし、好意を持ってる。

☆朝比奈みくる
SOS団副々団長。ハルヒに拉致られてきた。唯一の上級生。
だが、見た目は中学生くらいな萌えとロリっぽさに
ハルヒは気に入り、SOS団のメイド係になった。
そんなみくるも、ハルヒの観察対象として、時間遡行
(タイムトラベル)を使い過去に行ったりする、未来人の末端。格が下のため「禁則事項」(NGワード)がたくさんある。
未来人であるため、未来にはいろいろ進化した
朝比奈(みくる大)がいる。彼女は様々なヒントを
キョンに与えた。一年でかなり頑張ってるみくるはだいぶ「禁則事項」ワードが減っている。

☆古泉一樹
中途半端な時期に転入してきたSOS団副団長。その紳士的な振る舞いと正義感とで、「機関」の組織
が創られ、ハルヒを観察、守護をしている。
「閉鎖空間」での「神人」狩り、異相空間での戦闘も古泉が行う。
「機関」にたくさんの同士がいるので、かなりの人数の
超能力者がいることが分かる。

★SOS団
正式名:
S世界を O大いに盛り上げるための S涼宮ハルヒの団
活動内容は、「宇宙人、未来人、超能力者を見つけ、一緒に遊ぶこと」がモットーだったが。季節行事、
映画撮影など、目的は果たせてない。
実はキョンを除いての人物が皆それに値するのは
ハルヒは知らない。
SOS団は文芸部を使い経営してる。(なので学校的にはまだ文芸部)

めざせ、完結!


お客様(前スレ含まず)

工場長様





————(・∀・)アリガトゴザイマース————



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第一章      第六話  >>19
第一話 >>02   第七話  >>20
第二話 >>07
第三話 >>09
第四話 >>16
第五話 >>17



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Re: 涼宮ハルヒの願望<復活初仕事> ( No.20 )
日時: 2010/05/04 14:28
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: 5ITqb3s4)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

第八話

朝比奈さんは語り始めた。
「えっと、まず。古泉君曰く、二週間で何とかできると聞きました」
「はい」
「過去に戻ることです」
「……過……去? ……ああ、」
「はい。過去に行って、二週間の空いたスペースを埋める事です」
「……はい」
まぁ、大抵は古泉と耳打ちしていた時点で予測していたことだ。たぶん朝比奈さんはどっかの親分にその了承を得た、そんな感じの話になるだろう。
しかし俺の不真面目もこうも大きくなるとは、こうなったら二週間以上前に遡行に行ってそん時の俺にアッパーの数発でも食らわせたいくらいだね。
まぁ、その時の俺が今の俺であることは変わりないが。
「しかし、これは私自身お勧めできない方法なのです」
「え……何故」
「これはキョン君自身で行わなきゃ行けないことなんです」
「俺が……!?」
それを聞いたとたん、およそ一年前一番最初の不思議探しの時に聞いた朝比奈さんの話が頭に浮かんだ。

時間遡行。
通称、タイムトラベラー。
時間遡行の原理はパラパラ漫画の例えがある。
確か朝比奈さんはこう言った。
(——時間移動は積み重なった時間平面を三次元方に移動すること。未来から来たわたしはパラパラ漫画の途中に描かれたほんのの一部なの——)
この言葉を聞いた後の言葉に引っかかる。
(——時間は連続していないから、仮にわたしがこの時代で歴史を改変しようとしても未来に反映されません。この時間平面上だけで終わってしまう。何百ページもあるパラパラ漫画の一部に余計な落書きをしても、ストーリーは変わらないでしょ——)
こう言った筈だ。
するとどうなんだ。例え俺が過去に戻って記録を書き込んでも、それはこの時間平面上に終わる。
未来には反映されないって事じゃないか?
「そんな事はありません」
朝比奈さんが言う。
「よくあの時の言葉を覚えてくれました。でも大丈夫です」
「既定事項ですから」
朝比奈さんが明るい声で言う。
「禁則……ではなくて、既定事項……なんですか?」
「はい。既定事項です一か八かの既定事項です」
って、事は 成功も失敗も今の俺に関わってるの、か
「最初はびっくりしました。わたし独断では決められませんので、聞きました」
「その答えが……」
「既定事項です。彼を信じろって言われました」
「俺を、信じろ……」
時間はありません。決行は明日。最初の五日間はわたしが付きます。
「残りの九日間は……」
「禁則ですけど、キョン君に九日分の時間遡行ができるようにします。これも一か八かです。本当にこの既定事項は初めてですし、実はわたしも、知らなかったんです……。いつも静かだった涼宮さんの時間の歪みがいきなりひどくなって……。この先がよく分かりません……なので既定事項ですっ! キョン君を信じます」
遂には俺に時間遡行の責任者となってしまったか。

「……分かりました。一か八か、ですよね」 
「……はい」
「なら尚更です。俺も頑張ります」

翌日、放課後。
今日ハルヒは部活に顔を出さなかった。訳は聞かなかった。ただ、今日は俺にとっては労働をする日でもある。なので、一応今日のSOS団は臨時休業となった。

「こんにちは」
俺が部室に来ると、既に長門、朝比奈さん、古泉が顔を揃えていた。
「えっと、先ずは今日の作戦経路ですね」
と、先に古泉が話し始めた。
「……、ですけど僕は別の仕事があるので、先に失礼します」
と、古泉は朝比奈さんに一言かけて部室に出てしまった。
残ったのは長門と朝比奈さんだった。

「えっと、まずは。キョン君に、話します」
「一応今日は、時間遡行を一回だけ、二週間前に遡行します。今のキョン君は一回しか出来ないからです」
「?」
「やれば、わかると思います」
今日の朝比奈さんの風格は全く違っていた。
いつもの様な、朝比奈ではなく、未来人としての使命を果たすような、そんな感じがした。

「では、キョン君。……分かりますよね?」
勿論です。と、俺は部室に転がっているパイプ椅子を一個持っていき、そこに腰掛けた。
「では、長門さんもお願いします」
と、朝比奈さんの言葉に長門は素直に聞いて俺と同じ動作を行った。
「……では行きます」
朝比奈さんは深く深呼吸をした後、
「キョン君、眼を瞑って下さい」
俺は、眼を閉じると、頭の中がザワザワし始めた。
そうだ、アレがくる——。
俺は警戒しながら、眼を瞑った。それを朝比奈さんが悟ったか、
「楽にいて、ください」
朝比奈さんはそう言って俺の耳元に、
「キョン君……」
…………
……————!!
きた——————!!
とても眼を開ける状態ではいられなかった。
意識が、朦朧としてきた。
激しく上下に揺られ、安全ベルトをしていないジェットコースターの様だった。
こうなったら、エチケット袋のひとつでも持ってくりゃ良かった——。
と、俺はよろしくないと思ったが、そこらへんにリバースでもしようと思ったが、する必要は無かった。
どんどん意識が回復してきた。
足が地面に着いている。
ガクッ、
「キョン君!! 大丈夫ですか!?」
柔らかい声がした。俺は足がガクッとなって膝を地面に着かせていた。
「……はい、大丈夫です」
や、半分大丈夫ではないが、朝比奈さんに情けないとこは見せる訳にはいかない。
よっこいしょ、と立ち上がり眼に浮かんだのはSOS団の部室のドアだった。
「現在、二週間前の四時前です」
「……」
長門もいた、あいつは遡行になんの負傷はなさそだ。
「キョン君、信じてないでしょ?」
いやいや、まさか。
「証拠は有ります。ほら」
と、朝比奈さんは腕に着けていたデジタル時計を見した。指している時間たった今現代にいた時間の一分前、そして日ずけは、十四日前にいた。
確かに俺らの平面上より二週間前にいた。

Re: 涼宮ハルヒの願望<復活初仕事> ( No.21 )
日時: 2010/05/17 11:46
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: 5ITqb3s4)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

第九話‐а

二週間前、と行ってもピンとこないが、確かこの日からSOS団記録集は始まったと思う。
確か古泉のふとした言葉で「何か記録できるものなら」から始まった。
まさかそれが、大きく歪むなんてな——。
「では、どうやって乗り込みましょう」
乗り込みましょう? と言うと、俺らはこの時点で犯罪行為をしているのと等しい。犯罪行為ではないのだが、言葉的に汚らしい感じがするのでテイクツー。
「どうやって、SOS団の部室を人気のない感じに潜入できるんですか?」
何をやっても駄目だ。結局犯罪的な手口に向かうって事だね。
「大丈夫です。長門さんのお陰で、助かってます」
すると長門が、
「——————————」
例の高速言語を繰り出した。
「完了」
「何を……行ったんだ。長門」
「この時間平面状の人物たちに見られないように私たちの固体の存在を消去した」
あー……と、ようするに俺らは見えないようになってるんだな。
「そう」
あれ、じゃあこの平面状の長門も、だよな。
「そう」
と、俺に二週間前の記憶が蘇った。
「確か、無人な筈がドアが開いてハルヒが幽霊だ!!って叫ぶんだよな」
「そう」
「で、長門は誰も感じ取れないって言うんだよな」
「そう」
「あれは、俺たちなんだな」
「あれはただの偶然。今の私たちは平面状で別のことを行う」
「パラレルワールド」
長門は淡々と語り続ける。
「様々な分岐点のあるパラレルワールドの一つを行う」
「て、事は後々支障が残るんじゃないか?」
「時間はパラパラ漫画みたいですよ」
と、そこで朝比奈さんは言う。
「今やってる事はパラパラ漫画の一ページだけの事なんです。つまりこの前の二週間前の行動を、私たちがやったことに上書きすることです」
確かその後、ハルヒと俺らで外に出て行って隅から隅に学校内を歩いたな。
「どっちみち、また後で元の過去の時間平面にぶつかるんですね」
「そう。でもこれから行うのは日記の上書きです。そこでまた別のパラレルワールドに突入します。あ、大丈夫です。うまく続いて元の時間平面に繋がる事は確かです」
「そうですか」
たった二週間なのに随分と時を感じる。
ハルヒが変わっちゃったからか? 懐かしく感じるのは。
「えっと、じゃあいきます」
ガチャッ。
そこには様々な眼をした面子がそこにいた。
まずに変な目をして見つめる俺。本から絶対逸らさない長門。驚愕のあまり黄金茶を落としそうになった朝比奈さん。「おやまぁ」と呑気な声を出す古泉。
そして——、

「………お化け! お化けよ!! キョン! お化よ!!」
正にハルヒだ。久しぶりの涼しい声。面白いことが起きた時にみせる炎天下の元に咲く向日葵のような笑顔。
俺の眼に映ったのは、
あの涼宮ハルヒだった——。
そこでこの平面状にいる俺は、
「お化け、お化け連呼すんな。んな訳ねぇだろ。まぐれだろ」
「いいえ、お化けよ! お化けはあたし達を、待っているんだわ!!」
ああ、やっぱりこいつはハルヒだ。と懐かしく思いながら二週間前のSOS団を見つめる。
「さあ、行くわよ!!」
「何処へだ?」
「お化けを追っかけに行くわ! そしたらこの手で成仏してあげましょう」
向こうの俺はやれやれ、と大きな溜息。うん。分かるぞ。頑張れ、俺。
そして足早にSOS団は出て行ってしまった。
すると、踊り場から、
「キョン! 今日の記録は大きなものになりそうわ!!」
そうか、今日の記録はあのお化けについてか。結局面倒になって書かなかったけどな。
「それじゃあ、乗り込みますか」
「はい、そうですね」
俺と、朝比奈さんと長門で部室に足を入れる。

「えーと、記録集……記録集はっ、と……」
今やってるのは泥棒っとまでは行かないが、やってる事に罪はある。
「くそー……俺の奴、何処にしまったんだっか……」
すると、
パサッ、
何かを落としたような乾いた音がした。
『SOS団記録集』、だった。
長門はそれを見つめた後、俺を見つめる。
「……」
長門が見つけたのか? しかしその周りには何も無かった。何処に落としたのか……。
「おっ、長門が見つけてくれたのか。サンキュ」
早速書こうとしたが、なんせ二週間も前の事だ。あんまわからない事もある。
「朝比奈さん」
「あ、はい」
俺は朝比奈さんに問いかけた。
「まだここにいる時間はありますか?」
「え、……実は時間があったりー……無かったりー……」
たぶん無いな。
「時間って、延ばせますか?」
「—————!?」
まずい事を言ってしまったか、朝比奈さんは声に出ない驚きの様子。
「あ……すいません。まずい事、言ってしまいましたか?」
「えー、あ、はい。ちょっとまずい……と、思います」
「あの、向こうに聞いたりとか……」
「絶対無理だと思います!! 時間遡行の簡単許可だって有り得ないだし、
キョン君一人で遡行しろ、とか要求しすぎで……禁則を突破してしまいそうで……」
「できる」
長門がそういって朝比奈さんを見つめる。
「え……出来るって……」
「いいから」
「?」
「?」
俺と朝比奈さんの頭上には?マークが浮いている。
「聞いて」
「え……あ、はい!」 
えらく命令風だな……と思いながら朝比奈さんは部室を出た。
………
……

朝比奈さんに大変申し訳ないと思うが、俺らは待っていた。
長門は勝手に本棚から本を取って静かに読んでいる。
パタパタパタ……。
すると、近くから足音がして、
「キョン君!!」
半ば叫び気味な声を出して朝比奈さんが帰ってきた。
「許可が通ってしまいました……じゃあいいよ、って……ホントはどれも禁則なのに型破り状態です」
それは、未来の組織は随分と丸いモンだ。
「違います!! ホントはどれも許せません! だけど、」
だけど、
「相手がキョン君なら信じろ……って」
また俺が……か?
「じゃあ何時間延ばせますか?」
「いつでもいいって……有り得ません」
これは、向こうに信じられてるなんて、責任状態だ。
「じゃあ、ハルヒ達を追いましょう」
「? え……はい」

Re: 涼宮ハルヒの願望<復活初仕事> ( No.22 )
日時: 2010/05/17 12:03
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: 5ITqb3s4)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

第九話-b 

 今日は特になーんもすることなく、久々に授業以外の場で勉強するか。と心の中で気合を入れても集中できないものは集中できないもんだ。
とりあえず、やめ。

 古泉が俺に「トランプでスピード、やりませんか?」
と言われたので退屈しのぎに相手にすることにした。
「じゃ、俺は黒」と俺。
「では僕は赤の手札で行きましょうと」古泉。
 手札とジョーカーをもらい勝負をした。
 勝負は五ターンで古泉を負かすことができた。何故こいつは勝負を持ち掛けてきたのに勝てないのか。そうか、お前に勝てるゲームは無いからなんだな。弱者め。
ゲームをまじまじと見つめてた朝比奈さんは
「お二人とも、勝負が早いですねー。これ、お茶でーす」
朝比奈さんが差し出した。
「今日は茶葉を変えてみたの。しっかりとお湯でくったくたになればお茶は黄金いろになるんですって、……どうですか?」
どうも何もうまいですよ。さすが朝比奈さん。お茶を淹れるのがとてもお上手です。
「うふ。ゆっくり飲んでね」
朝比奈さんは上機嫌にまたお湯を沸かし始めた。
 古泉はゲームで負けて悔しいのか、肩をすくめながら俺の方に向いて微笑んだ。気色悪い。
 視点を変え長門は相変わらずハードカバー本を手放さずに読んでいた。……コイツはこの動作のほかに何ができるのかと気になる。
 そして俺は、ゆっくりと朝比奈さんの黄金茶を堪能うしていた。
そして、そろそろアイツが来るかと察した。
ドアを思いっきり開けニッコリ笑顔でハルヒがログインしてきた。
「やっほー! みんな揃ってるわねー!」
ハルヒは即座に団長腕章を付け、女子高生涼宮ハルヒから、SOS団団長、涼宮ハルヒへと様変わりした。
「つっかれたー。みくるちゃん! お茶!」
「はいぃぃ! ただいまぁ」
朝比奈さんは謙虚にさくさくと動いた。
「今日も暇ねー」
お前の暇って言葉に安心する。
「あたしは別に毎日面白い事があっても体は朽ちないわ」
お前が、だろ。
俺らだったら途中で骨になってるかもな。

「涼宮さーん、お茶ですよー」
朝比奈さんはいそいそとお茶をハルヒに差し出した。
「ふーん、みくるちゃん、茶葉変えた?」
「わかったんですか! はい! きっと口に合うと思います」
目がいいのか、ハルヒはすぐに違う茶葉だと回答した。
俺だってそう言いたかったぜ。
「ところで、涼宮さん」
「何? 古泉君?」
連敗中の古泉がハルヒに声をかけた。
「僕ごときの提案ですが、「何かが起きたための真正なる証拠」が残る物を残しておきたいと思うのですが、」
すると、ハルヒは手に顎を置き考えるふりをした。
「いい考えね! でも……そっか、写真じゃピンボケとか色々あったりで実は証拠がとれなくなったりするし、かといって人間の口だけじゃ、説得もクソにもなんないわ」
「だからと思い、僕が考えたものがあります」
古泉は異様に喋りたいらしい。
なんだったら喋れ。もうそれでハルヒの暇がつぶせるんだろ。
「文章で表すんです。かの偉人達も素晴らしい記録をたたえそれを文に伝え、後世になり伝記でその名は残されています。もっとも著書などが有名でしょう。文で伝え、SOS団が肌で感じたことを、文で記すんですそして……のちの思い出にもなるでしょう」
つまり、古泉は文芸的にSOS団の軌跡を残したいとのこと。
そんな、卒業間近の女子か。お前は。
しかし俺の突っ込みむなしく届かなかった。ハルヒの目は少し興味の方に向いていた。
「そうね……そこまで考えてなかったわ、でも、文をズラズラ書くのはなんかめんどくさいわ」
「それでは観察形式で行きましょう。日記みたいのでもいいし、いかがですか?」
ハルヒの口が曲がった、笑みの方だ。
「いいわね! じゃあたしが取り締まるから、古泉君とキョン!! あんたもやりなさい!!」
ほら来ました。俺もやるんだよね、この流れでは。
「当たり前じゃない! あんたたちで著書計画はもうすでに進んでいるんだからね!」
本にする気か、どこで売るんだ? 即売所で売るつもりか。
「これで早速面白いことが起きたら見ものね! 今日早速書くから……キョン!! あんたが一番最初よ!」
「げッ!?」
まさかの不意打ちを食らった気分だ。「ここは手本で古泉君が最初ね」の言葉が出ると思ったのだが、
「ここで何もなかったらどうするんだ? ハルヒ」
俺は遠まわしに逃げる道を聞いてみた。
「絶対!! 絶対あるわっ!」
と、拍車をかけてしまった。
じゃあ、俺も言おう。
あるな、たぶん。
たぶん何かを探すことになるだろう。


それは突然起きてしまった。あってしまった。
ガチャ、
刹那、扉が突然開いた。
「ピエッ!?」
朝比奈さんは飛び上り後ろへ後退した。
「ちょ、何よ! 不法侵入罪、家宅侵入罪でこっちが取り締まるわよ! 入るんだったらノックしなさい!!」
もっとも、そのような行動を起こすのはお前だろうが。人の事、言えないぞ。
すると、扉が前回になって、人は……、
いなかった。

「えっ……?」
周りは、本から絶対目を逸らさない長門、驚愕のあまり黄金茶を落としそうになった朝比奈さん、「おやまぁ、」とのんきな声を出す古泉、
そして、
「………お化けよ、お化けよキョン!! お化け!!」
俺はハルヒの言う事を全力で否定した。
「お化け、お化け連呼すんな。んな訳ねぇだろ。まぐれだろ」
「いいえ、お化けよ! お化けはあたし達を、待っているんだわ!!」
ああ、やっぱりこいつはハルヒだ。と懐かしく思いながら二週間前のSOS団を見つめる。
「さあ、行くわよ!!」
「何処へだ?」
「お化けを追っかけに行くわ! そしたらこの手で成仏してあげましょう」
「……やれやれ」

Re: 涼宮ハルヒの願望<復活初仕事> ( No.23 )
日時: 2010/05/13 21:52
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: 5ITqb3s4)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

こんにちはw
主のみやっさんですw

今回の『願望』ですが、やはりパラレルワールドが重要になりますよね。
と、言うことでそれを表現するための分岐小説で一部展開していきたいと思いますw
a面が現代か、遡行を現在進行形で行っている世界。
b面が過去にキョン達が進んだ世界。過去進行形。

まぁ、もっと言いかえれば「いつものハルヒ」と「甘めのハルヒ」がいる世界で理解して下されば十分ですw

Re: 涼宮ハルヒの願望<復活初仕事> ( No.24 )
日時: 2010/05/17 11:41
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: 5ITqb3s4)
参照: 間欠、簡潔、完結に!3K!!!

第十話-a

「あの……キョン君?」
「……」と、長門。
「流石に俺も、二週間前のSOS団の様子や、ハルヒの感情まで覚えてません」
「俺が書くから、観察するんです。そのときの様子をしっかり見て、」
「キョン君……分かりました。キョン君を信じます」
 そして俺と朝比奈さんと長門は学校の外にいた。
確か、学校の裏の辺りにいる筈……。
すると、
「何よ!! 結局いないの!?」
大声を張り上げながら大股で歩くハルヒを発見した。
「あっりえない、ただ学校の学習林に潜り込もうとしたのに、あの教師、止めやがって、許可貰わないで何してるんだー!! って、信じらんない! 逃げられちゃったじゃない」
怒り気味に言うハルヒ。そりゃそうだ。きっと過去の俺もそんな事を思ってるはずだ。
影ではきっと化けもん探しでヘトヘトになってると思われる朝比奈さん。
スッスッと歩く長門。古泉とヒソヒソと何かを話してる俺。
多分あれはハルヒの事で話してただろうな。
「閉鎖空間は出ないだろうな」
「ええ、多分。涼宮さんもこれ位ですぐ発生させるようにはなりませんよ?」
「ああ、俺も思うさ。あいつは多分SOS団に来ない限りあんな真っ暗ドームなんか出さないと思うね」
「そうですね」
みたいな事を話したっけか?
「よし、こんなもんで大丈夫です。朝比奈さん、お付き合い有難う御座います。書いて、戻りましょう」
「はい!」
そして俺らは部室に戻ってSOS団記録集を手に取り記入する。

 『今日のSOS団の主な活動。そして、初めての記録日。
ひょんな事で、お化け探しをしなきゃいけなくなった。
ハルヒは目を輝かせながら、「見つけたら成仏よ! 成仏!!」などといいなが、探し続けたが、最終的に学習林に教師に見つかり、終了。
朝比奈さんはヘトヘトになりハルヒは怒り、まぁ様々な顔があったけど、まぁ、そのうち出るんじゃないの? 結局長門は「全く霊的な物は感じない」って言うし、もうちょっと、待てばいいんじゃねーか? まぁ、お化けの一人や二人は出てもいいと思うけどね。
まぁ、待ってやれよ、あんま悔いてないんだろ? どうせ楽しそうに探してたし、記録者:キョン』

「さっ、戻りましょう」
「はい」
「長門も、サンキュ。姿が見えないお陰で動きやすかったぜ」
「別に、いい」
「それじゃ、戻りますのでキョン君、目を、閉じてください」
えっ……また、あれですか?
「キョン君……」
——————。
—————!?
————来た!!
またも、凄まじいアレが来て意識が朦朧とした。
く……。

——————————。
俺はその時急いで部室に向かって駆けた。
ある一つの産物を……と行っても俺にとっては産物もクソもないが、これがなくてはある奴堪忍袋が切れて、それこそ俺にとっては鉄の産物になりそうだった。
「やれやれ、今日の分の記録をノートに書くのを忘れたんだっけ? ったく……ハルヒの奴め、」
しぶしぶ俺はSOS団記録集を手に取り、一番最初のハルヒの書いた物騒なルールの次ページを開けた。
「そう言えば俺忘れてたな……?」
そこに映ったものは何か怪しいものを感じた。
もうすでに文字が書いてあった。
これは何だ。今日の記録日が記されている。古泉が描いたのか? でもなんか違う。何か同じ感じがする。
まるで俺が書いた……。
「……何かが……、」
………
……

 「キョン君? 大丈夫?」
目を開けると朝比奈さんと長門がいた。
俺はパイプ椅子に座っていた。
 「どお? 久しぶりの遡行?」
やっぱり悟ってましたか。
 「今日はこれで終わりましょう。解りましたね? 一回だけしかやらないのが」
 「……はい」
一回だけしかやらない理由。それは俺は遡行をする様な人間ではない。素人だからだ。
簡単だ。こうなると、朝比奈さんは未来人の末端だが、実力かなり上、って言えばいいんだな。
「じゃあ、今日はここまで、ですね」
「はい。お疲れ様でした」
「じゃあ、朝比奈さん、長門。また明日」

 長かったような。短かったような。今歩く通学路はまるで二週間ぶりに歩く、そんな感じがする。
 「キョン!」
誰かが俺を、あだ名で呼んでる、誰だ! っと思って振り向くと。
目を疑った。

校門にハルヒが立ってた。


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