二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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無関心な大空の日常風景−REBORN−
日時: 2010/08/05 15:21
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

がんばって書きたいと思います!(ほかの作品もちょくちょく更新しながら)

原作通りです!
ちょくちょくゆっくり更新←




・進行状況
—Data,00—
—Data,01— 記憶回路
—Data,02— 雲猫
—Data,03— 覚悟と言う嘘

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Re: 無関心な大空の日常風景−REBORN− ( No.3 )
日時: 2010/08/05 14:49
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

記憶の回路はまだ曖昧だった。



—Data.01— 記憶回路


「ツッ君、どうしたの?」

「・・・ねむい」

俺はギュぅッと母さんのズボンにしがみ付いた。
少しでもこういった子供らしさを見せないと、疑われる。
母さんは俺の頭を撫でて微笑み、「じゃあ昼寝でもして来なさい」と言って掛け布団を用意してくれた。
俺は布団の中にモゾモゾと入った。

あれから——二年。

俺は二歳。

呂律はハッキリして来た。
そのおかげで会話もスムーズになったりして、良かったと思う。
母さんは他の子供より成長が早いと言っていた。

それも、そうだろう。

半ば無理矢理俺は呂律を良くしている様な物なのだから。

「・・・」

そして、前世の記憶はまだ蘇らないまま。

何故俺は死んで、生まれ変わったのか。
記憶が、まだ無いんだ。
俺は、プルプルと震えた。
凄く、大切な記憶だったと思う。
だけど、その記憶が見つからない——ぼやけたまま。

探し物は、何処かに落ちているはずなんだ。

だけど、ソレを見落としている———。

「・・・」


—ガガ、ガガガッ


ノイズの掛かった記憶に、色が映し出されて行く。
パレットの様に。
光の如く。

「あ・・・」

頭の中に、漫画が浮かび上がった。


(そういう、事か)


俺は、そう思って、目を閉じた。





「可愛いんですよ俺の綱吉は!」

「ハハは、家光。本当に可愛い」

一人の老人が、沢田家光の見せる写真を見て、微笑みながら会話をしていた。

「そうだ、今度綱吉君に会ってもいいかい?」

「えぇ、いいですよ!」

家光は、そういって微笑んだ。




(そうか)(この世界は———)

Re: 無関心な大空の日常風景−REBORN− ( No.4 )
日時: 2010/08/05 15:05
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

今日、外で遊んでいたとき。

「きみ、だれ?」

黒猫に会いました。



—Data,02— 雲猫


「えっとね、おれ、さわだつなよし!」

俺はにっこり微笑んで、答えてみた。
漫画の原作となる沢田綱吉の様に——演技を。
自分の心までも、騙す。
そんな演技を。
彼は、幼いながらにも武器を所持していた。
格闘家が使う——トンファーを両手に掲げていた。

黒き瞳は、ジッと興味無さそうに俺を見ていた。

俺は彼の顔を見て、笑っている。
「・・・さわだ、つなよし?」
「うん。きみは?」
「ひばり、きょうや」
そういって、顔をうつむかせた。
眠いのだろうか、コクッと頭が下がっている。

「だいじょうぶ?」

「・・・うん」

そういって、顔を上げた。
原作とは違う——性格。
何処か純粋な気持ちが混ざっているような。
俺は雲雀の頭を撫でてみた。
「なにするのっ・・・」
「かわいい」
「!?」
「だって、ねこみたいだもん」
俺はそういって微笑んでみせる。


  微笑んでも——この笑顔は偽者でしかなくて。

       本当の笑顔ではない。

                     偽善な笑顔——紛い物の笑顔。


「・・・かえるよ。ねむいし」
「あ、うん!じゃあね」
俺は手を振って、帰っていった道を見ていた。
俺はゆっくりと後ろを向いて、歩き出す。

「さて、と。帰るか」

そんな風に、つまらなさそうに呟いて。





沢田、綱吉。

あの名前が頭から離れなかった。
初めて、頭を撫でられた。

「・・・とうさんにも、されたことなかったのに」

何故か、胸に暖かい物が込みあがった。
だけど、今の僕にはその感情が何か知らないし——。
その感情の名前だって、判らない。

「・・・ただいま」

僕は、戸を開けて家の中に入った。



(黒猫との出会い)(原作通りに進むように、俺は演技をし続ける)(記憶を——見つけるためでもある)





「——終夜!」

誰かがそう叫んでいた。
もう動かなくなった冷たい手を握って、その人物は泣く。
血まみれになった体を抱き止め、ナイフを胸から外した。

「何でアンタが死ぬ事になるのよっ・・・」

「終夜は、悪くないのにッ・・・」


誰もが悲しんだその場に。

           誰かが一人。

                                           —笑っていた。

Re: 無関心な大空の日常風景−REBORN− ( No.5 )
日時: 2010/08/05 15:21
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

嘘の始まりだ。

最初の嘘は、「 演技 」。



—Data,03— 覚悟という嘘


夢の中で、誰かの鳴き声が聞こえていた。

——誰?

何で、泣いてるんだ?

俺は必死で手を伸ばす。
だけどそいつは手を伸ばさずに、只泣き崩れていた。

——キミは、俺の事を知っているのか?

聞こえないはずの俺の声に、ソイツはうなづいた。
そして、俺を見る。

「知ってるよ。だって、俺は———」

——誰、なんだ?



そこで、眼が覚めた。


「・・・折角・・・」

本当の事が判りそうだったのに。

「ツッ君、遊んこないの?」
「いいよ、おれ、ねむいから」

俺が微笑んで言うと母さんは「そぅお?」と言うとキッチンに戻っていった。
外を見ると真っ青な空が広がっていた。

「・・・すけっちぶっく・・・」

俺はスケッチブックと色鉛筆を手にとって、紙に絵を書いていく。
記憶なんて無いはずなのに、

         何かを——無意識で描いていた。


「・・・沢田、綱吉・・・」


そこには、俺の容姿が描かれていた。
                           ——本当は、キミが選ばれるはずではなかったのに。

「ッ!」

俺は後ろを振り向いた。
だけどもそこには誰も居ない。
そんなの、当たり前だった。
「・・・ハァッ」
俺は安堵をする。
誰かが、俺に囁いている気がした。
恐ろしく、寒気がする。

—このままでは、俺は消えそうな気がして。

俺は、もう眼が覚めたということで、体を起こして、家を出た。


—ガッ


「ッ!?」

口元にハンカチを当てられる。

気が遠くなるのを感じ、俺は相手を辛うじて消えうせそうな脳内で、確認をする。


—スーツ姿の、大男。


腰に——拳銃が下がっていた。

Re: 無関心な大空の日常風景−REBORN− ( No.6 )
日時: 2010/08/05 16:04
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

「・・・う」

目を覚まして俺は回りを見る。
何処かの、灰工場だろうか。

「目を覚ましたかガキ」

(誰がガキだ)

俺は視線を男に向けた。
麻酔を使われてまだ頭がガンガンする。
俺は睨む形で男を見ていた。

「ヒヒッまさかこんなガキがボンゴレの最終候補だとはな」

(・・・ボンゴレ・・・?)

俺は、その単語に頭痛を起こす。
いつか何処かで聞いた言葉。
だけど言葉はまだ曖昧で、消えそうな単語だった。

「さいしゅーこうほ?おじちゃん、これ、はずしてよ」

俺は幼い声でそういってみた。
男は下品な声で高笑いをする。

「それはできねぇなぁ。なぜならお前は此処で死ぬからだ」

男が懐から出してきたのは、拳銃。

黒く光るそれに、俺は無関心そうに視線を合わしていた。
「(物怖じしねぇのか・・・?)たいした根性だな」
「拳銃って、さ」
俺はクッと笑う。

「弾の速度が決まってるって知ってる?引き金を引く時間は0、3秒。拳銃を向ける速度は0、5秒」

そして——弾が来るまで、0、02秒。

「・・・子供のテメェに避けれるわけがねぇだろ」
「たしかに、そうだな」

このままじゃ——殺されるのがオチだ。

と言うか、何で俺はこんな知識を持っているんだ。
俺は男を見据えた。

「さぁ、死んでもらおうか、最終候補」

拳銃が俺に向けられる。
俺は、何も出来ない。

無力、だった。


《ねぇ、俺が殺してあげるよ、ソイツの事》


—ドクッ

「・・・ッ!?」


ゲホッと俺は堰をする。


—誰だ・・・!

—さぁ、どうする?

—誰だ、

—君を助けてあげる。その男を殺して。

—煩い、

—さぁ、————。


俺は、そこで意識が途切れる。


何か——怒りの様な存在がこみ上げて、俺の存在をかき消すようにして、俺は、意識を闇の底に沈められた。





—ククッ

誰かが、笑った気がした。

「し、死ぬ気の炎!?」

—ねぇ、きみは、俺を必要とする?
俺の中に、言葉が流れる。


     恐ろしいほどの憎悪。

            恐ろしいほどの激高。


人間の大罪が、全て、全てすべて全て——。

「————」

何か、恐ろしい言葉を吐いて、《アイツ》はゆっくりと動き出した。
まっすぐ——男に向かう。

「クソックソッ!」

—パンパンッ


拳銃の弾が俺の頬を掠めていった。


—アハハハハ!そんな弾、効かないよ。

—な、にを、


俺とソイツの声が重なり合う度に、交差して、交わる。
俺の体は、俺の体ではなくなって——。
主導権は、ソイツに移り変わっていた。

「ひ、ひぃっ!」

額と両手に炎を灯したソイツは、虚ろな目で男を見ていた。


—お前は、誰なんだ!

—ククッ・・・


聞こえていない。

俺の声はソイツに聞こえていない!


                届け、届け届け届け!


「ふ、ははっ・・・」


ソイツは——感情に任せ、拳を振り下ろした。

それからは——俺は覚えていない。

Re: 無関心な大空の日常風景−REBORN− ( No.7 )
日時: 2010/08/05 16:52
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

気が付けば——俺は、真っ赤な姿で立っていた。

只——真っ赤な血を浴びて。

涙は流れていなかった。
目の前に横たわるのは男。
小さな体は——真っ赤に、只赤色に染められていた。

俺は、両手を見た。

「・・・あぁ、赤色、だ」

息が詰まる。

この部屋は——酷く、死の匂いが充満している。

喉に、血の味がした、

吐き気がした。
俺は灰工場を出る。
真っ青な空が只ひたすら——広がっていた。

「・・・」

「綱吉・・・!?」


—父さんの声だ。


俺は振り向く。


—パァンッ


「・・・」

俺は、叩かれた頬を押さえた。

口の中に血の味が広がる。
俺は父さんの顔を見た。

父さん——沢田家光は、只怒りに感情を任せていた。

—判らない。

何でこんなに怒っているの?
「ツナ!何を、した・・・!」
俺の左手を握り、訴えてきた。


—答えなよ。キミが、殺したんだって。


「俺が、ころした」
「!」
「おれ、が?おまえじゃないのか?」
俺は虚ろな目で、訴える。
声は返ってこない。
「おまえが——ころしたんだ。おれじゃない」
「ツナ・・・?」
「おれは、ころしてない——とうさん!」
俺の体が震え始める。


俺じゃない!俺じゃ、俺は違う!


「ツナ!」

父さんの声が、遠く感じられた。





目を覚ませば、真っ白な天井が先に目に入った。

「・・・?」

顔を横に倒せば、老人が座っていた。
病院らしい。
かすかに薬品の匂いが鼻を掠めていた。

「綱吉君、始めまして」

「・・・はじめまして」

俺はへラッと笑って見せた。

年相応な笑顔を、出来るだけ。
「・・・綱吉君、キミは何処まで覚えている?」


—その、問いかけに俺は。

言葉を詰まらせる。

—犯した大罪、業。

俺は——その大罪を、自分で背負う事にしようと考えた。


「———おぼえてない」

「そう、か」

老人は、席を立って病室の扉に手をかけた。

「あぁ、そうだ、綱吉君。キミは一体、誰なんだい?」

その問いかけ。
俺は、答える。


「おれは、さわだつなよし」


覚悟という名の——嘘。

俺は、道化師となることを覚悟した。


(道化師の大空)


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