二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- ムシウタ〜夢見るものたち〜
- 日時： 2010/11/21 01:46
- 名前： 泉 海斗 （ID: B240tmf4）
おはようございます、泉海斗です。
勢いで書いてしまいましたムシウタの二次創作です。
４作品目になりますが、たくさんの閲覧とコメントをいただければ幸いです。
これはオリキャラも出ます。それではどうぞ！！
追記 一日２話ずつ投稿したいです！！
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１ 夢見始める者
佑介PART ０
季節は冬となり、ここ赤浜市にも雪が降り始めていた。
少年相場佑介は赤浜市の有名進学校の赤浜第一高等学校に通っていた。
防寒対策か黒のコートにマフラーを着込んでいる。
それでも吐き出す息は白い。
「おはよう佑介。今日もお早い登校だね」
後ろから背中を叩いて挨拶してきたのは。
「舞華か。おはよう。そういうお前も早いじゃないか」
幼馴染の谷岡舞華だった。
現在時刻７時３０分と登校完了時刻８時３０分にまだ１時間ある。
佑介はただ近いセンター試験の勉強をしたくて早くから図書館に向かおうとしていたのだった。
そういう舞華はすでに推薦で専門学校に合格を決めていた。
そんな彼女は幼馴染としてまだ有名大学へと進学を目指している佑介を元気付けようと毎日一緒に登校しているのだった。
そんな佑介はもともと勉強ができた。
しかしそれは自分がしたいからではなく親が教育熱心だからだった。
だからいつも逃げたいと思っていた。
しかし彼には逃げ場がなかった。
勉強机しか自分の居場所がなかった。
小さい頃から勉強をしなさいといわれ続け、それが当然だとずっと思っていたのだった。
しかしそんなある日、幼稚園のときだったか小学校への入学試験勉強をしているとき、母親からお小遣いをもらってこっそりと漫画を買いに行った。
それが当時に彼にとっての至福の時だった。
買った漫画は誰にも見つからないようにと屋根裏に隠していた。
そんなある日、買った漫画を持って帰宅していた。
するといつも通るときに見る公園で一人の女の子がぽつんとブランコに乗っていたのだ。
そんな彼らが目が会うとその子は顔に笑みを浮かべてこちらに走ってきた。
何事だろうと固まっていたら、いきなり腕をつかまれて公園に引き込まれた。
それが佑介と舞華の出会いだった。
その時お互いに自分たちのことを話し合った。
幼かったために本当にどうでもよいこと・・・しかし彼らにとってはまた別の至福の時間だった。
佑介にとっては親以外と話す初めての相手・・・それも女の子。
彼女の話す外の世界にドンドン引き込まれていった。
それからというものこっそりと外に出ては彼らは一緒に遊んだ。
もちろん佑介は汚れるわけには行かないので遊具とかおままごとがほとんどだった。
それから高校までは同じところへは通えなかった。
それでも暇なときはあって一緒に遊んだ。
そのときは舞華の友達が一緒だったり、佑介の友達が一緒だったり。
高校は舞華が懸命に努力して合格した。
それからは一緒に登校したり、デートまがいのお出かけなどもけっこうした。
この登校もずっと続けられている。
当たり前になってきた二人。
- Re: ムシウタ〜夢見るものたち〜 ( No.20 )
- 日時： 2010/11/29 01:10
- 名前： 泉 海斗 （ID: B240tmf4）
おはようございます、泉海斗です。
それでは第２巻『夢しまう宝箱』どうぞ！！
コメント・閲覧待ってます！！
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プロローグ
がたごとと列車が揺れる。
朝だからか通勤する人が大勢いた。
そんな中に一人の少年が座って黙って外を見ていた。
彼の視線の向こうには彼が依然いた赤浜市が見えている。
しかしそれももう今日で見納めだった。
なぜなら彼は朝早くから家を出て旅を開始したからだ。
年が変わり学校は新学期を迎えているだろうこの季節。
桜が少しずつだが咲き始めていた。
「これからどうするか・・・」
当てもなくただ答えを探しに旅に出た少年。
彼は虫憑きだった。
クリスマスの日に恋人を守るために崩れてきた瓦礫の下敷きとなり死んだ。
しかしなぜだか起きてみると生きていたのだった。
しかし一緒にいた恋人はいなく、自身の肩には虫がいた。
その時彼は知った。
自分は虫憑きになったのだと。
そして２度と日常には帰れないのだと。
そして彼ははじめて虫憑き同士で戦った。
そのときの感覚は覚えていない。
おそらくは無意識で戦っていたのだろう。
暴走していた。
そして彼には追い討ちをかけるかのような悪夢が起きる。
クリスマスの日に恋人同士となった彼女が彼のことを知らないといったのだ。
一体何のことだかさっぱりだった。
一切の記憶がなく、自分との思い出がなくなっていた。
まるで自分は幻想を見ていたのかと思った。
これは現実ではなく夢ではないかとも思った。
しかし現実は現実だった。
彼女は何も覚えていない。
しかも彼女は都合で引っ越すといった。
最後の別れをしようといった。
そして別れの言葉とともに、たくさんの思い出をくれたことに感謝した。
彼女が友達になってくれたから自分でいられたからだ。
しかしそんな淡い初恋は自分が虫憑きになってしまったことで終わってしまった。
しかしもうくよくよしていられなかった。
自分の夢を叶えるために。
少年は旅をすることを決めた。
そして虫とは何かを知りたいと思った。
だからこうして旅を始めた。
景色はビルが多くなってきた。
どうやら都市に入ったようだった。
アナウンスが狩間市についたことを知らせた。
ぞろぞろと出て行くサラリーマンたちの流れに乗って少年も出て行く。
少年相場佑介の旅は始まったばかりだ。
- Re: ムシウタ〜夢見るものたち〜 ( No.21 )
- 日時： 2010/11/29 01:10
- 名前： 泉 海斗 （ID: B240tmf4）
佑介 ＰＡＲＴ ０
佑介の旅の最初に選んだのは赤浜市から北に数十キロはなれたところにある狩間市だった。
赤浜市よりはどちらかと言うと田舎に近い市であり、現代的なものといってもコンビニが立っているくらいで、周りのほとんどは田んぼや畑だった。
こんなところで何かヒントがあるとは思えなかったが、ためしということできたのだった。
ゆっくりもできるし、もしかしたら田舎だと言うことで逃げてきている虫憑きもいるかもしれないと思ったのだった。
ここで虫憑きの事件がありましたかなどと聞いてもおいそれと話す人などいるわけがないと思った。
だからこそしばらく滞在して風邪に流されてくるうわさに頼るしかないと現在は思っていた。
「腹減ったな・・・」
朝は何も食べてこなかったために、おなかの虫が鳴いていた。
「こんなときに襲われたらいちころだな・・・」
佑介は悲鳴を上げるおなかを抱えながら近くにあったコンビニへと入っていった。
- Re: ムシウタ〜夢見るものたち〜 ( No.22 )
- 日時： 2010/11/30 07:35
- 名前： 泉 海斗 （ID: B240tmf4）
茜 ＰＡＲＴ ０
市内の公立中学に通う阪松茜はいたって普通の女の子だ。
スタイルなどは女子中学生の平均だが、同学校内でかわいいと評判になるくらいかわいい素顔を持っていた。
性格はいたって男女わけ隔てなく明るく接するものだった。
だから学校内では彼女に好意を持つ男子が多かった。
しかし裏を返せば彼女を妬む者もいた。
全員が同学年の女子生徒だった。
それも少し荒れている性格の持ち主たち。
いつも陰では彼女に対して嫌がらせを行っていた。
執拗な脅迫メール、内ズックを隠したり、泥を持ったりは日常茶飯事。
教師から何か手伝いを言い渡されたときはいつも彼女に押し付ける。
机に落書き、それも彫刻等でのいたずらであるから何度も机を交換しなければいけなかった。
しかしそんないじめを受けていながら茜はいつも笑顔だった。
そんな彼女を影から心配する男子生徒もいた。
そんな心ある生徒は茜を影ながらサポートした。
そんな彼らのサポートを知っているからこそ茜はいつも笑顔でいられた。
自分にはまだ助けてくれる人がいる。
みんなと楽しく普通の生活ができていると感じていた。
しかしそんな彼女に対するいじめはまだ続いていた。
- Re: ムシウタ〜夢見るものたち〜 ( No.23 )
- 日時： 2010/11/30 07:35
- 名前： 泉 海斗 （ID: B240tmf4）
佑介 ＰＡＲＴ １
コンビニに向かい朝食を購入していく。
中はいたってどこにでもあるコンビニ。
しかし田舎だからだろうか、あまり利用客はいなかった。
いるとしても昼食買いの中高生くらいだった。
中をぐるぐる回って手軽な価格のものを購入していく。
貯金通帳は一応持ってきたが、それがいつ切れるか分からない。
だから何か短期でできるバイトがないか、求人票などをとってみていた。
会計を終えて外に出ようとした。
すると中には女子中学生の集団がたむろしていた。
どう見てもまじめな生徒ではないことを容姿から見てはっきりしていた。
ピアスはもちろんのこと、髪の毛を派手な色に染めていた。
しかも化粧をする子もいれば派手な付け爪をつけている子もいた。
そんな中にいたって普通の女の子がいた。
なんであんな普通の子がこんな集団といるのか理解できなかった。
しかし次の行動で彼女たちとどういう関係なのかがはっきりした。
- Re: ムシウタ〜夢見るものたち〜 ( No.24 )
- 日時： 2010/12/01 06:15
- 名前： 泉 海斗 （ID: B240tmf4）
茜 ＰＡＲＴ １
茜は朝早く家を出ていつもどおり学校へ向かっていた。
しかし登校の途中いじめグループと遭遇してコンビニにつれてこられたのだった。
ニヤニヤと笑う彼女たち。
その彼女たちの表情を見て茜は確信した。
自分に犯罪を犯させようとしているのだと。
そして彼女の人気を落とそうとしている。
なんとも幼稚な手だった。
しかし彼女には抗える力がなく、流されるままつれてこられた。
中には店員一人と高校生くらいの少年、近隣の高校生二・三人くらいだった。
一人が耳元でとってくるものをささやく。
しかし茜は一向に動こうとしなかった。
仕方ないと思ったのか、グループ全員で中に茜を連れて行った。
盗もうとしている化粧品の近くには求人票を見ている学生らしき男性がいた。
しかし彼女たちの動きには全く興味はなさそうだった。
「早くやりなよ」
後ろからささやくように言ってくる。
体がびくっと震えた。
これからすることへの恐怖からだろうか。
それともこれをすることで怒ることへの恐怖からだろうか。
彼女は鞄をぎゅっと抱きしめた。
中には箱のようなものが入っていた。
そしてみんなで標的を見ている不利をして死角をつくり、茜がとりやすいようにした。
心臓が破裂しそうなくらい脈打っている。
そしてゆっくりと手を商品に伸ばした。
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