二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ジェンガ 【ボカロ曲小説化集】
日時: 2012/06/18 22:05
名前: 狂音 ◆BSxpeLzwWc (ID: HyhGJdk5)
参照: http://出来るか不安なのです……

はい、どうも

また一度、最初からやり直したいとあらぶってこれを作ってしまったスレ主ですよ

相変わらずの注意事項

*全部続くか分かりません
*荒らしは来ないで;;
*チェンメとか絶対止めて
*スレ主が嫌いな方はUターン
*駄作
*DA☆SA☆KU
*だ+さ+く
*=結局駄作

以上がおkな方はお進みくだせぇw


過去の完結作品 【曲名のみ】

*ココロ* 
*WORLD'S END UMBRELLA*
*魔女*



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Re: 魔女 【ボカロ曲小説化集】 ( No.20 )
日時: 2011/11/27 21:52
名前: 夜坂 ◆jovT/9DNGM (ID: ilLKTbvz)

 ACT 1

風が強い、身体が風の方向に向かって飛んでいってしまいそうだ。
石橋を渡りながら思う。今日は運勢が悪かったのだろうか。そうむやみに街に出るものではないな、彼女はそう判断した。
「これは、魔女が外に出てはいけないということなのだろうか」
溜息交じりの声で彼女——ルカーナは言った。
あ、特別大きな風。
「あ——っ」
頭のフリルが飛んでいってしまった。此処は石橋の上下は汚水の流れる川。お気に入りだったのに
追いかけようとしても風に遮られる。ドレスなんて重いだけなのになんて思ってしまった
ふわり。
何かが目の前を通った。人だ
「やれやれ、また此処にも困った方が一人。風が強いというのは果たして喜ばしいのだろうか?」
紫の鮮やかな髪を上で縛っている彼は見たことがあった。そうこの国の
「クーガ王子……」
「おや? 見たことのないお嬢さんだ。」
まずい、とっさにそう感じた。目の前の青年は王子なのだ。つまりすぐに付き人がいるに決まっている。そう判断したルカーナは頭よりも早く、走り出していた
「王子、王子ぃっ!」
遠くで聞こえる付き人の声、その顔は驚愕に満ちている。ルカーナの存在に気付いたからだろう。
「あ、リーシャ」
付き人の声に反応して、ぶんぶんと腕を振る彼は完全にルカーナのことを忘れているかと思ったが違った。
彼はそのドレスよりは動きやすい服装ゆえに、すぐにルカーナに追いつき、その手首を掴んだ。
(なっ……!?)
ルカーナは驚きと同時に悲しみの念にあふれた。彼の顔を見るとその顔は純粋に笑っている。自分を見て何を思ったのだろうか? そう考えるととても申し訳なくなる。だった、自分は魔女なのだから。
「お止めください! そんな汚らわしい者に触れるなど!」
男の付き人は王子にそう叫んだ。相変わらず容赦のない言葉だった。
「そう、王子が私に近づいてはいけない。私は魔女だ」
そう言って、彼の腕を振り払い、ルカーナは歩いていった。それを呆然と眺めていた王子は思った。何故、魔女は汚らわしいのか……と。

Re: 魔女 【ボカロ曲小説化集】 ( No.21 )
日時: 2011/11/28 19:23
名前: リン (ID: VMvMkRLZ)

この曲大好きなんです!
応援してますっっ

Re: 魔女 【ボカロ曲小説化集】 ( No.22 )
日時: 2011/11/28 21:58
名前: 夜坂 ◆jovT/9DNGM (ID: rb3ZQ5pX)
参照: http://次に書く曲は予定では「カロン」

リン殿>>
久しぶりのお客様ですね。
まぁ、最近かなり更新していなかったということもあるでしょうし、文才がないということも。あ、二重^q^
まぁ、リン殿が好きな曲、なるべく汚してしまわぬようにしますのでどうぞ宜しくお願いします。

Re: 魔女 【ボカロ曲小説化集】 ( No.23 )
日時: 2012/03/09 22:59
名前: 夜坂 ◆jovT/9DNGM (ID: zfUJEuV5)
参照: http://次に書く曲は予定では「カロン」

 ACT 2

私の屋敷はクロット王率いるPraesent purpura(紫の雫)の国からはわずか五キロ程しか離れていない。そのせいか私の屋敷には毎日のように私を嘲り笑いに来た馬鹿共で溢れている。
「…………まったく、お母様も酷いわね。私をこんな血筋に生めといて、死んでしまうんだもの」
窓の外からこっそり眺めながら私は毎日お母様の映っている写真を見る。お母様は二年前にクロット王の命で焼かれてしまった。私も民衆に紛れて見ていたのだけれど母は最期まで魔女らしく立ち振る舞っていた。最期まで我が一族に伝わる呪いをかけて、その艶やかな桃色の髪の毛を靡かせて。
「私もあのような心でいれたらよかったけど」
ふふっ、とカップの中に入っている紅茶を揺らす。微かな木の葉の香りと混じって紅茶の香りが鼻腔をくすぐった。この香りが好きだ。どんな魔薬より、どんな悪魔の爪の香りより。
私は魔女になりきれない魔女。完全な悪魔より随分と性質たちが悪いじゃないか。
「誇りなんてありはしない」
魔女として生きていくのは私の役目だけれど、そんな役目を吹っ切りたい。一般人になって普通に働いて普通に笑って普通に普通に普通に……。
それに、一昨日見た彼は美しかった。
クロット王の息子、クーガ王子は。だけど、私と彼なんてそれこそ天と地程の差だ。私は魔女、民を困らせ混乱に貶めるもの。彼は王子、民をまとめ、幸福に導く者。
ははっ、届くわけなどないではないか。もう見れもしないというのに私は何故か何度も何度も思い出して。
溜息、一秒後。誰かがドアを開ける音がした
「ぅ!?」
私は体をびくんと跳ね上がらせてすぐさま階段を下りた。そして、ドアの前に立つと覗き穴で外の様子を伺った。初めてのことだったのだ。今までの人生で本当に初めてのことだった。皆、外で冷やかすだけでドアを叩いてなど来なかったのだから
「どちら様?」
私は極力冷静なフリをして言った。確かに覗き穴では相手の姿を確認した。だが、信じれなかったのだ。まさか彼が!
『どうも、お美しいレディ。先程の者です』
ドア越しでも恭しくお辞儀をしたと思われる彼は間違いない、クーガ王子だったのだ。私のような魔女をレディと呼んだ彼は『中に入れてくださいませんか? 貴方と話してみたい』と中に入れてくれるよう私に頼んだ。なんという物好きであるか
面白い。
まだまだこの世を知らないお坊ちゃまに私に関わるものではないと教えてあげよう。次代の王に、新しい知識となるであろう。
「いいわよ。お入りなさい」
私はドアノブを回し、ドアを開けた。
綺麗な紫の長い髪の毛、同じく紫に輝いた瞳は優しく微笑んでいた。私を美しいと称える彼のほうが私なんかより何倍も美しくて、つい見惚れてしまった
「レディ? どうしました?」
そんな私に疑問を抱いたのか彼は首をかしげながら意識が彼だけに移っていた私に問うた。
「あっ、いえ。なんでもないわ。それと、レディと呼ぶのは止めて頂戴。そんな恥ずかしい呼ばれ方、したくないわ」
「では、なんと?」
「ルカーナって呼んで」
「はいっ、ルカーナさん」
きっと、この時からだった
私が犯してしまった間違えた恋は。

Re: 魔女 【ボカロ曲小説化集】 ( No.24 )
日時: 2012/04/15 18:03
名前: 夜坂 ◆/mY1Y8jdz. (ID: zfUJEuV5)

  ACT 3


一昨日のことを先程といった彼はその後も何度も何度も我が屋敷を訪ねてきて
挙句の果てが、
「貴方が好きなのです」
これだ。
魔女に好意を寄せる王子! なんとも滑稽で、哀れで、醜いじゃないか!
笑ってやろう、笑ってやろう!
「私も、よ」
そして、それにこう答えてしまった私も笑ってやろう。
その時は嬉しくて嬉しくて。自分のおかれた運命など忘れ去って
ただただ、人間の温かさを実感しているだけだった。それは禁断のことだと誰も言ってくれなかった
その後、私達は国に認められ正式に恋人同士となった。あの時のクーガ王子の必死さはこちらにもとても伝わって、裏切ることなどしないのだと本気でそう思った。

今日は天気が良かったので出かけることにした。私とクーガ王子があった橋の付近を散歩することにしたのだ
「クーガ王子、ルカーナ嬢。今日は——」
「ルカーナ様! あのね、今日ねっ——」
あれから色々あって私は戸籍を正式にPraesent purpuraに移した。すると、住民達はどんどんと笑顔で私を迎えてくれて。
笑顔が耐えない日々は何日も何日も続いた。一年がめぐり、また春が来て、また一年。
ある一人の魔道師がこう告げた。
「あの魔女は、王子に魔術をかけたのです! 魔術で王子を誑かして!」
緑の髪が美しく、十字架のペンダントはいつも銀に輝いているとても可憐な魔道師であった。その魔道師はこう告げて私とクーガ王子の前に立ちはだかった。その時は丁度ティータイム。クーガ王子ががちゃんとカップを落とす音が聞こえた。何を言うのだ、この魔道師は
「……そんな。」
クーガ王子が彼女のことを信じるのはとても早かった。そりゃあそうだろう。私は魔女。魔術なんて得意中の得意だ。こんな状態で自慢するのは場違いだろうけど
「そう思いたいのなら思いなさい。戸籍は全て撤回して。もう此処には来ません」
聞くと、彼女は彼の幼馴染らしい。そりゃあ、恋人より幼馴染を信頼するわよね。だけど、とても悲しくなって
放っておいて屋敷は埃塗れになっていた。だけど今日は掃除をする気にはなれなかった。
私は髪に触れた。最後に彼にばっさりと切られてしまった髪を。
もう、この世に信頼するものは、


ない。


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