二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

闇のダンスサイト ボカロ
日時: 2011/06/05 17:35
名前: 紅薔薇 (ID: vQ7cfuks)

初めまして。紅薔薇(べにばら)です!

えーと、ボカロの曲で闇のダンスサイトというものがあります。

鏡音リンと鏡音レンが歌ってます。カバーもいっぱいあります。

中毒症状を起こしたので自分なりの解釈で書いてみようと思います。

更新めちゃめちゃ遅いです。

では。




プロローグ

ボクは、キミが死んだことを知った。

けれど君とよく来ていた森の中で、再びキミに会った。

ああ、愛しいキミ。もう会えないと思っていた。

喜ぶボクだったけれど、キミは言った。

「闇のダンスサイト。最期に踊りましょう」

ボクが現世にとどまるから、キミと会えないんだ。

ボクは、決めた。

キミのもとへ。逝こう。

さよなら、現世——————

Page:1 2 3



Re: 闇のダンスサイト ( No.1 )
日時: 2011/06/03 19:55
名前: 紅薔薇 (ID: vQ7cfuks)

Ⅰ 退屈な舞踏会

(はあ…退屈だな)

ボクは、舞踏会の中で深くため息をついた。

ボクに寄ってくる女性は僕よりずいぶんと年上だったり、財産目当てだったり。

……うんざりしてきた。ボクはお酒も化粧のにおいも大嫌いだ。

ぐったりしているボクを見て、執事のカインが囁いた。

「…お疲れのようですね。どうしましたか?」

彼は心を許せる、とても気がきく執事だ。周りへの気配りが素晴らしい。

「この服が重いのと、化粧のにおいで…」

「レイ様はお嫌いですからね」

そうだ、この服も重い。この漆黒の服。

「……? あのお嬢様はどうされたのですかね?」

カインが指さすほうを見ると、漆黒のドレスを着た少女がうつ向いていた。

手にはほとんど飲んでいないカクテルがある。

「少し連れてきます」

「は!? いや、そんなことしなくても!!」

カインは少し微笑むと、少女のほうへ歩いて行った。

話をしたいと思ったのは事実。少し気になったのも事実。

しかし…

「は、はじめましてレイ様!! 私はリアと申しま△×○◇…」

緊張しすぎている。ボクは思わず笑ってしまった。とてもかわいらしい少女だった。

Re: 闇のダンスサイト ( No.2 )
日時: 2011/06/04 17:16
名前: 紅薔薇 (ID: vQ7cfuks)

Ⅱ 街娘のリア

「キミは面白いね。そんなに堅苦しくしなくてもいいんだよ」

「ハイ…」

ボクは玉座に座っていたが、降りて彼女に手を差し出した。

「一緒に踊ってもらえませんか? お姫さま」

「!! そんな…私は街娘ですから」

そう言いながら、彼女は僕の申し出をおずおずと受けてくれた。

ワルツが流れ始める。月が綺麗な夜だ。

そう、これは月のワルツ———



「レイ! どうしてアナタは昨日の舞踏会に呼んでくれなかったの!?」

「そんなこと言っても…キミはそんな状態なんだし」

ボクの婚約者のミキは、豪奢な布団の中で顔を真っ赤にしていた。

…それは、熱のせいだと思う。彼女の専属医者であるメイナが、ボクに言った。

「呼ばなくて正解です。呼んでいたらミキ様は無理にでも行こうとされました」

やっぱり。

ミキはがばっと起き上った。水色のネグリジェがよく似合う。

「だって! わたしはレイが大好きだもん!」

彼女はボクに抱きついた。メイナが引きはがす。

「お移しになる気ですか」

「どーせおんなじ部屋にいる時点で移る可能性はあるでしょっ!」

そしていじけたように布団をかぶり、そのまま動かなくなってしまった。

「お帰りになったほうがよろしいですね」

メイナがクスクスと笑った。ボクはうなずき、ミキの屋敷を出る。

庭に出たとたん、ミキが窓から顔を出して、ボクに手を振った。

ボクは手を振り返した。


その日、ボクは部屋でもがき苦しむことになる。

カインが駆け付け、すぐに薬を飲ませてくれたので平気だったが———

きっと、ミキの熱が移ったんだ。


Page:1 2 3



この掲示板は過去ログ化されています。