二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- バカと鴉と召喚獣
- 日時: 2012/07/12 22:30
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
キャラ設定
名前…鴉
身長…152cm
体重…53kg
誕生日…11月23日
趣味…読書、お菓子作り
特技…家事全般
性格…優しい、天然、
容姿…烏の濡れ羽色のような黒髪に、茶色の瞳
備考…振り分け試験の前日に、交通事故に遭い病院に入院していた。
そのせいで、足に障害を持ってしまう。しかし、本人は気にしていない。むしろ、リハビリして動かせるようにしたいと思っている。
文月学園の生徒たちに『烏の書店』や『烏使い』と呼ばれるくらい有名。
よく、文月学園に教科書やら日用品を納品している。
酷い事があると、すぐに泣いてしまうくらい心が弱い。だから、周りの皆が守ってあげたくなるような小動物。
教科…苦手教科はなく、全教科が600点前後も取ってしまう。Aクラス上位に入れるくらいの頭の良さをしている。
総合科目は6000点以上を取るけど、皆には秘密にしている。
腕輪は総合科目を除いて、全ての教科に共通な【召喚】
一冊につき、100点くらい消費する。
各教科毎に持っている本によって、召喚されるモノは違う。
召還獣…和服を着ており、六法全書のような分厚い本が周りにたくさん浮いている。
主に、魔導書であり魔法が使える。たまに、閉じた本で殴ることもある。
キャラ設定 ここ
プロローグ >>01
問1 >>02 >>03
問2 >>04 >>05
問3 >>06 >>07
問4 >>08 >>09
問5 >>10 >>11
問6 >>12 >>13
- バカと鴉と召喚獣 ( No.1 )
- 日時: 2012/07/10 23:26
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
「プロローグ」
校舎に向かう坂道の途中に、桜並木が咲き誇っている。文月学園に入学してから、二度目の春が来る——はずだった。
そう、交通事故に遭わなければ。そのせいで、僕は振り分け試験を欠席するはめになった。そして、ようやく病院を退院して、文月学園の玄関前に着いた。
「しかし、お前の両親は酷い奴らだな」
「いえいえ、仕方ないですよ。育児放棄された上に、名前すら付けてもらえなかったんですから」
「それに、お前…それは大丈夫なのか?」
僕の前に立っている人は、補習兼生活指導担当の西村先生。下の名前は、宗一と言うみたい。ついでに、鉄人と呼ばれているみたいだけど、言われるのが嫌いらしい。
その西村先生が言っているのは、僕の今の姿の事。頭と左目に包帯を巻いて、足に障害を持った姿は、不憫な気持ちにさせてしまう。
「はい、大丈夫です。激しい運動さえ、控えていれば日常生活に支障はないようです。今年中は、包帯を巻くよう言われていますので」
「そうか、なら安静にしろよ。それと、学園長に再試験してもらえるよう、言ったんだが学園の方針で無理だった」
そう言って、僕に封筒を渡してくれた。中を見なくても、結果は分かっている。
「まあ、お前にはあの教室は酷だろうが、我慢してくれ」
「はい、では行きますね。ありがとうございます、西村先生」
「ああ、気を付けるんだぞ」
こうして、僕のFクラスでの生活が始まった
- バカと鴉と召喚獣 ( No.2 )
- 日時: 2012/07/10 23:27
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
「問1」
【第一問】 科学
問 以下の問いに答えなさい。
『調理の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい』
姫路瑞希の答え
『問題点…マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為、危険である点。
合金…ジュラルミン』
教師のコメント
正解です。合金なので『鉄』では駄目という引っ掛け問題なのですが、姫路さんは引っかかりませんでしたね。
鴉の答え
『問題点…マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為、危険である点。
合金…鉄』
教師のコメント
問題点の方は正解です。しかし、合金の方は引っ掛け問題なので間違えてしまいましたね。
土屋康太の答え
『問題点…ガス代を払っていなかったこと』
教師のコメント
そこは問題じゃありません。
吉井明久の答え
『合金の例…未来合金(←すごく強い)』
教師のコメント
すごく強いと言われても。
西村先生の言葉に、確かに我慢しないといけないことを再認識した。この教室は、なんでも扱いが酷いと思うけど、僕にはどうすることも出来ない。0点扱いだから。
これから、過ごす仲間たちと仲良くしていかないと学園生活を楽しく過ごせない。勇気を出して、ドアを開けると待っていたのは僕を罵る言葉だった。
「早く座れ、ウジ虫野郎」
「ううっ…。酷いよ、僕はウジ虫じゃないのに!うわあぁぁぁぁぁん!」
僕は悲しくなって、泣き出してしまった。
「雄二、悪口を言うのはどうなんじゃ?」
「そうよ。ほら、泣いているんじゃないのよ。謝って」
そう言って、秀吉と女子が援護してきた。
「すまん。てっきり、明久かと思って罵ってしまったんだ」
「えっぐ…。僕を罵ったんじゃ、ないんだね?」
「ああ、そうだ」
どうやら、あれは僕に言ったんじゃなかったみたい。謝ってもらったから、許してあげた。
「ほら、わしの席の隣に座るんじゃ」
「うん、ありがとう」
僕は秀吉の隣に座った途端、ドアが開かれ、雄二と呼ばれる男子が罵ってきた。
「早く座れ、ウジ虫野郎」
「……雄二、何やってんの?」
「先生が遅れているらしいから、代わりに教壇に上がってみた」
「先生の代わりって、雄二が?
なんで?」
「一応このクラスの最高成績者だからな」
雄二と明久のやり取りを聞いていたら、先生が来たみたい。この覇気のない声が、もしかして…福原先生だ。
「えーと、ちょっと通してもらえますかね?」
寝癖のついた髪にヨレヨレのシャツを着た、冴えない感じの福原先生だった。
「席についてもらえますか?HRを始めますので」
「はい、分かりました」
「うーっす」
二人が席に着いたのを確認したのか、ようやく始まった。
「えー。おはようございます。二年F組担任の福原慎です。よろしくお願いします」
そう言って、黒板に書こうとして、チョークを探すがないので、やめた。色々と待遇の違いがあり、Aクラスの方が一番待遇がいい。だけど、Fクラスは全てが古くさい。
「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか? 不備があれば申し出てください」
その言葉を皮切りに、皆は不備を申し立てる。あれ?僕のだけ、高級な卓袱台とふかふかの座布団だ。どうして、なんだろう。
「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入っていないです!」
「…我慢してください」
「先生、俺の卓袱台の脚が折れています」
「木工ボンドが支給されているので、自分で直してください」
「センセ、窓が割れていて風が寒いんですけど」
「分かりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきます」
次々と出てくる不備をあしらう、福原先生はかっこいいと思う。去年は、僕に分かりやすく教えてくれたから。
- バカと鴉と召喚獣 ( No.3 )
- 日時: 2012/07/10 23:28
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
「必要な物は、極力自分で調達してください。では、自己紹介でも始めましょう。廊下側の人からいきましょう」
福原先生の指名を受け、廊下側から始まる。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。今年一年、よろしく頼むぞい」
お!秀吉は演劇部だったんだ。知らなかったなぁー。
「…………土屋康太」
口数が少ないみたい。それと、ムッツリ商会を経営しているみたい。あとで、聞いてみようと。
「島田美波です。海外育ちで、日本語は会話はできるけど読み書きが苦手です。でも、英語も苦手です。育ちはドイツだったので。趣味は——吉井明久を殴ることです☆」
怖い!この人は危険だ。いつか、犯罪者になるよね!?
明久の紹介も終わって、ようやく僕の番が来たみたい。立ち上がり、言う。
「僕は鴉です」
そう言った途端、教室は静まりかえった。
「……彼はちょっとした事情で、鴉と名乗っています」
「なんで、ですかー」
「……説明してください」
「はい。僕は——両親の育児放棄によって、名前すら付けてもらえませんでした。それに、近くのゴミ捨て場に捨てられてしまったのを、烏に助けられました」
中々に重い事情に、皆は唖然としてしまった。まあ、まさか近くにいる人が育児放棄されていたとは思わなかったんだろう。
「だから、名前は烏と言います」
そう言って、座る。
不意にドアが開いて、息を切らせた女子生徒が現れる。
「あの、遅れて、すいま…せん……」
「「「えっ?」」」
クラス中が騒がしくなる。まあ、普通はびっくりするだろうね。
「丁度よかったです。今自己紹介をしている最中なので、姫路さんもお願いします」
「は、はい!あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします…」
小柄な身体をさらに縮こめるように、声を上げる姫路さん。
「はいっ!質問です!」
「あ、はいっ。なんですか?」
「なんで、ここにいるんですか?」
その言葉は、聞きようにとっては、失礼にあたる質問だった。
彼女は容姿も一目につくほどで、テストの点も常に一桁以内に入っているほどである。
「そ、その……振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして…」
文月学園の振り分け試験は、難しく出される問題数は多い。それに、試験の最中の退席は無条件で0点扱いにされる。それほどに、厳しいテストである。
そんな姫路さんの言い分を皮切りに、クラスの皆に言い訳が上がる。
「そう言えば、俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに」
「ああ、科学だろ? アレは難しかったな」
「俺は弟が事故に遭ったと聞いて、実力を出し切れなくて」
「黙れ、一人っ子」
「前の晩、彼女が寝かせてくれなくて」
「今年一番の大嘘をありがとう」
想像以上に、バカだらけだった。
「そんな言い訳を言う時点で、バカだね」
「鴉よ、それは天然なのじゃ?」
「うん?」
僕の一言が、皆の心に突き刺さる。
「で、ではっ、一年間よろしくお願いしますっ!」
そう言うと、瑞希は逃げるように席に向かう。席に着くなり、安堵の息を吐いて卓袱台に突っ伏す姫路さん。
どうやら、明久は姫路さんに聞きたいことがあるみたい。僕も近付いてみた。
「あのさ、姫——」
「姫路」
タイミングが悪かったらしく、遮られてしまう。
「は、はいっ。何ですか?ええと…」
「坂本、坂本雄二。ところで、体調が悪いのか?鴉も」
「ええと…」
「んんー」
「あ、それは僕も気になる」
明久が割り込むように、口を挟む。
「よ、吉井君!?」
「明久が不細工ですまん」
「目もパッチリして、顔もラインも細くて綺麗だし、全然不細工ではありません!その、むしろ…」
「確かに見てくれは悪くないな。そう言えば、知人にも明久に興味を持つ奴が居たな」
その言葉に、姫路さんが興味を示す。
「えっ? それは——」
「そ、それって誰ですかっ!?」
姫路さん、明久が落ち込んでいるんですが…。
「確か。久保——利光だったかな」
久保利光→♂(性別/オス)
「…………」
「おい、明久。さめざめと泣くな」
パンパンと、教卓を叩いて注意する福原先生。
「そこ、静かにしてくださ…」
バキィッ バラバラバラ……
「……替えを用意してきます。待っていてください」
そう言って、福原先生は出て行く。
- バカと鴉と召喚獣 ( No.4 )
- 日時: 2012/07/10 23:35
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
「問2」
【第二問】 英語
問 以下の英文を訳しなさい。
『This is the bookshelf that my grandmother has used regularly』
姫路瑞希と鴉の答え
[これは私の祖母が愛用していた本棚です。]
教師のコメント
正解です。きちんと勉強していますね。この調子で、頑張ってください。
土屋康太の答え
[これは ]
教師のコメント
訳せたのはThisだけですか。
吉井明久の答え
[☆●◆▽¬ ♪ *× ]
教師のコメント
できれば地球上の言語で。
「FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」
壇上に上がるなり、雄二はいきなり提案してきた。
それはAクラスへの宣戦布告だった。Fクラスにとって、無謀とも言える提案である。
「勝てるわけがない」
「これ以上設備を落とされるなんて嫌だ」
「姫路さんがいてくれたら、何もいらない」
そんな悲鳴が、教室の至るところから挙げられる。僕はどうでもいいけど、この教室では身体が悪化してしまう。
「ああ、このクラスには試験召喚戦争に勝てる要素が揃っている。それを、説明しよう」
大胆不敵な笑みを浮かべ、ある箇所を見据える。きっと企んでいるよね。
「おい、康太!姫路のスカートを覗かないで、前に来い」
「…………!!(ブンブン)」
「は、はわっ!」
恥も外聞もなく低姿勢からの覗きで、顔には畳の跡が付いている。
「こいつは、土屋康太。あの有名な寡黙なる性識者
ムッツリーニ
だ」
「…………!!(ブンブン)」
ムッツリーニという名は、男子から畏怖と畏敬を、女子から軽蔑を以て挙げられる正体不明だった。
「あれが、ムッツリーニだと……?」
「馬鹿な、ヤツがそうだというのか……?」
「だが見ろ。あそこまで、明らかな覗きの証拠を隠そうとする姿を」
「ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ」
姫路さんに至っては、さっぱり分からないみたい。そうだろう、僕もいまいち分からない。
「それに、姫路の事は皆だってその力を知っているだろう」
「えっ?わっ、私ですか!?」
「ああ、主戦力の片翼だ。期待しているぞ」
そう、姫路さんはAクラス並みの学力を持っている。
「そうだ。俺たちには姫路さんがいるんだった」
「彼女ならAクラスにも引けをとらない」
「ああ、彼女さえいれば何もいらないな」
あれ?熱烈なラブコールを送っている人がいるよね?誰だろう?
「それに、木下秀吉もいる。当然、俺も全力を尽くそう」
あ、秀吉には双子のお姉さんが居たね。忘れていたよ。
「坂本って、小学校で神童とか呼ばれていなかったか?」
「実力はAクラスレベルが二人もいるのか」
「ああ、いけそうだ!」
「それに、そこの包帯巻いた鴉もいる」
ちょっと、その言い方だと人間じゃないと言っているものだよね?
「誰だ?」
「雄二が言うなら、凄いヤツなんだろな」
「ああ、鴉は学年一位の霧島を遥かに超える学力を有している。皆も聞いた事あると思うが『烏の書店』というのがそうだ」
「何!?取り扱ってない本がないというくらい、豊富な種類の本を売っている『烏の書店』が、鴉だと!?」
「そうだった!俺、売り切れだった『私を見てよね』を、烏から買っていたんだ!?」
説明的な言葉、ありがとうございます。僕、そう呼ばれていたんだ。
「これで、Fクラスが勝てる確率が上がったぞ!」
「それに、吉井明久だっている」
その瞬間、教室がシンと静まりかえった。そして、一気に下がる。
「こいつは、あの《観察処分者》だ」
「ああ、あのバカの代名詞の」
《観察処分者》。それは、学生生活を営む上で問題のある生徒に課せられる処分である。
「あの、それってどういうものなんですか?」
「あ、僕も気になりました」
「そう言えば、姫路と鴉は知らなかったな。まあ、教師の雑用係だな。力仕事とかそういった類いの雑用を、特例として物に触れるようになった試験召喚獣でこなすといった具合だ」
「そうなんですか?便利ですね」
「そうだったんだ、バカに付けられる称号みたいなものですね」
「鴉、それは止めを刺しておるぞ」
「ふぇ?そうなの?」
僕は秀吉に聞いてみた。
「ゴホンッ!とにかく、俺たちの力の証明としてDクラスを征服しよう!」
「当然だ!」
「ならば、全員ペンをを執れ!出陣の準備だ!」
「おおーーっ!」
「俺たちに必要なのは、卓袱台ではない!Aクラスのシステムデスクだ!」
「うおおーーっ!」
「お、おー……」
「おー」
- バカと鴉と召喚獣 ( No.5 )
- 日時: 2012/07/10 23:29
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
僕も姫路さんも、皆に圧されて拳を掲げていた。
「よし!明久、Dクラスへの宣戦布告の死者になってもらう。大役を果たせ」
「……下位勢力の宣戦布告の使者ってたいてい酷い目に遭うよね?」
「大丈夫だ、俺を信じろ」
そう言って、明久を行かせる。あれ?死者になっていなかったかな?まあ、いいか。
しばらくして、明久が帰ってきた。
「騙されたぁっ!」
「やはい、そうきたか」
「やはりってなんだよ!やっぱり、使者への暴行は予想通りだったんじゃないか!」
「ふん!騙されるのが悪い」
「少しが悪びれろよ!」
雄二が悪知恵が働くみたい。あれで、友達なのかな?ちょっと、疑問に思っちゃった。
「吉井君、大丈夫ですか?」
おや?姫路さんは優しい人なんですね。こんなにも、人を思うなんて。
「吉井、本当に大丈夫?」
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
「そう、よかった…。ウチが——殴る余地はまだあるんだ……」
「ああっ!もうダメ!死にそう!」
………。ダメだ、島田さんは暴力的な女子だったみたい。
「そんなことは、後でしていろ。今はミーディングを行うぞ」
そう言う雄二は、外へ出て行く。他の場所でやるみたい。
「ほら、吉井。アンタも行くの」
「あー、はいはい」
「返事は一回!」
「へーい」
「……一度、Das Brechen ——ええと、日本語だと……」
「…………調教」
ムッツリーニの声が聞こえる。僕は彼らのやり取りを、秀吉と見ていた。
「そう、調教の必要がありそうね」
「せめて、指導か教育にしてよ」
「じゃ、中間とって Zuchtigung ——」
「…………それはわからない」
「あー、それは折檻ですね」
「ちょっと!鴉がなんで、ドイツ語知っているのさ!」
「んんー?入院中、暇だったから海外文学を読んでいたら、いつの間にか25ヶ国語も喋れるようになっていたんだよ?」
そう言って、秀吉と共に屋上に向かう。
「明久、宣戦布告はしてきたな?」
「一応今日の午後に開戦予定と告げてきたけど」
「なら、先に昼食なんですね」
「そうなるな。明久、今日ぐらいはまともな物を食べろよ?」
「そう思うなら、パンでもおごってくれると嬉しいんだけど」
「えっ?吉井君、食べないんですか?」
「なら、僕の弁当でも食べてみる?」
明久がそう言うから、僕の弁当を分けてあげようと。
「えっ?いいの?鴉の弁当なんでしょう?」
「うん、いいよ。多分、一人暮らししていて、仕送りは来るんだけど漫画やゲームに使い込む人なんだよね?明久は」
「…凄いな。ここまで、明久の生活を当てるなんて」
「鴉、なんで分かったんじゃ?」
「えっ?西村先生に聞いたんだけど…」
そう言って、持ってきたキャリーケースから重箱を取り出す。
「鴉よ、どうしてそれなんじゃ?」
「足に障害が残っちゃったから、負担の少ないこれにしたの」
「おっと、話が逸れたな。試召戦争に戻ろう」
「そうですね」
「まぁな。考えがあってのことだ」
「どんな考えですか?」
姫路さんは、雄二に聞いている。確かに、雄二は戦略を考えることが出来るんだど思う。
「色々と理由はあるんだが、とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だから」
「え?でも、僕らより上だよ?」
「ま、振り分け試験の時点では確かに向こうが強かったかもしれないけどな。だが、今は違う。周りの面子をよく見ていろ」」
「えーっと……」
明久は雄二に言われた通りに、周りを見回す。
「美少女二人と馬鹿が二人とムッツリが一人と、烏たちに好かれている鴉が一羽いるね」
「誰が美少女だと!?」
「…………(ポッ)」
「ええっ!どうして、雄二とムッツリーニが反応するの!?僕だけじゃ、ツッコミ切れない!」
「ねぇー?どうして、僕が人間扱いされていないの…?グスン…」
「烏、ごめんなのじゃ。明久に悪気はない…はずなのじゃが」
「「カー、カー」」
秀吉や烏たちに慰められた。やっぱり、僕は人間じゃないと思われていたみたい。
「ま、要するにだ。姫路と烏に問題のない今、正面からやり合ってもEクラスには勝てる。Aクラスが目標である以上、Eクラスなんかと戦っても意味がない」
「それなら、Dクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」
「ああ、確実に勝てるとは言えないな」
「だったら、最初からAクラスに挑もうよ」
「明久、お前はバカか?姫路と烏の振り分け試験を受けていないんだぞ?」
「!? そうか!二人とも、0点のままだったね」
「そうだ、まずは二人に試験を受けてもらわないといけないからな。今から言う作戦に関わる事だから」
こうして、打倒Aクラスに向けて、雄二の作戦に耳を傾ける。
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