二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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 薬指  ( 黒ばす長篇 )
日時: 2012/12/03 15:36
名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
参照: 映像からごっそり移動。

→@. 勿体ぶった感情論受けんな
→@. 届けよtell me about it


目を閉じても そう傷んだメモリー。


/!\工業女子(主)の妄想・自己満足小説
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あてんしょんぷりーず(´^ω^)!
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   灰色 [>>02] 秀徳10番とエースと三角関係
   薬指 [>>57] 帝光中バスケ部主将と恋人




 
2012.0527〜2021.0827→2012.0827[ 映像から移転。 ]
唄::: カタルリズム     
( 元もずく現兎欠 )

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灰色 ( No.23 )
日時: 2012/08/31 21:13
名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
参照: http://nanos.jp/zotbox77/

16. 望めないもの




「たっ・・・高尾、くん」


どれくらい走ったかなんて然程俺には関係無かった。

そんなのは毎日嫌というほど練習でさせられている。



ただ、今俺に問題があるとするならばそれは、この右手に掴まれた細い腕。
はっと我に返って無意識にギリギリと締め付けていたそれを名残惜しく離す。

背を向けたまま「悪い」と言えば川島さんは小さく「えっ」と答えた。





好きって、どうしようもなく辛いもので


好きって、どうしようもなく自分に歯止めが効かなくなる。



実らない恋であるが故に、とてつもなく自分が馬鹿みたいに見えて悲しくなる。
分かってるって、緑間の彼女に手ぇ出すとかもうしねーよ。
今日、この場で最後にするって誓うよ。





「あ、の・・・高尾くん」

「なんだよ」
「その、・・・ありがとう」



突然、川島さんが「ありがとう」と口にしたことの意味が分からず振り返る。


暗がりでよく顔が見えない。
どんな顔をしているのか知りたいが、ここは抑える。耐えろ自分。



「どーゆーこと」

「慎太郎と別れて・・・気まづ、かったから。・・・連れ出してくれて、ありがとう」
「・・・は?」




別れたって、どーゆーことだ?


緑間は一言だってそんな事言ってなかった。
むしろヤキモチなんか妬いちゃって、大変だったんだぜ。


「私、フラれちゃって」
「は?」

「高尾くんが私たちに会うちょっと前にね、」








川島さんは俺に出逢う数時間前の話を詳しく話してくれた。

月明かりが俺たちをそっと包み込む。


彼女の眼にはたくさんの涙が溢れて、溢れて。
咄嗟に伸ばした手は彼女の頬に触れて、濡れた。








やっと見れた川島さんの顔。


さっき走ったせいでクシャクシャになった髪。



もう気が狂いそうで、息が苦しくて、泣きたいのはこっちだって一緒だ。




「まだ、真ちゃんが好きなんだ?」


本当は彼女の気持ちなんて触れている涙で分かりきってるクセに





強がって、馬鹿みたいに自分の川島さんに対する気持ちをズタズタにしようとする本脳
あわよくば好きじゃないと言ってくれる事を望んで。
伸ばしてみても、届かないような恋でも期待は出来るって、そう信じたいが故に。














「すき、しんたろ、好き・・・すき、なのに・・・!」



言うと思った。




やっぱり望んじゃダメなものは、ダメなんだ。



灰色 ( No.24 )
日時: 2012/09/01 20:59
名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
参照: http://nanos.jp/zotbox77/

17. 手を濡らす水滴
(夏生side)




中学2年の秋から、私のお隣はずっとずっと緑色の髪をしたバスケ少年だった。




いつからか好きになってしまって、どうしようもない胸の痛みに耐え難かったのは、今だってそう。
「別れて欲しい」なんて彼に言わせてしまう程、私は最低な女だったのかと心底落ち込んだ。

好きだった、大好きだった彼と別れたくなんかないけれど、未練がましい女と思われて余計嫌われるのも怖くて。



だから嗚咽が出そうな喉の詰まりに気づかれないよう「分かった」と呟いて押し黙る。





本当は聞きたくて聞きたくて、仕方なかった事も聞けず仕舞い。

『どうして?何で?何がいけなかったの?』



繰り返して繰り返して、自問自答、他者他釈してみてもダメで声が涙が出そうになった。




強がってみたけれど辛くて悲しくて胸が抉られそうで






ねえ私の何がいけなかったの?


直すから、すぐには直らないかもしれないけれど、時間をかけてゆっくりと。

辛いよ悲しいよ泣きたいよ、でも泣けないの。




涙がカラカラに脱水してしまって一滴も出ないの。


嗚咽だけが辛いくらい悲しいくらい沢山でるんだよ





慎太郎


すきなのに別れるってとっても辛いね





違う、慎太郎はもう私のことなんか、好きじゃないんだった。





ポトリと、たくさんの雫が高尾くんの暖かい手を濡らした—。





灰色 ( No.25 )
日時: 2012/09/04 21:47
名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
参照: http://nanos.jp/zotbox77/

18. 忘れたい





ふと夜中に目が覚めて、食堂へ茶を飲みに行った。



掛け時計で時間を確認してみるとまだ夜中の1時で、誰も起きているはずがない時間帯だと溜息を吐いた。
そんなことよりも、俺が自分で受けた川島さんへの恋心の傷は半端じゃない。

今もズキズキと痛むこの胸を誰も彼も分かっちゃくれない現実


誰のせいでもなく、それは自分が悪いんだけど。




宿をそっと抜け出して海へ向かう。

潮の香り。満ち潮だけあって、月光は跳ね返る。


月が眩しい。


砂浜の砂を蹴り飛ばしてみた。
安物のサンダルに細かい砂がたくさん入り込む。
指の間にジャリジャリとくっつく様な嫌な感覚。



ふと辺を見渡すと、遠くの方に人影があることに気がついた。






扇子を華麗にくるりと回す

身をひるがえしては髪をなびかせる
一目、見入ってしまった。





「す、げ」



その言葉に限った。

それ以外に何の言葉がある?


思い浮かばないだけ俺が馬鹿なのか、それともそれ以上の言葉を出させない舞が凄いのか。


暗がりでも、わかっちまうんだ。



嫌でも馬鹿でも胸が痛くたって、どう足掻いたって。





一目奪われてしまうのは、一目奪ってしまうのは、俺の中じゃアイツしかいないんだから。



「川島さん、」

愛しくて愛しくて、でも一番会いたくない大嫌いで大好きな人。


手が届きそうで届かない、最悪な恋の相手。




ピタリと動きを停めてゆっくりと振り返る彼女の頬には汗が滴っていた。
息が荒い。眉をひそめてじっと俺を見る川島さん




「しんたろ?」

「ちげーよバーカ、高尾。」



ぐちゃぐちゃになりそうな理性



止めろ耐えろ泣くな自分。

彼女の愛しい人は判ってる、だから見間違えただけ。
俺は高尾。彼女が知っている高尾和成だ。


平然を保って笑顔を振りまきゃそれで終わりだ。


さっさと帰って眠ってしまえばこんな悪夢みたいな現実から逃れられる。




「たかお、くん」
「なーんだよ?」




そう、平然を保て。












フワリと、自分のものじゃない他人の香りが自分の鼻を掠める


「 忘れたい 」

「な、」

「慎太郎を忘れたい、忘れたい、の」





ぎゅう、と締め付けられる腹部に熱を感じながらも、その細い腕を離そうとは思わなかった。



リクエスト ( No.26 )
日時: 2012/09/07 21:58
名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
参照: http://nanos.jp/zotbox77/

※ ホムにて依頼の夢です ※



     空木に仰ぐ、君の横。





「おはよ、今日も涼しそうにしてるね黒子くん」

「これでもすごく暑いんですよ」



飄々とした態度でどの口が言うか。
炎天下の中、5分も彼女を待たせる黒子くんを薄情と思う。

朝頑張って起きて黒子くんに良く思われるようにお洒落したのに。



それを知らん顔されたみたいでちょっと苛々とした。


ふん、と黒子くんの3歩先を歩くと「待ってください」と言われてわざとらしくピタリと止まってやる。




「千春さん、遅れてきたことを怒っているんですか?」




なんで、そんな分かりきったことを聞くの

なんで、お洒落したことを何も言ってくれないの




無神経


だいっきらい
私だけ浮かれて何だかバカみたい



「すみません。千春さんと会えることが嬉しくて、ついいろいろと考えていたら遅くなってしまったんです」




なにそれ



なに、それ。馬鹿じゃないの



そんなの、私だって一緒だし





ばーか、・・・やっぱり、大好き。





 
   ( 空木に仰ぐ、君の横。=夏の訪れを、君の横で。 )

Re:  未経験区域 ( 黒ばす長篇 ) ( No.27 )
日時: 2012/09/07 22:07
名前: ルリ朱雀& (ID: J/cl5oqb)


 やばいっっ!!
 黒子君かっけぇ…。
 サラッとすごい事いうから、面白い…!!
 
 高尾君も悩んでますね…。
 では、更新頑張って下さい!!


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