二次創作小説(紙ほか)
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- 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断 《球磨川禊登場》
- 日時: 2013/01/16 21:59
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
☆注意☆
・この世界観は『めだかボックス』のパラレルワールドです。
・キャラが崩壊しないように全力を尽くします。
・感想はいつでも求めています。
ストーリー
第一針「きっかけが生まれた」>>1
第二針「友人の最初の診断」>>2
第三針「『フラスコ計画』の診察」>>3
第四針「『拒絶の扉』」>>4
第五針「高千穂仕種の初診」>>5
第六針「すべては芒のせい」>>6
第七針「球磨川禊という混沌と嬉野芒という予言の二人の出会う前」>>7
第八針「球磨川禊という混沌」>>8
第九針「大嘘憑きと操作令状」>>9
第十針「嬉野芒の謀略」 >>10
第十一針「鳥栖蜻蛉の再起動」>>11
- Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断【めだかボックス】 ( No.2 )
- 日時: 2012/12/14 16:21
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第二針「友人の最初の診断」
「で、この僕のところに来たわけだ。生徒会長を見てどう思ったかが知りたいと」
紅い眼鏡の優等生かつ僕の親友は椅子に座って本を読んでいた。
☆嬉野芒(ウレシノ ススキ)☆
所属:一年三組
血液型:AB型
趣味:読書
「僕は君と同じぐらいにアブノーマルだと思ったんだ————」
「その話は周りでは秘密だっただろう? 僕は普通の生活を望みたい」
一体、アブノーマルだとどうなるのだろうか。
「この後に生徒会長は1年1組の人吉善吉を拉致するだろうね。その時の彼の恐怖の十倍はあると思った方がいい。だから、僕らのためにも潜んでいた方がいいが、しかし……」
「しかし、なんだ?」
「新しい生徒会長黒神めだか率いる新生徒会によってさまざまな問題が起きるだろう。その時に潰れる研究がどれほどなのか惜しくなってね。今度、『部費争奪水中運動会』があるからその時に時計塔へ遊びに行こう」
いい案思いついたと言わんばかりに掌を叩くとそのまま本を読み始めた芒を見る限り、黒神めだかへのアブノーマルさを感じ取ったがあまり敏感に反応するとその『潰れる研究』の方が重要らしい。
『俺は絶対!! 生徒会に入らない!!』
「まぁ、そうつれないことを言うものではないぞ善吉よ」
『ぎゃぁ〜〜!!』
「今引っ張られていったのは人吉善吉。生徒会を大きく変えることになる人間だね」
「いいか、そんなことがわかるぐらいだったらこの学校の中間試験の答えでも教えてほしいね」
嬉野芒は異常の中の異常を持つ人間だ。彼のアブノーマルは『親友』と言われているこの鳥栖蜻蛉しか知っていないらしい。自分の重要なことは信用する人にしか話さないという精神なのだろう。この僕はアブノーマルを持っていないから普通の人がいるこのクラスにいる。
この『箱庭学園』は平凡な生徒は1〜4組、体育が上手な人や芸術が上手な人は5〜9組に入るらしく、それ以上の天才は10組特別普通科、11組特別体育科、12組特別芸術科と分かれている。1〜9組は「普通」10〜12組は「特別」と言われるわけだ。そして、会長がいる13組は全国から集められた異常者の集まり『異常』と呼ばれている。
だから、僕は1年3組にいるわけで芒は異常な人間達とクラスメートになりたくないから偽装して1年3組にいる。
「あの研究をつぶすことによって多くの人の努力は失われると思うが、あの生徒会長は気にせず行うだろう。君にはまだどれほど大変な研究だとは思わないだろうな」
「同じことを何度もつぶやくことなく生活できないのか?」
「…………フン!」
翌週から黒神めだかの目安箱による行動は常軌を越していることになるということに生徒全員が気が付くことになる。
- Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断【めだかボックス】 ( No.3 )
- 日時: 2012/12/18 21:37
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第三針「『フラスコ計画』の診察」
ぎゃあぎゃあわぁわぁしている屋内プールの様子を見たいという気持ちを抑えて芒についていく。
「君がプールに惹かれるのは分かるが、僕たちは帰宅部だ」
「…………」
「肩を落として悲しんでいてもどうしようもない。さて、診察へ行くぞ」
箱庭学園内で一番目立つのは旧校舎以外に時計塔がある。この時計塔は無断で入ってはいけないため、理事会の許可が必要になる。もちろん、許可を得て……
「気が付かれないように進むんだよ。見つかったら面倒だからね」
得ていないのか。
「ごめん、用事ができた。かえ——」
芒の右手が僕の襟元をつかんでいる、さらに剥がしたくてもびくともしない……眼鏡の奥でキラリと光っている。
「さぁ、行こうか!」
自分のやりたいことは周りを気にせずどんどん突き進む『猪突猛進』の芒の考えは中学に入ってすぐに知ってしまった。『猪突猛進』モードの芒は何を使っても止めることはできない、いつもいつも巻き込まれているこの僕が言うのだから……
「「君たちは誰だ?」」
学校の校章が真ん中に書いてある扉の前に二人の男が並んで立っていた。
右の男は左目を隠していて、髪の色も服の色も白色一色だった。
☆対馬右脳☆
所属:二年十三組
血液型:AB型
ラッキーカラー:白
左の男は右目を隠していて、髪の色も服の色も黒色一色だった。
☆対馬左脳☆
所属:二年十三組
血液型:AB型
ラッキーカラー:黒
「ほぉ、双子か」
目の前にいる二人は双子と認めていいぐらいそっくりだった。ただし、どちらとも対照的な姿をしているが。
「「眼鏡をかけているきみはノーマルか?」」
お互い逆の方向に首をひねる対馬右脳、左脳はよく似ているなと実感できた。ノーマルという言葉に顔をしかめる芒はどう見たって通常な人間だと思うだろう。確かにノーマルと言われて自分のことをそう呼ぶんじゃないと怒る人間がいるだろう。だが、芒は全く違う。彼は対馬兄弟が異常な人間、アブノーマルだとわかっているからこそ自分の正体がアブノーマルだと見抜けない対馬兄弟の実力を疑っているという訳だ。ようするに
「(こいつら、アブノーマルの連中か? 僕より下じゃないか)」
という考えをしているわけだ。僕は完璧なノーマルだから別に気にしないけどね。
「今、外で行事みたいなこと行っていたけど……ま、」
「「この『拒絶の門』でも通ってみなよ」」
「通れたら、十三組の十三人から十三組の十四人になるな。後ろにいる緑のレインコートのきみは絶対入れないけどね」
最初に白い方、対馬右脳がしゃべり、最後は対馬左脳がしゃべった。
この二人は意外と仲が良過ぎてお互いの言葉を交互に言ってくる。但し、レインコートをいつも着ている僕がノーマルとはしっかり見抜いたようだが、芒のアブノーマルを判断する力はないようだ。
「ほぉ、『拒絶の門』というのか」
対馬兄弟を無視しながら嬉野芒は『拒絶の門』の前に立ちふさがった。
- Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断 《めだかボックス》 ( No.4 )
- 日時: 2012/12/23 21:11
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- プロフ: ノロウイルスって怖いですよね。
第四針「『拒絶の扉』」
「拒絶の門を通るには0から9の数字を使って六桁の暗証番号を打ち込まないといけない。正しい暗証番号を打てばこの扉はあっさり開く。一度に通れるのは1人ずつ、一人通るたびに番号は変更される。通れる確率は百万分の一!百万人のうちの一人しか通さない! ゆえに拒絶の門と言われるのさ。逆に言えば、それぐらいの確率をクリアしないとフラスコ計画に参加することはできないわけさ」
そうか、じゃ僕はここでふるい落とされるわけだ。一安心したよ。これ以上巻き込まれたくはないし、たとえ親友と言えども退学を巻き込まれたくはない。帰らせてほしい。
「じゃ、通ってみよう」
ピッピッピッピッピッピッピッ
ガコンと重々しい音を立てて『拒絶の門』が開いた。
「では僕は行くとしよう。蜻蛉君、ちょっと来て」
「なんだ?」
恐る恐る近づいていくと…………
「おりゃ!!」
力強く握りしめられた拳で殴られた。すこし油断していたから、顔の側面に拳が突き刺さり、思いっきり倒れた。頬に残る痛みは鈍い。何故か殴られた場所の向かい側の右頬も痛い。実際、暴力を振るわれるなら殴られるよりも刺された方が痛みは爽快だと思う。ようするに鈍い痛みよりも鋭い痛みの方がまだいい。
「「なんだ!? その傷は!?」」
対馬兄弟が僕を指さしている。その指は僕の右頬を指していた。
「な、なにがあった!? おい、芒! いったい何をした!?」
ガコンガコンと閉まりつつある扉を通りながら振り向くこともなくはっきりと言った。
「君も『拒絶の門』を通れるようになったから、早く来なさい」
「「「…………」」」
重々しく閉まった扉を見て、これからどうするかを考えた。試しにパスワード入力してみようかなと。
「やめときなよ、ノーマル。自分の非力さを思い知るだけさ」
「何度でも挑戦してもいいけど、一回目で成功しなかったら何回やっても成功はしないさ。ノーマルがどれほど足掻いてもノーマルはノーマルなのさ」
入力台の前に立つ僕の後ろからノーマル、ノーマルとうるさく囃し立ててくる対馬兄弟のことは頭の中になかった。ただ、嬉野芒のことを信用していいのだろうかと考えていた。
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……
兄弟が見ている中電子音が鳴り響く。
ガゴン……ガゴン
扉が開いた。芒と同じようにゆっくりと重々しく
「どうして? 何で開く!?」
「絶対、機械の調子が悪いに違いない!」
対馬兄弟が大慌てしている様子を見ると面白いだろうが、芒が待っていると思うと行かなければならない。いろんなことを聞きたい。まず最初に聞くことは、
「……どうして僕が通れる?」
この僕にいったい何を仕掛けたのかが知りたかった。生粋のノーマルだとアブノーマル達から言われたのに。
この時、鳥栖蜻蛉の頬に大きい切り傷ができていることを蜻蛉自身は知らない。
- Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断 《めだかボックス》 ( No.5 )
- 日時: 2012/12/26 23:18
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- プロフ: コメントがない!? 哀しいな
第五針「高千穂仕種の初診」
エレベーターを素通りして階段を下ると、予想通り嬉野芒が待っていた。
「よし……僕の考えが正しかった」
芒がぼそりと何か喋ったが、聞こえなかった。まるでモルモットを見ているような眼をしていて怖い。
「なんかいったか?」
「ん? なんでもないさ! さぁ行こう」
地下一階の階段へ通り抜けるとそこは———
「君が川端康成の『雪国』を真似して、この場を表そうとしているのなら僕は怒るよ」
「…………すまん」
迷路だった。二つ分かれ道があると思ったら、その先でも分かれ道がある。地下にある分どれほど大きい迷路だろうか。普通の人なら悩むかもしれないが、ここには『嬉野芒』がいる。
「一分待ってくれ、出口を見つける」
何も言わなくても、もうじっとして異常性を表していた。このまま一分間静かにテクテクと右左と歩いていると——
「右行って左行って直進二つの右に一つ……」
と出口を見つけることができる。これだけが芒の異常性ではないが、やはりここは『嬉しい嬉しいガイド君』と呼ぶことにしよう。いづれかは人間カーナビと呼ばれるようになるだろう。
「君だけ、この迷宮に置いてくよ?」
「……悪かった」
「今の迷宮はこの地下一階がクレタの迷宮に似ているから迷宮って言った。クレタ島には人間と牛のハーフの怪物ミノタウルスが居て————」
タッタッタッ……
「一瞬、人が歩く音がしたと思ったのだが……まさか……」
芒の方を見ると芒も焦った顔をしている。めったに見ることができない表情だ。
「蜻蛉君、そこの右の角から来るぞ。覚悟しろ」
徐々に歩く音が大きくなっていく。その分、僕の鼓動も早くなっていく。敵が出てきた時、後頭部狙って蹴り飛ばそう。
歩いてきた相手の顔が見えた時、僕の足は素早く動いていた。体育の成績はいつも五段階のうちの三だった分、筋肉が伸びた足は綺麗かつスマートに後頭部を抉り取ったように見えたが————
「ん? お!?」
確かに、自分の足蹴りは思った以上に速くそして強かった。だが、違う方向を向きながらその攻撃を避けた目の前にいる男は一体なにものだろうか。
「お、お前は——」
「俺か? 俺の名は——」
「ミノタウルスか!?」
ミノタウルスと言ったとたん、芒に襟元をつかまれて地面にたたきつけられた。
「君は、なんで人のことを怪物扱いにするんだ?」
「だって、芒が怪物の話をするからつい……」
二人でこそこそと話しているといつの間にかに目の前にさっきの男が立っていた。
「お前ら、一体誰だ? 俺たち並みのアブノーマルか?」
その男は筋肉質のキックボクサーだった。
☆高千穂仕種☆
クラス三年一三組
血液型AB型
役職一三組の一三人
検体名『棘絨毯』
- Re: 嬉野芒と鳥栖蜻蛉の勝手なる診断 《めだかボックス》更新 ( No.6 )
- 日時: 2012/12/28 22:24
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第六針「すべては芒のせい」
結局、高千穂仕種先輩という生粋のアブノーマルに捕まった。警察署にたたきだされるかと思っていたら、運ばれたのは理事長室だった。迷路の道筋も解析した芒がなぜ負けたかを理事長室のソファで振り返ってみる。
「俺の名前は高千穂仕種だ。お前ら、なんでここにいる?」
高千穂仕種先輩が構えたと同時に先輩のポケットから携帯が鳴る音が聞こえた。すぐに形態を開いて確認するとすぐに電話に出た。目の前に僕らがいるのにかかわらず、電話をするなんていい度胸をしている。この『嬉野芒』がいる時に戦いを挑むなんてねと考えていたら、芒は焦っていた。そして、焦っているように見えながら余裕を持っていた。
「蜻蛉君。さぁ、戦え!僕は頭脳担当。君は力担当だ!」
「…………」
この世で一番残念だと感じた時はこの時一位が塗り替えられたと言えよう。いきなり頼っていた人が真っ先に逃げたらがっかりだろう。
「————わかりました。持っていきます」
二人でにらみ合っていたら、体をつかまれ両脇に抱えられた。何をしようともビクともしないこの先輩は強かった。
気づくとソファの向かいに優しそうなおじいさん、不知火袴が座っていた。
☆不知火袴
血液型:AB型
所属:箱庭学園理事会
役職:理事長
「君たちが勝手に時計塔の地下に不法侵入したことは警察に言ってもいいのですが、やはり君たちは私たちの孫みたいなものです。ですので、一つだけお願いしたいことがあります」
一瞬、理事長の眼がまるで悪党みたいな真っ黒な眼になったと思ったが、気のせいだろう。理事長は、僕たちの返事を聞かずに六つの双六を出した。
「老人の願いとしてこの六つの双六を一斉に振ってくれますか?」
芒はすぐに手に取ると六つの双六を上に放り投げた。上空でクルクル回るとテーブルの上に転がった。
「2,5,2,3,4,1ですか……蜻蛉君も引いてみなさい」
「はい」
手の中で回すとテーブルに転がした。中で暴れていた双六はどんな数字を出すのだろうか。
「3,4,2,6,4,1ですか……やはり扉の故障だったのでしょうか……」
理事長が考えること5分。理事長は優しく僕らに言った。
「君たちは一度転校してください。それが学校の判断です。実はとある学校と生徒交換の企画がありましてね。それを君たちに任します」
「行きます。その学校はどこですか?」
芒がすぐ喰らいついた。すぐに行動するのは何かの理由があるに違いない。理事長の思惑を把握したようだ。
理事長は返事を喜び、ニコリと笑うと言った。
「水槽学園です。一週間ばかり行ってきてください」
理事長の心の中では、
「あのマイナスと接触してあの二人の正体がわかればいい。どうなるのでしょうか……」
と思っていたことを一三組の一三人以外知らない。