二次創作小説(紙ほか)
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- ハリー・ポッターと無名の生き残り 第七話更新中!
- 日時: 2015/06/02 19:51
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: 5YaOdPeQ)
——この物語は……
主人公であるもう一人の生き残った女の子ミーシャ・ライリー:Misha Rielyが、
舞台のホグワーツ魔法魔術学校にてさまざまなことを学び、困難を乗り越える物語。
原作に沿りつつも、原作になかった展開を盛り込めればいいな〜と思っています。
創作キャラであるミーシャと、原作キャラたちの会話を楽しんでいただければ嬉しいです^^
ハリー・ポッターが主人公で略してハリポタ。
この物語はミーシャ・ライリーが主人公の二次創作ということで、略して「ミーライ」。
今後「ミーライ」という言葉が出てきた場合、この物語のことを指しますので、ご理解ください^^
はじめまして^^ プリアと申します。
この小説はハリー・ポッターを原作とした二次小説です。
出てくる登場人物はほぼ原作どおりのキャラクターですが、
一部オリキャラも混ざっており、主人公はオリキャラです。
「映画しか知らない」「原作しか知らない」どちらの方も大歓迎です!
感想・批判・アドバイスも、随時受け付けております^^
※注意※
・この小説は映画・書籍両方に沿っていく予定です。
・原作にない展開があります。
・文章の転載、複製は禁止です。
・作者は多忙のため、急に更新が止まったりすることがあります。
・自己満足で出来た小説なので、ひどい展開になることもあると思います。
半年ぐらい開けることもあるかと思いますが、
目標は死の秘宝編まで続け、ミーライ全七作を完結させることです!
◇お客様
☆サザンカ☆さま はかせさま サリチルさま オメガさま ∮ミニモネ∮さま 瑠奈さま はるさま
十六夜さま ニャーニャンさま
◇履歴
・2015/5/19 4000HIT達成
・2014/7/16 3000HIT達成
・2013/11/2 2000HIT達成
・2013/10/31 100コメ達成
・2013/10/28~ 第七話執筆
・2013/5/26 1000HIT達成
・2013/4/11~8/21 第六話執筆
・2013/3/27~4/7 第五話執筆
・2013/3/24 第四話執筆
・2013/3/18~3/22 第三話執筆
・2013/3/11~3/16 第二話執筆
・2013/3/10 第一章第一話執筆
・2013/3/10 スレ立て
ζ本編
第一章 賢者の石
第一話 生き残った女の子 >>1-2
第二話 とめどない笑い >>5-6 >>9 >>13 >>20 >>23
第三話 はじまりの手紙 >>24 >>27 >>28
第四話 先生たち >>32
第五話 変身術の先生 >>33 >>36 >>46 >>51
第六話 魔法のいざない >>54-55 >>62 >>68-69 >>72-73 >>76 >>79 >>86
第七話 汽車に乗って New!!
>>97-99 >>102 >>110 >>114-115 >>118-119
- Re: ハリー・ポッターと無名の生き残り 第七話開始 ( No.97 )
- 日時: 2013/10/29 18:34
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: uiVbj.y2)
第七話 汽車に乗って
「第七章の呪文は……えーっと……アローホモーラ……?」
再び日本に戻ってきた美沙は、ほぼ一日中ベッドの上で教科書を読みふける毎日を過ごしていた。魔法界の教科書は、学校の授業に使うものだとは思えないほど面白い。ただ一つ面倒くさいのは、わけのわからない単語があると、こっそり一階のリビングへ戻り、英和辞典を持ち出さなければならないことだ。
「扉にかかっている鍵を開けることができる……? じゃあ、あの時マクゴナガル先生はこの呪文を使ったのかな!」
ログハウスでのことを思い出しつつ、美沙はベッドの上で寝返りをうつ。
結局、美沙が日本に戻ってきてから一週間もしないうちに連掛町の家に戻ったのだが、大量の手紙の山は忽然と消えており、かえっておじさんはそれが恐ろしかったようだ。おばさんたちも前ほど美沙をこき使わなくなったし、美沙としてはありがたかったが、少し寂しい気もする。まったく相手にされなくなるというのも、自分がここに存在していないかのようで、いい気はしないのだ。
反対に、理紗子は「教科書を見せてよ!」とやかましかった。あんまりにもうるさいので、「鼻からでしかご飯が食べられなくなる魔法をかけてあげましょうか!」と脅してやったくらいだ。どうやら本気で信じたようなので、脅すついでで、美沙が学校の図書館から借りた本を返しておくように頼んでおいた。
「ホグワーツかー。どんな校舎なんだろう……空に浮かんでいたり、とか!」
美沙はむふふ、と笑いつつ、頬を膨らませる。
ピィーという鳴き声が聞こえ、美沙はそちらの方を振り返った。
「ペンポップも早くホグワーツに行きたいよねぇー」
呼吸をするたび、白くぽっこりしたお腹が波打っている。
さんざん名前を悩んだメガネフクロウのこの子は、二つの単語を組み合わせ、一番しっくりする名前をつけた。ペンギンのようなぼけーっとした顔であり、ぽっこりと飛び出たポップなお腹ということだけれど……由来を聞くと、ひどい名前の付け方な気がしてくる。
美沙は苦笑いし、再び基本呪文集に目を戻した。
「第八章……なーにこれ。ウィ、ウィ……ウィンガー、ディム、レビオサ……」
いよいよ9月1日の朝が来た。こんなに大事な日だというのに、相変わらず朝に弱い美沙は、起きたのが十一時過ぎだった。それも、夏の終わりの蒸し暑さに目が覚めたので、それがなければまだ寝ていたかもしれない。
カーテンを開けると、青々とした空に、美沙はうーんと伸びをした。
理紗子は9月1日から小学校の二学期が始まり、おじさんも会社へと出勤している。今家にいるのは、おそらく美沙とおばさんだけだ。
美沙は、珍しく前もって用意をしておいたトランクを開け、中身を確認する。学校に行く準備はいつでも当日に始めるのだが、ホグワーツだけは特別だ。
9月からイギリスの学校へ進学することをマーチおじさんたちに話すと、おじさんたちは盛大に喜び、美沙にお駄賃を山ほどくれた。そのお金で買ったお菓子や新しい寝巻き、私服や小物は、トランクの中にぎっしりと詰まっている。
今日、自分は日付が変わった2日の一時まで起き、マクゴナガル先生の迎えを待つのだ。
仮眠をとっておこうか。でも、十一時まで寝ていたわけだし……。
ああ、時間を進める魔法があればいいのに。待ちきれない!
……夜、日付が変わって2日。一時になる三十分前になった。
結局、一日中パジャマで過ごし、着替えたのはついさっきだ。適当にTシャツとスカートを着たが、今でも頭がぼんやりとする。
理紗子とおばさんは、もう寝ているだろう。
せめてもの気遣いで、美沙はトランクと鳥かごを持ち、そろりそろりと一階へと降りた。そうして、リビングでぽつりとラジオを聴くおじさんの方を振り返る。
「おじさん……時間なので」
「そうか。……それで? 迎えとやらはどこで約束しているんだ?」
おじさんの質問に、美沙はもごもごと答える。
「最初に会った、ログハウスの家の前……って!?」
やってしまった!! 約束をしたのは、ログハウスの前でのことだ。
きっと、マクゴナガル先生は、夏休み中、美沙がログハウスにいると思っているだろう。今頃、ログハウスの前で待ちぼうけしていたらどうしよう!
「どどどどどどどうしよう! ここだとわかってないかも!」
おじさんはふんっと鼻で笑った。
「お前のことだから何かやらかすだろうとは思ってたが。ま、頭のおかしい連中のことだ。せいぜい迎えを期待しておくんだな」
「あー、もう……!」
美沙はおろおろと玄関へ向かい、とりあえず声を張り上げた。
「いいい、行ってくるので!!」
「声がでかいと言っているだろう! 早く行け!」
おじさんの怒鳴り声を最後に、美沙は外へと飛び出した。
「ああ、どうしよう。先生……お願いだから来てください……」
ピィー、ピィーとペンポップが鳴いている。
しーんと寝静まった深夜、美沙は落ちつかなげにあたりをうろうろした。
「どうしようどうしよう……」
ミャアーとペンポップの方から声が聞こえるだけで、未だに先生が来た気配はない。
美沙はさんざんきょろきょろした後、とうとうトランクをイスにして座り込んだ。
終いには、焦りとともに、先生は約束を忘れたのではないかという気になってくる。
風が緩やかに吹き、心地よいあざみの香りが漂ってきた。
ただでさえ眠いのに、いい香りまで漂ってくると……。
こくりと顔が傾きかけたとき、こつんと頭を突付かれた。
はじかれたように、美沙は顔を上げる。
「あ、はい!」
「……自分の荷物をイスにして居眠りですか、まったく」
一ヶ月ぶりに、英語を聞いた。ずっと、待ち望んでいた声。
顔を上げ、その声が誰のものだか気づくと、美沙は「ミーシャ」として立ち上がった。
「マクゴナガル先生……!」
「威勢がいい返事でしたけど、日本語の返事はそうなのですか?」
「あー……あれはちょっと驚いただけなので……。それより先生……」
ミーシャは、先生から漂うあざみの香りに、鼻を動かした。暗闇で見通しが悪いこともあって、鼻がいつもより敏感になっている気がする。
マクゴナガル先生は、深くため息をついた。
「ログハウスのある山まで行ったのですよ、私は。おかげでこの匂いがついてしまいました」
「ご、ごめんなさい。あまり深いところまで考えていませんでした」
「肝心なところは考えないのに、どうでもいいことには聡いんですねぇ、あなたは。ダンブルドアの言うとおり、こちらにも寄ってみてよかったです」
ミーシャはひひっと苦笑いし、もう一度匂いを確かめた。
マクゴナガル先生ときたら、あざみの花の中を這ってきたのかと思うほどの香りがついている。
そんなミーシャをさておき、マクゴナガル先生は腕を差し出した。
「さ、頭は大丈夫ですか?」
「えっ?」
「眠たくなった頭は大丈夫か、と聞いているんです」
「……今のですっかり冷めました」
ミーシャは微笑み、マクゴナガル先生の腕へつかまった。
今度こそ、目を開けていよう。
ミーシャは、異常なほど目を開いて、あたりを凝視した。
ピィーという軽やかな鳥の歌声が聞こえる。歌声とともに近づいてきたのは、暗闇を照らすかのように赤々と燃える、鳥の形をした炎……。
「せ……!」
ミーシャが声をあげようとした時、鳥がマクゴナガル先生の肩にとまった。とたん、息苦しさを感じたと思えば、今度は瞼にまばゆい光を感じる。あまりのまぶしさに、反射的に目を閉じてしまった。
「ま、まぶしい……!」
白い光に、目を開けているのがつらかった。
前にロンドンを訪れた時も夜から昼への変化だったが、今回はさらにきつく感じる。眠たいからだろう、とミーシャは思った。
〜つづく〜
☆長い間、本当にお待たせいたしました……!
ようやく忙しい時期が終わり、最近は少し暇になっております(笑)
ところで、「第七話 汽車に乗って」のネーミングセンスは最悪ですね;
メインの描写は汽車の中でのことだと思い、こんなタイトルになりました;
ペンポップは……ヘドウィグも、二つの単語を組み合わせた名前だと聞いて……。
- Re: ハリー・ポッターと無名の生き残り 第七話開始 ( No.98 )
- 日時: 2013/10/30 17:24
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: 7hsLkTT7)
ようやく、ミーシャは瞬きを繰り返しながら目を開けた。
相変わらず、どこかの路地の裏に出てきたようだ。通り側からは、にぎやかな声が聞こえる。
周りを見て先生がそばにいることを確認し、同時にトランクとペンポップのいる鳥かごもそばにあったことに驚いた。
「先生……さっきの鳥は……炎みたいな鳥は」
「ようやくきちんと見たのですね。……それを聞く前に、その服を着替えなおしなさい」
きょとんとして自分のTシャツを見ると、前と後ろが逆のようだった。
寝ぼけ眼で着替えたので、こんなことにも気づかなかったのか。
恥ずかしさに俯きつつ着替えているミーシャを見やり、先生は静かに口を開いた。
「あれは、フォークスという不死鳥です。あの鳥の力を借りて、今まで私たちは移動してきました。私一人でもあなたを連れて移動することができますが、それは幼いあなたには刺激が強すぎると判断し、ダンブルドアがフォークスをよこしてくれたのです」
「……あの鳴き声は、とっても……優しい声でした」
ミーシャは、ゆっくりと瞬きをする。
マクゴナガル先生は、肩をすくめて口元に笑みを浮かべた。
「赤ん坊の頃から聴いている声ですからね」
「えっ?」
弾かれたようにマクゴナガル先生を見上げたが、先生はすでに顔を引き締めていた。
「もし気になるなら、学校で調べてみるといいでしょう」
マクゴナガル先生は早口に言い、そのまますたすたと歩き出す。
不意をつかれ、ミーシャは慌てて鳥かごごとトランクを持ってついていった。
「現在、だいたい10時前です。ログハウスに行ったのがロスタイムでした」
「ほんっとうにすみません……」
「悪いと思うのなら、早く歩く努力をすることです……!」
ミーシャは話す代わりに足を動かしつつ、ぼんやりと考えた。
汽車は11時発だと行っていたような……。
マクゴナガル先生は、駅へ行く前にまだどこかに寄るのだろうか?
大またで歩くマクゴナガル先生についていくだけで、本当に一苦労だ。
ようやくキングス・クロス駅が見えてきた時、先生は近くに置かれていたカートのうちの一つを、ミーシャに手渡した。
「そのトランクと、ふくろうのかごをこれに積んでください」
わけがわからず、言われるがままにミーシャはカートに荷物を放り込んだ。
それを見届けると、マクゴナガル先生は時計を見やり、声をあげる。
「もうこんな時間です。心配ですが……この先は一人で行けますか?」
「えっ? あ、ま、まあ……多分……」
行けないといったって、どうせ一人で行くことになるだろうに。
ミーシャはただただ、首をぶんぶん縦に振った。
マクゴナガル先生の……というより、魔法使いのペースについていけてない気がする。それとも、ただたんに今は自分が眠いだけか……。
マクゴナガル先生はまじまじとミーシャを見やり、すっと何かを手渡した。
目をこすり、ミーシャはそうっとそれを受け取る。そうして、じっくりと見つめた。どうやら、ホグワーツ行きの切符のようだ。
ミーシャは、マクゴナガル先生を見上げた。
「先生はどうするんですか?」
「私は一足先にホグワーツに戻ります。あなたたち新入生の準備のためにね」
「……」
周りはイギリス人ばかりで、自分には友達もいない。
一人で駅へ行き、一人で汽車を見つけ、ホグワーツへ向かうのが不安だった。
唯一の知り合いであるネビル・ロングボトムに会えれば、心強いけれど……。
ミーシャは努めて笑顔で頷くと、「頑張ります」とつぶやく。
先生は小さく頷き、切符を指差した。
「九と四分の三番線ですからね。切符をなくさないように」
ふんふんと頷いた後、ミーシャはもう一度切符を見つめた。
確かに、「九と四分の三」と書いてある。まさか寝ぼけて字まで読み間違えたのか、と二度見したが、何度見ても同じだった。
「……心配は必要ありません」
声とともに空気が弾かれた音が聞こえ、ミーシャは首をかしげた。
「四分の三? そんな算数みたいなホームがイギリスにはあ……?」
ぶつくさ言いながら隣を見れば、先生の姿は忽然と消えている。
「……うそーぉ……」
魔法使いはなんてせっかちなのだろう。質問くらいさせてよ!
ふーんとため息をつき、ミーシャは仕方がなしにカートを押して歩き出した。
自分のペースで歩いていると、周りのものがさきほどよりよく見える気がした。とりわけ、キングス・クロス駅は日本のものとは比べ物にならないほど、壮大だった。高い時計塔を中心に広がる、赤い宮殿のような建物は、どこから見ても駅には見えない。
カートに乗せた荷物を人々にジロジロ見られるのが嫌で、ミーシャはなんだかんだ言いつつ足早に駅内を歩いていく。迷子にならないかと心配していたが、なんとなく進んでいくうちに、プラットホームの前まで来てしまった。
せわしなく行き来する人々の合間を、ミーシャは肩身の狭い思いで歩いていく。「9」と書かれた札や「10」と書かれた札はあっても、「九と四分の三」なんてどこにもないじゃないか。
そばに太った駅員がいたが、ミーシャは用件を尋ねようとしてためらった。
頭のおかしい女の子だと思われても困る。
「九と四分の三……」
ミーシャは途方にくれ、柱のそばで前のめりにカートに寄りかかった。
「あーあ。マクゴナガル先生に騙されたー」
もう一度切符を眺めてみる。
「九と四分の三なんか、どーこにもないのにー」
カートに寄りかかっていると、なんだか眠たくなってくる。
「……ねえ、ちょっと君……」
誰かの声が、遠くから聞こえた気がした。
〜つづく〜
☆少し短めですが、きりがいいのでこのくらいで。
字数制限の関係なので、もう一つ投稿します。
本当は一つでまとめて投稿したかったのに、文字数オーバーしてしまいました^^;
- Re: ハリー・ポッターと無名の生き残り 第七話開始 ( No.99 )
- 日時: 2013/10/30 17:49
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: 7hsLkTT7)
「ねえ、そこの君……」
「んー」
低い声で不機嫌に答え、半開きの目でくるりと振り返る。
同い年に見える男の子が、こちらを覗き込んでいた。ミーシャと同じ細い体つきで、髪の毛は真っ黒だ。めがねの奥の緑色の瞳は、興味しんしんにこちらを見つめている。しかも、自分と同じようなカートを押し、白いふくろうの入った鳥かごまで持っていた。
もしかして……もしかして……!
ミーシャは、目をぱちくりした。
「今、私のことを呼んだのって……あんた、ですか?」
「う、うん。九と四分の三って言ってたのが聞こえて。もしかして、君もホグワーツだったりする?」
遠慮がちな男の子に、ミーシャは瞳を輝かせた。
「は、はい! で、でも、どこにあるのかさっぱりで……」
気持ちとは裏腹に、口からはしどろもどろな言葉しか出てこない。
男の子はミーシャの態度に、おかしそうに目をしばたかせた。
「君、なんか変だね」
「はぁ? へ、変とはなんですか……っ」
ミーシャが声を裏返らせると、男の子は慌てたようだった。
「あー、嫌な意味じゃなくて。僕も新入生なんだ。さっき九と四分の三番線がどこにあるか駅員の人に聞いたんだけど、“からかってるのかい?”って言われちゃってさ」
まったくミーシャの予想通りの駅員の反応に、ミーシャは笑い出した。
「頭のおかしい男の子扱いされたわけねぇ……!」
「ん? ちょっと黙って」
ミーシャはさておき、男の子はきょろきょろと首を動かし、ミーシャたちのすぐそばを通り過ぎた一団を見た。ふくよかなおばさんが、赤毛の子供たちの集団の先頭を歩いている。子供たちは、全員ミーシャたちと同じようなカートを押し、ふくろうも一羽連れていた。
その様子に、ミーシャは釘付けになった。
眠気などすっかり吹き飛び、ミーシャは高鳴る胸を押さえる。
「あの人たち……なんかおかしいような……!」
「僕らと同じだよ! ついていこう」
男の子は高い声で言うなり、カートを押していく。
成り行きに任せていれば、なんとかなるかも。
ミーシャは男の子とともに、集団の後ろをついていった。
集団はプラットホームの「9」と「10」の前で立ち止まる。
とたん、一番年上らしい男の子が、壁に向かってカートを押しながら走っていった。
「はっ? 何してるのあの人! バカチン?」
ミーシャは動揺し、口を大きく開けた。
ぶつかる! そう思ったのもつかの間、男の子は壁に吸い込まれていった。
何がなんだかわからず、隣にいるめがねの男の子を見れば、ミーシャと同じようにあんぐりと口を開けている。
ミーシャはぶんぶんと頭を振り、食い入るように壁を見つめた。
次に、フレッド、ジョージとおばさんに呼ばれた双子の男の子が、壁に突き進んでいく。またしても、壁にぶち当たる寸前で、吸い込まれるように消えてしまった。
ミーシャは思わず、隣の男の子を見た。
男の子ははにかみながら、おばさんの方とミーシャを交互に見る。
ミーシャがひひっと苦笑いすると、男の子は意を決したようにおばさんの方へ進み出た。
「……すみません。僕たち……」
なんだかんだ言いつつ、男の子の声もか細かった。
その声を聞き、おばさんは驚いたようにこちらを振り返った。しかし、すぐに状況を把握すると、微笑んでミーシャたちを交互に眺める。
「あら、まあ。坊やにお嬢ちゃん。あなたたちも初めて? ロンもそうなのよ」
おばさんのいう「ロン」という子は、最後に残った男の子のようだった。背が高く、ひょろりとしているところがミーシャに似ている。そばかすだらけの顔は、ぽかんとしてミーシャたちの方を向いていた。
ミーシャはおばさんの笑顔を見て、少し気持ちが落ち着いた気がした。
とはいえ、話し出せば口が言うことをきいてくれない。
「あの、さっき……壁に吸い込まれていたのは……何かの呪文とか使って……」
目を泳がせながら言うミーシャを見やり、おばさんは柔らかく笑った。
「呪文なんか使っちゃいないのよー。九番と十番の間に、ただ走っていけばいいだけ。途中で立ち止まったりしないことがコツね。怖かったら、小走りでいけばいいのよ」
そんなぁ、と、ミーシャは壁を見つめる。
ぶつかったら、さぞかし痛そうだ……。
おばさんが、強くミーシャの肩を叩いた。
「さっ! ホグワーツへの最初の門よ! 行きなさい!」
「私から!?」
ミーシャがすっとんきょうな声をあげた。
おばさんは、何の疑問もないというように目を丸くしている。
「レディーファーストでしょ? 坊やもオーケーよね?」
めがねの男の子が、棒立ちでふんふんと頷いた。
私が走っていくのを見て、お手本にするつもりだなー!
ミーシャは、男の子を少しばかり睨んだ。
「頑張って」と、おばさんのそばにいる、赤毛の女の子が声をかけてくれている。
ふんっと息を吐き、ミーシャは強くカートを握り締めた。
小走りなんてみっともない。走ってやる。
壁を睨みながら、最初から思いっきり駆けていく。壁が近づくにつれ、さらに足が早まったが、そのうち自分でもカートの制御が出来なくなり、慌てた。
このままだと、ぶつかるより先に、カートごと前に転んでしまう——!
ミーシャは固く目を閉じ、前のめりに突き進んだ。
〜つづく〜
☆小説を書いていく身としても、これからが楽しみになってきました^^
ひとまずここまで更新できたので、一安心です。
- Re: ハリー・ポッターと無名の生き残り 第七話開始 ( No.100 )
- 日時: 2013/10/31 18:24
- 名前: サリチル (ID: ???)

久々にミーライを読みにきました(^^)
教科書を見せろとうるさいリサコちゃんに
空に浮かんでいる校舎・・・発想が小学生w
ぽっこりお腹はpop bellyですが
penguinにpopでペンポップとはなんと可愛い・・・。
猫姿で探し回っていたので
匂いがついてしまったのでしょうか?
ミネルバさんが本当に慌てていて笑いましたw
でも少しの気遣いのシーンもあって、ほっこり。
トランクをイスにしたり、カートに寄りかかったり・・・
久々にミーシャの人見知り発動ですねw
バカチンに笑いましたw
知らない人から見れば、確かにおばかさんですねw
めがねボーイ(おそらくあの子)を睨むミーシャ!
こういうところは怖い・・・!
- Re: ハリー・ポッターと無名の生き残り 第七話開始 ( No.101 )
- 日時: 2013/11/06 19:22
- 名前: プリア ◆P2rg3ouW6M (ID: XpqlmRGJ)
>>100 >>サリチルさま
今週でハリポタがテレビ放送終了してしまうので、
明日こそ続きを更新したいと思い、やってきました!
ミーシャの発想は、私が小学生の頃、
ハリポタを見つつ思っていたことばかりですw
めがねボーイの正体はそろそろ明かしたいところです!
あと、100コメ踏んでいただいてありがとうございます♪
何かやってほしいこと等ありましたら、遠慮なくどうぞ!
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