二次創作小説(紙ほか)

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俺妹 短編いろいろ
日時: 2013/06/04 05:08
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

「入り換わり編」1話

朝目覚めたら、俺が隣で寝ていた。
自分で言うのもなんだが、俺って素材は悪くねえと思うんだけどなー。やっぱり、アレ、だろうか?よく昔の友人に会うと覇気がないなんて言われる。桐乃曰く、死んだ魚のような目をしている、らしい。……つまり、そういうことなんだろーな。
………って、悠長なこと言ってる場合じゃないぞ!どーいうことなんだ?!
俺が、もう1人いる!………だとおおお!!?
どうしちゃったの俺!?…そうか、夢なんだな。そうに違いない!こんなフザケたことが、そうそうあってたまるかってんだ!…そうとわかれば、こんな状況でしか出来ないことをやろうじゃねーか!そーだなー、………特にねーな…。こんな状況、想像したことねーもんな。
そんなことを考えていると、もう1人の俺(わかりにくいので、今後は京介(仮)と呼ぶことにしておこう)が目を覚ましたようだった。
「ん〜、ふぁ〜あ………なんで、あたしが…?」
まだ寝ぼけてるっぽいな。つーか、俺の声で「あたし」とか言うんじゃんねーよ!?
「って、はぁああああ!?…なに、これ……?どういうことなのっ?!」
京介(仮)はこの状況を把握するなり、すげー動揺しだした。
「ねえ!あたし?…これ、どーゆうこと!?」
こいつ、すげえな。まさかこの状況で、もう1人の自分である俺に質問しだした、だと!?…なんで俺はこんなことに気づかなかったんだろ…。まあこいつ、さっきまで寝てたしな。
「そんなこと、わかんねーよ!?」
………あれ?この声って…もしかして……?それに、こいつの口調も…俺がよく知る人物にそっくりだ。まさか—
「おまえ……もしかして、…桐乃なのか?!」
「はあ?……まさか、………京介っ?!」
どうもそういうこと、らしい。
なんてこった!まさかこんなこと、マンガや小説でよくあるネタが実際に起こるなんてな…
「ははは、なに、これ?マンガやアニメじゃないんだから、ありえないっての…」
京介(仮)改め、桐乃も俺と同じようなことを考えていたみたいだ。
「…そう!きっと夢、なんでしょ?!…なら、」
「いてーな!いきなり、何しやがる!?」
「あれ?痛かったのに、覚めないの!?殴った感触もある。若干、痛いし……まさか、夢じゃないの?!」
そういうことは、自分にやれよ!わざわざ俺を殴って確かめるなよ!?
「…おまえなあ。ふつー、自分の頬つねったりしないか?」
「フン!それじゃあ、あたしが痛い思いするじゃん?」
「俺ならいいのかよ!?…なんつーやつだよ、おまえは!」
兄に対してこの扱い…。今更だが、この家では兄より妹の立場の方が優位にあると思うのは、俺だけなんだろうか?
「で、これ、どーゆうこと?あんた……まさかとは思うけど、あたしが寝ている間に…へ、変なことしなかったでしょーね!?」
「してねーよ!?おまえこそ、俺が寝てる間に変なことしたんじゃねーの?おまえがいつ、ベッドに潜りこんだのか知らねーし俺。」
そういえば……なんでこいつ、俺のベッドで寝てたんだ?寝ぼけて部屋、間違えた…とか?
「な、何もしてないって!あ、あんた!い、妹に、せ、セクハラすんの、ややや、やめてよ!」
「おまえ、なに動揺してんだよ?……まさか、本当に何かしたの、おまえ?」
「だ・か・らっ!してないって言ってるでしょ!?」
だったら動揺してんじゃねーよ!?紛らわしいんだよ!
「…だったら、どーいうことなんだ?」
「あたしが聞きたいってば。……ねぇ、これからどーすんの?」
「どーするもこーするもねーだろ。俺達にはどーしようもねーだろ?」
「じゃ、じゃあ、学校とかどーすんの?…まさか、このまま行くの?」
「うーん、無理して行くことねーんじゃね?非常事態なんだし、休んでも問題ないだろ。」
「何言ってんの!?休んでいいわけないでしょ?!…京介、受験生なんだよ?そんな大事な時に休むとか…内申書に響いたら、どーすんの!?」
「おまえ……俺の心配してくれてんの?」
「はあ?あたしが京介の心配してら……な、なにかおかしいっての?」
喋りながら途中で恥ずかしくなったのか、顔がまっかになっていく桐乃。だから、そういうのは朝からやめてくれよな?……可愛いじゃねーか………コノヤロー。
「そ、それに!このあたしに、ズル休みしろっての?」
「しょ、しょーがねえだろ?!こんな状況だしよ、友達にバレたくねーだろ?」
加奈子ならともかく、あやせにバレたらとんでもないことになりそうだ。そんな危険なところに俺を行かせる気か!?
「そもそも、なんて言って休むつもりなのよ?」
「そんなの、お袋に説明してなんとかしてもらうに決まってんだろ。」
バカじゃねーの?それ以外にどんな方法があるってんだ。
「…あ、あんた…お母さんに言うつもりなの?こんなこと、誰が信じてくれるって言うのよ?!」
「あん?親なんだから、信じてくれっだろ?俺とおまえの2人が同じこと言ってたら、さすがのお袋もおかしいって思うだろうよ。」
「嫌っ!お母さんにだって、知られたくない!」
「嫌って…なら、どーすんだよ?」
「…このまま、なんとかバレないようにするしかないっしょ?」
「……まじっすか?」
「マジ!そうと決まれば、あんたも覚悟しなさいよね!」
俺まだ、何も言ってませんが?…俺の意見はガン無視なんですかあ?
……ったく、仕方ねーな。やるっきゃねえか!
「…あんた、もしバレでもしたら……わかってるでしょうね!?」
それは随分と勝手すぎやしませんか、桐乃さん?!
「……頑張ります。」
バレたら、桐乃とあやせのダブルコンボか……死んでもバレねーようにしねえとな!
こうして、俺と桐乃の入れ変わりの生活がはじまった。

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.3 )
日時: 2013/06/26 00:21
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

『入れ換わり編』4話

俺は桐乃からあらかじめ聞いてある、あやせとの待ち合わせ場所に向かっていた。
すると、突然
「桐乃ー!」
名前を呼ばれ、振り向こうとしたら……抱きつかれた。
「おはよう、桐乃」
「あ、あやせ!?」
朝っぱらから大胆なやつだな!?…わかってる。今の俺は桐乃で、あやせは桐乃だと思って(あたりまえなんだが)抱きついてるだけなんだ。
あぁ……俺のラブリーマイエンジェルが俺に抱き………って、いかん!あやうく、意識が飛びそうになっちまったぜ。
さすがはあやせ。色んな意味で危ないやつだ。…桐乃のやつ、毎朝こんな幸せなめにあってやがったのか!
「桐乃?…どうしたの?」
「…えっ!?なにが?」
「なんか、いつもと様子がおかしいよ?もしかして—」
まさか、もうバレたってのか?!
「どこか、具合でも悪いの!?どうしよう、病院行く?」
「だ、大丈夫だってば、あやせ。どこも悪くないから。」
「本当に?じゃあ、もしかして……お兄さんに変なことされたんだね!?」
変なことってなんだよ?!つーかしねーし!
「な、なに言ってんの、あやせは。何もされてないから大丈夫だよ。」「……本当に?」
さっきよりも疑ってる気がするのは俺の気のせいだよな?
「本当だって!」
「そうならいいんだけど……後で、お兄さんに確認しておかないと。」
……また俺はあやせに殺人ハイキックの餌食になんのか。待てよ?今の俺は桐乃なんだから、餌食になんのは桐乃じゃねーか!?
…ま、いいか。あいつなら自分でなんとかするだろ。それに、一度くらい俺がどんな目にあってかわかれば、あいつも態度改めるかもしんねーしな。
そんなことよりも今は、この状況をどうにかしないと。
「と、ところであやせ。そろそろ、離れてもらえないかな?」
「なんで?」
そろそろやばいんだって!女子中学生に抱きつかれてるんだぞ!?このままじゃ、どうにかなっちまいそうだ!
…それにな、俺は黒猫が身を犠牲にしてくれたことや桐乃のためにも、ちゃんとしなきゃなんねーんだよ。
「…あやせ、お願い。」
「そんな……桐乃、私のこと嫌いになったの!?」
「ち、違うって!……ほら、早く行かないと、遅刻しちゃうでしょ?」
「…でも、もう少しこのままでいたいな。いいでしょ?」
「…あんまり、よくないんじゃないかなぁ?」
この女、桐乃相手だといつもと全然、雰囲気がちげーぞ?!
前々から、薄々思ってはいたんだが……あやせってレズなのか?
「やっぱりあんたらぁ、レズなの?」
やべー!よりにもよってこんなとこ、知り合いに見られた?!
「って、加奈子!?」
「通学路でキメェことすんの、やめろよなぁ?同じ学校の生徒として、恥ずかしいだろー。」
「べ、べつにあたしはそんなつもりないんだけど。あ、あやせが」
「あぁ、誘い受けってやつか!」
そんな解釈すんじゃねえ!
「違うってば—」
「加奈子………黙って」
「ハ?」
あ、あやせ?
「私、この前も言ったよね?桐乃の前でそんなこと言わないでって」
「そぉだっけ?」
「覚えてないんだぁ?…ならまた、教育してあげるね?か・な・こ」
「やばぁ!あやせ様、降臨だゎ……じゃっ、先行っから!」
「か・な・こぉおおお!待っちなさぁあああい!」
「誰が待つかぁってーのぉ!……おぉ怖ゎ。ふり返んのよそぉ。」
加奈子……お前はなんて無謀なやつなんだ。まっ、そのおかげであやせが離れてくれたからいいんだけどな。
しかし、あやせって本当にいつもあんな、なんだな。
桐乃も意外と?苦労してんのかもな。

その後、学校に着いてからは特にこれといった問題もなく、無事放課後を迎えることができた。当たり前のことだが、体育は桐乃の指示通り見学した。せっかく堂々と女子中学生の生着替えを見れるチャンスを、自ら棒に振ってしまったってわけだ。だがその代わりといっちゃなんだが、女子中学生の体育の授業風景をまじまじと見る機会なんてそうそうないわけで……なんか妙な気分になったよ。
最近の中学生ってのは、発育いいのなー。女子高校生とそんな対して変わんないって。
俺、中学生なんて範囲外だと思ってたんだけど、3歳くらいの年の差なんて案外気にすることねーのかもな。来年になれば高校生なわけだし。
—なんて思ったことはあいつには内緒だ。ぜってー妙な誤解せれちまうからな。
さて、あいつはちゃんとバレずに済んだのかな、なんて思いながら俺は1人で帰った。
ちなみにあやせには適当にごまかしておいた。じゃねーとまた今朝みたいなことになると困るからな。べつにあやせがまた、抱きついてくるかも、なんて考えてたわけじゃないからな?…あやせ様が降臨することを恐れただけだよ。

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.4 )
日時: 2013/06/26 00:26
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

『入れ換わり編』5話

帰宅した俺を桐乃が玄関先で待っていた。
過去にもこんなことがあった気がする。そのせい……なんだろうな。嫌な予感しかしねーのは。
「ただいま」
「……おかえり」
なんで俯いて歯なんか食いしばってんの?俺、今回はまじで心当たりがないんだけど…。
「どーしたの…おまえ」
「……ちょっと来て」
「お、おう…」
俺は疑問を抱きながらも、妹の指示に従うことにした。そして靴を脱いでいるときに、それに気がついた。一足、家族の物ではない靴があった。
「誰か来てんの?」
俺はなんとなしにそう訊ねたのだが、
「いいから来いっての!」
桐乃はそう言い放ち、どかどかと2階へと上がっていってしまった。
「いったい、なんなんだってんだ」
それにしてもどっかで見たことあるような、ないような……ま、中高生が履くような靴だ。しょっちゅう見ているから、誰のかまでは特定できそうにもない。
とりあえず俺は、自分の部屋へと向かった。
「桐乃ー?いったい誰が来て…るん……だあああ!?」
「お帰りなさい。桐乃ちゃん……じゃなくて、きょうちゃんでいいんだよね?」
「ま、麻奈美!?」
おい!どーいうことなんだ!?しかも今、桐乃(俺)を見てきょうちゃんって言ったよな?……バレてんじゃねーのか!?
「…なあ、おい。どーいうことなんだ、これは」
「その……バレちゃった。てへっ」
可愛く言ってんじゃねーよ!?チキショーが!!
このばかは、さっそくバレやがってよ。しかも俺の声で可愛く言ってもきもいだけだっつーの……さっきのは体が戻ったらやり直しだな。
「なんでバレたんだ?」
「……なんだっていいでしょ」
「よくねーから聞いてんだよ」
おまえ、もし逆の立場だったらすげー怒んだろーが。
それに比べ、俺はこんなに優しく聞いてやってんのに、こいつときたら…。
「今朝、無視されちゃったんだ」
「あ、あんた、何勝手にバラしちゃってんの!?」
麻奈美に口を挟まれ、怒る桐乃。でも、これでハッキリしたな。
「おまえ、まさか……麻奈美にいつもの様に接したわけか?」
「…そう!やっぱり、この人相手なんかに演技なんか出来ないっての!」
「おまえってやつはー!」
そりゃそーかもしれないが、もう少し悪びれたらどーなんだ!?今朝の様子見て不安ではあったが、まさかそっこうでバレちまうとは……結局いつもこーなるんだよな。
「しょーがないじゃん?初めからわかってたことなんだし」
ここまで早くとは想定外だけどな。
「はいはい。もういいよ」
「…許してくれんの?」
「は?悪いと思ってたのか、おまえ?」
「あたりまえでしょ。あんなに息巻いといて、あたしがすぐバレちゃったんだし…」
全然そんな風な態度には見えなかったけど?ま、こいつはこいつでちゃんと悪気はあったらしい。
「言ったろ?もういいって」
「そっか」
「さてと。麻奈美、事情はわかってるんだな」
「大体は、かな。朝起きたら、きょうちゃんが桐乃ちゃんになっていて、桐乃ちゃんがきょうちゃんになっていた、それで合ってるんだよね?」
「ああ」
けどなんかさ、人から改めて聞かされるとほんとややこしいな。
「どうして2人は入れ換わっちゃったの?」
「そんなの俺達が聞きたいって。なぁ、桐乃」
「う、うん」
「でも、それなりに理由ってあると思うな。」
「理由って?」
「だって、テレビとか本だと、ぶつかった衝撃とかで入れ換わっちゃったりするでしょ?」
「まぁ、たしかにな。つまり麻奈美は、俺と桐乃が寝てる間に何かあったんじゃないかって、そう言いたいのか?」
「うん。だって、別々に寝てたのに入れ換わっちゃうなんておかしいでしょ?」
「……そうだな」
そうだよな……よく考えれば気づけたはずじゃないか。こいつがよりによって麻奈美に、ちゃんと説明するわけねーわな。…俺と一緒に寝てた、なんてさ!
「きょうちゃん、どうしたの?」
「ど、どーもしないぞ?」
「なんか、隠してる?」
「なにを言ってるのかね!」
やべーな。いい言い訳が思いつかねー…。
(……桐乃、どーすんだ。言っちまうか?)
(……はぁあ?この人に…一緒に寝てた、とか言いたくないんですケド)
(……じゃあ、どーすんだよ)
(……そんなの、どーにかしてよ)
(……どーにかって、どうやって—)
「きょうちゃん。何こそこそお話しているの?」
「え……?いや、なんでもないよ」
「なにを隠してるの?」
「「隠してないって!」」
「隠してる」
「隠してないって」
「隠してる」
「あー、もうっ!隠してないって言ってんでしょ!」
「……きょうちゃん、桐乃ちゃん……………怒るよ?」
「「ひぃいいいっ!?」」

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.5 )
日時: 2013/06/29 01:40
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

『入れ換わり編』5話

「じゃあ、こういうことでいいの?桐乃ちゃんが夜おトイレに行った際、寝ぼけて自分の部屋と間違えてきょうちゃんの部屋に入って気づいたものの、眠くて面倒だったからそのまま寝ちゃったと。それで朝になったらお互いの体が入れ換わってた、ってこと?」
「そーいうこと」
麻奈美を怒らせると後々面倒なことになるので包み隠さず話したってわけだが……こいつ、寝ぼけて部屋間違えたのか。それにしても、面倒だからってそのまま寝るか?ふつう。
「…なに見てんの」
「なんでもねーよ」
案外、子どもっぽいとこあんじゃねーの?って思ったけど口にはださん。…絶対、怒るからな。
「それで、他には何があったの?」
「は?俺達がわかってんのはそれだけなんだけど…」
桐乃が隠してない限り、な。
「あたしも、もう何も隠してないって!」
俺の心のうちを悟ったかのように、憤慨しながら訴える桐乃。
「じゃあ、2人にもわからないうちに何かあったってことかなぁ」
「いや、そんなこと言われてもだな」
寝てたんだから知るかよ。
「さすがのあたしでも、そこまではなぁ……寝ている間に頭打ったとか?」
「そんなことぐらいじゃ、入れ換わったりしないんじゃないか?それにそんなことがあったら、痛みで起きてるだろし」
「わたしもそう思うなぁ」
「じゃあ、なにがあったっていうのよ!?」
「俺に当たることねーだろ!?そもそも、おまえが俺のベッドで寝たりするからこんなことになったんだろうが!」
「あたしが悪いっての!?」
「そんなこと言ってねーだろ!」
「2人とも落ち着いて……ね?」
「麻奈美……結局、これ意味があんのか?寝てた俺達が考えたって仕方ないだろ?」
「そんなことないよー。考えてれば思い出すかも知れないじゃない。それに何があったかわかれば、もう一度同じことしてみれば戻るかもしれないじゃない?」
「……ホントにそれで戻れんの」
「う〜ん、わたしが知ってることも全部、ふぃくしょんのお話だから絶対とは言えないけど……」
「けど、なんだよ…?」
「そうなっちゃうとね、2人とも元に戻れないんじゃないかなー」
「な…なんだと!?」
「あれ?わたし、おかしなこと言ったかな」
「……自然に戻れたりするんじゃねーの?」
「無理だと思うよ?」
なんでそんなこと言うの!?すげー不安になってきたじゃんかよ!
「俺……ずっと桐乃のままなのか……!?」
そんなの……やってられっかよ!?
「……あたし、ずっと京介のままなワケ……?」
桐乃も自分の体を抱きしめて、震えていた。
……俺の体を桐乃が抱きしめてるって考えると、なんか妙な気分になってくる。
「ずっとってことはないだろうけど、やっぱりなんとも言えないかな」「桐乃!他に何か思い出したりしないか!?些細なことでもなんでもいいからさあ!?」
「そ、そんなこと言われても………?………あ、」
「なんだ?何か思い出したのか!?」
「いやぁ……ホントにどうでもいいことだから、聞いても仕方ないと思う」
「些細なことでも構わないって言ったろ!?」
「……なら、後にしたほうがいいと思うけど?」
「そんな悠長なこと言ってる場合じゃねーだろ!?」
「ホントに言ってもいいの?」
「ああ、頼む。教えてくれ!」
「あたしはちゃんと確認したからね?じゃあ、言うよ」
「ああ」
「京介の枕の下に……」
「「下に?」」
「……エ、エッチな本が挟んであった」
「……………は?」
「だ、だからね!枕の下にエッチな本があったの!」
「ちょ、おまっ!なんで2回も言うの!?聞こえてるよ!まじでどーでもよすぎんだろ、それ!?」
「京介が言えって言ったんでしょ!?」
「それは…!おまえが、なにか関係あるっぽい感じで思い出すから!」
「あたしのせいにしよーっての!?」
「そーじゃないけどよ……あー!」
よりによって麻奈美の前で、なんつーことバラしてくれてんの!?こっそり俺だけに言やいいじゃねーか!
「きょ、きょうちゃん!?桐乃ちゃんと何があったの!?」
「なんもねーって!ってかエロ本があっただけで、変な勘違いすんなよ!?」
「ま、しょーがないよね。妹に欲情しちゃう変態なシスコンだもんねー?」
「おまえもそれっぽいこと言ってんじゃねー!それに俺がいつ、おまえに欲情したってんだよ?捏造はやめてもらえますかねー」
「捏造じゃないっての!ほら、去年のクリスマスに、さ……思い出した?」
「……思い出した。…って事実の歪曲はやめてもらおうか!」
「歪曲ぅ?事実そのものだっての」
「……違うからな?だとしてもだな…今、余計なこと言うんじゃない!」
「よ、欲情って……?きょうちゃん、桐乃ちゃんと……!?」
「何もないって!何もしてねーから!」
「だから聞いたのにさぁ。ね?後にしたほうがよかったでしょ?」
「あぁ……そうしてくれればよかったのにな……!」
おまえのせいで麻奈美にとんでもない誤解されたじゃねーかよ!人のことになると気が利かないっていうかなんていうか、ほんとにいつもいつも余計なことしてくれんな、おまえは……。

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.6 )
日時: 2013/07/05 06:51
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

『入れ換わり編』6話

その後も色々と思い出そうと頑張ってみたものの、寝てたわけなんでこれといって原因と思われることは何一つ思い当たらず、結局この日はこれで麻奈美は帰っていった。帰り際に
「学校で桐乃ちゃんがバレないようフォローするから、きょうちゃんんは心配しないでね」
「ああ、さんきゅー」
それはそれで非常に助かるんだけどよ、そんなのこいつの前で言ったら駄目だと思うんだよ。案の上、桐乃は
「ハァア?あんたの助けなんていらないんですケド。余計な真似すんなっての。」
とまぁ、こんな感じだった。後で麻奈美に陰ながら頼むってメールしておくか。
なんて思い、携帯を取り出してみたんだが—
……俺の携帯ってこんなんだったっけか。これって、携帯っつーよりはスマホに見えるんだけど?………いつの間に携帯って進化するようになってたの!?……なんて冗談いっててもしょーがないな。桐乃のスマホだよ。さて、俺の携帯を返してもらいに行くとするか。
俺は桐乃に携帯を自分のと取り替えてもらおうと現在は桐乃がいる自室へと向かった。
「桐乃ー、開けるぞー……ちょ、おまっ!何やってんだよ!?」
俺が驚くのも無理ないって。なんと桐乃は俺の宝物を見ていた!……つまりエロ本、をだ。
「こ、これは…その…アレよ!後学の為っていうか…」
「…言いたいことはそれだけか」
「うぅ……うっさい!エロい本見て、何が悪いっての!?」
「逆ギレすんなよ!?」
このやろー……人のもん勝手に見ておいて、その態度はねえんじゃんねーの?俺がノーパソでエロサイト見たとき泣きながら怒ってたくせによ…。それに、枕の下にあったやつじゃなくてわざわざベッドの下に隠してあったやつ見てるしよ!
「おまえ、人のもん勝手に見といて、ってかベッドの下まで漁りやがってよ…!それはねえんじゃねーのか?」
「あたしの勝手だっつーの!それに、今はあたしが京介なわけだし」
「…なら、俺がおまえの部屋漁っても文句はねーんだな?」
「ある!あるに決まってんでしょーが!あんた、妹の、し、下着とか漁るつもり!?」
「漁んねーよ!そんなもん!このばか!なんでエロい方向にばっかいくんだよ!?」
「……ホントでしょーね?」
「まじに疑うのだけはやめてんくんない!?しないから!」
「最近のあんた見てると、やってもおかしくない気がする」
俺、死んじゃうよ?妹にそんなこと思われてるなんて、さすがにもうやってけない…!
「こほん、そんなことよりさ、いつまでエロ本広げてんだ?こんなとこお袋にでも見られたらまずいだろーが」
「はっ!さすがにお母さんでも驚くよね?…兄妹でエロい本見てたら」
実の兄貴にエロゲー一緒にやろって言ったやつのセリフとは思えんな。
「って、俺は注意してるだけなんだけど!?」
なんで俺まで同罪になってんの!?
「この状況見たら、誰だってそう思うって」
「……いいから早くしまえ」
はぁー、こんなやり取りしてる兄妹なんか、絶対俺らだけだろーな。
「ねぇ……それよりも気になってることがあるんだけど」
「なんだよ」
そこで桐乃は恥じらう乙女のような仕草で、こう聞いてきたのだった。
「な、なんでエロ本と、あたしの水着姿が載ってる雑誌が、一緒にされてんの…?」
………非常に答えにくい質問を投げかけてきやがった。
まさかおまえの水着姿がエロいんだよ、なんて言うわけにもいかんし……。
「その雑誌にはおまえの友達でもある、あやせも一緒に載ってるんだぜ?」
「い、妹の友達をエロい目で見んな!死ネェ!」
「ぐはっ!……みごとなり、我が妹よ…!わが生涯に一片の悔いなし!

「そんなんでが誤魔化されるかー!」
ノリ、わりぃー。
「べつにいいじゃんかよ。そーいう雑誌だろうが」
「あんたの持ってるようなエロい本と一緒にすんな!」
「ち、ちげえよ!そうじゃなくてさ、見るための雑誌って言ったんだって!」
「なっ…!?このタイミングで言ったら、誰だってそう思うでしょーが!」
くっ、不本意であるがこいつの言ってることが正しい気がする…!だが、ここで弱気になれば付け込まれるだけだ!
「おまえが勝手にエロい方向に持っていってるだけだろ?なんせ、兄貴のエロ本を勝手に見たりするぐれーだからな」
「妹の弱みに付け込むなんて、さいてー!」
「ああ言えばこう言うな!?
どっちにしたって無理じゃねーか!結局、俺がこいつに口で勝てるわけねーわな。…もういいや。本来の目的を果たして、さっさと退散するか。
「桐乃、携帯貸してくんねー」
「え…?……なんであたしの携帯が必要なワケ?」
「おまえのじゃなくて、俺の!…おまえのはこっちだろ」
「そっか。あたしのって、京介が持ってんだよね」
「わかってもらえたようでなによりだ。んじゃ返してくれ」
「で、何に使うっての?」
「べつに。ただメールするだけだよ」
「へ、へー…誰に送るつもりなの?」
「そんなことまでいちいち教えねーといけないのか?てめーは俺の彼女かよ…」
「かかか、かの……!?な、なに言ってのよ!あ、アレよ!あたしは今、京介なわけだしぃ?知る必要があんの!」
「理不尽さがこの状況によって、もっともらしいセリフになりやがっただと…!」
ちっ、たしかに一理あんな。その理由だとよ。
「べ、べつに誰だっていいじゃねーかよ!?そんなこと言うんだったら、おまえも俺に言わないといけなくなるぞ?」
「ちっ。わかったわよ…はい」
「お、おう」
ふぅー、最初から素直に渡せってんだ。なんで自分の携帯使うだけなのに、こんなに苦労しなくちゃならないんだよ…早く元に戻れねーかな。

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.7 )
日時: 2013/07/27 00:33
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

『入れ換わり編』7話

俺と桐乃が入れ換わってからすでに一週間が経とうとしていた。初めの3日くらいは俺と桐乃もどうしたら元に戻れるのかあれこれ考えていたが、さすがに4日、5日かと過ぎていくと正直諦めてきた。いや、俺だって戻れるなら今すぐにだって戻りたいんだぞ。でもさすがに一週間ともなると、もう無理なんじゃねーかって思えてくるんだよ。そして今一番問題なのは、最初に親父達に話さなかったのでどうしたもんかってことだ。ほんと、今さらだよな。こんなことになるってわかっていたら桐乃を振り切ってでも言ったんだけどな。あー、どうすりゃいいんだよ!?

「ねえ、リモコン取って」
「う、うん…」
「さて千葉テレ、千葉テレっと」
やっぱ千葉市民なら千葉テレっしょ。
「ね、ねえ」
「ハア?ねえ、だって…キモッ」
「…あ、あんたねー!」
「なに?なんか文句あんの」
「ちっ……風呂入ってくる」
「あっ、その後あたし入るから湯キレいにしといてね」
「……わかった」


「風呂空いたぞー」
「わかったー」
さてと風呂でも入ってゲームでもしよっかな。
「ん?」
リビングの扉を開け、着替えを取りに行こうとしたところで何者かに手を掴まれた。
「ちょっと来い!」
「ちょっと、なにすんのよ!」
「いいから来いっての!」
そしてあたしは京介に腕を掴まれ部屋へと連れ込まれた。
「ちょっと!痛いってば!ったく、なんなのよ」
「なんなのよじゃない!いつまでそんな喋りかたしてんの!」
「………は?」
「は?じゃないし!あんたさー、最近おかしくなかった」
「……なに言ってんだよ。どこもおかしくなんか…」
「おかしくなんか?」
「………ねえよ」
「そんなわけないし!あんた、もしかして……素であたしやってなかった?」
「そ、そんなバカなこと、あああ、あるわけねえだろ」
「……マジで?あんた、ホントに素だったワケ…?」
「だから、ちげーって言ってんだろ!」
「嘘だね、ついさっきまで、あたしと2人きりだったのに演技してたじゃん」
「……う、うっせ」
だって仕方ねーじゃんか。あれから特に進展もなく、俺は桐乃として生活しなきゃならなかったわけなんだからよ。何日も経つうちに桐乃のフリするのになんの抵抗もなくなり、いつの間にかこっちで振舞うほうが楽に感じてきたってわけだ。
にしても……こいつの前ですらフリをするのにも抵抗がなくなり、自然に桐乃やってたなんて、俺だって認めたくない事実だぞ!?…まじで穴があったら入りてえぐれーだよ。
「あんた、ホントなに考えてるワケ?」
「……俺達、本当に元に戻れんのかなって考えてたら、こんなことになっちまってたんだよ」
「ま、あんたの気持ちもわからなくもないけど。だからってさー、妹になりきるってどうなの」
「し、仕方ないだろ?……つーかさ、どうすんだよ」
「どーするって?」
「だから俺達がこんなんになってること、親父達に言うか?さすがにずっと隠してらんないだろ」
「……いつ元に戻れるかわかんないもんね」
「だろ?いい加減、ここらで話しておいたほうがいいんじゃねーか」
「そーだね」
「でも、今さらなんて言って説明したらいいんだか」
「………ねえ」
「ん?どうした」
「その……怒られるかな?ずっと黙ってたわけじゃん?」
「うーん…怒られっかもな」
「だよね……はぁ」
「そもそもおまえが言いたくないって言い出すからこんなことになったんだけど」
「だ、だって!……すぐ元に戻れると思ったんだもん」
「ま、べつに怒ってるわけじゃねーからよ」
「うん……ごめん」
「な、なんだよ…急に。なんか気持ち悪ぃじゃねーか」
「素直に謝ってやってんのに、なにその態度!」
「そうそう、これでこそ桐乃だな」
「無視すんなー!」
「で、どうするよ?」
「話を聞けーっ!って、どうするって?」
「だから、なんて話す?ありのままをでいいのか」
「……あ、ありのままって…?」
「おまえが俺のベッドに潜り込んで、朝になったら入れ換わってた。それでいいのか?」
「いいわけないでしょ!そんなこと言ったら、お父さんたちがヘンな誤解するじゃん!?」
「ヘンな誤解って?」
「う、うっさい!いいから、なんかべつの理由考えなさいよ!」
「べつの理由って言われてもだな…」
なんも浮かんでこないんだけど。
「ねえ、お父さん達に話すのはいいんだけどさ。その前に1つ……試してみたいことがあるんだけど」
「なにをだ?」
「たぶんだけど、こんなことしても元に戻れるわけないと思って言わなかったんだけどさ………もう一度………みない?」
「なんて言ったんだ?はっきり言えよ」
「だから!もう一度、再現してみないかって言ってんの!」
「さ、再現って…?」
「……一緒に寝るってこと」
「はあ!?な、なに言ってんの!?そんなことしたって……元に戻れるわけないだろ…?」
「だから最初から言ってるじゃん!ダメで元々は承知の上!試してみないかってこと!」
「で、でもよ」
「なに?あたしと寝るのが嫌なワケ?」
「そ、そんなこと言ってねえだろ?だからさ、その……恥ずかしいじゃねえかよ」
「そんなのはあたしだってそーだし!」
「…まじでやんの?」
「………やる」
まさか、桐乃がこんなこと言い出すとはな。俺だって一度も考えてなかったわけじゃねーけどよ……さすがにそれはねえって思ってたんだよ。それに俺から言い出したら、絶対怒るだろうしな。またセクハラでって言われそうだしやめておいたわけなんだが…本当にこんなことで元に戻れんのかよ?

そして俺と桐乃は1つのベッドで一夜を共にすることにした。ってべつにヘンな意味でじゃないからな!そこだけは勘違いしないでほしい!
さて、明日には元の体に戻れているといいんだけど。



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