二次創作小説(紙ほか)

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俺妹 短編いろいろ
日時: 2013/06/04 05:08
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

「入り換わり編」1話

朝目覚めたら、俺が隣で寝ていた。
自分で言うのもなんだが、俺って素材は悪くねえと思うんだけどなー。やっぱり、アレ、だろうか?よく昔の友人に会うと覇気がないなんて言われる。桐乃曰く、死んだ魚のような目をしている、らしい。……つまり、そういうことなんだろーな。
………って、悠長なこと言ってる場合じゃないぞ!どーいうことなんだ?!
俺が、もう1人いる!………だとおおお!!?
どうしちゃったの俺!?…そうか、夢なんだな。そうに違いない!こんなフザケたことが、そうそうあってたまるかってんだ!…そうとわかれば、こんな状況でしか出来ないことをやろうじゃねーか!そーだなー、………特にねーな…。こんな状況、想像したことねーもんな。
そんなことを考えていると、もう1人の俺(わかりにくいので、今後は京介(仮)と呼ぶことにしておこう)が目を覚ましたようだった。
「ん〜、ふぁ〜あ………なんで、あたしが…?」
まだ寝ぼけてるっぽいな。つーか、俺の声で「あたし」とか言うんじゃんねーよ!?
「って、はぁああああ!?…なに、これ……?どういうことなのっ?!」
京介(仮)はこの状況を把握するなり、すげー動揺しだした。
「ねえ!あたし?…これ、どーゆうこと!?」
こいつ、すげえな。まさかこの状況で、もう1人の自分である俺に質問しだした、だと!?…なんで俺はこんなことに気づかなかったんだろ…。まあこいつ、さっきまで寝てたしな。
「そんなこと、わかんねーよ!?」
………あれ?この声って…もしかして……?それに、こいつの口調も…俺がよく知る人物にそっくりだ。まさか—
「おまえ……もしかして、…桐乃なのか?!」
「はあ?……まさか、………京介っ?!」
どうもそういうこと、らしい。
なんてこった!まさかこんなこと、マンガや小説でよくあるネタが実際に起こるなんてな…
「ははは、なに、これ?マンガやアニメじゃないんだから、ありえないっての…」
京介(仮)改め、桐乃も俺と同じようなことを考えていたみたいだ。
「…そう!きっと夢、なんでしょ?!…なら、」
「いてーな!いきなり、何しやがる!?」
「あれ?痛かったのに、覚めないの!?殴った感触もある。若干、痛いし……まさか、夢じゃないの?!」
そういうことは、自分にやれよ!わざわざ俺を殴って確かめるなよ!?
「…おまえなあ。ふつー、自分の頬つねったりしないか?」
「フン!それじゃあ、あたしが痛い思いするじゃん?」
「俺ならいいのかよ!?…なんつーやつだよ、おまえは!」
兄に対してこの扱い…。今更だが、この家では兄より妹の立場の方が優位にあると思うのは、俺だけなんだろうか?
「で、これ、どーゆうこと?あんた……まさかとは思うけど、あたしが寝ている間に…へ、変なことしなかったでしょーね!?」
「してねーよ!?おまえこそ、俺が寝てる間に変なことしたんじゃねーの?おまえがいつ、ベッドに潜りこんだのか知らねーし俺。」
そういえば……なんでこいつ、俺のベッドで寝てたんだ?寝ぼけて部屋、間違えた…とか?
「な、何もしてないって!あ、あんた!い、妹に、せ、セクハラすんの、ややや、やめてよ!」
「おまえ、なに動揺してんだよ?……まさか、本当に何かしたの、おまえ?」
「だ・か・らっ!してないって言ってるでしょ!?」
だったら動揺してんじゃねーよ!?紛らわしいんだよ!
「…だったら、どーいうことなんだ?」
「あたしが聞きたいってば。……ねぇ、これからどーすんの?」
「どーするもこーするもねーだろ。俺達にはどーしようもねーだろ?」
「じゃ、じゃあ、学校とかどーすんの?…まさか、このまま行くの?」
「うーん、無理して行くことねーんじゃね?非常事態なんだし、休んでも問題ないだろ。」
「何言ってんの!?休んでいいわけないでしょ?!…京介、受験生なんだよ?そんな大事な時に休むとか…内申書に響いたら、どーすんの!?」
「おまえ……俺の心配してくれてんの?」
「はあ?あたしが京介の心配してら……な、なにかおかしいっての?」
喋りながら途中で恥ずかしくなったのか、顔がまっかになっていく桐乃。だから、そういうのは朝からやめてくれよな?……可愛いじゃねーか………コノヤロー。
「そ、それに!このあたしに、ズル休みしろっての?」
「しょ、しょーがねえだろ?!こんな状況だしよ、友達にバレたくねーだろ?」
加奈子ならともかく、あやせにバレたらとんでもないことになりそうだ。そんな危険なところに俺を行かせる気か!?
「そもそも、なんて言って休むつもりなのよ?」
「そんなの、お袋に説明してなんとかしてもらうに決まってんだろ。」
バカじゃねーの?それ以外にどんな方法があるってんだ。
「…あ、あんた…お母さんに言うつもりなの?こんなこと、誰が信じてくれるって言うのよ?!」
「あん?親なんだから、信じてくれっだろ?俺とおまえの2人が同じこと言ってたら、さすがのお袋もおかしいって思うだろうよ。」
「嫌っ!お母さんにだって、知られたくない!」
「嫌って…なら、どーすんだよ?」
「…このまま、なんとかバレないようにするしかないっしょ?」
「……まじっすか?」
「マジ!そうと決まれば、あんたも覚悟しなさいよね!」
俺まだ、何も言ってませんが?…俺の意見はガン無視なんですかあ?
……ったく、仕方ねーな。やるっきゃねえか!
「…あんた、もしバレでもしたら……わかってるでしょうね!?」
それは随分と勝手すぎやしませんか、桐乃さん?!
「……頑張ります。」
バレたら、桐乃とあやせのダブルコンボか……死んでもバレねーようにしねえとな!
こうして、俺と桐乃の入れ変わりの生活がはじまった。

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.1 )
日時: 2013/06/04 05:15
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

「入れ換わり編」2話

そんなわけで入れ換わりの生活がはじまったのだが
「親父、お袋。おはよー。」
「おはよう…って、桐乃!?あんた、どうしたのよ?お袋だなんて、まるで京介みたいじゃない。」
速攻、怪しまれちまった。親父なんて、目見開いて固まってるしな。そんなにショックだったのかあ?
「…あははは。あたしってば、まだ寝惚けてんのかなー?ごめんね。お父さん、お母さん。」
「桐乃がそんなこと言うなんて、珍しい日もあるのね。」
「…あぁ。」
やばかったな!?お袋が下手に追求してこなかったから良かったけど。……これはなかなか、苦労しそうだぜ。
「桐乃、あんたまだ寝惚けてんの?」
「え?な、なんで?」
「そこ、お兄ちゃんの席じゃない。」
しまったあ!つい、いつもの調子で…
「あれー?なにやってんだろ、あたしってば。」
もう、家ん中で演技とか、ふつーに無理なんじゃねー?
「おはよー。お父さん、お母さん。」
と、そこへ、京介(仮)…じゃなかった。桐乃(俺)が降りてきた。
ガシャーン
「きょ、京介…!?どうしちゃったの…?……あんたまで?」
桐乃ぉおおお!!お前ってやつは!なんでお約束みたいなこと、してんのぉお!?
お袋、動揺してお盆落としちゃったじゃん!親父なんて、新聞破っちゃてるしさ!?………って、俺の時より驚いてないか?なんだよ、俺がお父さんお母さんとか呼んだら、そんなにおかしいってのか?!
「あれ?……あ、そっか。……すまん。親父、お袋。寝惚けて変な呼び方しちまっただけだ。」
「そ、そう…ならいいけど。あんたがシスコンだけじゃなく、マザコンにまで目覚めてたら、どーしようかと思ったわ。」
たったあれだけでかよ!?
「…あぁ。」
親父のやつ、動揺しすぎだって!さっきから、あぁ、しか言ってねーぞ?
「そんなわけねーだろ?朝っぱらから、なに言ってんだよ。」
お前のせいだろーが!
「そうよね。…お父さんもしっかりして!はい、ご飯。」
「…あぁ。頂こうとしよう。」
なんなんだろうなぁ…なんか平和すぎて、逆に気持ち悪いんだけど。俺がおかしいのかぁ?
「で、あんたは、なんでそこに座ってるワケ?」
あー、こいつもかよ…。
「な、なに言ってんの?京介ってば。」
「はぁあ?」
「京介…なに、朝から妹相手に喧嘩売ってるのよ?」
「え…?あ、そうだった。」
「………京介、桐乃。あんた達、おかしいわよ?今日に限ってどうしたってのよ?」
ぎくっ
「そ、そんなことないよ。なに言ってんの、お母さんってば。ねぇ、京介?」
「そ、そうだぜ、おか…じゃなくて、お袋。べつに、どこもおかしくなんかないって。」
「そうかしら?まるで—」
「「まるで?」」
「あんた達が入れ換わったみたいじゃない?」
「「なわけねー(ない)って!」」
「そ、そう?」
お袋のやつ、なんでこーゆうことにはするどいんだよ!?
お互いを装い始めて、まだ10分も経ってねえってのにこれじゃあ、やっぱ無理あるんじゃね?
「醤油、取って。」
「………ほら。」
「ん。」
こいつ、学校でもこんなヘマしねえだろうな?後でちゃんと言って聞かせないとな。

Re: 俺妹 短編いろいろ ( No.2 )
日時: 2013/06/07 00:39
名前: あたらしPULS (ID: fhGKSFmU)

『入れ換わり編』3話

なんとか家族との朝食をやり過ごした俺と桐乃は、作戦会議もかねて一緒に家を出た。
…その際にも、お袋に
「あんた達が一緒に家を出るなんてねぇ……雪でも降らなきゃいいけど。」
なんて言われた。普段、仲が悪い兄妹が揃って家を出るんだから仕方ない……のか?最近はそんなに仲が悪いってこともないと思うんだが。
それはそうと、やっぱり親父とお袋には話しておいたほうがいいんじゃないかと思い、桐乃に相談してみたら
「ダメに決まってんじゃん!」
考える間もなく即答だよ。
「家ん中ぐらい、リラックスさせてくれよ。なあ?」
「言うのはダメ。」
「なんで?」
「な、なんでって……とにかく!ダメなものはダメなのっ!」
なんだって頑なに拒むんだ?こいつの考えていることはいつだって、俺にはわからないことだらけだな。
「……絶対、その内にボロ出んぞ?」
「そのときはそのとき!そしたら説明すればいいっしょ?」
自分達の口からカミングアウトするのと、どう違うのかわからんのだが…。ま、今のこいつになに言っても無駄だろうな。
「はぁー、なんだってこんなことになっちまったんだか…おまえ、学校では上手くやれよな。」
「わかってるって!あたしを誰だと思ってるワケ?あんたこそ、何かやらかして、あたしの評判落としたらただじゃ済まさないから!」
「へいへい、そんなことぐらいわーってるよ!せいぜいバレないよう、頑張りますよ。」
「それにしてもあたしって、こんな声してたんだ。…なんか新鮮かも。」
「なに言ってんだよ、おまえは。こんな時だってのに…。」
こいつ、この状況を楽しんでねえか?ま、こいつの言うこともわからないでもない。
自分の発する声ってやつは、自分自身と他人とでは微妙に聞こえ方が違うからな。なんだろうね、これは。
「そういえばさ、男の人ってトイレとかちょー楽だよねー。いちいち座んなくていいもん。」
「…確かに女ってそーいうの、めんどくせーよな。」
今朝トイレに行った際、いつもの調子で立ったまましようとしたらあるべきものがなく、思わず叫びそうになっちまったよ…。仕方ねえから座ってしたけど、これからずっと座ってすんの?たかがこんなこと、と思うやつがいるかも知れないが、男の俺にとっちゃ重要なことで、そう考えると気が滅入る。
「……あんた、あたしの体で変なことしてないでしょーね?」
「し、しねーよ!」
俺、疑われてんの!?妹の体でなんて考えたくもないわっ!……もしバレたら、後が恐いしな。
「…あっそ。とりあえず、夜までに戻れるといいんだけど。」
「おう。夜とはいわず、今すぐにでも戻りてーけどな。」
「え?」
「……なんだ、今の、え?ってのは。その反応……おまえは違うの?」
「い、いやさー、せっかくだから一日くらいならこのままでいいかなー?、なんて。」
こいつ絶対、楽しんでやがるな!
「あ、そうだ!今日、2時間目に体育あるけど見学してよね。」
「それはいいけど、なんでだ?」
「……あんた、女子中学生の着替え覗くつもりなワケ?」
「ばっ、バカなこと言ってんじゃねーよ!?そんなわけねえだろ?それによ…そーいうことならさ、トイレとかで着替えればいいんじゃねーの?」
「い、妹の下着姿、じっくり堪能しようっての!?キモっ!さすが、変態のシスコンは考えることが違うわね。」
「変な解釈をするんじゃない!」
誰が堪能するってんだ!?誰が!
それに、今さら妹の下着姿見てもなんとも思わねえっつーの!………もう、裸見ちまってるわけだし。事故で一瞬とはいえ、俺の脳内ではすぐさまに保存された。だが、妙な誤解はやめてもらいたい!年頃の女の裸を初めて見た男子高校生ならあたりまえのことだからしょーがないだろ?べ、べつにそれ使ってなにかしようってわけでもなし、妹の裸なんて興味ねえっての!……本当、だからな?
「…ん?待てよ……おまえ、あやせと同じクラスだったよな?」
「そうだけど……それが?…はっ!このタイミングで聞くってことは……あ、あんた!あやせの着替え覗くつもり!?」
「ははは、妹よ。覗くだなんて、失礼なこと言うのはやめてもらおうか?今の俺は桐乃。つまり、着替えの際にたまたま見てしまう、なんてことはあるかもしれないがな。」
「へー……………他に、何か言い残しておきたいことは、あ・ん・の!?」
「ちょ、ちょっと待てって!冗談なんだって!だから、ね!?」
ほんの出来心なんですよ?しないから、そんなこと!だから、その握り締めてる拳、力抜いてくれませんか?!
「………見学させてください。」
「ったく、最初からそう言えっての!」
「おまえも、うっかり女子トイレに入ったりすんなよ?」
嫌だからな?元に戻って学校行ったら、女子に変態扱いされてるとか。
「はあ?そんなヘマ、このあたしがするとでも?あんたと一緒にすんなっての。」
「…ならいいけどよ。」
確かに学校や友達の前での素のこいつなら、特に心配することもないか。
………いや、待てよ。重大な案件を思い出した。
「おまえさ、わかってるとは思うが……麻奈美にもバレないよう接するんだぞ?あいつ、こーゆうのに敏感なやつだからな。」
「げっ!…そういえば、地味子もいるんだっけ。………ちっ。」
なんだか、すげー不安になってきたんですけど!?
こいつの麻奈美に対する態度は、過去思い出すと最悪の部類に入る。
「麻奈美に、変な態度取るんじゃねーそ?」
「言われなくても、わかってるって!………やればいいんでしょ!?やれば!」
「さっきまでの、強気なおまえはどこ行ったんだよ?」
「フン!」
やれやれ。どーせ、なるようにしかならんし、バレたらバレたで麻奈美なら大丈夫だろう。
「じゃ、まあ頑張れよ?」
「京介もね!」
それぞれお互いの学校への別れ道で、俺と桐乃は励ましの言葉を掛け合い、別れた。
かくして俺は桐乃として、桐乃は京介として、学校生活に挑もうとしていたのだった。


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