二次創作小説(紙ほか)

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【銀魂】 幸災楽禍 (※泥中ノ蓮) 【シリアス・ギャグ】
日時: 2013/09/05 00:07
名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: mGr/ToWj)

             
             「貴女は何も、悪くないですよ」

            ——貴方は何故そんなに優しいのですか。                               

                 ◆  ◆  ◆

※大人のじzy((( 作者の事情によりタイトル変更。ストーリー内容は変わってません。

べるりんです。知ってる方はこんにちは。多分まれだと思いますが(((
黒白世界やら光影の少女やら書いてましたがそっちのけですいません。どうしてもコレ書きたいです。

ギャグ+シリアスのストーリー。設定に重い部分があります。
嫌われて愛されて主人公。流血グロ表現有り。ご注意を。
キャラクター的には皆様登場する予定です。時々オリジナルストーリー入れたいです。


あいあむちょめちょm(((( どうぞ宜しくお願いします。
(※ちょめちょめに変な誤解をうまないで下さ((((殴)))どっかで書いた気がry)

                 ◆  ◆  ◆


               「 しあわせに、なれよ 」

     
◆初めて出逢ったかと思えば実は再会だったりする 篇 【出逢い、再会篇】
>>001/プロローグ (※暴力・流血・グロ注意)
>>002/第00訓 白髪ってきいたら普通は老人だと思うよね
>>003/第01訓 悪いことをしたらきちんと謝る、これ常識です
>>004/第02訓 空気が重くなったときはとりあえず笑い飛ばせ
>>006/第03訓 大切な女が危険な目に遭ってる時は男の見せ所だ
>>008/第04訓 ドSコンビは怒らせるな

Re: 【銀魂】 泥中ノ蓮 【プロローグ改訂*グロ注意】 ( No.2 )
日時: 2013/08/31 23:36
名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: lFtbIZgG)

              ——幽霊って、信じる方ですか??



          第00訓 白髪ってきいたら普通は老人だと思うよね


「銀さん、起きてますかー?? 銀さんってば、もう昼ですよ?? あとお客様来てますよ??」

「んだよ新八ィ……たまにはゆっくり寝かせろよ〜。気が利かねぇなぁ」

「いつもゆっくり寝てるだろうがァァァァ!!!! そんな事よりお客様です!! 早く起きてください!!」


 寝巻き姿の銀時はゆっくりと立ち上がり、のろのろと服を着替える。正直今、何もかもがどうでもいい気分だ。
 何故だろうかと考える。思い当たるのはただ一つ、先程まで見ていた夢のせいだろう。懐かしい感じのする夢だった。だけど何処か切ない気分にもなった。
 誰かが泣いていたのだ。小さな小さな子供。こちらに背を向けてしゃがみこみ、俯いていた。声を出そうにも出せなかった。


「ったく……なんだってんだ。あ、そうか、糖分が足りてねぇのか。そうかそうか、そうと決まれば」

「銀さんんんん!! お客様だって言ってるでしょーがァァァァッ!!」


 あ、忘れてた。銀時は急いで居間に向かった。
 そこにいたのはどこにでもいそうな奥様方三人衆だった。全員化粧が濃い女ばかりである。銀時はどっこらしょっとソファに腰掛けて奥様方を見た。


「お待たせしてすいませんねぇ〜。で、依頼の方はなんですか??」

「実はねぇ……少し行ったところに橋があるじゃなぁい??」

「その橋の下にねぇ……いるのよ」


 その奥様の言い方に、銀時は動きを止めた。


「い、いる……とは??」

「だから……そ、その、ね?? ゆ……幽霊ってヤツ??」


 ギャアァアアアアアアアアアッ!!
 と銀時は内心でおたけびを上げた。正直言ってそう言う依頼は却下である。幽霊とかは実際に見たことはないが、とにかく無理だ。
 が、銀時は必死に平静を装った。そんな銀時の気も知らずに、新八と神楽は興味津々だ。


「幽霊って……どんな特徴なんですか??」

「ちょ、新八くーんッ!?」

「銀ちゃん、冷や汗がすごいネ。どうしたアルか?? もしかして……」

「べべべべべべべ別にっ、怖いとかじゃねェよォ!?」


「いや、私たちも信じたくないんだけどねぇ……そんな噂がたってるのよ」

「だから万事屋さんに確かめてほしくって……」


 もちろん報酬はしっかり払います、と奥様方の一人が言った。
 それと同時に銀時はガタッと立ち上がる。先程までとはうってかわり、その表情はキラキラしている。


「ぃよぉーしっ、新八ィ、神楽ァッ!! ちょーさ開始だーいっ!!」

「何ですかそのテンションの変わりようは!?」

「と言うか、こんな真昼間っから幽霊なんて出るアルか??」

「基本的にその幽霊が見られるのは深夜ですね……。特徴は白い髪と水色の着物らしいです」

(白い髪って……老人の幽霊かよォォォ……! いや、落ち着け俺! まだ幽霊って決まったわけじゃねぇんだ!)


 ——そんなこんなで夜がやってきた。
 銀時、神楽、新八の三人は懐中電灯を片手に橋の近くまでやってきていた。あと少しで橋に到着する。


「……銀ちゃん、息が荒いネ。キモイアル」

「うっうるセエエエエエエッ!! アレだよ、なんつーか……アレなんだよ!!」

「何なんですか」


 冷静な新八のツッコミを軽く流し、銀時は深呼吸をする。流石に緊張してきた。 
 その時だった。銀時は自分の肩に何かが乗ってきたことに気がついた。恐る恐る自分の肩を見る。何もない何もないと暗示をかけながら見ると、



 ————人の手が、のっていた。


「ギィィィィィヤアアァアァアアアアァァアァァァァッ!!!!!」

「どぅぉぉわあああぁあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁっ!!!??」


 二人の絶叫が響いた。キーンと耳が痛くなり、新八と神楽は耳をふさいだ。
 一方銀時は放心状態である。そしてもう一人、真選組鬼の副長と恐れられる土方十四郎も。恐らく土方は銀時がいきなり叫んだことに驚いたのだろう。一緒に来ていた沖田総悟は銀時達に気がついたようだ。


「あれ、旦那じゃないですかィ。あとチャイナとメガネ」

「て、てめ、サド!! 何でこんなところに居るアルかァァァァァッ!!」

「お、落ち着いて、神楽ちゃん。こんばんは、沖田さん」

「どーも……。こんな深夜に、アンタら何してるんですかィ??」

「いえ、実は——」


 新八はこれまでの過程を沖田に説明する。
 我に返ってそれを聞いていた土方は、常日頃から開き気味の瞳孔をさらに開かせた。そして目の前で自分を睨みつけてきている銀時を見る。


「じゃあテメェらも幽霊を確認しに来たのかよ」

「何?? おたくも?? 警察はよっぽど暇なんですね〜??」

「るっせェ!! しょうがねぇだろ、住民から頼み込んできやがったんだ。ったく、こっちは忙しいってのに……」

「土方さん土方さん、土方さんの肩に白い手が……」

「○×■☆※&△♪◎◆ッ!?」

「嘘でさァ。と言うかそろそろ時間ですぜィ。行きやしょうか」

「てんめェェェ……総悟ォォォォ……」


 プクククッと笑っている銀時と沖田を睨む土方。
 後ろからそんな三人を見て溜息をつく神楽と新八。五人はのんびりと橋へと向かいながら、時間を確認した。


「そろそろだ……」

「何、多串君ビビってんの?? 瞳孔がいつもより開いてるけど??」

「るっせ……ェ……」


 土方が橋の方を見てフリーズしている。四人もそちらを見た。
 白い髪と水色の着物。そのような後ろ姿がボゥッと立っている。橋の下は浅い川となっており、川に入っているのか、それとも本当に幽霊なのか、足は見えない。
 完全にフリーズしている四人。が、一人は違った。


「そーご、いっきやーすっ」


 次の瞬間。深夜にも関わらず、ドカーンッという爆発音が辺りに響いた。
 着物姿の人物がいたところはいまや黒煙におおわれていて見えない。四人はまた別の意味でフリーズした。


「そォォォォごォォォォォ!? なァにやってくれてんのお前ェェェェェッ!?」

「何って、バズーカうちやした」

「知ってらァァァァァッ!! 本当に幽霊かまだわかんねェだろォがァァァッ!! 人間だったらどーすんのォォォッ!?」

「だーいじょうぶですって(多分)」

「ちょ、その()なに!? ()の中の言葉言ってみ総悟!?」
 

 黒煙がゆっくりと晴れていく。
 ギギギギギ、という効果音がつきそうな感じで五人はそちらを見た。幽霊ならたっているはずだ。てゆうか立っていてくれェェェェェ!!


「「「「「あ」」」」」


 爆発で川の中から川岸に飛ばされたのだろうか。


 ——ぐったりと川岸の地面に倒れている着物姿の人物が見えた。
 そしてちょっと見えるあの赤い液体はなに?? なんかかなりたまってるけど何アレ?? あ、トマト?? トマト持ってたんじゃね?? 



「……そォォォォォォごォォォォォォッッッ!!!!!!!!」

「ひでーや土方さん。普通うちやすかィ??」

「テメェだろがこのボケェェェッ!! 何してくれてんだアアアアア!!」

「ちょっと……本当にマズくないですか、あれ」


 ——新八の言葉を合図に、全員が橋の下に飛び降りた。
 

Re: 【銀魂】 泥中ノ蓮 【シリアス・ギャグ】 ( No.3 )
日時: 2013/09/01 23:30
名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: uFovKUbX)


             あれ?? 私、どうなったんだっけ??

 

        第01訓 悪いことをしたらきちんと謝る、これ常識です


 ——真選組屯所内にある一部屋の和室。朝、そこで女は目を覚ました。
 ひどく体が痛む。不思議に思い女が自分の体を見ると、包帯だらけだった。そっと頭に触れるとやはり包帯がまいてあった。何で自分はこんなことになっているのだろうか。
 その時部屋の襖が開いた。女がふっとそちらを見ると、銀時と沖田がいた。


「あ、目ェ覚めたみてーですねィ。良かったですねィ旦那ァ。バズーカもろに食らって奇跡的に生きてやすぜィ」 

「おー、良かったな。……ってちょっと待て沖田クン、何で俺がバズーカうったみたいな雰囲気出してんの??」

「え、だってそうじゃねぇですかィ。ほらほら旦那、きちんと謝んねぇとダメですぜィ」

「イヤイヤイヤイヤイヤイヤァァッ!? 何ナチュラルに人に罪をなすりつけてんだァァァァッ!!」


 ポカーンと言う言葉があう表情で女が二人を見ている。
 そんな視線に気づき咳払いをする銀時。ジーッと視線だけで沖田に訴え掛ける。沖田はひょうひょうとしながらそれを受け流していた。


「あの……ここは何処なんでしょう?? それに私、何があったのかいまいち覚えてなくて……」

「ったく……沖田君、説明よろしく」

「いやでさァ」

「じゃねーだろっ!! ちっとも自分のしたこと反省してねぇなァ!?」

「オレ、ナニカシヤシタッケ」

「読みにくいからァァァ!! そして何その片言!?」


 ブツブツ言いながらも銀時は女に説明する。
 女が幽霊だと思われていたこと。自分達はそれを確認しに行き、きちんと確認もせずに隣にいるサディスティック王子がバズーカをうったこと。それをもろに受け、大量出血していたこと。そして今は傷の手当を受け、この真選組屯所にいるということ。


「つまり……私はバズーカをくらったというわけですね」

「俺あんだけ丁寧に説明したのにそんな簡潔にまとめるぅぅぅ!? ま、まぁ、そう言うこった」

「実は真犯人は別室にいるんでさァ。今頃仕事しながらマヨネーズすすってらァ」

「ことごとく他人に罪をなすりつけてやがる。……で、なんだけど」

「?? 何ですかィ、旦那」

「ちょっとよ、このおねーさんと二人にしてくんね??」

「分かりやした。あとは二人で好きにヤってくだせェ」

「いや字の変換間違ってるからァァァァァァァッ!!!!!!」


 悲痛な銀時の叫び声も虚しく、沖田はニヤニヤ笑いながら出て行った。
 小さくため息を零す銀時。女はゆっくりと上半身だけを起こして銀時を見つめる。一切濁りのない赤い瞳だ。


「え、っと……は、はじめ……まして??」

「……何。オタクもしかして、俺のこと忘れてたりする??」

「あ、その……ごめんなさい」


 必死に思考を巡らせる。しかしこんな銀髪の二枚目さんは覚えにない。
 銀時は一瞬天から地に落ちたくらいの落胆に満ちた表情をみせた。わたわたと女が慌てているのが見えて、小さく微笑む。怪我をしているため、優しく優しくその頭を撫でてやる。


「ったく……名前つけてもらった人間のこと、普通忘れっか??」

「へ……?? あっ…も、もしかして……」


 女の瞳が見開かれる。思い出したか、と銀時は女を見つめた。


「もしかして……ヅラちゃん!?」

「なんでだァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!! 髪の色とかで分かれェェェェェェッ!!!!!」

「あ、じゃあ晋ちゃんッ!!」 

「あのヤローはこんな銀髪じゃねェだろがァァァァァァァァッ!!!!」

「えぇぇえっ!?」

「イヤそんな驚かれても逆に困るからァァァッ!!」



 泣いてもいいのか。コレは泣いてもいいのか。つか泣かせてくれ。
 完全にショックを受けた銀時はフラフラと立ち上がり、部屋を出ようとする。もう立ち直れる気がしない。



「——銀ちゃん」



 襖に手をかけようとした銀時の動きがピタリと止まった。
 ゆっくりと顔だけを後ろに向けると、大好きだった笑顔が自分を見ていた。否、「だった」ではない。大好きな笑顔がそこにあった。


「ったく、俺のこと分からないフリですかコノヤロー」

「いやゴメン、本当に分からなかったの」

「お先に失礼しまーす」

「ゴメンゴメンゴメンゴメンッ!! だってあの銀ちゃんがこんなに大きくなってるなんて思わなくって!!」

「何そのガキ扱い!? 泣いていい!? 銀さん泣いていい!?」


 とは言っても女には本当に悪気は無さそうだ。
 銀時はにっこりと微笑んでいる女の頬に手を当てる。真っ直ぐに真っ直ぐに視線がかちあった。


「……何であの日、勝手にいなくなった」

「……ごめん」

「いやそうじゃなくて。何で居なくなったんだよ??」

「……ごめん」

「だーかーらァァァァァ!!」

「……ごめん……ッ」


 視線を落とす目の前の女を見て、これ以上の追求はやめた方がいいと銀時は判断した。
 よほど嫌な思いをしたのだろうか。その肩は震えている。見ていて嫌になってきて、優しくその身を包み込んだ。


「もう……いなくなるんじゃねぇぞ」

「…わかんない」

「ハイと言えハイと。答えは『YESorはい』!!」

「どこの恋愛ゲーム??」


 あははっと女は笑う。元気になった様子を見て、そっと銀時は微笑んだ。

 その時いきなり部屋の襖が開いた。女を抱きしめたまま銀時はフリーズする。
 そこにいたのは神楽、新八、沖田に土方、そして近藤だった。無遠慮に襖を開けたのは冲田であり、ニヤァッと真っ黒に笑った。他はフリーズしている。


(こんの娥鬼ィィィィィ!! ぜってぇタイミングはかりやがったァァァァァッ!!)


「……銀ちゃん。怪我人襲うなんて男として最悪アルヨ!!」

「見損ないましたよ、銀さん……。沖田さんが『【ピー】してるかもねィ』って言ってて、まさかと思ってたのに……」

「【ピー】してなかったはいいケド……襲うなんてダメ人間アル!! 私そんな子に育てた覚えはないネ!!」

「ちょ、ちげェェェェェェェェェェッ!! お前からも弁解してくれ!!」


「チャイナちゃん、違いますよ。銀ちゃんは私が育てたんです!!」

「弁解するところがちげェェェェェェェェェェッ!!!!! つかまずテメーにも育てられてねェェェェェェェッ!!!!」


 銀時はバッと離れて必死に弁解している。
 ハァァァァ……と土方はため息をついた。全く話ができない。が、流されていてはダメなのだ。土方は女を見据えた。


「オイ、お前」

「なんでしょうか??」

「あんな深夜に、しかも川の中で連日何をしていやがった」


 威圧感のある土方の瞳。しかし全くそれに臆さず、女は微笑んだ。




「死のうとしていました」




 ——重たい沈黙がその部屋をつつんだ。 

Re: 【銀魂】 幸災楽禍 (※泥中ノ蓮) 【シリアス・ギャグ】 ( No.4 )
日時: 2013/09/02 23:21
名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: tzg9ExdF)

                   もう誰にも、傷ついてほしくないから。



           第02訓 空気が重くなったときはとりあえず笑い飛ばせ



 ————死のうとしていました。
 その返答に土方はうっと声を詰まらせた。他の五人も驚きで硬直している。一方そんな問題的発言をした女は、相も変わらずにニコニコと微笑んでいる。



「死のうとしてましたよ??































 ……おじいさんが」





「っておじいさんんんんんんんんんんん!?」



 新八がいつもの調子を取り戻したようだ。そうなんですよ〜、と女は笑い続ける。



「いやですね、ある日の深夜橋を降りて川の近くに行ったらおじいさんがいまして。何してるんですか〜って声をかけたら『わしゃ死ぬんじゃァァァァ!!』って言ってきまして」


「声真似ウマァァッ!? 『わしゃ死ぬんじゃァァァ!!』の声真似ウマァァッ!!」


「それで止めようと思いまして、説得に取りかかってみたんですけどなかなか納得してくれませんでした。だからおじいさんが納得するか私が説得に成功するかで勝負ってたんです」


「イヤそんなことで勝負すんなァァァァァァ!!」


「それで説得すること数日、見事成功しました。おじいさんも死ぬことを諦めて帰ってくれたんです。さァ私も宿に帰ろうってなった時に……私、気づいたんです」


「な、何にですか??」



 もう銀時なんかは話を聞いていない。鼻をホジホジしている。
 他はまだ真剣に聞いている。土方なんかは明後日の方向を向いているが。



「…あ、お【ピー】したいなァって」

「おいィィィィィィィィィッッ!! 可愛い顔して何言ってるんですか!? そんな銀さんが常に使うような言葉を使っちゃダメですよ!?」

「オイぱっつぁんどう言う意味だァァァァァ!!」

「それで川の中に入ってたらバズーカドーンです。イタタタタタタ」



 もうツッコみに疲れた新八はげっそりしている。なんだこの人、ツッコミどころありすぎでしょう。
 まったくあのシリアスの雰囲気は何だったんだ。すっごく重い雰囲気になってたのに銀さんなんか鼻ほじってるよ、土方さんなんかマヨネーズすすってるよ。コレどうしようどうすればいい!?


 新八はげんなりとしながら真剣に話を聞いていた三人の方を見た。どうせ銀さんたちと同じような感じだろ——



「そうかァァァァァァ!! 辛かったなァ、おねーさん!! お【ピー】しようとしたらバズーカだなんて……」

「ひでェ話でィ……。あ、犯人はあそこでマヨネーズすすってるやつですぜィ。通称マヨ菌」

「辛かったヨネ、おねーさん!! 大丈夫、あとで私がトイレ貸してあげルネ!! 任せておくヨロシ!!」


「って何でアンタら泣いてんだァァッ!! どこに泣ける部分があった!? どこに共感できる部分があったァァァ!?」
 

「何言ってるんだ、新八君! お【ピー】を耐え続けるなんて地獄同然の苦しみなんだぞ!!」

「それはアンタだけだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


 何故か号泣している神楽・沖田・近藤。何だこいつらはと新八は心の底から思った。
 ちょっと涙拭いてきまァァァァァすと近藤が出ていき、それに神楽と沖田も続いた。一気に静まり返る室内。女は相変わらずにっこにっこと微笑んでいる。


「……で??」

「へ?? なんでしょうか??」

「とぼけんな。——本当の理由はなんだ??」

「…………」


 土方がマヨネーズを吸い終え、煙草を吸いながら尋ねた。
 女の赤い瞳は一切揺るいでいない。口元だけがにっこりと笑っている。アルカイックスマイルというやつだろうか。


「やっぱりバレてましたか。ふふ、あの人達は純粋なのに」

「ってそれどう言う意味だー。俺らは純粋じゃないってかァァァ??」

「鼻ほじる人とマヨすすってる人に純粋な人がいるんですか??」
 
「「いやただ純粋にやりてェことをだな」」

「アンタら何でそんなとこだけ息ピッタリなんですか!?」


「……はっきり言わせてもらいます。——私に関わらないでください」

「ッ!!」


 新八は思わず息を呑んだ。女の表情が先程までとはうって変わっていたからだ。
 にこにこと笑みを浮かべていた顔から一変し、真剣な顔をしている。まっすぐに自分たちを見つめてくる大きな瞳。——呼吸をすることさえも忘れる程に強い、その視線。


「おい、何言って……」

「銀ちゃん。貴方ももう……私に関わらないでほしいの」

「ッオイ!!」

「だからあえて分からなかったフリもしたのに……。ね、お願い。もう私のこと……忘れて」


 そう言ってゆっくりと立ち上がる女。体が痛むのか、苦痛に顔を歪める。
 銀時がパシッとその手首を掴む。しかしそれさえも振り払い、女は部屋を出て行った。止めるもの——止められる者はいなかった。


(あんな辛そうなかおで言われると……口出しできないよ……)


 しばらく同じ体勢で固まっていた三人。
 その時銀時が立ち上がった。畳の上に置いていた木刀を腰にさして部屋を出る。新八も慌ててそれに続いた——が、いきなり銀時がとまった。


「銀さ……」

「——ここら辺で最近、妙な連中がウロウロしてやしてねィ」


 突如聞こえた声にぎょっとする新八。ひょいっと銀時の肩ごしに前を見ると、沖田が腕組みをしながら壁にもたれかかっていた。
 泣いてどこかに行ったはずじゃなかったのか。否、それはない。恐らく全ては演技だろう。このサディスト王子があんなキャラの訳がなかったのである。


「で……それにアイツが関係してる、っていいてぇのか」

「そう怒りやさんな、旦那ァ。まぁ、関係してるっていっても……“ソイツらに追われている”って言われた方が正しいかと思いやすがね」

「!! テンメェ……知っててアイツを外に行かせたのか?? 止めれただろーが!?」

「銀さん!」


 銀時が沖田の胸ぐらを掴むのを止める新八。銀時のあまりの威圧感に思わず背筋に何かが走った。 
 ——それほどまでに大きな存在なのだろう。坂田銀時にとってあの女とは、こうしてまでも気にかけるべき存在なのだ。


「ソイツぁ人聞きがわりーや、旦那。俺だって一応とめやしたぜィ。でもまァ気にもとめてもらえなかったんでさァ」

「とめる気がなかった、の間違いじゃねェのかよ」

「考えすぎですぜィ。とりあえず……俺ァ橋の下に行ってみまさァ。旦那とメガネは追ってやってくだせェ」

「分かりました。でも……どうして橋の下に??」


 新八が尋ねると総悟は肩に鞘ごと刀を担ぎ、小さく微笑んだ。



「バズーカぶっぱなしちまったけど、まだ何か残ってるかもしれねェだろィ。あの女が何してたかの手がかり」

「沖田さん……」

「旦那の女に大量出血させちまったんだ。ま、一応協力はさせてもらいやす」

「……ったく」


 銀時は頭を掻くと、走って屯所を出て行った。新八もそれに続く。
 沖田はそれを見届けてから一度目を閉じ、視線だけを和室の方に向ける。


「さて……土方さん、行きやしょうか」

「……何で俺が」

「素直じゃねぇなァ。……土方さんも気になってるんじゃねェですかィ??」

「…………」




「あまりにも、あの人と似ている。いや……似すぎている」



 ————まさにあの人でィ。
 どこか切なげな声でそう言った沖田に、土方は舌打ちをしてから立ち上がった。


 ◆ ◆ ◆


早く原作に入りてェと思う今日この頃(´・ω・`)
駄文ごめんなさい^p^グホッ

Re: 【銀魂】 幸災楽禍 (※泥中ノ蓮) 【シリアス・ギャグ】 ( No.5 )
日時: 2013/09/03 22:41
名前: きなこ. ◆RfyqxjRpsY (ID: 4gmoED8F)

べるりん〜、こんばんちゃ!(=・ω・)ノ

私も久々に小説書く事にしたよー。

暇だったら来てね!

…てゆか、誰か分かります?((((

詐 欺 じ ゃ な い よ !?(゜∀゜)

Re: 【銀魂】 幸災楽禍 (※泥中ノ蓮) 【シリアス・ギャグ】 ( No.6 )
日時: 2013/09/04 01:13
名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: 4gmoED8F)


                    だから、会いたくなかったの。

     
            第03訓 大切な女が危険な目に遭ってる時は男の見せ所だ


『お前はただの見せ物だ』


 残酷に、残忍に、冷酷に、男は私に向かって言い放った。


『白い髪に赤い眼。間違いねぇよ、こいつ……』


 ——朝霧村の生き残りである忌み子の片割れだ。
 なんて醜い奴なんだろう。そして何でそれを知っているのだろう。初めて会った時はそう思った。 
 でもある意味普通かもしれなかった。朝霧村は有名ではなかったものの市場は盛んであった。近隣の村からも人が来ていたようなものだ。それなりに知っている人がいてもおかしくはないのだ。


 ただの見せ物となっていた私。
 でもある日、救世主が現れた。そこで働いている中年の男性で、温厚で優しい人だった。


『僕が必ず、君を助け出すよ』


 その言葉を信じた。そして男性は本当に私を連れ出してくれた。
 一緒に逃げることをもしてくれて、私達はあちこちを駆け巡った。その途中に兄の行方も探したけど、見つからなかった。会いたいよと、何度も何度も思っているのに。


 そして、ある日江戸にやってきた。治安も悪くはない。
 いつものように宿を二人でとり、しばらく江戸に滞在することにした。この男の人とならどこまでも逃げられる気がした。


 見せ物なんてもううんざり。暴力もふられるし、ご飯もまともに与えてもらえない。
 ————結局私はどこまでいっても『忌み子』なのだ。暴力をふられ蔑まれ、挙げ句の果てに……大切な人を失う。 


『何しんみりした表情をしてるんだい』


 この人だけは失いたくないと思った。温厚で優しい、この人だけは。
 どうして私を助けてくれるの、と聞いたことがある。そう聞くとこの人はおかしそうに笑って、人間だからさと答えた。嬉しかった。救われた気がした。『忌み子』と言われ続け、『人間』として扱われてはいなかったから。
 

 あぁ、こんな人、前にもいたな。
 その時は確か他にも私と同じくらいの子供がいて。たくさんの、たくさんの温もりに触れられたな。名前ももらえて本当に幸せだったな。また泣きそうになる。


『そんな表情はダメだよ。よし……ちょっと風に当たりに、外に行こうか』
『え……でも、もう深夜ですよ?? 大丈夫なんですか??』
『大丈夫大丈夫。江戸の方々は皆早寝さ。それに……今夜は月が綺麗だからね』


 そんな言葉にのせられ、私とその人は外に出た。
 本当に月が綺麗な夜だった。川面に映る月も空に浮かぶ月も、両方輝いていた。ほんのちょっぴり、さみしさが紛れた気がした。


『気分は楽になったかい??』
『っ…はい! ありがとうございますっ!』
『うんうん、女の子は笑顔が一番だね。よし、じゃあ帰ろう——…!!!!!』


 その人の目が、私の後ろを見て見開かれて。
 ゆっくりと後ろを見る。本当に、ゆっくりと。世界がスローモーションになったかのようにゆっくりと、後ろを見た。


『よォ、お二人さん。……久しぶりだなァ??』


 そこにいたのは、銃をかまえたあの男で。銃口は真っ直ぐ、私に向いていた。
 あまりにいきなりのことに体が動かない。足が、動かない。男の指が引き金にかかる。ぐっと力がこめられたのが分かった。

 次の瞬間、パァンッという音が鳴り響いた。
 私の体が貫かれる。その銃弾は私の心臓を真っ直ぐに貫いていた。




 ————はずだった。そう、そのはずだったの。



『ぐっ……うあ……ッ』


 苦しげに呻き声を上げて倒れ込んだのは、大切なその人。
 私を庇って左胸——つまりは心臓を撃ち抜かれている。驚きで声が出なかった。かわりに、涙があふれた。


『げ、ろ……ッ!! 逃、げろ……ォッ!!』
『ッヤ……ヤダ……ヤダァァァァァッ!! 死な、ないで!! イヤ、イヤァァァッ!!』
『うるさい女だ……。ただの見せ物が自由なんぞを求めるからだ。オイ』
『ヘイ』


 男の部下が二人銃をかまえて、私に近づいてくる。
 腰がぬけてしまったかのように、動けなかった。しゃがみこんだまま後退する。戻りたくない戻りたくない、戻りたくないよ。
 その時、血まみれのその人が部下二人の足を掴んだ。


『早く…ッ……逃げろォ……ッ!!』
『……かしら、この裏切り者、どうしましょう』


 部下の一人が頭と呼ばれた男に言う。男は、冷徹に、無機質な声で、


『やれ』


 と言った。その瞬間銃声が重なって響く。
 目を、見開く。ぐったりと動かないその人。血まみれの、その人。まるで一度見た、兄のように、真っ赤で。
 
 また守られた。また、また、また、また————



『ッあああああああああああああああああああああ!!!!!!!』




























 ——ふと我に返った時には、もう遅かった。
 変わらずそこにある大切な人の遺体。それと、恐らく部下二人と思われる遺体、なんて生易しいものじゃない。部下二人の、ただの肉塊。
 誰がやったの?? 何でこうなってるの?? どうして?? ねぇどうして??


『バ……ッ、化け物!! 化け物ォォォォォォォ!!!!』


 男は一人、走り去っていった。
 血を浴びた私の体。真っ赤な私の手。白いはずの髪は、赤に染まっていた。

 あぁ、そっか。これ、紛れもなく、私が————…。



 その日の、その後の事はよく覚えていない。ただ橋の下の川岸に、まず遺体を持っていった。
 すぐに夜が明けてしまって、その後は隠れるように宿に帰ってこもっていた。そしてその日の深夜にまた川岸に行って、今度は遺体をきっちりと埋葬した。二人分の肉塊は、ただただ川に流した。大切な人の近くに埋葬なんてしたくなかったから。
 

 そしてその日から私はあの男とその部下達に追われるようになった。
 目的は殺すためだろう。あんなことをした化け物を自分の傍には置いておきたくなくなったのだろう。薄情な奴。でもそのほうがいいけれど。


 毎日毎日逃げて逃げて逃げて、そして毎日毎日深夜にはあの人を埋葬した場所に行った。
 そして何度も何度も謝って、何度も何度も涙した。


 次の日には同じことの繰り返し。でも、その日決めた。もう決着をつけようって。もう誰も巻き込まなくていいように、私が死んですべてを終わらせようって。



 そんな中だった。幽霊だなんだと噂になり、いきなり何か砲撃のようなものをうけた。目が覚めるとそこには、銀ちゃんがいて。


 会いたかった。でも、会いたくなかった人。
 絶対に忘れるはずがない、大好きな人。でもやっぱり、会いたくなかったな。



 ——だって。










「ハァッハァッハァッ……」
「——銀、ちゃん……。ど、して…追いかけて、きたの……??」
「あァ!? んなもん……決まってんだろ……」





 その言葉はいつも、私を揺るがすから。






「オメーのことが、大切だからだよ」







 この掴まれた腕から伝わる温度さえも、私の決意を揺さぶってくるの。


 ◆ ◆ ◆


きなこ.


こんばんちゃ!じゃねぇでしょうがテメこんにゃろぅ!(((
誰かはわかりますよ??アレでしょ、隣の隣の席の@@@さんでしょ??
何きなこなんて愛らしい名前つけてやがるんだァァァァァ!!
こちとらべるりんだぞ!!ドイツだぞ!!もっと名をひねれ名をォォ!!


とまぁ何故かツッコミに回ってみた。(((
来てくれてありがとー! なんていうかもうマジのマジで嬉しいよ。
いや嘘だと思うかもしれないけどマジだからね??
参照数は増えて行って嬉しいんだけどコメ来ないから自信なくt(((((


きなこも小説ファイトォォォォォォォ!!
私も頑張るからお前も頑張るんだぞおおおおおお(((


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