二次創作小説(紙ほか)

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散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂) 
日時: 2014/03/31 20:32
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Ma3wYmlW)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11785440545.html

友人
「現実の沖田総司って結核だよね?」


「そうだね〜」

友人
「銀魂の沖田総悟は結核じゃないよね?」


「そうだね〜。ミツバさんが受け持ってくれちゃってるからね〜」

友人
「沖田の結核ストーリー見てみたいんやけど」


「そうだね〜。………………、………ん?」


————————————————————————————————



 つまりは書けと。つまりは書けということらしいですよ、えぇ。

 
 死ネタかどうかは一切不明の沖田総悟結核物語。
 ただただベースはシリアス。しかしギャグよ、我がもとに来い((
 

 友人が最近さらに沖田にはまっちゃってるそうです。
 そして沖神とかそこらへんっぽい要素が微妙にあります。けど基本ないです(どっち?
 



 大丈夫よ、というお方のみよろしくなのです(´∀`) 

 

 ※零=プロローグです( ´∀`)


 

 —


 零/>>01 
 壱/>>04>>05
 弐/>>07

Re: 散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂)  ( No.1 )
日時: 2014/03/09 00:07
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 5D.A9gym)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11791153623.html

 

 零




 
 真選組一番隊隊長を背負うという事は、常に生死の境に立っているようなものだ。戦場(いくさば)では戦いの火蓋をきることも少なくなければ、最前線にて命のやりとりを行うことは当たり前の事。寧ろ俺はそんな状態を一度も苦に感じた事はなく、どちらかと言うと、また一つ命を狙われる立場へと化す副長の座につきたいくらいだ。
 それはただ、近藤さんに一番近い場所にいられるから。そして彼を俺の手で護りたいからということが最も大きな理由だ。俺の命を落としてでも護り抜き、俺の命を落としてでも生かし続けたい存在。第一、俺が真選組にいるのは近藤さんが真選組にいるからであって、決して幕府を護りたいとか、市民の安全を第一に考えてだとか、そういうものではない。だからこそ近藤さんを失った時を考えるのが正直言って恐い。まぁ、そんなことにさせるつもりは微塵もないのだが。



「おい、総悟。この間の攘夷浪士討伐の任務の報告書、まだ出てねぇぞ。いつまで待たせるつもりだ、とっとと出しやがれ」



 本日も絶好調にウザってぇ土方さんにとりあえず一発バズーカをお見舞いしておいてから、俺は局長室へと向かった。
 穏やかな春の陽光。屯所の庭の木には桃色の蕾がつきはじめているようだ。もう少ししたらあれが開くのだろう。暖かな今日(こんにち)の気候につられてか、特に仕事のない隊士達は庭で談笑をしている。山崎はいつもより激しくミントンを振っているようだ。あ、土方に追っかけられてる。



「近藤さん」
「お、総悟」



 縁側で胡座をかいて隊士達を見つめていた近藤さんの瞳が、俺へと向けられた。俺とは違う優しい瞳だ。隣に静かに腰掛けると、優しい笑みがその口元に浮かんだ。この笑顔を見るだけで心がぽわ〜んと温まる俺は、幸せ者なのだろうか。



「今日はいい天気だなぁ、総悟。ほら、庭の木を見てみろ。暖かい日が続いているから、もう蕾が出来始めているぞ。アレが咲く頃にはいつものお花見スポットも満開だろうなァ。今年も恒例のお花見に行こうな。あ、もしかしたらまたお妙さんに出会えるかも!」



 グフフフッと嬉しそうに笑っている近藤さんを見ていると、俺も笑いがこみ上げてきた。そんなちっぽけなことで笑えるなんざ、本当にこの人は幸せもんだ。そしてそんな近藤さんを見て笑える俺も、やはり幸せ者なのだろう。



「去年は旦那達に出会って、ひでぇ目にあいやしたからねェ。叩いてかぶってジャンケンポンをしやしたっけ」
「そうだったなァ。で、確か俺はジャンケンで負けて即座にそれを判断してヘルメットをかぶり見事にセーフになり、その素早い行動力にお妙さんが俺に惚れ……」
「幸せな夢ですねィ」



 実際はセーフになったにも関わらず、頭を物凄い力で殴られて失神していたと思う。いや、でも姉御は正直恐ろしいや。絶対に調教できない気がする。第一、調教しようとした瞬間に近藤さんに止められるだろう。



「今年も行こうな、お花見」



 想像するだけでワクワクするのだろうか。白い歯を見せて豪快に笑いながら、近藤さんが明るい声で言ってくれた。勿論だ。それを言おうと思って来たのだが、先を越されてしまった。まぁ、いい。またみんなで馬鹿やって、酒飲んで、叩いてかぶってジャンケンポンでもすればいい。そうだ、今年は俺が初めから姉御や旦那に声をかけておこうか。



「そうですね、行きやしょうぜ」



 土方に首を絞められている山崎や、談笑をしている原田さんや、日向ぼっこをしている永倉さんや、桜の蕾を見ている藤堂さんや、刀の手入れをしている神山や。皆を誘って行こう。きっとまた、楽しい花見になるだろう。きっとまた、近藤さんは豪快に笑ってくれるだろう。それでいい。というより、それがいい。って、あ。土方を入れるの忘れてた。



「楽しみだなぁ」



 素直な人だ。あぁ、本当に俺はこの人を護りたい。死ぬ時はこの人を護って死ねれば、きっとそれは本望だ。



「、ケホッ」



 風邪かな。ほんの少し、体調が優れないようだ。



Re: 散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂)  ( No.2 )
日時: 2014/03/09 20:32
名前: 茜 (ID: BdPlSccL)  

あんた神!(笑

頑張って!!

Re: 散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂)  ( No.3 )
日時: 2014/03/11 20:57
名前: 己傘下 (ID: wnkXBzTQ)

花火さん!

お久しぶりデース。

近藤さんはいつまでたっても自己過剰意識ですねw

Re: 散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂)  ( No.4 )
日時: 2014/03/15 12:30
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: fLcGHkVA)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11795352504.html

 

 
 壱






「神楽ァァァ! 俺の栗きんとんを返せェェェェェ!」



 最高の花見だ、と思う。やはり万事屋の旦那達を誘って正解だった。
 今日(こんにち)の気候も非常に良いものだ。暑くもなければ寒くもない、気を抜けばうつらうつらしてしまいそうな、そんな暖かな日。周辺からはピーチクパーチクと小鳥のさえずりが聞こえてくる。おまけに蝶々なんてものも飛んでいる。
 そんな中でむさい男集団ばかりというのもまぁいまいちだが、ここには大きな大きな桜の木がある。俺達を見下ろすそれは、桃色の花びらをたくさん散らしてくれる。その花びらを見ながら酒を飲む、なんて最高なんだろうか。未成年とか気にすんな。



「仕様がないアル、食ったもん勝ちネ」
「俺の栗きんとんンンンンン!」
「うるせーんだよ万事屋ァァ! 栗きんとんごときでごちゃごちゃ抜かしてんじゃねーよ!」
「あんだとテメェ多串ィィィ!」
「誰が多串だコルァァァァッ!」



 土方さんも旦那も、既に酒に酔いまくっている。頬は紅潮しきり、呂律もいまいち回っていない。あれで鬼の副長なのだろうか、あれで万事屋銀ちゃんのオーナーなのだろうか。なんとも情けないものだ。そのうち俺が副長の座ァかっさらってやる。しかしまぁ、それよりも情けないのは。



「お妙さーん! 今日こそ俺の愛を受け取ってくださーいィィィ!」
「お前の愛を受け取るくらいならミジンコからの愛を受け取ってやらァァァァ!」



 今日も今日とて玉砕か、我等が局長。姉御も姉御でそろそろ素直になってくれりゃぁいいってのに。嫌よ嫌よも何とやら、か。
 相変わらずチャイナ娘は謎の巨大犬と共にフライドチキン食いまくってるし、眼鏡はザキと一緒に語ってるし、その他の原田さんや永倉さんや藤堂さんや斎藤さんといったメンツも飲みまくって正直死ぬんじゃねーかと思う。アレ酔ってるを超えている気がする。よし、土方にももっと飲ませて昏睡状態にでもしてやろう。



「ひーじかーたさーん。酒、持ってきやしたぜ」
「うぉお〜。気ぃがきくじゃねぇかァ〜」
「そーいちろ〜くーん、もぉ〜っと酒もってこ〜い」
「総悟です。へい、鬼嫁」



 そしてそのまま朽ち果てろ、土方。
 なんて穏やかなんだろうか。出てきたあくびを噛み殺すことなく大きな口をあけてひと伸びし、敷かれているシートの隅の方でゴロリと横になった。鼻先に黄色い蝶がとまり、楽しい時間のせいか、それが随分と可愛らしく見える。
 

 ——いつの日かも、こんな風に花見をしたっけか。


 うとうとしながらそんな風に思っていると、ぱたぱたと愛らしく蝶が飛んでいった。それを見届けると同時に、俺の意識は眠りの世界へと誘い込まれた。
 



 

 ***



 茜


神じゃない神じゃない! …頑張るぜ!




 己傘下様


お久しぶりです! お元気そうで何よりです!
そうですね〜近藤さんは相変わらずです(笑)

Re: 散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂)  ( No.5 )
日時: 2014/03/21 00:55
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: SiB1Ygca)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11795352504.html










『そーちゃん。ほら、梅干しのおにぎりも作ってあるの。食べるでしょう?』



 母上と父上が亡くなり、取り残された俺と姉上。幼い俺を、姉上はそのか弱い身体からだで必死に護ってくれた。とても甘やかされたと思うし、俺自身も甘えていた。だから結局は、俺は何も気づくことができなかったのかもしれない。そんなんだから、俺は姉上の幸せを奪うだけ奪って、あんな終わりを迎えてしまったんだ。今思うだけで苦しくなる。



『よかったら、皆さんもおにぎりを食べてください。他にもウインナーとか、肉巻きとか、ちょっとしたお野菜とかあるので。あとお茶も持ってきてるので、どうぞ』
『ミツバ殿、ありがとォォォォォォォ!』



 あぁ、これは夢か。とても幸せだった頃の、夢だ。
 真選組結成前に武州にいた頃、姉上とみんなで一緒に行ったお花見。姉上がつくった料理が桜の下にたくさん並んでいて、心の底から感動したのを覚えている。確か、土方にだけは負けないように思いっきり食った。



『土方てめぇ! 姉上のりょーりは俺のもんだ!』
『知るかよ。クソガキが食い意地はってんじゃねェ』
『てめーに食わせるりょーりはねェ! お前のもんは俺のもんだ! ちなみに俺のもんは俺のもん!』
『何なんだよこのちっせェジャイアン』



 あの頃の俺は馬鹿だった。だがしかし土方に馬鹿にされるのだけは許すことができない。
 夢の中の幼い俺がふと姉上の方を見れば、彼女は視線に気づいてこちらを見ると、ふんわりと花が綻ぶかのような、優しい笑みを見せてくれた。幼い俺はその笑顔が本当に好きで好きで、えへへと言わんばかりにつられて笑ったものだ。ちなみに今もあの笑顔が大好きだ。



『お米がついてるわよ、そーちゃん』



 ふふっと微笑み、白く細長い綺麗な指で、俺の口の端についていた米をとってくれた姉上。夢の中の姉上も綺麗で、俺の心臓はギュッと誰かに掴まれているかのように痛くなった。そう、これは夢なんだ。この綺麗で優しい笑顔を、もう現実では見ることができない。そう思うと苦しくて悲しくて、そして罪悪感と嫌悪感に満ちてしまう。呼吸困難になりそうだ。



『あね、うえ』



 苦しい。息ができない。苦しい。なんだこれ、ホントに苦しい。








 死ぬ————————————————————

















「ん、……うべほッ!」
「うわ、死んでなかったアル」



 三途の川が見えましたけど何か。
 息が苦しかった原因はこれか。これというのも、言わずもがな、クソチャイナだ。ホントにジャンプ漫画のヒロインかと疑いたくなるほどの悪顔とニヤつきで、眠っている俺の鼻と口をおさえていたようだ。そりゃぁ息もできないといったもんだ。



「てめぇ、何しやがんでィ。死んだ駄菓子屋のばーちゃんが見えただろーが」
「そのままついていけばよかったアル。くたばれサド、消えろサド」
「その言葉そのまんまバットで打ち返してやらァ。お前が死んだら死んでやるよ、だから死ねチャイナ」



 会話しつつも辺りを見回せば、平隊士は片付けに入っている。どうやらかなりの時間眠っていたらしい。
 しかしまぁ、眠っている輩もいる。万事屋の旦那と土方さんはまた飲み比べでもしていたのだろうか、シートのど真ん中で二人仲良く大の字で豪快に眠っている。近藤さんも談笑している姉御から数メートル離れたところで眠っている、というよりかは殴られて失神している。



「オイ、サド」
「なんでェ」
「熱があんなら花見なんて来るなヨ。私に伝染ったらどうしてくれるアルか」
「熱……?」



 そんなものあるはずがない。朝から体はピンピンしている。とか思いつつ額に手を当てれば、なるほど、結構熱い。三十八度手前といったところか。平熱はそこそこ高いから、微熱である。この間の咳も、やはりこの風邪の予兆だったのかもしれない。



「お前の鼻つまんでたらかなり熱かったアル。帰れ馬鹿」 
「俺の風邪菌はな、伝染ると金持ちになれるっつージンクスがあるんでィ。だから伝染うつしてやらァ」
「お前からの菌というだけでもおぞましいアル。てか何だヨそのジンクス」
「流石はニートだ。俺の風邪菌のジンクスも聞いたことが……」



 そこから先は一旦とまってしまった。それも咳が出たからだ。この間よりも少しキツいか。しかしようはただの風邪だ、気にする必要はない。片手を口元にあてて、菌がなるべくとばぬように下をむいてそれをなんとかやり過ごした。



「っはぁ……。まじで、帰る。おめーのせいで体ダリーや」
「なんで私のせいアルかクソサド」
「じゃーな」



 チャイナの細足に一発軽く蹴りをいれ、平隊士に先に戻ると伝えて帰路についた。
 夕日は既に傾き始めている。昼間は暖かいが、やはり日が暮れてくると少々肌寒い。それともこの体調のせいなのか。



「、ゴホ…ッ」



 なんだろう。
 夢のせいか、さっきから姉上の顔が頭から離れねェんだ。








 


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