二次創作小説(紙ほか)

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FAIRYTAIL「毒花の住処」
日時: 2015/04/14 20:02
名前: 紫苑有栖 (ID: oUY4LzoD)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=12073

初めましての方ははじめまして。
こんばんはの方はおはようございます。

紫苑有栖シオンアリスといいます。
まだ同じく書いている「悪霊憑き」という小説が書き終わっていないのもあり、
更新は亀並の速度になるかと思います。さらに不定期です。
前作と同じく“原作沿い”となっております。
しかしながらに視点は作者(三人称)視点のみで展開していきます。
前々作は(フェアリーテイルじゃないのですが)作者視点でしたので、
書き方を戻そうと思ったのがきっかけです←

それでも読んでやるよ、という方はこれからよろしくお願い致します。
「悪霊憑き」は上記URLから飛べると思いますのでぜひ。

今回は、オリキャラ×グレイという恋愛系も含まれますゆえ苦手な方はお控えください。
ジュビア→グレイも多分、あります。

「毒花の住処プラントテーナメント>>5-
主人公紹介>>1
第1話「男装のきっかけ」>>5 >>9
第2話「悪魔の島ガルナ」>>10-11
第3話「月から零れる雫」>>15-17
第4話「氷から流れた涙」>>18-20
第5話「元蛇姫の鱗所属」>>22-23
第6話「星霊と操り人形」>>24-25
第7話「師の教えと言葉」>>26-28
第8話「死へと逃げた道」>>29-30
第9話「“災厄の悪魔”」>>31-32
第10話「師匠が残した物」>>33-34
第11話「壊されしギルド」>>35-36
第12話「痛めつけられる」>>37
第13話「ハートフィリア」>>38 >>41
第14話「隠し事と秘密事」>>42-43
第15話「空のエレメント」>>44-46
第16話「守る意思の強さ」>>47 >>50
第17話「絶対に言えない」>>51 >>54
第18話「星霊魔道士と鍵」>>57-58
第19話「売られてしまう」>>59
第20話「かつての仲間達」>>62-63
第21話「ずっと信じてた」>>66-67
第22話「睡蓮のマスター」>>69-70
第23話「鎧戦士との過去」>>73-74
第24話「鎧女魔道士の戦」>>75-76
第25話「築き上げたもの」>>77-78
第26話「世界への旅立ち」>>79-80
第27話「逃げられるかな」>>81
第28話「包むは不穏な雷」>>82-83
第29話「突然現る参加者」>>84-85
第30話「静かなる怒りを」>>86-87
第31話「信頼と仲間の身」>>88-89
第32話「君へ伝えた言葉」>>91 >>94
第33話「見つかったんだ」>>96
第34話「バラム同盟VS」>>97-98
第35話「命の時も止める」>>99-101
第36話「闇と光逆転魔法」>>102-103
第37話「氷の造形魔導士」>>104-105
第38話「遠い過去の記憶」>>111-112
第39話「重ねた絆と恐怖」>>113-115
第40話「幸せな予知夢を」>>116 >>119
第41話「強くなれたんだ」>>120
第42話「別世界エドラス」>>121-122
第43話「エドラスの仲間」>>123-124
第44話「嵌められた罠?」>>125-126


番外編
>>21 Trick yet Treat
「お菓子いらないから悪戯させろよ?」

おまけ
*セイシル・リンメリー
>>68
*メイデル・アメイリス
>>90
*「毒花の住処」テーマ(op)曲
>>95
*テーマ(op)曲:イメージイラスト
>>108

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.15 )
日時: 2014/10/18 19:33
名前: 紫苑有栖 (ID: y.72PaHC)
プロフ: つきからこぼれるしずく

第3話「月から零れる雫」

「見れば見るほど不気味な月だね」

ハッピーは窓から月を見上げていた。
ルーシィは月の光を浴びすぎるとあたし達まで悪魔になってしまうのよ、
と窓を閉めさせる。

ナツと服を脱いだグレイはさすがに月を壊せってのもなぁ、と悩む。

「そういえばリンは?」

ルーシィがリンがいない事に気付き問いかけた。
グレイが言うには何か村長に聞きたいことがある、と言って出て行ったらしい。


「グレイにだけ行き先を言うなんてねー…
ホント、ナツと違ってリンとは仲良いわね」

「当たり前だろ?幼馴染みみたいなもんだからな」

「へー、そうなんだぁ」

と、ルーシィは納得する。
その時ちょうどリンが帰って来た。


「おかえり、リン!何を聞きに言ってたの?」

今までに心を奪われた人数と何年前からそんな姿になってしまったか。
リンはそう答える。

「さすがに月を壊せってのはちょっとな…無理があるし」

取り敢えず情報を集めよう、と聞き出していたのだ。
今までに心を奪われたのは船乗りのボボのみ。
姿が変わってしまったのは3年前から。


「まだ情報は全然足りなそうね…」

「よし!だったら明日は島を探検だ!!」

今日は寝るぞ、とハッピーとナツが布団の中へ潜り込む。
グレイやリンも同じく寝るようだ。

部屋にはイビキが響く。グレイに至っては全裸。
リンとフェーリは隅っこの方で静かに眠っていた。


ただ1人、ルーシィは寝付けないみたいだが…。


翌朝。
太陽がまだ登ったばかりという時間にナツ達は起こされていた。
早い、と文句を言う2人。
グレイは服を着なおしている。

門番へ月を壊す前に島を調査したい、と門を開けて貰う。

「何だよォ!昨日あれだけ月を壊すのは無理とか言ってたのによォ!!」

「無理だよ。村の人の手前、壊すって言ったんだよ」


それに壊せるとしても壊さない。
月見など月関係のイベントが出来なくなってしまうからだ。

ルーシィは時計座の星霊、ホロロギウムの中に入り大声を出すなと注意した。

「相手は“呪い”なのよ。実体がないものって怖いじゃない!
………と申しております」

そんなことも気にせず前向きに考える3人。


「さすがS級クエスト!燃えてきたぞ!!」

「呪いなんか凍らせてやる。ビビる事ァねぇ」

「本当に呪いかどうかも怪しくなってきたしな」


「ホンット、アンタらバカね…と申しております」

ハッピーもホロロギウムの中に入りたいの声でハッピーも中へ。
その時、“ガサガサ”と何かが近付いて来る音が聞こえた。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.16 )
日時: 2014/10/18 19:32
名前: 紫苑有栖 (ID: y.72PaHC)

「チュー」

出てきたのは巨大なネズミ。
巨大ネズミは何かを吐き出すつもりなのか口を膨らます。
グレイが盾で防ごうとするが吐き出したものは臭い息。
ホロロギウムも倒れてしまった。

ネズミは笑い、それぞれが鼻を塞ぐ。


「くっせ…」

リンに限っては臭さのあまり、涙が出て来てしまっているようだ。
更にネズミは突然追い掛けて来て逃げ出す一同。


「フェーリ、大丈夫かお前」

「何とか」

それを聞いて安心したリンは上だ、と声を上げる。
フェーリはリンを掴み空へ。

「アイスメイク……岩石ブロック


複数の岩の形どった氷がネズミの動きを止める。

「よし!ナイスだリン!」

「今のうちにボコるんだ」


2人でネズミを襲い気絶。
リンはナツ達の所へと降り立つ。

そのまま進むと建物を発見しその中へ。

「うわー広いね…」

「ボロボロじゃねぇか」

「いつの時代のモンだコリャ」

建物には月みたいな紋章が掘られていた。
ハッピーは骨を見つけて喜んでいるようだ。

それにしてはボロいな、とナツが“ガン”と地面を蹴る。
ベコンと音がして床が壊れ下へと落ちて行く。


「貴方は一体こんな時に何を飲み込んだんですか!?」

「ふごふご」

ハッピーはさきほど見つけた骨を飲み込み喉に詰まったらしい。
それをフェーリが取り出そうと頑張っていた。

そのまま何も出来ずに落下。
しかしそれほど高いという訳でもなく、みんな無事のようだ。

「取れましたよ…、」

「神ッ!」

ハッピーの骨も無事に取れ、ナツはさっそく探検しようぜと舞い上がる。
しかし、すぐにナツの動きは止まり目を見開いた。

その姿に全員がナツの視線の先を追う。

「でけえ怪物が凍りついてる!!!」


それは悪魔。

リンとグレイがその姿に動揺する。
どうして“デリオラ”がここにいるのか、と。

「ねぇ…何なのコイツは!?」

「デリオラ…厄災の悪魔だよ……」

ルーシィの問にリンはそう答えた。
すると奥から近付いてくる足音。
岩陰に隠れて待つと現れたのは青年が2人。
侵入者を探しに来たようだ。


「オマエ、月のムーンドリップ浴びてね?」

「浴びてねえよっ!」

“月の雫”という言葉に反応するルーシィとリン。
奥からまた1人、近付いてくるそれはシェリーと呼んだ。


「アンジェリカが何者かの手によっていたぶられました…」

「ネズミだよっ!!」

「ネズミじゃありません…アンジェリカは闇の中を駆ける狩人なのです。
そして愛」

侵入者か、とユウカと呼ばれた青年は呟いた。
もうすぐ月の光が集まるというのに何と言うことだとシェリーは言う。


「零帝様のお耳に入る前に駆逐いたしましょう。
そう…お月様が姿を表す前に……」

そう言ってその場を去っていく3人。
姿が見えなくなったのを確認し、リン達は岩陰から出る。

「くそ…あいつ等デリオラを何のためにこんな所に持ってきやがった」


リンはそっと凍りついてるデリオラの近くへ寄り、手を添えて目を閉じた。

デリオラは北の大陸の氷山に封印されていた。
10年前、イスバン地方を荒らし回った不死身の悪魔。


「俺とリンに魔法を教えてくれた師匠。
ウルが命をかけて封じた悪魔だ」

この島の呪いとどう関係しているのかは分からない。
これはこんなところにあってはいけないもの。

「零帝…何者だ…ウルの名を汚す気ならただじゃおかねぇぞ!!」

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.17 )
日時: 2014/10/22 18:10
名前: 紫苑有栖 (ID: 4lMk69pY)

ウルが封じた悪魔。
元々北の大陸にあったものがここに運ばれた。
島の呪いはこの悪魔の影響なのか。
それも考えられない訳じゃない。

この悪魔はまだ生きているのだから。

「そーゆー事ならこの悪魔をぶっ倒してみっか」

「あんたは何で力でしか解決策を思いつかないのよ」

ナツは氷へと近付く。
その瞬間にグレイはナツを火の魔道士が近づくな殴りつける。


それに驚きリンは閉じていた目を開けて振り返る。

「氷が溶けてデリオラが動き出したら誰にも止められねぇんだぞ」

「グレイ、落ち着け。これはそんな簡単に溶けるものじゃないだろ?」


溜め息をつき、呆れるリン。
グレイははっとして下を俯いた。

凶暴な奴だな、とナツは言うが言える立場ではないだろう。

「…ウルさんはこの悪魔に絶対氷結アイスドシエルって魔法をかけた」


それはいかなる爆炎の魔法をもってしても溶けることのない氷。

「溶かせないと知っててなぜこれを持ち出した…?」

「月の島…ガルナ島。ここなら条件が揃ってる。
“月の雫”、それこそが絶対氷結を溶かせる唯一の方法」


「バカな!?だって絶対氷結は…!」

「月の魔力はどんな魔法でも解除する力を持っている。
詳しくは知らないけどな」


「! …くそっ」

「でも一体、何のために溶かしているのかしら?」

分からない、と答えるリン。
するとさっきの奴らを追えばいいとナツは言う。
だけどグレイは月が出るまで待つらしい。


「その月の雫ってのがどんなもんなのか。
呪いに関わってくるのか確かめてえ」

ナツは夜まで待つなんて死ぬ、
と言葉にだすがしばらく経つとすぐに寝てしまった。

ルーシィは暇だと琴座の扉、リラを呼び出す。
リラは適当に歌う、と琴を奏で始める。



“生まれる言葉…消えゆく言葉…”
“あなたの中に 生き続ける言葉”
“立ち止まりそうな時 勇気へと変わる”
“さあ 歩きだそう”
“あの時よりあなたは 強くなっているから”
“もう 迷わないで”
“あの時の言葉を… 信じて…”

その歌に何かを感じたのか、グレイが涙を流す。
それを誤魔化すように誰か来たらどうすんだ、と怒鳴った。


+++

“ゴゴゴ”と音がする。
天井を見上げるとそこは開いていく。

開いた天井から差し込むのは紫色の月の光。
それはデリオラへと当たる。


偶然なんかじゃないんだと一同は光の元を探しに走り始めた。

光の元にいたのはたくさんの人々。
何かの儀式を行っているようだ。
ベリア語の呪文、月の雫を唱える。

この島の人が呪いだと思っているのは恐らく月の雫の影響だろう。
1つに集まった月の魔力は人体も汚染するほど強力な魔力。


「あいつ等ァ……」

ナツが乗り込もうとしたのをルーシィが止める。
誰かが儀式の方へ近付いていったからだ。

昼間にみた3人組みと零帝と呼ばれ、仮面を付けた男。
シェリーは侵入者の存在を零帝に報告していた。


「デリオラの復活はまだなのか」

「この調子だと今日か明日には…と」




「いよいよなのだな……」

零帝の声にグレイとリンは驚いた顔をする。
ルーシィとナツは気付いていないようだ。

零帝は侵入者には邪魔されたくないな、と呟く。
この島には小さな村が1つだけ。
村を消して来い、と零帝が命令すると3人組は動き出す。


「血は好まんのだがな……」



「この声…オイ……ウソだろ…」

「……あの仮面の下は…、」

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.18 )
日時: 2014/10/25 08:22
名前: 紫苑有栖 (ID: 4lMk69pY)
プロフ: こおりからながれたなみだ

第4話「氷から流れた涙」

「邪魔をしに来たのは俺たちだァ!!」

ナツが前に出て侵入者はここだと教える。
しかし零帝は村を消してこいという命令は撤回しなかった。


「邪魔をする者、それを企てた者。全て敵だ」

全員が戦闘態勢になる中、一番始めに動いたのはグレイだった。
グレイは零帝へまっすぐに向かい、氷の魔法を。
また、零帝も氷の魔法で攻撃を相殺する。

「リオン…てめえ自分が何やってるのか?」

「ふふ、久しいなグレイ、リン」


零帝リオン。
かつて同じ師の元で育った1人。

「早く行け、ここは俺1人で十分だ」

3人は村人を消しに走って行く。
行かせるかと走り出すナツだがグレイは動くなと叫んだ。
ナツは冷気に包まれていく。

「ハッピー!ルーシィを頼む!!」

「フェーリ!ナツを持てるか!?」


「あい!」「やってみます」

2匹はすぐに翼を出し、それぞれを掴み空へ。
しかしフェーリはナツと氷の分の重さもあるのか少しフラついていた。

「やっぱり無理があるか……あ」


ナツを掴んでいたフェーリは、
重さに耐えきれなかったのかナツを落としてしまう。
一緒に飛んでいたハッピーやルーシィが驚いている姿が目に見えた。

フェーリは落下したナツをすぐに追い掛ける。


「スキをつくって奴らを逃がしたか…
まあいい…奴らごときじゃシェリーたちは止められんだろう」


「妖精の尻尾フェアリーテイルの魔道士、甘く見るなよ?リオン」

パキ、と音を立て背後から向かってきていた攻撃を壊したリン。

「相変わらず反応が素早いな、リン」

「リン、お前はフェーリの所に行ってろ」


グレイの言葉に少し間をあけて頷き山を降りて行く。

「1人で俺に勝てると思ってるのか?
いつだってお前らは一緒だったじゃねーか」

「…いい加減、先輩ヅラすんのやめてくんねえかなリオン。
おまえはもうウルの弟子じゃねえ」

「おまえもそうだろ?
ウルはもうこの世にはいないのだからな」

リオンは仮面を外す。


「デリオラを封じる為に命を落としたんだ!!
ウルの残したものをてめえは壊そうとしてるんだぞ!」

「記憶をすりかえるな…ウルはおまえが殺したんだ。グレイ。
よくおめおめと生きていられたものだな」

+++



「すみませんナツさん、追いつけなくて」

山を降りてすぐの所に2人はいたらしい。
体の氷を溶かそうとしているナツにフェーリは謝っていた。

「いや、気にすんな。
しっかし火で溶けねえってのはどうなってんだ!この氷!!」


「ナツ!フェーリ!!」

山から降りて来るはリンの姿。
ナツの氷へ手を当てるリン。
フェーリにハッピー達の事を聞くと村に先に行かせた、との声。

「ほらよ、ナツ」

その声でナツにまとわりついていた氷が砕ける。

「ぅお!?炎でも溶けなかったんだぞ!!」

「あいつの氷を砕くのなんざ簡単な事だよ、魔力の差がありすぎるんだ」

下を俯き暗い顔をする。

「……リン?」

「何でもねぇ、ルーシィが心配だし先に行ってるぞ。フェーリ!」


はい、と返事をしたフェーリがリンを掴みナツを置いて村へ飛んで行った。
ナツから逃げるように…


ちょうどその時、ガルナ島へ向かう1人の女性。

「掟を破った者どもへ仕置きに行く。それだけだ」

エルザが連れ戻しに来ようとしていた。

Re: FAIRYTAIL「毒花の住処」 ( No.19 )
日時: 2014/10/27 07:45
名前: 紫苑有栖 (ID: 8AM/ywGU)

「ウルを殺したのはおまえだ、グレイ。
名前を口に出すのもおこがましい」

リオンは手を前に出し攻撃を仕掛ける。
受身を取れなかったグレイは瓦礫へとぶつかる。

「どうした?うしろめたくて手を出せんか?
ならば邪魔をしないでほしいな。俺はデリオラを復活させる」


グレイは一度俯いたあと、覚悟を決める。

「させねえよ」

「それでいい。久しぶりに手合わせをしよう」


仮面を投げ捨てたリオンは片手を前に出し構えた。

「アイスメイク“大鷹イーグル”!」

「アイスメイク“シールド”!」

リオンの放つ鷹はグレイの盾をあっさり避け、
盾の無い場所からグレイを襲う。

グレイは物質の造形が得意な“静”のアイスメイク。
リオンは生物の造形が得意な“動”のアイスメイク。

「動き回る氷だと忘れたか」

容赦ないリオンの攻撃を受けたグレイは重ねた両手をリオンに向ける。


「アイスメイク・大槌兵ハンマー!」

巨大なハンマーがリオンに襲いかかる。
しかしリオンは全く焦る様子もなく、片手を上へ上げた。

「アイスメイク・大猿エイプ!」

氷の猿は、グレイのハンマーを打ち壊した。


「話にならん。造形魔法に両手を使うのも相変わらずだ」

「ウルの教えだろう!片手の造形は不完全でバランスも良くねぇ」

俺は特別だ、ウルの力も昔に越えてしまった、
とリオンが言うとグレイは自惚れるなと言う。


「その言葉…そっくりお前に返そう…。
一度でも1人で俺に攻撃を当てた事があったかな」

「あの頃と一緒にするんじゃねェ!!氷欠泉アイスゲイザー!!!」


大量の氷がリオンに襲いかかる。
しかしリオンは防ぐどころか避けようともしない。

次の瞬間、グレイの氷は無惨にも砕け散る。
そこには無傷のリオンの姿。


「俺はお前の兄弟子であり、お前より強かった。
俺は片手で造形魔法を使えたが、お前には出来なかった…。

何も変わらん…互いの道は違えど、俺達の時間はあの頃のまま凍りついている」



リオンが右手をグレイに向けると、グレイの足元から氷の龍が襲いかかる。

「だから俺は氷を溶かす…塞がれた道を歩き出すために」

ウルはリオンの目標。
ウルを越える事がリオンの夢。
しかしその夢はグレイに奪われた。
もう二度とウルを越える事は出来ない。
そう思っていたが1つだけ方法があった。



「ウルでさえ倒せなかったあのデリオラを倒す事が出来たら……
俺はウルを越えられる!夢の続きを見られるんだよ!!」

「そんな事が目的だったのか!?
デリオラの…恐ろしさはお前もよく知ってるハズだ!」

リオンの攻撃に堪え、なんとか立ち上がったグレイが叫ぶ。

「や…やめろ……無理だ…!」

その言葉にリオンの顔は一変する。

「"やめろ""無理だ"…だと?」

攻撃が再び開始され、リオンの氷が再びグレイを襲う。


「あの時…俺達はお前に同じ言葉をかけた。忘れたわけではあるまいな!」

消えろ、とリオンはとどめをさしその場を離れていった。
グレイは地面へと倒れる。


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