二次創作小説(紙ほか)

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イナGO 銀色の悪魔
日時: 2015/12/31 19:03
名前: マイタケ (ID: BgA0tTDI)

ハーイどーもです。またまたつくりましたマイタケです。


※はっきり言ってツマンナイ!!という方、Uターン☆
※マイタケ自体嫌い!!という方、Uターン☆
※悪口等、即効Uターン☆

オリキャラ
マイタケ:>>31 >>36 >>93 >>143
ラリティ様:>>10 >>20
竜様:>>29 >>34 >>38 >>65 >>72 >>75
赤様:>>37 >>51
SATORU様:>>41 >>52 >>77
モンブラン博士様:>>42 >>47 >>67

合体技
赤様:>>112 >>121
竜様:>>115


目次
プロローグ>>1
1話>>2 2話>>3 3話>>4 4話>>5 5話>>8 6話>>13-14 7話>>16 8話>>21 9話>>22 10話>>23 11話>>24 12話>>25 13話>>26 14話>>28 15話>>32 16話>>35 17話>>43 18話>>55 19話>>57 20話>>60 21話>>63 22話>>66 >>68 23話>>70 24話>>78 25話>>79 26話>>80-81 >>84-85 27話>>86-87 28話>>90 29話>>91-92 30話>>97-98 31話>>101 32話>>102 33話>>107 34話>>108 35話>>110 >>116 36話>>117 37話>>118 >>120 38話>>122 39話>>124 40話>>125 41話>>127-128 42話>>129 43話>>131 44話>>132 45話>>133 46話>>140 47話>>141 48話>>142 49話>>145 50話>>148 51話>>149 52話>>150 53話>>151 54話>>154 55話>>156 56話>>157-158 

番外編 Ⅰ>>109

Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.22 )
日時: 2015/03/28 10:59
名前: マイタケ (ID: iv9jnC9n)

9話 宣戦布告
「うわ!!」
突然抱きつかれ、剣城はバランスを崩し転倒する。
「!!!」
天馬達はハッと身構えた。
先程の声、昨日会ったばかりの少女のもの。
「っ、ゆず・・・・・!?」
剣城は自身の上にいる少女を見た。なぜかゴスロリを着ている。ついでに傘も揃えていた。
「やっほー!!昨日ぶり!!」
「・・・・・・下りろ」
剣城は静かにそう言った。柚樹は「はーい」と素直に下りる。
「あれが銀色の悪魔・・・・・ですか?」
「ああ・・・・お前、何しに来た!!」
後半は柚樹に対してだ。神童は警戒心をはらんだ、剣呑な声で尋ねる。雷門イレブンも、剣城と夕葉以外の面々は敵意を隠さない。円堂は、銀色の悪魔という者がこんなにも小さな少女であることにとても驚いていた。
「なにしに来た・・・・・あれ、なんでだっけ?」
「おい!!」
このツッコミは狩屋だ。本気で首をかしげる柚樹からするに、本当に忘れているっぽい。狩屋につっこまれた柚樹は「むぅっ」と膨れた。
「だってここから15㌔離れてるんだよ!?そりゃ忘れるよ!!」
「普通忘れないからね!?」
柚樹と狩屋の漫才ともとれる応酬に全員が呆れる。さすがの円堂も止めようとした時だった。
「はぁ、やっぱりか〜」
どこからともなく一人の少年が現れた。
ボサボサの紺色の髪。目は黄色で目つきが悪い。背は剣城よりも高い。
昨日、デーモン・エンジェルにいた少年だ。
「おいおい柚樹、勝手に抜け出したら駄目だろ〜」
「あっ、刹にぃ!!」
柚樹はとたとたと彼に歩み寄る。剣城は緊張した面持ちで彼を見た。
「椎之・・・・」
「久しぶりだな、剣城」
椎之と呼ばれた少年は能天気に笑う。まるで敵陣に乗り込んだという感じがしていないかのように。
「君は・・・・」
天馬の呟きが聞こえたらしく、椎之は彼の方を見た。
「んー?オレか?オレは椎之刹。宜しくな!!」
「それで、なんか用か」
倉間の底冷えする声に椎之は軽く肩をすくめる。柚樹は剣城にじゃれていた。
「まあまあそんなカッカすんなよ。もーちょい気楽にいこうぜ?」
「おまんらが襲撃してきたからぜよ!!」
「襲撃っつっても動いてたの柚樹だけだからな〜。オレに言われても困るんだけど」
さらりと放たれた事実に錦は言葉を詰まらせる。椎之は柚樹の方を見た。
「そろそろ思い出した?————————御前の言葉」
御前、という言葉に全員が眉を顰めた。御前という人物がすべての元凶か。
柚樹はフッと嗤う。そこに無邪気な彼女はいない。冷たく、どこまでも残酷で、慈悲の欠片もない瞳で嗤う。
ゴスロリのスカートの部分を翻し、全員を見た。
「我等、元フィフスセクターSSシードのチーム・デーモン・エンジェルはもう一度お前達との試合を申し込む!!」
堂々とした、絶対的な力を持つもの特有の声音。雷門一同は怯んだ。マネージャー達も怯え、身を寄せ合っている。
「どうして・・・・」
「お前達は絶望しない。お前達の絶望こそが、我等が麗しき御前の望み・・・・」
「ゆず・・・」
柚樹は剣城に向かって優しく微笑んだ。だがそこにはなにもない。喜びも、悲しみも、怒りも。
「それにね、もしあなたたちを潰して、絶望させて、闇に突き落としたら、御前は私の欲しい物をくれるの。いっぱいいっぱいくれるの」
柚樹は嗤う。冷酷に嗜虐的に。
「だからね・・・・あなたたちの大事な人たち、人質に捕らせてもらうね」
「まあ簡単にいうと、この地域全域の人間を人質にするってこと」
あっさりと、どうでもいいかのような声音で吐かれた内容に全員が愕然とする。
「もし私達に勝てたら、皆解放する。でも負けたら・・・・」
次の瞬間、柚樹と椎之の間に黒い影が生じる。
黒い、獣だ。闇を纏い、幾人もの命を奪ったのだろう、鋭い牙が口から覗く。
「この子、ステルベンがあなた達と人質を食い殺す」
ねえ、ステルベン?
そういって、禍々しい獣の頭を優しく撫でる。ステルベンは嬉しそうに彼女に擦り寄った。
「なにっ!?」
「そんな・・・・」
「この試合を放棄することは不可能———さあ、存分に絶望すればいいわ」
その言葉とともに、柚樹達は消えた。




新たなる戦いの火蓋は切って落とされた。



Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.23 )
日時: 2015/03/24 22:37
名前: マイタケ (ID: /OJeLYZk)  

10話 出会い
ゴッドエデンにいた時の事だ。
剣城はいつものように1人でいた。訓練のせいで疲れきった身体は酷く重い。脳の指令をちゃんと聞いてくれない。
「あれ?人だ」
聞こえた声にゆっくりと振り返った。聞いたことのない、少女の声だったから。
「ねぇねぇ、なんでこんなとこで寝てるの?」
そう言ったのはやはり少女だった。腰まである銀髪は伸ばしっぱなしという印象を受ける。金と赤のオッドアイの目はゴッドエデンで暮らしているとは思えない程澄んでいた。しかも服装はなぜかゴスロリ。
「…別に、寝ているんじゃない」
気づけばそんな風に返していた。少女はキョトンと剣城を見つめる。
「じゃあ瀕死状態?霊柩車呼ぶ?」
「俺は死んでない。あと瀕死状態の時は霊柩車じゃなくて救急車を呼ぶのが普通だ」
「(´・∀・`)へぇ〜」
初めて知った、という反応。そこから彼女は剣城にとっての爆弾を投げた。
「ねぇねぇ、キューキューシャってなぁに?」
「…は?」
剣城は唖然として少女を見た。少女の顔に嘘はない。本当に救急車を知らないのだろう。どういうことだ、と眉を顰める彼を見て少女は可憐に笑った。
「あのね、私小さい時からここにいて、ここから出たことないの。だから外の事教えて?」
「……」
小さい時からここにいるとはどういうことなのだろうか、ゴッドエデンが出来たのは恐らく4年ほど前。その時からここにいるのだろうか。だとしても、外の世界を知らないのは本当のようだ。
「…別に構わない」
「ホント!?ありがと!!」
驚くほど嬉しそうな少女を見て、剣城は口元を綻ばせた。退屈しのぎにいいか、と思っていただけだが、こんなに喜んでもらえて嬉しかった。
「そういえば、貴方の名前は?」
「剣城京介。ファーストランクのシードだ」
「京介ね!!よし、覚えた!!」
いきなり名前呼びである。しかもランクの事を思いっきり覚えていない。
コイツはどこのランクなのだろうか、と思いながら聞いてみる。
「お前の名前は?あとランクと」
「私?私はSSランクシードの月影柚樹!!宜しくね!!」



——————これが、俺とゆずの出会いだった。

Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.24 )
日時: 2015/03/25 08:04
名前: マイタケ (ID: pRmfYtjO)  

11話 追憶
柚樹と会って数日が経過した。
SSランクシードというのは聞いたことのないランクだった。そのことを白竜に聞いたところ彼も知らなかったらしい。
「だが、その女とやりやってみたい」
「…」
剣城が己の失態に気づいた時には遅し。
いつの間にか目の前の好敵手はやる気満々になっていた。



結果、白竜が負けた。
剣城も白竜も愕然とした。この2人はファーストランクでも1、2を争う程の力の持ち主だ。それが目の前の、自分達よりも小さな少女に完敗を喫した。
「お前…何者だ」
白竜の凄みのある詰問に柚樹はキョトンとする。
「何者?うーん…アイドントノー」
「誤魔化すな」
片言の英語で誤魔化そうとする柚樹に剣城がつっこむ。
柚樹は首を傾げて一言。
「何者って言われても…月影柚樹としか答えようがないもん」
サラリと吐かれた言葉に、剣城と白竜は軽く目を見開いた。
「お前…本当にシードか?」
白竜の呟きにムッとして言い返そうとした時——
「ゴルラァァァァ!!月影ェェェェェ!!」
教官の牙山の怒鳴り声が聞こえた。それから0,5秒して彼の巨体が現れる。
牙山は剣城と白竜の姿を認識すると軽く目を見開いた。だがすぐに怒りの表情をする。
「月影、何度言わせる!!脱走はするなとあれほど言ってるだろ!!」
「わーこわーい鬼がいるー」
棒読みでそう言うと明後日の方を見た。もうなんというか、ツッコミどころ満載のこの状況に、剣城も白竜も唖然とする。
「大体、お前はシードとしての自覚が無さ過ぎる!!特にお前はSSランクのトップだぞ!!シードの中の真のシードなんだぞ!?」
「わー初めて知ったー。と言うわけでさよーなら」
柚樹はいつの間にか牙山の懐にまで詰め寄っていた。華奢な右肘がドスッ!!という鈍い音を立て牙山の鳩尾にめり込む。
「……え゛」
傍観者化していた2人の顔が引きつったと同時に、牙山の身体はゆっくりと倒れた。
パンパンッと手を払い、柚樹は剣城を見た。
「京介、外のこと教えて!!」
そこには眩しいくらい無邪気な彼女しかいなかった。







そこで剣城は目を覚ました。
「あ、剣城おはよー」
「…ああ」
挨拶してきた天馬にただそれだけ言った。先程の夢を振り払うように頭を振る。
「…忘れろ」
どう足掻いても、もうあの頃には戻れないのだから。

Re: イナGO 銀色の悪魔 ( No.25 )
日時: 2015/03/25 14:05
名前: マイタケ (ID: uLZUHjzo)  

12話 ルチャード・ニシカワ
「と、言うわけで対デーモン・エンジェル戦に向けて合宿を始めまーす」
薫の一声に全員が目を丸くする。
柚樹達が消えた後、雷門の者達だけではなく、稲妻町周辺辺りの者達まできれいさっぱりいなくなっていた。
薫曰わく、「まぁ、町ごと消されなかったらいいでしょー」というかなり楽観的なもの。だが見過ごせない事態であることには変わりはない。薫は稲妻町全域に渡り、緊急配備をしていた。
「これだけの騒ぎになっているのに、誰も来ないね…」
信助は不思議そうに言った。確かに突然ゴーストタウンとなった稲妻町はマスコミの目玉になるだろう。更に警察が来て具体的に取り調べるはずだ。
薫は「ああ」とニッコリと笑う。その笑みに一同はいやな予感がした。
「ここに来る前にさ、警察庁に選ばせたんだよ。ここでマスコミを抑えてボクらの好きにさせるか、自分達の賄賂を全世界及び国連にバラしてマスコミの餌食になるか」
「脅しだ…」
速水はボソリと呟いた。警察庁にとったら選択肢は1つしかないのは目に見えている。
「やだなぁ、警察のクセにそーゆーことする連中が悪いんですよ?それを逆手に取られようが何だろうが自業自得です」
かなり最もらしいが、それでも日本の警察が哀れでならない。天馬達はそう思った。
『黄昏の流星』はありとあらゆる情報に精通する為、各国の機密情報を所持している。その気になれば、それで国1つ潰せるのだ。言わば、裏の世界を掌握している。しかも薫はその当主右翼補佐官という高ランクの人間である。彼女が脅せばこれくらい簡単だ。
「薫ってやっぱり偉い人なんだ…」
「別に偉くないよ。周りの連中がそう言ってるだけ」
その時、部室の自動ドアが開いた。現れたのは黒マントを羽織った男性だ。
「星宮補佐官、配備は整いました」
「はいよ。…あ、コイツはルチャード・ニシカワ。フランス人と日本人のハーフ」
「第3部隊隊長のルチャード・ニシカワです。はじめまして」
「ど、どうも…」
無表情に合わせて威圧的なオーラに天馬はツーッと汗をかいた。
「で、どうかした?」
「いえ、月影柚樹一派の獣らしき影を目撃したという情報が入ったので」
「ああー、捕獲して」
「反抗すれば…」
「殺せ…と、言いたいけど、まぁ再起不能にしちゃって」
容赦ない言葉に会釈すると、ルチャードは去っていった。

Re: イナGO 銀色の悪魔【オリキャラ募集中!!】 ( No.26 )
日時: 2015/03/28 19:54
名前: マイタケ (ID: iv9jnC9n)

13話 ホムルンクスと洗脳
雷門イレブンは朝から練習を続けていた。だがこのままいつもと同じ練習方法ではおそらくデーモン・エンジェル、月影柚樹には勝てない。
「ねえ、剣城、SSランクシードってそんなにすごいの?」
天馬の突然の質問に剣城はドリンクを飲むのをピタリとやめた。他の面々も彼のほうを向く。
「・・・・・詳しくは知らない。俺がSSランクを知ったのはたまたまに近いからな」
「でも、知っていることはあるんじゃないか?」
神童の問いに剣城はかすかに頷いた。
「SSランクは普通のシードとは違い過酷な特訓をしていなかったようです。元がかなり突出した者が選抜されている、シードの中では真のシードとも言われています」
特に柚樹はそのトップに君臨する。つまり、ゴッドエデンでは影の最強シードということ。初めて会ったときには、ツートップであった剣城と白竜をも遥かに凌ぐ、とんでもない力の持ち主だった。
「でも、ゆずはシードでありながら、サッカーが好きな奴だったんです」
「えっ?」
天馬達は声をあげた。誰もが驚き、何人かは口をあんぐりと開けている。
それもそうだろう。柚樹の言動はサッカーが嫌いといっているようなものだったのだから。
「それにあんな生き物、一緒にいなかった。・・・・・あいつの趣味とは違う」
一度ゴッドエデンにある柚樹の部屋に入ったことがある。それはいかにも柚樹らしい、ピンクと黒がメインの部屋だった。実際、彼女のゴスロリコレクションもピンクか白、または赤のラインが入ったものが多いのだ。あんな禍々しい生き物を相棒にするような趣味はない。断言できる。
「でも・・・・・」
「おーい、みーなさーん」
天馬の声と薫の声がダブる。薫は今回、この任務で指揮をとらなければならない。よって練習には参加できなかったのだ。全員が彼女の方を見て・・・驚愕した。
そこには頬に浅い切り傷のある薫がいた。
「どうしたの!?その傷!!」
一同の思いを代表するかのように影山が声をあげる。薫は「ああ」とたいしたことがなさそうに軽く触れた。
「標的にちょっとてこずってね。まあ捕まえられたけど・・・・・」
薫は顔を険しくさせた。こんな彼女を見るのは珍しい。
「あれ、黄昏の流星未特定のホムルンクスじゃん。ヤバイって」
ホムルンクス、その意味を知っているものはごく少数で、殆どの者が知らなかった。それを察し、薫が説明する。
「ホムルンクス、日本語で訳すと人工生命体。人間が様々な生物の遺伝子を改良し造りだす生き物のことです。小説とかだったら人間の人工生命体が多いけど・・・・あれは・・・・・」
薫は一度口を閉ざす。ここまで歯切れ悪く、そして険しい顔に一同は戸惑うばかりだ。
「・・・・・まあいいや。とりあえず雷門中全体に結界を張ってるし、襲撃的なものは特に来ないと思います。即席だからそこまで強くないけど大丈夫だと思います」
そう言うと、薫は踵を返した。だがふと思い出したかのように一度とまり、振り返る。その目は真っ直ぐと剣城に注がれていた。
「あのさあ剣城。月影柚樹ってゴッドエデンにいたとき、どんな感じだった?」
「・・・・・外の世界を知らないこと以外は普通の女子だったが・・・・?」
「・・・・」
薫は考え込んだまま微動だにしない。秀麗な面差しは更に険しさを増した。そこに、ルチャードが現れる。何かをボソボソと薫に言うと、会釈して去っていった。
「・・・・・・なるほど」
そう呟く彼女の不穏な雰囲気に神童は怪訝そうに尋ねた。
「何かあったのか?」
薫は一瞬躊躇するも、決意したように口を開いた。
「おそらく・・・・そのホムルンクスが今の月影柚樹を創り出した。いわば洗脳したという可能性があるんです」
「!?」
一同に驚愕が走る。緊迫した雰囲気が辺りに漂った。
「その御前って言う奴はホムルンクスを創り出し、月影柚樹を洗脳した。そうすることで、月影柚樹の持つ力を自分の物にし、自らの権力を握るってことですよ」
ここで狩屋が口を開いた。
「でもその人工生命体作んなくても自分で洗脳すればいいじゃん」
この言葉に薫はフッと笑う。
「んなことしたらこっちに自分のことが探知されやすくなるからね。ホムルンクスには膨大な力が必要だけど、死ぬと同時に力を払拭する。力の持ち主の特定を遅らせることができるんだよ」
薫は浅葱色の髪を翻した。
「まあ簡潔に言うと、月影柚樹は何者かに洗脳されている。それは本人かもしれないし、そうではないかもしれない。だから気をつけたほうがいいよ」
後半は剣城に向かって放たれたものだった。彼は雷門イレブンの中で、柚樹に最も近い存在だ。それはつまり、最も危険に遭いやすいということ。
薫は今度こそ、その場を去った。


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