二次創作小説(紙ほか)

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血界戦線《来訪者は外からやってくる》
日時: 2015/08/21 21:07
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: ktFX/uOB)
プロフ: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=115

ハローミシェーラ。兄ちゃんです。相変わらずここは魑魅魍魎で色々大変だけど、平穏に暮らしています。
今回手紙を送ったのは、突然空からやってきた人がいたから、なんとなく筆をとった。その日は本当によく晴れた日だった。出会った人はなんだか不思議な人だけど、どこかおもしろそうで。
これから話す話はかなり長くなるかもしれない。
けど、最後まで読んで欲しい。
今から話すことは、本当のことだから———。


オリキャラ

ハル=マユズミ(黛 巴瑠)
日本人。高校卒業後彼女の師匠カヲル=ニシキオリ(錦織 郁)から、ヘルサレムズロットの上空から落とされた。そこをランチトリオに助けらる。服装は現在は袴を着用。そのためよく注目の的になっている。黒い髪の三つ編みで、今ではメガネを外し、コンタクトを着けている。袴の袖の中に彼女の武器——ν[NEU]——が二丁隠されており、いざというときはそこから武器を出す。靴は魔改造されておりやれブースターだのやれ冷却装置だのとてんこもり。表情は普通の人並みにコロコロ変わる。最初こそ本当に空っぽのような性格だったものの、次第にヘルサレムズロットに毒されてきたのか、驚かれるくらいに明るくなっていく。とある能力と『特殊体質』、それととある秘密を抱えている。ランチトリオによく突っかかる。

カヲル=ニシキオリ(錦織 郁)
日本人。巴瑠をヘルサレムズロットの上空から落とした張本人であり、彼女の師匠。ちなみに男である。クラウスやスティーブンとは面識があり、巴瑠をライブラに入れたのも郁である。博士号を取得しており、日本にいる間はずっと研究室にこもりっぱなしの毎日だったという。現在はヘルサレムズロットに拠点を置き、また研究をしている。服装は昔ながらの男子の学ラン。手には細身で長い刀を手にしており、居合術を駆使する。おかっぱ頭と真っ黒い服装が特徴的。性格は至ってフレンドリー。見た目の割に43歳のおっさん。

随時更新予定


只今参照URLにてオリキャラ募集中。
一章のみの登場となりますのであしからず。


目次

《来訪者は》>>1-3
《黛巴瑠の》&《番外編そのいち》>>4-6
《八岐大蛇大作戦》>>7-11

Re: 血界戦線《来訪者は外からやってくる》 ( No.1 )
日時: 2015/06/28 18:54
名前: サニ。 ◆6owQRz8NsM (ID: ktFX/uOB)

第一章《来訪者は》

「 」

その人は口をぱかりと開けながら自由落下速度で落ちてきた。顔は無表情で、かつ目線は僕の方を向いたまま。瞳の奥は何の感情もない、空っぽだった。そんな黒い瞳をしたその人は、頭を真下にしたまんま自由落下速度で落ちてきた。

「って死ぬ死ぬ死ぬ!!普通に死ぬって!!」

そう叫ぶと隣にいたSS先輩——もといザップさんがイライラした顔でこっちを見る。うるせえとか言いたげな顔だった。その反対の隣にいたツェッドさんは不思議そうな顔でこっちを見ている。必死に上を指さすと二人が上を向き、はっと顔色が変わった。そりゃ口をぱかりと開けた人がこっちを見ながら落ちてきたら顔色も変わるだろう。すぐさまザップさんが能力を使ってその人を(ぐるぐる巻にして)助け出す。若干擦り傷はできたものの、気にならない程度だったのでそこはスルーしておく。

「あの、大丈夫ですか?」

おずおずとツェッドさんが助けた人に聞いてみる。するとその人はロボットが顔を動かすように顔を上げる。どうにも女の人のようで、黒く長い髪を三つ編みでまとめていて、服装は落ち着いたカジュアルスタイル。靴はスニーカーだったけどなにか仕掛けが施されているようだった。ちなみにメガネをかけている。見た目年齢は、大体二十を超えているか超えていないかの感じだった。その人は口を動かした。

「 。」

けど、僕らにはわからない言語だった。ヘルサレムズロットは元々ニューヨーク、そうつまりアメリカにある。ということは僕らの言語は英語になるんだけど、どうやら相手は英語ではなく、別の言語を使って返事をしたようだ。しきりに僕らが頭にはてなマークを出していると、相手はそれを察したのか、また口を開いた。今度は英語で。

「君たちが助けてくれたんだ?」

頭を少し傾けながらその人はそう言った。流石に今度は聞き取れたので僕が返事をする。

「はい、そうです」
「助けたのは俺だがな」
「ありがとう、今頃助けがなかったら私は今頃ざくろのように脳みそが飛び散ってただろうね。それはそれで愉快だけど」

顔をひとつも変えずにそんなことをいうのでちょっとゾッとしたが、本人は素直に言ってるからそれはそれでいいのかもしれない。目の前で脳みそがざくろのように飛び散る光景を見るのは勘弁願いたいが。
ザップさんがぐるぐる巻から解放させると、女の人はぺこりと改めてお礼を言ってきた。

「っておい、お前そういや今日来る新入りだったよな?」

ふとザップさんが思い出したようにそんなことを言ってきた。何それ初耳なんだけど。そういう旨の事をいうと、言ってないからな、といつものゲス顔で煽ってきた。クソムカつくな殴ってやりたい。ちなみに後ろにいたツェッドさんも同じようなことを思っていたりする。

「そうなんじゃないかな。多分」

あっけらかんとその人は言う。多分って何だ、ていうかこの人身をなにかに任せすぎだろ。
ザップさんはポケットから一枚の紙切れを取り出して、それといま目の前にいるその人を見比べる。どうやらその紙切れは写真らしく、ちらっとみたらその人が写っていた。少し印象は違って見えたけど。もう少し良く見てみると名前が書かれていて、「巴瑠」とだけ見えた。それがどういう名前なのかはわからなかったけど、ともかくそれがその人の名前らしかった。

「名前確認させてもらうが、ハル=マユズミでいいな?」
「あってるんじゃないかなー。多分」
「とりあえず本人なのは確認した。行くぞ」

その人——ハルさんが頷くとザップさんはさっさと方向転換をして本部へと足取りを変えた。ハルさんはそれに早歩きでついていく。僕らも遅れないように少し走りながら本部へと戻っていった。

「君が、新入りのハル=マユズミさんだね?」
「はい、あってます。ミスタクラウス」

本部につくと、そこにはクラウスさんとチェインさん、それとギルベルトさんがいた。スティーブンさんは別の仕事があるとかで不在だった。K・Kさんも後で来るらしい。ハルさんはクラウスさんのことをじっと見据えていて、何か瞳の奥を覗き込んでいるようだった。

「早速だが、君に関していろいろと聞きたい。いいかね?」
「いつでもどうぞ」

その言葉をきっかけに、ハルさんの情報聞き出しタイムが始まった。ハルさんは僕たちと違って元々この国の出身じゃないから、そこまでも根掘り葉掘り聞かれるのだろう。と、予測していたがそれは当たっていたようで。やっぱりハルさんの出身国とかそういう方面も聞き出していた。話を聞くとどうやらハルさんは隣の国の日本出身で、英語はホームステイする時に完璧に覚えたんだとか。どうりで流暢な訳だ。他にもハルさんは17歳だったりとか、弟がいるだとか、技はテキトーに組み立ててテキトーにそれっぽくしただけだとか。聞いてみるとなかなか面白い人だった。
あとびっくりしたことはファストフードを食べたことがない、とはっきり本人の口から言ったことだった。理由としては、親が自分の作った料理を食べて欲しかったからというのと、健康に宜しくないから禁止されていたということからだそうだ。でも今は自由なので、あとで食べに行ってみたいと言っていた。

「あと、君の言う師匠に関して教えて欲しい」
「師匠?ああ、ものすごい人だったね。あれはもう人間の域を超えた人間って感じだった。三つ首の竜とか作ってたり人間の腕とか作ってたり、あと娯楽でケルベロスを再現してたっけ。流石に外に出すのはやめてくれって言ったけどさ。あと師匠自身については、本人の口から何も聞かされてないよ。つか聞く気にもならなかったけど。あ、そう言えば」

そこまで言うと、ふと何かを思い出したようにぱっと顔をあげて身につけていたバッグのようなものから、ルーズリーフの切れ端のようなメモ用紙を取り出した。そのメモはよつ折りになっていて、かなり小さな紙切れになっていた。クラウスさんが受け取ってその紙切れを広げる。後ろからのぞき込んでみると、そこには英語ともう一つの言語——日本語だろう——でこう書かれていた。

『はじめましてライブラの皆様方。私はいま目の前にいるであろう黛巴瑠——そちらではハル=マユズミの師匠に当たります、錦織 郁——カヲル=ニシキオリ——と申す者です。今回巴瑠にこのメモを持たせたのは皆様方に依頼したい事があるからなのです。というのも実は先日、どうも研究物資を盗んで自分にそれを注入した阿呆がいまして。その阿呆がどうにもそちら、ヘルサレムズロットに向かったようなのです。注入したのは恐らく、自分の血液が茨になる薬。その茨は皮膚を突き破り自在に動かし人を殺すことができます。つまり、その茨には自我が宿っているのです。その茨をもった人間は厄介なことに「食人性癖」の持ち主なのです。ですのでこちらでは対処しきれないので、皆様方に依頼したく存じ上げます。ああ、ちなみに。巴瑠に関してはもう早速任務に出させても構いません。それと、その阿呆は殺してくださると助かります。それでは』

随分と丁寧だった。文体からして女性だろうか。いや名前がまんま女性だから女性だろう。まあそれはおいといて。

「おいおいおい随分な野郎じゃねーか。食人性癖持ちってよお」
「しかも血液が茨とは……少しゾッとしますね」

それで殺してくれか……怖いなあこのカヲルって人。

「ねえ、写真とかない?」

チェインさんがそう聞くと、ハルさんはすっと写真と思われる紙切れを差し出した。その写真には一見地味で普通にしてたら目立たないような女の子が写っていた。目の色はやっぱり黒色で、それでいて白いカチューシャをつけている。表情はどことなく物憂げな笑顔を浮かべていた。こんな子が本当に食人性癖の持ち主なのだろうか。にわかには信じ難かった。

「ハル=マユズミさん」
「ハルでいいです。ミスタクラウス」
「ハル。早速だがこの手紙のとおり君には任務に出てもらう。ライブラの一員としての、最初の仕事だ」

そう言うとクラウスさんは立ち上がり、ハルさんを見据えて、こう言葉を口にした。


「改めてようこそ。秘密結社ライブラへ」


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