二次創作小説(紙ほか)
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- イナGO霧野くんと甘い休日【完結!】
- 日時: 2016/02/26 08:00
- 名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)
イナズマイレブンGOの霧野蘭丸くんと「私」が休日を過ごすだけのお話です。
- Re: イナGO霧野くんと甘い休日 ( No.4 )
- 日時: 2016/02/18 12:04
- 名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)
霧野くんに案内されて辿り着いたカラオケ店の名は『ライジング』。
名前はかっこいいのだが、中にはぬいぐるみやお菓子などがおいてありどちらかといえばメルヘンに近い。
ちょっと名前負けしている感じがしなくもないが、気のせいだろうか?
「君はこのお店に何回ぐらい来ているのかね」
「ん〜、3回くらいかな。でも値段の割にサービスも充実しているから店を出た後は、お前もきっとここが気に入るはずさ」
そう言って天使の微笑みを向ける霧野くん。彼は嘘をつくようなタイプではないし、好きな人を疑うのはいけないことだ。
親友以上恋人未満(少なくとも私の中では)な関係を維持するためには疑うことからやめるべきだ。
「霧野くん、君の言葉を信じるよ」
「大袈裟だな、お前は。それから霧野でいいよ」
「ほんとに? 呼び捨てでもいいのかね」
「あぁ。友達だろ、俺達」
「そうだね。じゃあこれからは呼び捨てにするよ、霧野」
「実はずっと気になっていたんだ。お前が敬称付ける度に、他人と関わりたくない、距離をおきたいって思っているんじゃないかって」
やはり彼には人付き合いの仕方がばれていたようだ。
私はどうでもいいと思った人間には敬語で話し、内心見下している。興味がないから名前も殆ど覚えることもない。
少し良好な関係になると名前を覚え、尊大な口調になる。
そして最も親しみを感じた——つまり心を許した相手にのみ呼び捨てにするのだ。今回、すんなりと彼を呼び捨てにできたのは、心の中で彼のウェートが大半を占めていたからに他ならない。
普通の男子にとっては当たり前の行為、それは恐らく霧野にとっても日常茶判事のことなのだろうが、人付き合いを大の苦手とする私にとっては特別な意味を持つ。
彼の発した友達という単語が心に響いてくる。
「お前、もしかして泣いているのか」
「いや。目にゴミが入っただけだよ」
「ホラ、これで拭けよ」
「ありがとう」
緑のハンカチを受け取り涙を拭う。
無意識のうちに泣かせるとは、やるではないか。
このカラオケ店で、今度は君を泣かせてみせる。
- Re: イナGO霧野くんと甘い休日 ( No.5 )
- 日時: 2016/02/20 06:11
- 名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)
彼はサッカーをするよりも歌手になった方がいいのではないだろうか。
そう思わせるほど、彼は歌が上手い。少なくとも一般の中学生のレベルを遥か上をいっていることだけは確かだ。この声の高さと声量があれば、劇の姫役に抜擢されても不思議ではないだろう。
一曲歌い終えた彼は、熱唱したために額から薄らと汗がにじみ出ている。
コップに入れられた水を一気飲みし、気持ちよさそうに息を吐き出す。
その声が言葉にならない色気を醸し出している。
これほど反則的可愛さという言葉が似合うシチュエーションが他に存在するのだろうか。
私の興奮は限界を超えてしまい、とうとう鼻血を噴き出してしまった。
「鼻血が出てるぞ!? テーブルに鼻を打ちつけたのか!?」
「……かもしれないな」
真実は別のところにあるが、口が裂けても言えるはずもない。
彼はテーブルに垂れた鼻血を拭き取り、ポケットからティッシュを取り出し、私の鼻に強く押し立てた。
「頭を動かさないでしばらく安静にするんだ。じきに収まるから」
「本当かね」
「自分を信じるんだ。鼻血が収まると思えば自然と収まってくる!」
なんと、ここで彼が持ちだしたのは意外にも精神論だった。
冷静沈着でどちらかというと科学的な見方をしそうなのだが、時と場合によってこんな一面を見せることもあるのか。
凛々しい瞳に、安心させるかのような自信に満ち溢れた笑顔。
その姿に私はまたしてもハートを射抜かれてしまった。
「霧野、どうやら私はもうダメらしい……」
「何を言ってるんだ。鼻血ぐらいでは死にはしないよ」
惜しい。
ここで熱い説得でもしてもらえたら嬉しかったのだが、彼は至って冷静だった。プライベートでもそうなのだから、サッカーではその落ち着いた状況判断能力を駆使してDFの要として活躍しているのだろう。
ここでふと思い浮かんだのは、あのワカメこと神童拓人。
彼と霧野は親友同士だと先ほど話していた。つまり距離的には彼の方に軍配が上がる。
あのワカメは毎回こんなことを霧野にされているというのか。
自身でも醜いとは自覚しながらも、メラメラと燃え上がる嫉妬の炎は消せない。
もしここで神童くんがカラオケボックスの中へ空気を読まずに入ってきたとしたら、問答無用で殴り倒しているだろう。ライバルには如何なる手段をもってしても、恋を諦めさせなければならない。紳士的なやり方ではないだろうが、恋愛とはそういうものなのだ。
- Re: イナGO霧野くんと甘い休日 ( No.6 )
- 日時: 2016/02/19 17:36
- 名前: 彩都 (ID: h4V7lSlN)
はい、来ました。
まぁ、彩都は自分でも厳し過ぎる位、評価してしまいますが、ご了承下さい。
えー、まず気になったのは、『『私』って誰だよ』って、思いましたね。
ですが、名前を書いてない小説もありますから、良いですが、一番気になったのは、『私』の学年ですかね……
中学生で、蘭丸を呼び捨て出来るから、同じ学年と思いますが……(汗)
後は、『私』と、蘭丸の関係ですね……
例えば……
私と霧野くんは、幼稚園からの同級生で、その当時から、私は霧野君に惚れてしまったのである。
……とか。
後は……一人称でもとてもよく分かります、なので、このままで良いと思います。
何時でも良いんで、『セカイ戦記』や『世界終了ハウマッチ!?』でも、適当にコメント下さいね。
辛口コメントすみませんでした。
彩都でした。
- Re: イナGO霧野くんと甘い休日 ( No.7 )
- 日時: 2016/02/19 17:50
- 名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)
彩都さんへ
ありがとうございます。この作品の私はあえて名前を書いていません。
彼と蘭丸くんの関係はこれから明かされますのでお楽しみに!
そちらの方もぜひ読みに行きますね!
- Re: イナGO霧野くんと甘い休日 ( No.8 )
- 日時: 2016/02/25 20:12
- 名前: モンブラン博士 (ID: MQ1NqBYl)
霧野と至福の時間を過ごしていると突如私の携帯電話がなった。
こんなときに一体誰が何の用だと言うのだ。
彼に断りを入れて部屋を出てから携帯を開く。
その着信履歴に表示されていた人物の名前は
「亜風炉照美(あふろてるみ)だと……」
亜風炉照美ことアフロディは、腰下までかかるしなやかな金髪と赤い瞳の中性的な美少年で私と恋愛関係として付き合っている人物である。本人は同性が好きなのかはわからないが、半年前に一目惚れして熱心なアプローチの末にダメ元で告白したら、すんなりとOKを貰うことができたのだ。正直私のような不細工には高嶺の花の存在であるのと、同性という理由から間違いなく振られるだろうと思っていただけに、今でも夢ではないかと驚いている。
しかしながらアフロディは霧野と同じくサッカー部のMFとして活躍しているためにデートができる機会は少ないが、彼と共にいる時間はこの世のものとは思えぬ幸福感で包まれる。
霧野の様子を伺いつつ、私は相手の電話に出た。
「アフロディ、どうしたんだい急に」
「君に大事な話があるんだ。よかったらカラオケ店の外に出てきてくれないかな」
「なぜ、私がカラオケ店に来ていることが分かったんだね!?」
「僕に知らないことはない。何故なら僕は神なのだから」
アフロディは中二にもなって自らを神と自称するほどの自信家な面がある。けれど同年代と思えぬほど落ち着いた彼の仕草や言動、そして容姿には本当に神なのではないかと思わせるほどの不思議な説得力がある。
最近はかなり丸くなってきたとはいえ、まだまだその自称神の姿勢を崩す気はなさそうだ。
話を元に戻し、私は彼に訊ねる。
「大事な話って何かね」
「君は今から僕が話そうとしていることの内容が既に読めている。そして僕に恐怖を感じてこのままカラオケ店から出ないつもりだろう? だから——」
「だから?」
「僕はこうして君の前に現れた」
電話越しで話していたはずのアフロディはいつの間にか私の目と鼻の先にいた。
間違いなく十五センチも離れておらず、下手をすると彼のすっと通った鼻にぶつかりそうだ。
彼は「ヘブンズタイム」という指を鳴らして相手の動きを止める必殺技を発動できる。
それを使用し如何にも瞬間移動をしたかのように見せかけたのだ。
彼は天使と表現しても過言ではない微笑みを浮かべ、外見とギャップのある低い声で語りかける。当初はヒバリのように黄色い声を予想していただけに初めて声を聞いたときは衝撃が大きかったのだが、今ではすっかり聞きなれてしまった。
「僕が何を考えているか当ててごらん」
「見知らぬ男と私が一緒にいるので怒っている」
「僕は霧野を知っているよ。以前一緒に闘ったこともある仲なんだ。その彼が友達としてカラオケに行くのならば何の問題もない。だけど君は彼に対して恋愛感情を抱いている」
「そ、そんなバカなことがあるわけないだろう!?」
「神に嘘は通じないよ。正直に白状したらどうかな」
「すみません! 君に黙って浮気をしていました!」
「正直によく言えたね、偉いよ」
背の高い彼は私の頭に手を置き、よしよしと撫でる。
自分の背の低さが悲しくなるような褒められて嬉しいような複雑な気持ちになっていると、再びアフロディが口を開いた。
「もう少し話したいけれど、カラオケはあと何時間する予定なのかな」
「残り一時間ぐらいだよ」
「だろうね」
分かっているなら訊くなよ。