二次創作小説(紙ほか)

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東方 夢想朱
日時: 2016/08/31 05:53
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)

初めましての方は 初めまして。
そうでない方は改めまして 瑠愛(るあ)と言う者です。
今回は「東方Project」の二次創作を書いていこうと思います。
タイトルを見てもらうと分かる通り 霊夢を中心に書いていきます。
主なキャラクターとしては魔理沙が出てきます。
ちなみにオリキャラを登場させるつもりなので人物設定あげておきますね。
それでは注意事項&人物設定です。


注意

○東方Project二次創作
○原作とは異なる設定
○激しいキャラ崩壊
○霊夢中心
○ギャグ1 シリアス9


人物設定

博麗霊夢:本作主人公。いつもの喜怒哀楽さは無く ただ無情。日常の風景に慎ましさを感じる。

霧雨魔理沙:霊夢の古くからの親友。ムードメーカーであり 彼女の前だけでは霊夢も笑う。何に関しても無情な霊夢を何とかしてやりたいと思っている。

月白美月:本作オリジナルキャラクター。普段は里の大人しめの普通の少女を演じているが 本当の姿はまだ誰にも見せてはいない。ある理由で霊夢を恨んでいる。


ここに出ている人物は本当に主要キャラの少人数ですが 物語が進まるに連れてこちらも増やしていくので 確認をしてくれるとありがたいです。
では 霊夢の心情と美月の正体を予想しながら見てくださいね。


スペシャルサンクス

○どんどんコメントください。


目次

○序章…>>1

○第一章…>>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9




Re: 東方 夢想朱 ( No.1 )
日時: 2016/08/05 17:00
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


序章


博麗の巫女。
それは、元々は外の世界から連れてこられた普通の人間だ。
博麗の巫女にはその存在自体に意味があり、無差別にも本人の意思は関係なく適正な者はこの「幻想郷」に連れてこられ、そして幻想郷をまるで何かから守るような結界の中心に立たせられる。
そして巫女として一生を生きるのだ。
だが、その生活が苦しい訳ではない。
そもそも存在自体に意味があるのだから、博麗の巫女がそこにいる、ということだけが概念としてあればいいのだ。
幻想郷に張られた結界、それは「博麗大結界」。
誰が最初に張ったかも、それこそ分からない結界だが、その結界は幻想郷と「外の世界」の行き来を途絶えることのできる力があり、例え力があったとしても、そこを通ることは不可能に近いだろう。
だが、代々としてその結界を守ってきた博麗の巫女が息絶えたとき、その瞬間に結界は核を失いコントロールが聞かなくなり、崩れ落ちる。
つまりその瞬間に幻想郷と外の世界との空間ができるのだ。
そこへ迷い込んできた適正な者が次の博麗の巫女となる。
何故、博麗の巫女は外の世界から連れてきたものでなければならないのか。
その実体は明らかにはなっていないが、一つだけ確かなことがあるとすれば、それは博麗の巫女になった以上、その本質からは逃げられないということ。

そう、私はその一生を巫女として捧げる、無情の博麗の巫女だ。

「貴女は、どちらを選ぶ?」

その日、私に問いかけてきた美しく、そして恐ろしい妖怪は私に手を差し伸べた。
私は答えた「面倒くさい」と。
美しい妖怪は私の答えに妖艶な笑みを浮かべて、そして私を幻想郷に連れていった。

私は博麗の巫女のなった。

ジリジリと肌を焼くような夏の日射しを受けた日に。
逃れられない、その自堕落な運命に嫌気を覚えながら。
私はこの世界が嫌いだ。
この世界は、私の全てを知っているのだから。
あの日、あの少女に出会ったことも。
少女に抱いたこの心も。隠していたことも。
博麗の巫女の運命を知って、絶望を感じたことも。

ああ。


「貴女に、なりたい」

Re: 東方 夢想朱 ( No.2 )
日時: 2016/08/05 18:59
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


第一章


楽園の素敵な巫女、博麗霊夢。
それが、私の名前だ。

昼下がり、そして日射しが煌々と照らす夏。
私はいつものように、人気のないこの神社の掃除をしていた。
博麗神社。
私が巫女として務め、信仰する神の社。
そして幻想郷の中心であり、結界の核になるもの。
この博麗神社だけは、どこかに外の世界へと繋がる道がある。
たとえ結界が張られていたとしても。
だが、外の世界からの侵入はできないため、妖怪たちが外の世界に出ないようにこうして博麗の巫女がついている、というのも一つである。
極稀に、特別な力を持つ人間は幻想郷に入ることができる。
それは、この神社につく神に認められたから。
__________なんて、本当は神など存在しないのに。

「はぁ……」

退屈な毎日に溜息をつくと、私は疲れていた手を止め、休息をとろうと居間に入ろうとした。
だが、それはまた面倒くさい相手に止められる。

「おい霊夢、溜息なんてつくと寿命が縮まるぜ」

よく知った声。
後ろを振り返ると、やはりそこには顔馴染みでもあり、数少ない古くからの親友がいた。
普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
白黒とした格好に、ふわふわと癖のついた金色の髪、その髪の一部を緩く三つ編みにされており、そして何より真っ直ぐと透き通った青い瞳が彼女を目立たせている。
彼女自身「だぜ」と男勝りな口調をしているが、とても人懐っこく、話せば誰とでも仲良くなれるだろう。
そして本人はあまり見せたがらないが、その裏はとても努力家で人一倍自分を惜しまない、それこそ彼女の本来の強さとも言えるであろう。
だが、彼女は今「霧雨魔法店」と自分の店を建てているが、本当は人里にある「霧雨道具店」という店の実の娘であり、何だかんだで「魔法の森」に逃げ、そして魔法使いなった。
普通の人間である彼女は自分の心情を見せない。
隠して、隠して、そして彼女は少しずつ壊れていっている。
だからその分だけでも、私は彼女の理解者になりたい。
彼女が私にしてくれたように。
私も彼女に何かをしてあけたいのだ。

そして、私は彼女に特別な感情を抱いている。

Re: 東方 夢想朱 ( No.3 )
日時: 2016/08/13 09:02
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


それが何なのか、そういうものに慣れていない私にはわからなかったが、その感情はストンと私の中に落ちてきて、そのまま残っている。
そしてその感情を持っているのものは少なからずいる。
私は、昔からの顔馴染みという場を利用して彼女に一番近い存在だと思わせてきた。
だから私は彼女にこの気持ちを明かすことはできない。
軽蔑される。
私は怖い。あの日から、私の中には彼女が一番残っているからだ。
そんな彼女を手放してしまったら、私は私ではいられなくなってしまう。

「……それは幸せが逃げるってことでしょ」
「そんなのもあったかな」

そう言うと、魔理沙は許可なく居間に入ろうとする。
私はそれを止めない。いつものことだから。
仕方ないと、彼女だからと、私はいつも緩い一線を引いてしまう。

「散らかさないでよ」
「わかってるぜ」

ニヤニヤと笑みを浮かべる魔理沙。
私は奥に入り、棚から茶葉と魔理沙の好きな煎餅を取り出す。
お湯を入れ、暖かい蒸気が上がる。
それを持ち、居間に戻ると魔理沙が向かって左側に座っていた。
私はその右、魔理沙の正面に座る。
魔理沙は早速煎餅を一枚とり、バリッと音をたてた。

「ま、これが普通なんだよなあ」
「どういう意味よ」

魔理沙に続いて煎餅とる。
呆然と半目で意味も無さそうに呟く魔理沙の言葉に、私は疑問を返した。

「ついこの間まで異変が長く続いていたからな……何というか、平凡な日常が退屈というか」
「つまり暇ってことじゃない」
「う、うるさい」
「まあでも、魔理沙の言うこともわからなくもないわね」

それでも、私はこの平凡な日常が嫌いではなかった。
魔理沙と過ごす時間は少なからず、博麗の巫女としての仕事に比べれば心を落ち着かせることのできる場だった。
私は彼女との時間が好きだ。
彼女と過ごしていると、心が安らぐ。
そんな唯一の安易の場を、私はすっかり当たり前だと思っていたのかもしれない。
もしも、こんな日常が続けば、それで終わることができるのなら、それはどんなに幸せなことなのだろう。

「…………」
「…………」

そう思ったのも束の間、目の前の光景に私と魔理沙は呆然とする。
そしてお互い顔を見合わせて引き攣らせた。

「なあ、こういうのって客である私に譲るべきだよな」
「あら、お茶も菓子も用意した家主である私に譲るべきよね」

私と魔理沙は笑ってはいるが、とても目が笑っていない。
そう、目の前に入るのはお皿の上に置かれた一枚の煎餅。
二人いるこの空間で一枚という数字は天敵の数字だ。


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