二次創作小説(紙ほか)
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- テイルズオブエクシリア2〜その瞳に映る世界〜
- 日時: 2017/05/20 01:00
- 名前: エルル (ID: RSw5RuTO)
あらすじ
分史世界の消滅と、ルドガーが時歪の因子化して10年・・・・
ルドガーの娘であり、相棒だったエル・メル・マータは、
アルヴィン、エリーゼ・ルタスと共に、商人の仕事をしていた。
源霊匣の普及により、世界に緑が溢れ、
リーゼ・マクシア、エレンピオスの両国は和平条約を結託し、
束の間の平和が訪れていた。
しかしある日、エルはトリグラフで、行方不明者が多数出ていることを知る。
エルは、行方不明者について調べていくうちに、とんでもない大事件に巻き込まれていく・・・・。
あいさつ
はじめまして、エルルと申します。
TOX2の後日談を書いてみようと思い、スレを立てました!
小説を書くのは初めてですので、お見苦しい点があるかに思いますが、
どうぞ時間のある方だけ、ご覧くださいませ!
何か感想やアドバイスなどあれば、是非コメントをお願いいたします!
- Re: テイルズオブエクシリア2〜その瞳に映る世界〜 ( No.3 )
- 日時: 2017/05/20 16:36
- 名前: エルル (ID: RSw5RuTO)
第1話 謎の行方不明事件
「おう、エル!やっと来たか」
ここはトリグラフ中央駅
10年前に比べると活気が出ており、人も増えている。
10年前のあの日以降、クランスピア社は新しい社長に変わったらしい。
エルは、当時は難しいことはわからなかったけど、
学校に通い、卒業して、世間のいろんなものや出来事を知ってきた。
こうやっていられるのも、「彼」・・・ルドガーのおかげだ。
駅でエルを待っていたのは、
10年前に比べると少し老けたような顔つきで、あごひげを生やすアルヴィンと、
10年前に比べるとより女性らしくなり、髪型もそれに合わせお姉さんっぽくなったエリーゼが
エルを発見して手を振っていた。
「遅くなってごめん、なんか魔物が道を塞いでたから、ちょっと・・・」
エルはアルヴィンとエリーゼの近くまで走ってきた。
「大丈夫ですか?魔物はどうしたんですか?」
エリーゼが心配そうにエルを見つめる。
エルは、少しふんぞり返って
「だいじょぶ!ちょっと蹴り上げて追っ払ったし!」
それを聞いて、アルヴィンとエリーゼは噴き出した
「さっすが、ルドガーの娘さんだよな、お転婆だ」
「あんまり女の子が無茶をしちゃだめですよ」
「・・・??」
二人の様子にエルは首をかしげる。
「さて、早速仕事に向かおう、取引先はもうドヴォールにいるってさ」
アルヴィンがGHSをチェックしながら二人に指示を出す。
「取引先はどちらなんでしょうか?」
「エリス有限会社。去年立ち上げた会社らしいから、まだ右も左もわからねえみたいだし、交渉相手としてはうってつけだ。」
「そうなんですね〜」
エリーゼがうなづきながら、GHSで取引先の情報を見ている。
エルもGHSで取引先の情報をチェックしようとしていた。
「・・・・ん?」
エルは気になる記事をなんとなく開いてみた。
「どうしたんですか、エル?」
「なんか、トリグラフで行方不明者が多数出てるんだって」
アルヴィンは、少し怪訝そうな顔をして、
「妙だな、それってトリグラフだけなのか?」
「ううん、ディールやドヴォール、リーゼ・マクシア各地でも行方不明者が出てるんだって」
エルの説明にアルヴィンは奥歯に肉が挟まったような顔をしていたが
「ま、今は仕事が先だ、取引先を怒らせたら俺たちが行方不明になりかねないからな」
と、エルとエリーゼの背中を押し、ドヴォール行きの列車に乗った。
「取引先の人、すごく優しそうな人でよかったね〜」
エルは、仕事でとったメモを見直しながら言った。
「そうですね、アルヴィンがくしゃみをしたからちょっとヒヤっとしましたけど。」
「あ、あれは、ホコリが鼻についたんだよ・・・」
アルヴィンは少し恥ずかしそうに鼻をこする。
3人が駅に向かっていると、茶髪の少し背がある女性が見えた。
「すみません、行方不明者について取材をしていた者なんですけど〜」
「アレって、レイア?」
エルが茶髪の女性を指さして言った。
「え、不在なんですか?あぁ〜、そうですか〜・・・・また日を改めてきますね!」
茶髪の女性が少しがっかりした表情でこっちに向かって歩いてくる。
「よ、レイア、おひさ!」
アルヴィンが気さくに話しかける。
女性は顔を上げて
「んえ・・・・あ、アルヴィン!エルにエリーゼも!」
嬉しそうな顔をした。
「というわけで、行方不明者の情報を集めてるんだよ。警察も毎日捜査してるらしいけど、一向に手がかりがなくって。」
レイアの話によると、行方不明者は不特定多数で、老若男女問わず、様々な場所で失踪しているとのこと。
行方不明になった人は、突然姿を消した。という以外に特定の行動をしているわけでもない。
「うーん、ますます妙だな・・・・まさか、クロノスが関与してたりとか」
「それはないよ、確かに精霊の仕業かもしれないけどさ・・・・」
レイアは少し考えてから
「もしかしたら、10年前のシャドウとヴェリウスの時みたいに、他の大精霊が関係してるんじゃないかな」
と、ペンを向けてズバッといった。
「可能性はあるかもしれませんね、でも、何が目的で・・・・?」
「とにかく、行動も目的も不明のままなんだよ。犯人は何が目的なんだろ・・・・・」
一同は頭を抱え込み、悩んでいると、エルが
「あー!もう、みんな難しいこと考えすぎ!とりあえずご飯食べよ!アルヴィンのおごりで!」
「え、そんなこと聞いてねーんだけど」
「私がいま決めたの、とにかくいこ!」
エルはみんなを引っ張り、バー・プリボーイへと向かった。
- Re: テイルズオブエクシリア2〜その瞳に映る世界〜 ( No.4 )
- 日時: 2017/05/21 02:43
- 名前: エルル (ID: RSw5RuTO)
第2話 目撃情報
アルヴィン、エリーゼ、レイアと食事を済ませたエルは、トリグラフに戻り、
マンションフレールへ戻ってきた。
10年前、ルドガーとユリウス、そしてルルが暮らしていた場所を、
今はエルが借りていて、暮らしている。
アルヴィンやレイアが家賃の肩代わりをしていてくれていたが、
現在はエルが家賃を払っている。
「ナァ〜」
ルルがソファの上で寝そべってエルとコルルを迎えてくれた。
「ただいま、ルル!」
そして、自室に入り、
「ただいま、ルドガー、メガネのおじさん。」
そうぽつりとつぶやいた。
次の日の朝、エルはGHSをチェックした。
「えーっと、次の仕事は、昨日の取引先に商品を売りに行く・・・集合場所は・・・・・」
メールを読みながら朝食をほおばる。
ルルとコルルも朝食のカリカリを仲良く食べている。
『では、次のニュースです。』
「ん?」
『昨日未明、新たに行方不明者が出た模様。目撃したリトアス・キラ・ゲヴェーア氏は、警察の事情聴取によると、「目の前で人が靄に包まれて消えた」と証言しており———。』
エルは、早速レイアとアルヴィン、エリーゼにニュースの内容をメールで送信した。
「そうそう、もうびっくりしたんだよ!ゲヴェーアさんってば昨日いなかったからさ!」
レイアはスケジュール帳に何かを書き込みながら言った。
「まさか警察に事情聴取されてたなんて、ホント・・・・」
「わかったわかった、レイア、お前は持ち場に帰れ」
アルヴィンがあきれた様子でレイアを押しのける。
「それにしても、本当に怖いですよね、行方不明者が増え続けているだなんて・・・。」
エリーゼが心配そうな様子でGHSを触っていた。
どうやら、ドロッセルに連絡していたようだ。
「ま、行方不明者が増えているのは心配だが・・・・お前ら、仕事は仕事だ。ホラ、切り替えた切り替えた!」
そして、マクスバード/リーゼ港についた一行は、取引先を待つことにした。
そして夕方・・・・
「まさか取引先の人が行方不明になっちゃうなんて・・・・」
エルは驚きを隠せずにいた。
「昨日までは普通に話していた人なのに・・・・」
「こりゃ、マジでただ事じゃねーな・・・・」
エリーゼとアルヴィンも気難しい顔をする。
「ま、明日も仕事だからな・・・・明日の仕事は明日の朝連絡するから」
「おーいみんなー!!」
アルヴィンが明日の業務連絡をしている最中に
レイアが走りながら叫んでいた。
「た、たたたたた、大変なんだよ!!」
「どうしたんですか、レイア、そんなに慌てて・・・・」
レイアは息を切らしながら
「そ、それが、えと・・・なんていったら・・・・」
「落ち着けって、何があったんだ」
アルヴィンがレイアを落ち着かせている。
レイアが落ち着いてきたが、まだ少し慌てている様子だった。
「お、落ち着いて、聞いてね?実はね———」
「ジュードが私の目の前で行方不明になったの!」
「・・・・え?じょ、冗談」
「冗談じゃないって!冗談だったらこんなに慌てないでしょ!!」
レイアの様子に嘘はなさそうである。
アルヴィンもエリーゼもエルも、表情が固まった。
「ジュードが、行方不明・・・・?」
- Re: テイルズオブエクシリア2〜その瞳に映る世界〜 ( No.5 )
- 日時: 2017/05/21 15:45
- 名前: エルル (ID: RSw5RuTO)
第3話 情報収集、開始
ジュードの失踪が発覚して数日後
あれから確かな情報が得られず、警察もお手上げだった。
エルやエリーゼ、アルヴィンもあれから情報収集をしているが、
有力な手がかりはなかった。
「でね、今日、前に取材をお願いいしてた人に、取材しようと思って。」
レイアは、スケジュール帳をチェックしながら言った。
今日は、アルヴィンに「レイアに付き添って来い」と言われ、エルはレイアの取材の手伝いをすることになった。
エルはコルルの頭をなでながら
「前、取材をお願いしてた、ドヴォールのゲヴェーアさん?」
「そう!その人ね、今はディールの居酒屋で勤めてるらしいんだけど、帰宅途中で行方不明になっちゃった人を間近で見たんだって!」
「そうなんだ・・・・なにか、知ってるのかな?」
「それは、わかんないけど・・・・多分何か手がかりがあるんじゃないかなって。」
レイアとエルはとある民家のドアの前まで歩いて、
レイアはインターホンを鳴らした。
「ごめんくださーい、今日取材をお願いした、デイリートリグラフの者ですけどー。」
しばらくすると、ドアの向こうから、足音が聞こえてきた。
ガチャッとドアのカギを外す音がして、ドアが開いた。
「あぁ、どうも。」
ドアを開けたのは、金髪のボサボサ頭で、目は緑眼の垂れ目、目元にクマができている細身の男性だった。
「ああ、まずは自己紹介するよ。俺はリトアス・キラ・ゲヴェーア。」
紅茶を人数分テーブルに置きながらリトアスは自己紹介をした。
「あ、よろしくお願いしますゲヴェーアさん!私はレイア・ロランド。デイリートリグラフの編集長です。」
「私は付き添いのエル・メル・マータ、商人の手伝いをしてます。」
「ああ、断界殻を解放したジュード・マティスと一緒にいた人?」
リトアスは思い出したかのように尋ねた。
「ええ、まあ・・・10年前の話ですけど。」
リトアスはうなづきながら紅茶を口にする。
「それで、俺に何を聞きに来たわけ?」
「あ、はい!実は、最近行方不明になってる人が多数出てるじゃないですか。」
「うん。」
「それで、直接その現場を見たという情報を知って、是非取材をさせていただきたいなと思いまして!」
レイアはペンを回しながらメモの準備を取る。
「ああ、いいよ。俺の知ってることでよければ、教える。」
「ありがとうございます!早速なんですけど・・・・」
レイアは質問を投げかけ、リトアスは表情を変えずに聞かれたことについて淡々と答えていた。
「以上で質問は終わりです、ありがとうございました!」
「こちらこそ。」
レイアはメモをとった手帳を鞄にしまい、帰る準備をしていた。
「あ、あの、私からもう一つ質問いいですか?」
エルがリトアスに質問を投げかける。
「ゲヴェーアさん、もしかして、誰かと精霊術で交信とかしてません?」
リトアスの表情が一瞬変わった気がしたが、
「おいおい、俺はエレンピオス人だ、精霊術を使えるわけないだろ」
リトアスは半ば笑ったように言った。
「あっはは、ですよね!」
エルもつられて笑う。
「それじゃ、どうもありがとうございました!」
「お騒がせしました〜」
エルとレイアはリトアスの家を後にした。
彼女たちの後姿を見ながらリトアスはつぶやいた。
「あいつ、割と鋭いな・・・・。」
「うーん、ゲヴェーアさんの情報と、私が間近で見たアレ、かなり一致してるから、同一犯の可能性が高いんだよね〜。」
レイアが、帰りの電車で今日取ったメモを見直しながらつぶやく。
エルもメモを見ながら
「「靄が現れて突然消えた」ってのも結構引っかかるよね。精霊術っぽいし。」
「それなんだよねー。てことは、犯人はリーゼ・マクシア人かなぁ。」
レイアは悩みながら言った。
「でも今は源霊匣も普及してるし、エレンピオス人でも精霊の力を使うことは可能だよ?」
エルはそう指摘する。
「あーもう、悩んでも仕方ない!前進しなきゃ何も始まんないよ!」
レイアは腕を頭上にあげた。
エルは、コルルをなでながら少し笑った。
「やっぱり、その方がレイアっぽいね。」
「とにかく、今ある情報と取材を重ねれば多分、いや絶対!結論にたどり着けるはずだよ!よーし、頑張るぞ!」
レイアは声を上げて張り切っていた。
「レイア、今電車の中・・・・。」
「・・・・あ。」
- Re: テイルズオブエクシリア2〜その瞳に映る世界〜 ( No.6 )
- 日時: 2017/05/22 00:42
- 名前: エルル (ID: RSw5RuTO)
第4話 日曜日のエル
リトアスに取材をした数日後・・・・・
やはり捜査に進展はなく、犯人の特定もままならない状態だった。
エルは毎朝のニュースのチェックをしつつ、
商人の仕事を休みなく勤めていた。
「さて、今日の仕事は終わり。明日は日曜日だからな、休業日だ。」
アルヴィンは、エリーゼとエルにそういうと、肩をたたき
「ま、明日はゆっくり休めよ。」
そして翌日。
日曜日のため、エルは私服に着替え、トリグラフへとでた。
マンションフレールの前の公園では、子供たちが遊んでいる。
毎週来るクレープ屋さんも、クレープを売っている。
エルは、コルルと共に、チャージブル大通りへと歩き出した。
「パンパカパ〜ン!焼きたてのパンだよ〜!」
いつものパン屋さんがいた。
エルは、お昼ご飯にとパンをいくつか買い、
コルルと分けて食べていた。
そしてエルは、マクスバード行きの列車に乗った。
「コルル、しっかりついてきてね!今日は依頼で、メロラベンダーを狩りに行くからね!」
エルの目的は、リーベリー岩孔に出るというギガントモンスター、メロラベンダーだった。
10年前にルドガーたちがなんとか倒した大物だったが、
最近また現れて、毒素をまき散らしているとシャン・ドゥの依頼人が言っていた。
そこで、お小遣い稼ぎと戦闘訓練のために、
一人で来たというわけだ。
そしてエルとコルルは、リーベリー岩孔へとたどり着いた。
深い穴を下りていくと、
まるで葡萄のような紫色の玉を体中につけて、腕が何本もある、巨大な怪物が奇怪な動きでうろついていた。
「いた、コルル!ちょっと待っててね、すぐやっつけてくるから!」
エルは、ルドガーが使っていた双剣、双銃、ハンマーをもって、
メロラベンダーの前に立った。
「よし、メロラベンダー!エル・メル・マータが相手だよ!」
メロラベンダーは地面に潜り込み、触手でエルを地中から攻撃した。
「うわっ!」
素早く避け、メロラベンダーに剣で斬りつけた。
が、
「は、反射!?」
斬りつけたはずなのに、エルの太ももに切り傷がついた。
「クッ・・・・!」
エルは、斬撃を続ける
「せいっ、轟臥衝!」
エルは軽く飛び上がり剣を突き立てた。
が、やはり、メロラベンダーの身体に傷がつかない。
しばらくエルによる攻撃が続いたが、斬撃が反射され、エルの身体に傷がつくだけだった。
すると、メロラベンダーは奇怪な動きを見せ、
3体に分裂した。
「・・・・・!?」
エルはたちまち囲まれ、メロラベンダー達の容赦ない攻撃を受ける。
「く、うぅ・・・・」
エルは、どんどん体力が削られていく。
「こ、こうなったら・・・・!」
エルは、メロラベンダー達に突進して、双銃を上に放り投げた。
「はっ!」
ドゴォ
まずはハンマーで1体のメロラベンダーを吹き飛ばす。
「そぉらっ!」
ザシュズバッ
そして双剣で2体のメロラベンダーを切り倒しながら
「祓砕!斬!」
さらに背後に斬り抜けて振り返りながら双銃を乱射し・・・・
「はああぁっ!零水!!」
最後に双銃で無数の光弾を撃ち込み、メロラベンダー達に命中させた。
分裂したメロラベンダー達が1体を残して倒れた。
「よし、最後!」
かなり消耗しているだろうと踏んだエルは、連撃で攻め込んだ。
「蒼破刃!」「一迅!」「虎牙破斬!」「アサルトダンス!」
まずは剣閃を放ち、次に双剣で突撃し、上下に斬りつけ、
最後に前方に突進しながら連続斬りを繰り出した。
しかし、メロラベンダーは、複数ある触手でエルの剣を受け止めた。
「・・・・っ!?」
そしてメロラベンダーは、剣を受け止めたままエルを持ち上げ、壁へとたたきつけた。
「ガハッ・・・・!あっ、くっ・・・・。」
エルは立ち上がることができず、うずくまってしまう。
メロラベンダーは、とどめをさすべく、エルに近づいた。
「火となりて薙ぎ、水となりて舞い、風は刃に、地は槍に!」
頭上から、凛とした勇ましい女の人の声が聞こえた。
エルとメロラベンダーは、声のする方を向いた。
「四大よ放て!」
青と赤、緑と黄色の四つの魔法陣が展開され・・・・
「スプリームエレメンツ!!」
4色の魔法陣から無数のレーザーが放出され、メロラベンダーを襲った。
メロラベンダーは為すすべなく、倒れた。
「無事か。」
エルは頭上からの声の主を見て、驚きを隠せなかった。
「ミラ!」
金髪の長い髪のてっぺんに、びよんとしたくせ毛、そのくせ毛は特徴的で先っぽだけ緑色、服装は、白を基調とした上半身は露出が少なく、下半身は、黄色の歯車のような模様とベルトがついた、ミニスカートを着用している・・・・
まさしく10年前にみたあのミラ=マクスウェルのままの姿で、
エルに手を差し伸べていた。
「久しぶりだな、エル。」
- Re: テイルズオブエクシリア2〜その瞳に映る世界〜 ( No.7 )
- 日時: 2017/05/23 04:23
- 名前: エルル (ID: RSw5RuTO)
第5話 ミラとの再会、行方不明のミュゼ
間一髪のところで、ミラに助けてもらったエルは、
早速シャン・ドゥに戻り、クランスピア社の斡旋所に討伐の報告に行った。
「ありがとう、ミラ、助けてくれて。」
「いいや、構わないよ。私たちは仲間だからな。」
「仲間・・・・。」
エルは拳をぎゅっと握りしめ
「10年前、私、ミラにひどいこと言ったよね・・・・あの時はどうしようもなく子供で・・・・ごめんなさい。」
エルは、ミラに頭を下げた。
—10年前のニ・アケリア—
8歳のエルは、分史世界のミラがいなくなったことを受け止められず、
今いるマクスウェルのミラを認めることができなかった。
「エルの知ってるミラは、あなたじゃない。」
「ああ、そうだな。」
「わかったような顔しないでよ!」
「・・・・すまない。」
エルは、ミラに辛くあたった。
現実を受け止められない苛立ちと、自分の知るミラが突然いなくなってしまったこと。
それらを今いる違うミラにぶつけていた。
「ごめんな、ミラ・・・・エルはまだ・・・・・」
ルドガーはミラに頭を下げる。
ミラは微笑みながら
「いいんだ、ルドガー。大切な人が突然目の前からいなくなってしまうと、どうしていいかわからなくなるからな。それに・・・・」
「・・・・?」
「今のエルには整理する時間が必要なんだよ。」
ミラは、エルを見ながら語る。
そして、エルはミラを見上げ、
「決めた、エル、あなたの名前を呼ばないことにする。」
「そうか、エルが決めたのなら、そうするといい。」
エルは少し驚いた表情で、
「いいの?ずーーーーっと名前を呼ばないかもだよ?」
ミラは目を細め、
「エルがそうしたいならそうすればいい。私はそれを受け止めるよ。」
と言った。
エルは、少しむっとした表情をして、そっぽを向いた。
「冷たいんだね」
「・・・?そうか、しかし・・・・んん。そうだ。」
ミラは何かを思いついたような顔をして、エルに言った。
「エル、私と友達にならないか?」
「えっ?・・・・意味わかんない!」
エルは怒り出して民家を飛び出した。
「ああ、あの時のか。」
ミラは思い出したかのようにふふっと笑った。
「いいんだよ、大切な人を失ったときは、その現実を受け止められないからな。」
「・・・・ありがとう。」
エルは顔を上げて、笑った。
「ところで、ミラはなんでここにいるの?」
「ふむ、実はな・・・・。」
「ミュゼが行方不明?」
エルは驚いた。
ミュゼは、次元を切り裂く力を持つ精霊・・・・
つまり、行方不明になったとしても戻れるはずだと思ったが
「ああ、この事件は、おそらくクロノス、オリジンと同等の力を持つ精霊の可能性が高い。」
ミラは唸りながら推測する。
エルは、GHSでアルヴィン、エリーゼ、レイアに連絡を取る。
「まった、その話、みんなと一緒に考えない?」
エルは、とりあえずマクスバードにみんなを呼ぶことにした。
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