二次創作小説(紙ほか)

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恋する資格
日時: 2017/11/23 23:38
名前: なき (ID: Mm9jHYga)

テニプリ虹夢なら。

Re: 恋する資格 ( No.4 )
日時: 2017/11/25 23:19
名前: なき (ID: Mm9jHYga)

「すごいウザかったなぁ」

精市は、何を考えているのか察しがつかない笑みを浮かべて俺の前の席に座った。恐らく、今は機嫌が良くない。

「貴八木あみ。あいつの仕業かな」

先ほど、あみと同じクラスの女子たちがわざわざ俺と精市のいる難関大学選抜コースのある階にやってきた。彼は愛想よく対応していたが、女子たちは叫んでばかりでコミニュケーション能力と語彙力が死滅していた。

「精市なら珍しくもないことだろう、大体あみが何をやらかしたんだ?」

貴八木あみ…久方ぶりに聞く名前。中学では2年間同じクラスだった。それだけだ。

「あみは俺のこと嫌いだろうね、前のことがあったからさ。まぁ別になんとも思ってないけど」

「あぁ…中学のときの…」

二人は至って静かだが、学校のどこにいても1目置かれる。真田は同じコースで隣のクラス。柳生、ジャコは難易度が一つしたのコース。丸井、仁王は一番偏差値を落としたコースに進学している。

いずれも彼らは何だかんだ仲良しであった。

「でもさ、ジャッカルがあみのこと好きだったよね」
「かなり貴八木家の会社の飲料を買いだめしていたな。あとは…」
「チョコ上げてたよね、かなりゲロ不味いの」

愛ゆえに…彼らは彼らのいない所で、お互いの黒歴史を暴露しまくっている。


Re: 恋する資格 ( No.5 )
日時: 2017/11/25 23:40
名前: なき (ID: Mm9jHYga)

今日は珍しく家に帰った。両親が外出中に、お風呂に入りご飯を部屋へ持ち込み鍵をかけ、ゲームアニメに没頭する時間を迎える。

まだ夜10時。明日は土曜日。確か…あの女はまた別の男と遊び呆けるはず。

あみの母親は男癖、いわゆる不倫する癖があった。ただ、あみに対しては虐待とも取れる行為を小学生まで繰り返す。父親はそんな嫁に毎度痺れを切らし、娘であるあみを連れて出て行こうとしたが、法律上あみの親権は母方である貴八木家と冴子が持っており、財力とまさに娘を人質に取るようにされ父親も出ていってしまった。数年に渡る離婚協議を経て父親と母親は今年の4月に離婚した。

残ったあみはどうなるか?

世間体を考えた冴子はあみに中学受験をさせ、立海大付属中学に通わせた。高校に関してはあみはどうでもよかったので、持ち上がりの立海大付属高校を選んだ。

金ならいくらでもある、冴子の口癖。実質、まだ冴子の金であみは高校に通っている。

だからあみは娘として家に帰らなければならない。学費と生活をするために。いずれは世間に告発文を突きつけるつもりでいる。

いわゆる毒親。

そんなことを考えて、憎しみにくれていながらコントローラを握りしめる。

その方が調子がいい。

Re: 恋する資格 ( No.6 )
日時: 2017/11/27 03:48
名前: なき (ID: Mm9jHYga)

土曜日。発売されたコミック「ぼくときみのEDEN」を買い求めるために書店へ出向いた。午後3時まで寝ていたので、家を出たのは午後6時である。カバンの中には制服と、着替え、洗顔料や下着が詰め込まれていた。あみは家に帰りたくないので2、3日家を空けることが多々ある。

御用達の「さるのあな」へ入店した。ここは最大級の規模を誇るが、当たりは同人誌や原画が密集していて、地震が来たらBL松やあんスタの漫画たちに潰されて死ぬんじゃないかと思う。18禁コーナーを目の前にしたが、なんの違和感もなく彼女は進んでいく。あの貴八木の令嬢がこのような場所にいるとは誰しも想像しない。

「あった…」

残り1冊、新刊で話題作なので店員の帯まで付けられている。一番上の棚。手を伸ばして見たが届かないので、脚立を探そうと当たりを見まわした。

「あ、」

本棚の前に張り付いていたはずなのに、背後から頭上を覆う腕が「ぼくときみのEDEN」を奪い取った。
最後の1巻、頑張って土日外出したのに…無慈悲にも。

「超話題作。ダブルスのペアが魅せる純愛かつエロスポ根ボーイズラブ、これほど泣けるBLは史上初…中々興味深い」

誰かが私の背後で帯を音読している。その声、聞いたことある。

「や、柳蓮二…?」
「正解。正答率20%かと予想していたが」

は?なんでここにいんの?私、腐女子ってバレるじゃん。いや、隠す気はねーよ?ないけど…え?ちょ、パニック。

「なんでいるの…?」
「部活の帰りにお前を見つけた、怪しい雑居ビルに軽々と足を踏み入れていたのを見かけてな。跡をつけた、それだけだ」
「は?あ、(私「は?」とか言わないんだった)え〜?嘘でしょ?」
「嘘ではない。ならば俺が買おう、このぼくときみのEDENを」
「ま、間に合ってるから大丈夫」

死にたい欲。ほっとけ、お願いだからほっとけ。私は素早くその場を立ち去りたかった。別に何か笑い話にされても、この場には蓮二と私しかいない訳だし。うん。私自己完結のプロ。

「蓮二も早く帰ったほうがいいよ?制服だし…」
「無論、老けて見られるには慣れている」

ああ言えばfor you!!早くこの場から立ち去りたい。気まずい。

「大丈夫だ、誰かに言ったりはしない」
「う、うん」

蓮二はあみに一歩近づいて、ぼくときみのEDENをあみの手から少々乱暴に取り上げた。

あみは怖気付いて俺がまた一歩踏み出すと、後退りをした。背中に本棚の側面の壁がくっついてこれ以上は逃げられなくなった。俺は「かかった」と思った。

あみをたまたま見かけて、跡を追った。長い髪といかにも可憐な顔立ち、本人には気づかないどこか影のある雰囲気。場に似つかない品行のある格好。the・オタクたちの目線を物ともせずに18禁コーナーへ直行するシチュエーションは旨すぎる。一瞬、自分がどんな人間か忘れて純粋に後ろ姿に惚れ掛けた。これはいけないと自嘲していた。そもそも、部活と勉強で鬱憤が溜まりまくっているし、自分が何に対しても分析癖と観察眼を持ってしまうことにストレスを感じていた。

一時こいつで発散しよう。自分の欲を。

「黙ってて欲しいか?」
「…できれば」
「そうか、」
「でも別に、ここにいるの私と蓮二…だけだから皆疑うだけじゃないかな?」
「すまない。携帯に証拠を残してしまった」

ウソ。

「え?…し、写真?」
「あぁ、消してほしいか?」
「もちろん!」

大体勝手に人の写真撮るのおかしいだろ!さっきから顔近いし、壁ドン(死語w)、いつ人通るかわかんないし。逃がしてくれぇ。腹パンとか出来ないし、できるものならしますけど。

「じゃあ…時間はあるか?」
「…うん」
「これ(ぼくときみのEDEN)ほしいか?」
「かなり…」

利害が一致した。

Re: 恋する資格 ( No.7 )
日時: 2017/11/27 04:04
名前: なき (ID: Mm9jHYga)

「まさよし助けて!」
「は?つか、まさよしじゃねーわ」

年に何回繰り返しただろう、まさよしの下り。

「今、柳蓮二に家連れ込まれそうでやばいんだって」
「お、あんたまで3強の一人に食われるのか」

地味に冗談になってねーわ。

あみは自分が腐女子であること、18禁コーナーに入り浸っているところの写真を取られてしまったこと、学校で言いふらされてキャラ壊しされるのが嫌なこと。3つの事情により柳蓮二の家について行くことにした。しかし、暗黙の了解。蓮二が何を企んでいるのか聞けない。

コンビニに寄りたいといい、トイレで真幸に助けを求めている。

「大体なんで連れ込まれそうなの?」
「それは…18禁コーナーでBL本買おうとしてるとこ写真に撮られたから」

「はぁ?くそワロタʬʬʬ」

笑い事じゃない。早く逃げたい。

「とにかく今は自分の身は自分で守らなきゃ、私今地方にいるから助けに行けないや…」
「うん…」
「どうしても駄目だったら警察か忍足ヘルプ」
「侑士来てくれるの?」
「…多分飛んでくよ。蓮二とタイマン張るわ」

力になれなくてごめん。と真幸は言った。今から親戚の披露宴らしい。通話は切れた。

「蓮二、あのさ…何がしたいの?」
「最近溜まっててな、疲れが」

返事はそれだけ。

「私、用事思い出した!!ごめん、今度でいい?」「お前の好きにしたらいい」

妙に蓮二は柔らかく笑った。

Re: 恋する資格 ( No.8 )
日時: 2017/11/29 23:23
名前: なき (ID: Mm9jHYga)

君と初めて会ったとき

君は誰よりも死んだ目をしていた。






バカ野郎、あいつ何しとんねん。

よりによってあみの友人である真幸から来たLINEは、あみの可愛い画像やエピソードではなく、男に連れ込まれそうになっとる話しやった。跡部に頭を下げて部活を出てきた、神奈川遠征で河南工業高校との試合中だった。調べれば電車で6駅、とりあえず最寄りの駅からコンビニまで行く事にした。

あみはそう簡単には人に心を開いたり、着いていくような人間ではない。俺が一番分かってるはずや。

なんで…


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