二次創作小説(紙ほか)

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【ONE PIECE】貴族の娘、彼の実妹。
日時: 2018/04/29 00:35
名前: クリオネf。t (ID: qizRGjjT)

どうも初めまして、クリオネf。tです。
最近ワンピースが熱いです。
と言う訳で、少しだけですが書き溜めていた小説を書いていきたいと思います。基本原作沿いです。あ、でもエース生存ルートです。

主人公 テン
  本名:テン
  愛称:おテン
  所属:無所属
モットー:命は宝物、平和第一
 懸賞金:無し
  能力:無し(厳密には有り)
 誕生日:3月20日
  年齢:20歳→22歳
  身長:178cm
 出身地:東の海 ドーン島 ゴア王国

誕生日や出身地から大体ご想像の通り、サボの双子の妹。髪型はサボに似ている(主に前髪が)。長い金髪。ゴア王国を嫌っており、そこに住む貴族や王族の事も嫌っているが、同じ人間とは思えない家族や国を捨てる事が出来なかった。17歳で婚約を機に屋敷を抜け出し旅をしている。サボの事は慕っている。
戦闘能力は非常に高い。発明なども得意で、マグマでさえも平気な手袋を作ったりしている。悪魔の実の能力はない。生まれながらに持つ能力はいくつかある。バリア、サイコキネシス、治癒能力。この事は誰にも話していなかったので、家族ですら何も知らない。治癒能力だけは、自分が怪我をした場合に勝手に発動する。無くなった腕や足も修復でき、完全に元に戻る。

Re: 【ONE PIECE】貴族の娘、彼の実妹。 ( No.2 )
日時: 2018/04/29 13:16
名前: クリオネf。t (ID: qizRGjjT)

続き

******
先程から忙しなく動き回る人々。それもそのはず、明日は天竜人が来るのだ。
きっと気に入られようと必死になっているのだろう。心底馬鹿馬鹿しいと思った。形だけ取り繕ったこんな国、全然綺麗じゃない。穢れている。
「...?」
動き回る人々を見て私はふと疑問に思った。何故、普段、汚らわしいからと近寄らない、グレイ・ターミナルの方へ向かう者がいるのか。
「お父様。何故人々は、グレイ・ターミナルへ向かっておりますの?」
「ああ、あそこはこの国の汚点だからな。焼き払うのだ」
焼き払う?焼き払うとはまさか...
「もしや...住人ごと焼き払う訳では...」
そんなことはきっとない。きっと...
「ああ、そうだ。アレは人の形をしたゴミ。問題なかろう?」
何て非道な!!まさかここまで腐っていたとは...!!
この国を綺麗に見せるためだけに、罪のない人間までもを焼き払うと言うのか、この国は!!
「私、様子を見て参ります」
この事を早くグレイ・ターミナルの住人に伝えなくてはいけない。
「危険だから行くんじゃない」
「遠くから眺めるだけです、ご心配には及びませんわ。この国の汚点が焼かれるのを、この目で見たいのです」
言っていて罪悪感と嫌悪感が込み上げる。住人を避難させる為とは言え、私はなんて酷いことを口にしているのだろうか。
「まぁ、それならいいだろう。ただし、近づいてはならんぞ」
「はい、承知しております、お父様」
...行かなくちゃ。住人を避難させなくては!!
私はグレイ・ターミナルに向かって一目散に走る。足の速さには自信のある方だ。
そして私は入り口へ辿り着くと、そこに立っている人に声をかけた。
「おじ様!!私を此処に入れてください!!」
「!?...いけません、貴方様のような貴族のお嬢様がこのような所に入っては!!」
もちろん拒まれた。それもそうだろう。わかっていた事だ。
それでも引けない。
「入れてください、お願いします!!」
早く...早く伝えないと...!!
ふぁ、しかし。
「!!」
遅かった。たちまち上がる火の手。本当にやったのか...
「おじ様、お願いです!!」
「駄目です!!危険です!!」
「そんな...!!」
もう成す術がない。私はなんて無力なのだろう。
「ああああああ!!!」
私はもう、泣いて走る事しか出来なかった。もう、あそこへは入れない。
どんっ
そして前も見ずに走っていた私は、何かとぶつかった。
「...おい、娘。何をしている」
「...!?」
それは、黒いフードを被ったおじ様だった。顔わよく見えないが、刺青をしている。
「...貴方は、この国の方、ですか」
私はつい、そう尋ねてしまった。
「ああ、かつてはな。だがおれは、この国は嫌いだ」
同じだと思った。この人ならば、あの人達を助けてくれるかもしれない。
「...おじ様。あのグレイ・ターミナルには人が住んでいるのです。それなのに、この国の者達は、火を着けた...!!どうか...どうか、あの人達を助けてください。私は...私には、何も出来ない...!!何の力もない...!!私は無力なんです...あの人達を助ける事は出来ない!!この国は...腐っています...!!私は...無力な自分が悔しくてたまりません!!どうか、お願いします...おじ様...!!」
「!!!」
(この国は、こんなにも心優しい子供にまで辛い思いをさせるのか...!!)
「...それについては問題ないだろう。俺の仲間が何とかしているはずだ」
「!!...本当ですか!?」
よかった。これで、あの人達は助かるかもしれない。
「ありがとうございます...!あの、おじ様のお名前は...」
「モンキー・D・ドラゴン。革命家だ」
「ドラゴンさん...このご恩は一生忘れません!!」
私は決めた。私は強くなる。少しずつでもいい。強くなりたい。生まれながらのこの力も...誰かのために、役立てるように。
******
うーん、オワタ\(^o^)/
色々と。

Re: 【ONE PIECE】貴族の娘、彼の実妹。 ( No.3 )
日時: 2018/04/29 22:45
名前: クリオネf。t (ID: qizRGjjT)

続き

******
あれから7年。
私は婚約を機に家を抜け出した。
貴族のドレスは売り、その代わり安めの服を買った。
航海術に関しては、勉強済みだ。
私はもうすぐ偉大なる航路へ入る。その前に腹ごしらえをしていると...
がっしゃあああああん!!!
「!?」
突如大きな音がしたかと思うと、先程まで隣で大量(私も人の事は言えないが)の食事をしていた男性が皿の中に顔を突っ込んでいた。
「あの、大丈夫ですか!?」
「...ぐー」
「食べながら寝てるーーーーーーーー!!?」
ええっ!?食べながら寝るだなんて...そんな事が有り得るのですか!?
「ん...?」
あ、起きた!!でも顔が汚れている。
「あの、おはようございます?...よろしければこれを」
私は取り敢えず、顔を拭く為のハンカチを取り出す。
「これはどうもご親切に」
その人は私からハンカチを受け取ると、ニカッと笑ってお礼を言う。
顔立ちは整っており、そばかすに切れ長の目、テンガロンハットが特徴的な人だ。
「食べながら寝る人だなんて初めて見ました!!面白いですね、窒息死しないものなのですね〜!!」
私は思った事を口にする。すると男性は一瞬きょとん、とした表情になり、
「あー、確かにそうかもな!!」
と笑って言った。
「あ、店主さんご馳走さん」
男性は店主さんにそう言うと、支払いもせず立ち去ろうとした。
「あの、お支払いはなさらないのですか?」
「あ...」
「もしかして、お金がないのですか...?」
お金も無しにこんなに食べていたのか、この人。
仕方がない、まだ全然余っている事だし、一緒に払ってあげよう。
「私が一緒に支払います!!おじ様、おいくらですか?」


「いやぁ、助かったよ。ありがとな。えーと...」
「あ、私、テンと言います」
「そうか。おれはポートガス・D・エース」
「あ、スペード海賊団の船長さんなのですね。何処かで見た事あると思いました」
最近話題のルーキー。
「かっこいいです、海賊」
「お前、海賊を怖がらねェんだな」
「はい、私こう見えても強いですし!!」
あの日、私は強くなると決めたから、強くなったのだ。
もうあんな思いはしたくない。
「それに、海賊が全員悪い人だとは思っていません。人は見た目や役職で決まるものではありません。どんな役職でも、汚い生き方をする人はいるものです。形ばかり取り繕う人間だっています。貴方は、そうではないとわかりますし、平気です」
今までの経験上、何だかわかるのだ。
私のいた国は形ばかり美しくて、中身は汚れきっていた。
「そうか」
「私、旅に出て改めて感じました、自由っていいですよね!!何にも囚われない人生。素敵です」
「お前は自由じゃなかったのか?」
「はい。アレはもう、鳥籠のようなものでした。私はもうあんな国には戻りたくない」
そう、あれは囚われの身と言っても過言ではなかった。
「お前はおれの兄弟に似てるな」
「エースさんのご兄弟、ですか?」
エースさんに兄弟がいるのか。
「とは言っても血は繋がってねェんだ。それでも大事な兄弟なんだ。彼奴もお前のように、自由を求めてた」
「そうなのですか...私にも大好きな兄がいました。兄は私よりも先に海へ出ました。消息は不明ですが...私達は双子ですから、何となく何処かで生きているのだと感じます」
何よりも自由を求めたお兄様。私もそう。
「...こうやって話していると、まるでお友達が出来たみたいです」
「お前は友達がいないのか?」
「はい。友達と呼べる友達はいません」
「ならおれが友達1号になる」
「え、本当ですか!?」
エースさんは、私と友達になると言ってくれた。私は初めての友達に、舞い上がりそうになった。
お兄様、私、お友達が出来ましたよ!!
******
友達1号がエースって何気凄いな。
でも、サボの妹って感じですね。

Re: 【ONE PIECE】貴族の娘、彼の実妹。 ( No.4 )
日時: 2018/04/29 23:47
名前: クリオネf。t (ID: qizRGjjT)

続き

******
あれから3年後。
私は20歳になった。そういえば、エースさんの弟も海賊になると言っていた。名前はルフィさん。
本名モンキー・D・ルフィ。...ドラゴンさんと同じ姓だ。
もしかすると、彼の息子なのかもしれない。
だって彼は凄い。実際に活躍を見た事はない。でも、凄いと思った。
私もあんな風に強くなりたい。もっと強くなって、大切なものを守れるようにしたい。
「と言うか此処、人通りがないですね」
別に裏路地と言う訳でもなさそうなのに。
ドーン!!
「!?」
突然響く大きな音。
何事かと思って見に行けば、何やら戦闘の真っ最中なようだ。
「これは...何なのでしょうか」
「そこのあなた!!」
「は、はい!?」
突然降りかかって来た声に驚く私。
声のする方を見ると、何やら可愛らしい女性が立っていた。
「あなた、こんな所にいたら危ないわよ」
「い、いえ、私は大丈夫です。一般人ではありませんから」
強さ的な意味で。まぁ、身分的にもそうだが、貴族と言う身分は捨てたから。
「そうなの?あなたは何者?」
「旅人です、今は。特に何も所属していないので。あ、よろしければ加勢致しますよ。暇なので」
暇だから加勢って言うのもあれだが...命は宝物、平和第一だし、早くこの戦いは終わらせた方がいい。
「うーん、でも、革命軍じゃないあなたを巻き込む訳には...」
革命軍...?
「もしかして、ドラゴンさんのお仲間の方々ですか!?」
「あなたドラゴンさんの知り合い?」
「ドラゴンさんは命の恩人なのです!!とは言っても私の命ではないのですが...でも、返しきれないご恩があるのは確かなのです!!こんな所でお仲間にお会いできるだなんて思いませんでした!!」
「そうなんだ...」
「ドラゴンさんのお仲間とあれば尚更です。加勢致します!!」
よし、私、頑張ります!!


「...ほんとに強いんだね...凄い」
「あ、でも殺す事は出来ないです。命はどんな者であっても大事ですから」
「そういうとこ、ドラゴンさんに似てる。ねぇあなたついてこない?」
「え、ついて行くって何処へ...」
「いいから!!」
「きゃっ!?」
私は女性に半ば強引に連れられ、何故か船に乗った。
「あ、あの、いいんですか?これ、革命軍の船ですよね...私みたいな部外者を乗せてしまって、怒られませんか?」
「いーのいーの!!あ、私はコアラ。あなたは?」
「テンです」
「おテンちゃんかー」
本当にいいのだろうか...ドラゴンさんとか、その他の偉い人達に怒られなければいいのだが。
「おいコアラ、誰だそいつ」
「あ、サボ君」
「さぼ...?」
今、コアラさんはサボと言った。もしかして...
「お、にい...さま」
「ん?何か言った?」
「い、いえ」
間違いない。面影がある。それにあのシルクハット。間違いなくサボお兄様だ。
「サボ君、紹介するね。この子はおテンちゃんだよ」
「いや、何で部外者が此処にいるんだよ」
「いいじゃない、この子は私達の手助けをしてくれたのよ」
「へぇ、この弱そうなのが」
弱そう...か。確かにそうだ。私はお兄様に何もしてあげられなかったから。
「ちょっと、女の子に向かってそんな言い方ないでしょ!!」
「い、いいんですコアラさん!!私は確かに弱かったんです。だから彼を怒らないであげてください」
「おテンちゃん...」
先程からのお兄様のこの態度。私の名前を聞いても何も反応しなかった。もしかして、覚えていない...?
「あ、あの、つかぬ事をお伺いしてもよろしいでしょうか...」
「どうしたの?」
「あの...おn...サボさんは、記憶を失っていたりしていらっしゃるのでしょうか...」
「...もしかしておテンちゃんは、記憶を失う前のサボ君を知ってる?」
...どうやら正解だったようだ。そうか。何もかも忘れてしまったのですね...
「...はい」
「お前、貴族か?」
「...はい」
「おれは記憶を失って、ハンカチに刺繍してあった自分の名前ぐらいしか覚えてない。ただ、ドラゴンさんから聞いて自分が貴族だった事は知ってるし、両親の下には帰りたくないと強く感じた」
...そうですね。貴方はお父様とお母様...あの国を嫌っていましたから。
自分が何者なのか。ほとんどの事を忘れてしまっても、あの国への嫌悪は残っている。それほどまでに醜悪な国だったのだ、ゴア王国は。
「お前がおれとどういう関係だったかは知らねェが...おれはお前を信用することはできない」
「それでいいのです。それが正常なのです。これで信用できる方がおかしい事。私は貴方に何もしてあげられなかった。今更信用してほしいだなんて言える身ではありませんから」
私は無力だった。何もできなかったのだ。
私はそういう人間だ。私はあの国の貴族や王族と何ら変わりないのだ。
私は...酷い人間だな。
******
gdgdだァ...

Re: 【ONE PIECE】貴族の娘、彼の実妹。 ( No.5 )
日時: 2018/04/30 10:12
名前: クリオネf。t (ID: qizRGjjT)

続き

******
バルディゴにて。
「おテンちゃん、いいの?」
コアラさんが心配そうに私を見つめてそう言う。
「いいのです。私は昔から嫌われていた身ですから。当然の事ですよ」
そう、わかっていた事だ。
「でも、おテンちゃんは悪い子とは思えないよ」
「いえ...私は酷い人間です。彼の味方になりたくても、結局なれなかった」
私は不甲斐ない妹だ。私がお兄様に何かしてあげられたら、お兄様はもう少し楽でいられたのかもしれない。
「...新聞読む?」
気を利かせてくれたのか、コアラさんが今日の新聞を差し出す。
「あ、ありがとうございます...」
「お茶、淹れようか?」
「いえ、お構いなく...お気遣いありがとうございます」
この人は本当にいい人だ。私もこんな人間になりたい。
そう思いながら新聞に目を通すと、驚愕の内容が記されていた。
「...え」
「何?どうしたの?」
<ポートガス・D・エース 公開処刑>
気のせいかと思って何度も見返した。
「え、エースさんが...処刑される...!?」
「...火拳のエース...知り合いなの?」
「お友達なんです、私の...!!一番最初に出来た、大切な...!!」
そんな、何で、何でエースさんが処刑だなんて...あ。

回想

「なぁテン」
「はい、何でしょう」
「お前は、海賊王に子供がいたらどうする?」
「海賊王...あ、ロジャーさんの事ですね。凄いですよね、彼。海賊王はきっと、愛された者しかなれないんじゃないかと思います。世間では悪いイメージしかないようですが...きっと真っ直ぐな人柄だったのではないでしょうか。そんな彼の子ですから、きっと真っ直ぐないい人なのでしょうね。そう言う人とお友達になりたいです」
「...お前やっぱり変わってるな。普通そこまで考えねェよ」
「そうですかね」
「...おれは、海賊王の息子なんだ」
「へぇ、そうなんですか。エースさん、とってもいい人ですし、納得です」
「鬼の子だぞ?」
「違いますよ、偉大な方の息子です。それに誰の子だとしてもエースさんはエースさんで、私の大切なお友達です!!」
「そうか...ありがとな。やっぱりお前はいい奴だ」



...そうだ、彼はゴールド・ロジャーの息子なんだ。
でも、だから何だというのだろうか。私はロジャーさんは偉大な方だと思うし、全然悪くないと思う。それに、親の罪を子に被せるなんてそんなものはもっての外だ。
「私、マリンフォードへ行きます...!!」
「だ、駄目だよおテンちゃん、危険だよ!!きっと戦争になる...!!」
「それでも行くんです!!大切なお友達を死なせる訳にはいきません!!それに......大切なものを守れずにいるのは、絶対に嫌です!!」
もうあんな惨めな思いはしたくない。大切なものを失いたくない。
あの時私は何も出来なかった。だから今度は、私が何とかするんだ...!!
「おテンちゃん!!」
「離してください!!」
「何だどうした」
大きな声が気になったのか、お兄様が部屋に入って来た。
「あ、サボ君!!おテンちゃんがマリンフォードに行くって言って聞かないの!!」
「マリンフォードに...?何でまた」
「エースさんが...エースさんが処刑されるんです!!」
「エース?火拳か」
「私の大切なお友達なんです...私には、友達と言う友達がいなかった...彼は私の初めてのお友達なんです!!だから私は彼を助けたい...!!」
「初めての友達...」

——————「おれは海賊になって、勝って勝って勝ちまくって最高の名声を手に入れる!!それだけがおれの生きた証になる!!」

(何だ...?)
「...サボ君?」


——————「世界中の奴らがおれの存在を認めなくても!どれ程嫌われても!大海賊になって見返してやんのさ!!」

(!!...そうだ。エースは...エースはおれの兄弟だった!!どうしておれは今まで忘れていたんだろう...!!エース、ルフィ...すまない!!)

「...大丈夫ですか?」
「...おいテン。マリンフォードへ行くぞ」
「え...?」
お兄様も、マリンフォードに...?
「君もなの!?」
「エースはおれの大切な兄弟だ。血は繋がってねェけど...盃を交わした、義兄弟...!!」
「!!...もしかして、記憶が戻ったの!?」
「ああ...」
記憶が戻った...エースさんとお兄様が義兄弟...
そういえばエースさんには、自由を求めた兄弟がいると言っていた。
もしかして、お兄様の事...?
「じゃあおテンちゃんの事も...?」
「ああ...おれの実の妹だ...まぁ...妹とは言っても、双子だから歳は変わんねェけど」
「ええっ、妹!?...言われてみれば似てる」
え、似ているのでしょうか?
「あの...お兄、様...」
「...昔、おれはお前も他の奴らと同じだと思っていた。でも翌々考えてみれば...お前は必死におれを庇おうとしていた。それに何より、ゴア王国を嫌っていた。おれが戻って来た時、おれまで腐ってしまうと言った」
「......」
「ごめんな、気づかなくて。お前もお前なりに苦しんでいたんだよな」
「お兄様。謝らないで下さい...私を、許してはいけません...私は、お兄様に何もしてあげられなかった。大好きだったのに。何も言えなかったのです」
「...お前は悪くないさ。悪いのは全部あの国だ」
「お兄様は、優しいですね」
こんな私も、許してくれる。
「優しくなんてないさ。おれは大切な兄弟や妹の事まで忘れていたんだ」
「エースさんの義兄弟とは、お兄様の事だったのですね...」
「エースから聞いたのか?」
「はい。私と同じように、自由を求めた兄弟がいると」
「...そうか」
「お兄様はどうして革命軍に?」
「ああ...おれは10年前、天竜人に撃たれたんだ。その時、ドラゴンさんが助けてくれた」
「...ドラゴンさんが」
本当に、あの人には助けられてばかりだ。感謝してもしきれない。
「それにしてもお兄様、変わりましたね。そちらの髪型の方がかっこいいです」
「そうか?」
「はい」
「その髪型だと余計兄妹感が出るね」
「「そうなのか?/そうなんですか?」」
「...そっくりね、君達」
******
長くなったので切る。

Re: 【ONE PIECE】貴族の娘、彼の実妹。 ( No.6 )
日時: 2018/05/02 18:17
名前: クリオネf。t (ID: qizRGjjT)

続き

******
「と言うか、本当に行くつもりなの?」
「ああ」
今から1週間少し先。エースさんが処刑される。それを何とか阻止する為、私達はマリンフォードへ向かうつもりなのだ。
「...まぁ、もう止めないけど...ドラゴンさんに許可取ってから行ってよね」
「それならば問題ない」
「ど、ドラゴンさん...!!」
突如聞こえて来た、懐かしい声。
「マリンフォードへ行く事を許可しよう」
「ドラゴンさん...」
「娘...テンと言ったか。久しぶりだな。大きくなったものだ」
「はい...私はもう、あんな惨めな思いはしたくないのです。...あの時は、本当にありがとうございました」
「ああ...」
「ところでお聞きしたいのですが」
「何だ」
私は前々から疑問に思っていた事があった。ルフィさんとドラゴンさんの関係だ。
「ルフィさんは、貴方の息子さんですか?姓が同じなので、そう思ったのです」
「ああ、ルフィか...ルフィは確かにおれの息子だが」
やっぱりそうなのか。全然似ていないが、強い意志などはきっと同じだろう。
「「ええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?」」
お兄様とコアラさんが私達の会話を聞いて声を上げる。
「ど、ドラゴンさん、息子さんがいたんですか!?」
「ど、ドラゴンさんが、る、るる、ルフィの父親...!?」
知らなかったのですね...
「それにしても、エースさんもルフィさんも凄い父親をお持ちなのですね...何だか凄い人達です」
「いやほんとだよ...エースの親父は知ってたけど...ルフィの親父がまさかこんな近くにいたなんて...」
「...それより早くマリンフォードへ行かなくては。お兄様、急ぎましょう。手遅れになってしまいます」
「ああ、そうだな...」
私達は早急にマリンフォードへ向かった。



「まだか?」
「もうすぐ着くそうです...でも早くしないと処刑が始まってしまいますね...」
あれから1週間少し。今日は処刑日当日。
早くしないと手遅れになってしまう。
「見えて来ましたね...近くに来たら私、跳んで入ります」
私はそう言いながら手袋をはめた。
この手袋はマグマグの実の能力者である海軍本部大将赤犬に対抗する為に作ったもの。対マグマ手袋。マグマが平気なので、火も平気である。
そして近くまで来た。
「では私は行きます!!」
「おれも行く!!」
そうして私達はマリンフォードへ跳んで侵入した。ジャンプ力も人並み外れていますからね。

「!!...お兄様、あれは」
「ああ、エースとルフィだ...大方、エースが挑発に乗ったんだろう」
「...エースさん」

「よう見ちょれ...」

「お兄様、私が赤犬の攻撃を止めます!!その隙にエースさんとルフィさんを!!」
「わかった!!」

どんっ!!

「っ!...ふぅ」
何とか赤犬の攻撃を止めた。対マグマ手袋とは言え、一応バリアを張っておいてよかった。
「誰じゃ貴様ら...」
「私はエースさんのお友達です!!彼と...彼の弟を助けに参りました!!」
お兄様はエースさんとルフィさんを両脇に抱えている。
「お兄様、行きましょう!!白髭海賊団の皆さん、貴方方も早く撤退を!!彼らなら大丈夫です!!」
そうして私達は先を急ぐ。
「待て、逃がさん!!!」
赤犬がそれを許すはずもなく、攻撃を仕掛けて来る。
でもそれは私が止める。
「もうこんな事、やめてください!!貴方方の本当の敵が誰なのか...見極めてください!!」
「何じゃと...?」
「貴方方の敵は!!自分勝手な振る舞いをし、罪のない命にまで手をかける、世界政府と天竜人ではありませんか!?」
「...!!」
「海軍大将ともあろう方が、そのような単純な事も理解出来ないのですか!?」
私の言葉に何も言えなくなる海兵達。それは赤犬や、他の大将、元帥も同じだった。
私はその間にお兄様達と合流した。


船内にて。
「お前...サボ、なのか...?」
「ああ。久しぶりだな、エース、ルフィ」
「さぼおおおおおおおおお!!!!生きてたのかあああああああああああ!!!!」
「うおっ!?」
ルフィさんがお兄様に思いっきり抱き着く。号泣しながら。
「はは...ルフィは相変わらず泣き虫だな」
...お兄様は、優しい表情をしていた。兄として、弟を愛おしそうに撫でる。
「サボ...お前...生きてたなら何で知らせてくれなかったんだよ...っ!!」
「ごめんな。実は、記憶を失っていたんだ」
「記憶を...?」
「ああ。取り戻したのはつい1週間程前だ」
「10年前、ドラゴンさんが助けてくださったそうです」
「おれの父ちゃんが助けてくれたのかぁっ...!!で、お前誰だ?」
...そうか、私がルフィさんを知っていても、ルフィさんは私を知らないのか。
「お前、テンか?久しぶりだな...!!助けに来てくれてありがとう」
「いいえ。エースさんは私の大切なお友達ですから」
「そうか...でもお前らどういう知り合いだ?」
エースさんは私とお兄様が一緒にいるのを見て、疑問に思ったようだ。
「ああ。テンはおれの実の妹なんだ。双子の」
「「ええええええええええええええええええええ!?!?!?」」
...まぁ、驚きますよね。
何せ、友達が義兄弟の妹だったのだから。
「お、お前が言ってた自由を求めてた大好きな兄貴って...サボの事だったのか!!」
「サボ、妹いたのかーっ!?」
「通りで似てる訳だ...」
「何かそれよく言われるけど、そうなのか?」
「髪型も似てるしな...言われてみれば兄妹って感じだな」
そうなのですね...
「って事は、テンも俺たちの兄妹って事だな!!」
「おれ、姉ちゃんまで出来るのかー、ししし!!」
...何だか物凄く歓迎されているようだ。
「姉ちゃん!!」
「は、はい!?」
早速姉ちゃん呼び!?
「助けてくれてありがとう...!!」
「いえ、そんな!!」
「サボもありがとう!!」
ルフィさんは嬉しそうに言う。

「また3人揃うなんて、夢みたいだ!!」
******
会話文が多くなってしまうスタイル。


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