二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- テイルズオブウェザー〜心の物語〜
- 日時: 2018/05/04 09:39
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
少女は神秘を求め、少年は平和を求め二人は神秘と平和を
求める。
フェアード・クリア
性別:女
年齢:16歳
容姿:黒っぽい色の髪でショートヘア、163㎝ぐらい、
白や水色の和服じみた服
護身用に刀を持っているが魔術や遠距離が彼女の普段の戦闘
スタイル。噂話で聞いた六つの水晶を集めると神秘を見ることが
できることを試そうと旅に出る。
ジュビア・レーゲン
性別:男
年齢:17歳
容姿:青色の短髪、174㎝ぐらい、青色のコートを着ていて
首に水色の十字架の首飾りをつけている。
地上を支える大樹を壊そうとしたがフェアードに見つかり
一緒に行動するようになる。冷静沈着。大剣から短剣まで様々な
剣術と武術を覚えている。
- 7.エルフと人間が共存する町 ( No.8 )
- 日時: 2018/05/04 18:51
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
イレモへは船で向かうことになった。
客船に乗り込み景色を眺めていた。
「そういえばまだ貴方たちは二人しかいませんよね。
となると仲間を集めないと」
「そうだな。正直あんな奴らをたった二人で倒せるとは
思えない。人数で勝つしかない」
「貴方は賢者様ですね?」
一人の男が彼らに一礼した。彼女は服装からして恐らく吟遊詩人。
「えぇ、イレモへ向かっているんですよ。貴方もですか?」
「はい、イレモに住む恋人に会うために」
彼女はふんわりとした桜色の長い髪を揺らし微笑んだ。
「彼はハーフエルフで賢者様の元で生きているのです。
彼、いつか人間の友人と旅に出たいと言っていたんですよ」
彼女はそう話した。
「あの私たち旅をしているんです!」
「そうなの?ならきっと彼も喜ぶかも…船も到着したみたいだし
行きましょう。私はスリート」
「私はフェアードで、彼はジュビア、で賢者のシエロさんです!
じゃあ早速行きましょう!」
◆
イレモ、エルフと人間が共存する町。
「ここがイレモか…花壇が多いな」
ジュビアは辺りにある花壇の花を眺めながらそう呟いた。
「おーいシエロ〜!」
遠くからシエロを呼ぶ声がした。
その人物の元に行くと尖った耳をした青年がいた。
綺麗な金色の短髪に緑色の瞳をしているエルフ。
「シックさん、お久しぶりですね。数年ぶりってところですか」
「あ、あぁ人間のお前さんからすれば数年か。そうだな。
まぁとりあえず俺の家に来いよ、立ち話もアレだしさ。
お前さんたちも着いて来い」
シックはフェアードたちにそう言った。
二人もシックたちの後を歩いた。
- 8.雲の水晶 ( No.9 )
- 日時: 2018/05/04 20:15
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
シックの住む館へやってきた。
そこには茶色の髪をした青年がいた。スリートは彼の元へ
駆け出し抱き着いた。
「ローゼ!」
「スリート、久しぶり!」
ローゼはスリートを抱きしめそう言った。
「そうだローゼ、紹介するわ。旅をしているフェアードと
ジュビア。二人とも私と同じ人間」
二人は礼をした。
「俺はローゼ、よろしくフェアード、ジュビア」
「よろしくお願いします。…あ、その耳って」
フェアードは彼の尖った耳を指差した。
本当にハーフエルフだよは分からなかったから。
「ねぇローゼ、旅に出たいんでしょう?二人と同行させて
もらったらどうかな?」
「ローゼ、彼女がそう言ってるんだ。決めるのはお前自身だぜ。
俺とシエロはこっちの部屋にいるから何かあったら呼んでくれ」
そう言ってシエロとシックは部屋の中に入った。
◆
「…成程、ヴィロードのエレメント…しかも俺たちは子ども相手に
戦わなきゃならねえのか」
シックは唸った。
「はい、ここには確か雲の水晶があったはずです。安全を
確認したほうが良いかと…」
「そうだな…行ってみるとするか」
シックは腰をあげ、部屋から出た。
「シックさん」
「どうした?ローゼ」
ローゼはスリートに背中を押され決意した。
「俺、この二人と旅に出ます」
「…そうか、なら俺が止める必要もないな!早速なんだが
お前らも来てくれ!雲の水晶を念のため確保しに行く」
全員が動き出した。
- 9.紅蓮のロージェ ( No.10 )
- 日時: 2018/05/04 21:18
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
町から少し離れ山道を進んでいく。
「結構離れた場所にあるんですね」
「あぁ、結界は張ってあるからそう簡単には破られないと思う。
まぁ相手の力量にもよるんだが…」
シックは足を止めた。他も全員足を止める。
「お前ら少し手荒なことをするから踏ん張れよ」
シックは上を向き、大量に息を吸い込む。
シエロは全員に伏せるよう指示する。
ジュビアはフェアードを庇うようにローゼはシエロと
スリートを庇うような形になった。
「“風竜咆哮”」
反動により全方向に風が吹き荒れる。
上空の炎が掻き消えた。
「まさか賢者が二人もいるなんてね。風圧で私の炎を消すなんて
中々やるじゃない」
「俺たちエルフは自然の力を扱うことに長けている。風を
操ることなんて朝飯前だ。で、お前さんがヴィロードか?
ずいぶんとべっぴんさんの娘っ子だな」
地面に降りた赤い髪をした少女。彼女はその髪をポニーテールに
している。
「あら?貴方エルフだったのね。通りで若いわけね、因みに
何歳なのかしら?」
「それを聞いたらドン引きするぞ?まぁ敢えて言うならお前らの
数万倍は生きているってことだ」
「紅蓮のロージェか」
彼女はジュビアに満面の笑みを見せた。
「久しぶりね水竜兄さん、いえジュビア。私が数人だけでも
足止めすればいいだけ、それが私の仕事なのよ。だから…」
ロージェが指を鳴らすと赤い炎がスリートを包み込んだ。
「スリート!アツッ!?」
ローゼはその炎に手を突っ込もうとするがその熱さにすぐ手を
引いた。
- 10.ローゼ、ロージェ ( No.11 )
- 日時: 2018/05/05 10:55
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「みんな、こっちです!」
シエロはみんなにそう呼びかける。
「そうはさせないわよ!」
ロージェは赤い鉱石を幾つか投げた。
だが…。
「“白波の祝”」
ジュビアの魔術により赤い鉱石は白い波に飲み込まれ落ちていった。
「俺が元エレメントだってこと、お前も知っているだろう?」
「そうだったわね」
ジュビアは会話中微かに笑った。
「お前、腕が鈍ったか?すでに攻撃を受けているぞ」
「は?——ッ!!?」
ロージェの周りには何重もの水の檻が出来ていた。
「——聖水落下」
水が弾け同時に大きな狼の形になりロージェを呑み込んだ。
ローゼは他の全員に小さく行け、と伝えた。
「…まだ耐えているのか」
水浸しになったロージェは顔をしかめていた。
「やってくれたじゃない。貴方も水属性を使うなんて
少しぐらい本気でやらないといけないみたいね」
ロージェの周りに小さな火が幾つも現れる。
彼は構えた。
「“火玉流星”」
同時に彼は魔力を右の掌に集中させ左から右へ手を振り
水の壁を作るが…。
「——なっ!?」
その爆発音は檻の中にいたスリートにも聞こえた。
「(ローゼ、生きていますよね?)」
外では火傷を負ったローゼが横に倒れていた。
大きな炎は水の壁を破り彼の体を呑み込んだ。
「呆気ないのね。ジュビアほどでもなかったわ」
- 11.風流、水竜、氷華 ( No.12 )
- 日時: 2018/05/05 11:17
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
奥に進んでいくフェアードたち。
「フェアードさん、大きく一歩下がってください」
早口で、だが落ち着いた声でシエロはフェアードにそう指示した。
そこに見覚えのある氷の弓矢の束が刺さる。
「あ、危なかった〜〜」
フェアードは尻もちをついたがすぐに立ち上がった。
フロードの姿は見えないが緑色の髪をした少年が立っていた。
「風流のアルト…ということはフロードは隠れているのか」
「裏切ってそっち側に回ったんだね、ジュビア…
ホントにフロードの言ってた通りだ…少し寂しいな」
「それは俺も同感だが…今はそんなことを言ってる場合じゃない。
奴を、セレクを止めないといけない。お前たちに水晶を
渡すわけにはいかない」
ジュビアを守るように現れた水の竜が彼に巻き付き
アルトに牙を向く。
「私もやるよ!二人のほうが絶対良い、それにこっちには…ね?」
フェアードはシエロたちを指差した。
「俺だけでも先に行っておく。シエロ、お前にも来てほしい」
「え?でも二人だけでは…」
シエロはすぐに頭を振り、彼女たちなら大丈夫だろうと
考え直し先へ進んだ。
「(二対二、それもフェアードは弱い…俺がやらなきゃ)」