二次創作小説(紙ほか)

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東京喰種Gritter
日時: 2018/08/11 14:42
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

人間、千歳奏美ちとせカナミはある日、喰種に襲われる。
そこを助けたのは彼女の知り合いの青年、神城雨月だったのだ。

彼との出会いとその日から彼女は喰種とも関わることとなる。

CCG ( No.2 )
日時: 2018/08/11 18:27
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「あ、あの…雨月さんは?」
朝、この日からカナミはここで働くことになりあんていくに
やってくるも雨月の姿がなかった。
「あー彼なら喰いに行ったよ。でも不安だ」
カネキはそう答えた。

彼の予感は的中していたのだ。ある路地裏、腹も満たし終えた
雨月は帰ろうとしたがすぐに後退した。
後ろから何かが風を切る音がした。
「ハト…」
「やぁ初めまして夜狐」
そこには赤髪の男がナイフ型のクインケを握っていた。
彼とは何度も遭遇していた。
紅城慧あかぎけい…俺を殺しに来たのか?」
「まさか。でも良い情報をあげるよ。アオギリの樹が
 動き始めてる。あんていくで人間が働いてるなら
 その人を隠すことをおすすめするよ」
紅城はそう言って去っていく。
それが本当ならばカナミが狙われるかもしれない。

場所はあんていく。そこでカナミは楽しそうに常連である
新田蒼夜あらたそうやと話していた。
「そうか!君が新しい店員かぁ、それも喰種じゃないなんてな」
「と、いうことは蒼夜さんも喰種なんですか?」
「あぁ、まぁな」
カランカランという音がしカナミは立ち上がり挨拶をした。
180近い身長で青緑の髪をした青年は蒼夜のいる席へと近付く。
「お、やっぱり来たな唯斗」
「うん。で、君って新しい店員さん?」
唯斗はカナミのほうを見た。
「あ、はい。千歳奏美です、よろしくお願いします」
「そっか。俺は百鬼院唯斗、よろしくね」

襲撃者 ( No.3 )
日時: 2018/08/12 17:48
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「カナミちゃんは彼らの正体を知っていてここで働くことに
 したのかい?」
唯斗はカナミの運んできた珈琲を一口飲んだ。
「え、はい」
「いいのか?ここにいたら寿命が縮むようなことに巻き込まれるかも
 知れない。目を付けられるかもしれないよ」
唯斗は真剣な表情でそう話す。
ここの店員はカナミ以外の全員が喰種である。人間と喰種が
仲良くすることなんて本来難しいし、喰種と関わっていると
バレればカナミもCCGから狙われる。
「…分かっています。こういうことが法律で禁じられているし
 バレれば私は捕まって終身刑、下手をすれば死刑かもしれない。
 でも私は自分で選んだので頑張るだけです。それに
 私は店員ですから」
「…そっか。ならとやかく言う必要はないね」

後日、その日は唯斗も蒼夜も店にはまだ来ていなかった。
今は夕暮れで空は赤く染まっていた。
「ッ!カナミ!!」
「へっ!?」
パリィン!という音と共にカナミの後ろの窓ガラスが
砕け散りカナミの足元に降り注いだ。
窓を蹴り割った人物とトーカの面影が重なる。

「あ、あの…」
「こんなところに、人間?」
彼の手がカナミの顔寸前に迫る。その手を一人の男が
はたいた。
「テメェか…Sレートの夜狐ってのは」
「…暴れてもらっては困る。ここでは俺も動けないからな。
 それにコイツがいたら邪魔だろ?」
雨月はカナミの全身を自身の鱗赫で包み壁に向けて投げた。
壁を突き破り彼女の体はあっという間に見えなくなった。
「…喰種が三人、か…まさかアオギリだとは思ってなかったけどな。
 だがやることは一つ…死体が欲しいとは言わないが肉の一切れは
 置いてけよ?」


食欲 ( No.4 )
日時: 2018/08/12 18:58
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

数時間後、芳村と四方そしてカナミと蒼夜が店内を見て驚いた。
「カナミちゃん、何があったのか知っているんだね?」
「は、はい!多分アオギリです、私もその三人の顔をはっきり
 見ましたから…」

「ってことは、お前を投げたのは雨月か?」
蒼夜は少しニヤけながら聞いた。それに釣られて少し笑いながら
カナミは頷いた。
「…雨月は君と再会して少しずつ変わってきているな」
四方は小声で芳村にそう言った。芳村も頷いた。
「一番重傷なのは雨月くんだね。先に彼の手当てをしよう」
「その必要は、いらねえよ…芳村さん…」
掠れた声でそう言った雨月は壁を背にし、ゆっくりと
立ち上がりフラフラと俯きカナミの前に立つ。
「だ、大丈夫?無理はしないほうが…」
「離れろ!カナミ!!」
四方の叫びより先に雨月はカナミを見据える。
「ハァハァ、ハラヘッタァァァァァァ!!!!!人間、ニクヨコセ!!」
口から止め止めない涎を垂らしながら狂ったように
そう叫んだ。今にもカナミに噛み付こうとしていた。
「ウギャ、ギギィ…!!!?」
目を開くとカナミの目前で喉に刺さっている結晶のようなものを
抜こうともがいていた。
「喰いたいなら喰わせてやるさ。…クソ不味い肉をな」
蒼夜の背中からはガス状の明るい紅色の羽赫があった。
「マズイ、マズイ!!イヒャナイ、こんなの!!!アノ肉がイイ!!
 ノドカワイタァァァァァァ!!!」

「ッ!!カナミちゃん今、近付いちゃ」
「良いんです。私が役に立てるなら…」
蒼夜を跳ね除け彼を殴り飛ばすとすぐにカナミの右腕を掴み
噛み付く。
「雨月さん、迷惑かけてごめんなさい」
カナミから少し離れ雨月は顔を上げた。その両目は真っ青で
透けた瞳をしていた。
「…すまない、反省する」
「雨月くん、傷のほうは大丈夫かい?」
「問題ないです。治ってましたから…骨折だけだったし」
「(だけって…どんな体してるんだろう?)」
雨月の発言に少しそんな疑問を抱いたカナミだった。

カナミの香り ( No.5 )
日時: 2018/08/13 17:43
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

アオギリ騒動が収まってからあんていくは休みとなった。
久し振りにと思いカナミは本屋に来ていた。店の名は
【Travel】という。

「いらっしゃいませ…あ、カナミちゃん」
「こんにちは、葵さん」
ここの店主である男、空野葵、彼も喰種である。
カナミは棚から一冊の本を手に取った。
「あ、君その本好きなの?」
赤髪の眼鏡を掛けた男がカナミが手に取った本を指差して
そう聞いた。
「はい、ハラハラする場面や感動する場面もいっぱいあるから」
「その本、俺が作ったんだ」
その言葉にカナミは耳を疑った。
「え…え?」
「あれ?信じてくれてない?なんか酷い」
「え、なんかゴメン」
そんなさりげない会話を交わした。
「じゃあ貴方の名前って龍崎真尋さん?」
「そう、龍崎真尋は俺。よろしく、えっと…」
「カナミです。千歳奏美、よろしくお願いします」
二人は仲良くなった。

「あ、じゃあ僕。少し出掛けるんで…」
そう言って彼は何処かへ出かけて行った。

「…この時間帯だし喰いに行ったんだろ」
「といいますと?」
真尋の両目が一瞬赤くなった。赫眼だ。彼も喰種ということだ。
「俺も喰種だから。君、出かけるときは香水とかあれば
 つけた方がいいよ?」
「な、なんで?」
真尋に香水をつけた方が良いと言われ理由が気になった。
そこまで何か匂っていただろうか?
「お前の匂いって何か独特なんだよな…なんていうか食欲を
 誘う匂い」
「喰種ってそこまで匂いが分かるんだ…でも分かった。今度から
 出かけるときは香水とか付けていくよ」


あんていくの終わり ( No.6 )
日時: 2018/08/13 18:12
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

葵と共に三人はテレビを見ていた。そこにはたくさんの白鳩たちが
いた。あんていくも赤々と燃え上がっていた。
「‥‥嘘」
カナミは小さく呟いた。
「不味いな…」

一方その現場にはカネキや雨月も向かっていた。
「眼帯と夜狐だぁぁぁ!!」
そんな声が聞こえた。
「…」
雨月の鱗赫が相手を薙ぎ払った。雨月とカネキはアイコンタクトを
取り雨月はその場から一旦離れる。
他の場所で雨月は梟であるエトの前に立っていた。
「…少しでも腹ごしらえしようと思ったが、やめとこう」
「逃げるの?」
「…真っ向勝負じゃ負けるからな。色々うるさいんだ」

 ◆

「ここが元あんていくか…全焼、だな」
真尋は黒焦げの店を見てそう呟いた。
原型を失った店をただ見つめることしかできなかった。
「…うん」
「いつまでもクヨクヨしてちゃダメだぞ?」
「分かってるって。大丈夫だよ、ありがとうね真尋さん。
 それじゃ私は帰ります」
真尋はカナミに手を振った。

カナミの姿が遠くに消えていった。


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