二次創作小説(紙ほか)
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- 銀魂【蒼の魂】
- 日時: 2019/07/31 17:19
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
海神愛音は両親を亡くしてから銀時たちに
世話してもらったりしながら育ってきた。彼女もまた江戸や
かぶき町で様々な事に首を突っ込みまくる羽目になる。
銀魂、ほぼオリジナル
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.4 )
- 日時: 2019/08/01 13:59
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
夜、山南は一人の男と対峙する。その男が肩に担いでいるのは
山南の恋人である明理。明理が目を覚まし、そしてどうにか脱出
しようと暴れる。
「いや!貴方、誰なの!?何で私を…」
男は彼女の首に手刀を落とし黙らせた。真っ白な髪をしたその男は
山南を見据える。
「コイツの思い人か」
「あぁ。彼女を返してもらうよ。そして確保させてもらう」
刀を握り男に斬りかかる。刃に月の光が反射している。
男は少し体を仰け反らせた。さらに左右に刀を振るう。だが男は
刃を掴み持ち上げた。山南の足は地面から離れる。
「海神って名字の奴を探してるんだが…教えてくれればこの女は
返すぜ?人質で連れて来ただけだしな」
海神、珍しい名字なのですぐに誰の事か察しがついた。
頭の中にミディアムヘアの少女の姿が浮かび上がる。
「知らないわけじゃないけど教えたら僕が痛い目に遭うからね。
それに明理は必ず僕が助ける」
「へぇ」と男はつまらなそうに反応する。刀から手を放し手を
軽く動かしてからスッと握る。
「ガタイが良いわけでもねえし強面でもない、気迫もない、
だが剣の腕はかなり上だな。そしてその服、真選組か…
ウォーミングアップには丁度いい相手だ」
地面を蹴り上げ素早く間合いを詰める。異常だ。そして男の白い肌。
「…夜兎族か!」
「ご名答!俺は夜兎、燕青だ。悪いが最近は運動不足でなぁ…」
山南の体が宙に浮き地面に投げ飛ばされた。
「否、癖だったな。気に入ったぜ、その剣技。伊庭七郎って
剣士の名前を聞いたんだがソイツも強いんだろ?俺は強い奴との
戦闘が趣味でなぁ、一発で終わらせたくないんだよ」
彼は笑みを浮かべ立ち上がり構える山南を見据える。
遊女の身に着ける和服は結構な重量があると聞いた。その服を着て
彼女はいつも自分に抱き着いてくる。その重さは充分知っている。
服の重さと明理の重さ、両方を支えながらここまで戦うのは
流石としか言いようがなかった。
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.5 )
- 日時: 2019/08/01 14:48
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「さて愛音ちゃん、今日も真選組の元に行くつもりだけど行く?」
「うん、行きたい」
伊庭の声掛けに愛音は反応して外に出た。真選組の屯所まで
徒歩で行ける距離だ。屯所に到着した。
「あ、愛音ちゃんたちが来たアル!」
神楽たちも屯所に来ていた。珍しい。中に入ると愛音たちは
土方に呼ばれた。戸を開け中に入るとそこには体中に包帯を巻いた
山南がいた。
「あぁ、こんにちは。すまないね、こんな格好で」
「包帯だらけじゃないですか…何があったんです?貴方がそこまでの
傷を負うなんて」
実際に何度も手合わせしている伊庭だからこそ彼の実力をよく
知っていた。山南はふぅと息を吐いた。
「夜兎だよ夜兎。燕青って奴だ…奴は愛音ちゃんを探してる。で、
人質に明理を取られて勝負に出た結果がこれだ」
「私を狙って?どうして?」
当の本人は首を傾げている。
「さぁてね。僕にも分からないよ。神楽ちゃんは知らないの?
燕青の事」
「知らないワケじゃないネ。少し聞いたことがあるヨ。…愛音ちゃんを
狙った理由も察しがつくアル」
場所は変わる。明理は鉄格子の中にいた。
「貴方、燕青っていうのね。素敵な名前」
「そりゃどうも。ってか捕まってるってのに呑気な遊女だな」
燕青は目を細める。
「お前まさかとは思うが誰かが助けに来ると思ってるのか?」
「?えぇ、だって知ってるもの。私の思い人はそんなに軟じゃない。
一度勝ったからって良い気にならないことね。チンピラ警察を
敵に回したこと、悔やむといいわ!」
不敵な笑みを浮かべる明理。捕らわれの身でありながら
助けに来ると信じているのか。
「じゃあ、あの時はまだ余力があったのか…それともお前を
傷付けまいと力を加減してたのか…どっちでも良いか」
「一つ、教えてくれない?なんで海神の名前を持ってる人を
探してるの?」
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.6 )
- 日時: 2019/08/01 17:12
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「なんでって言われてもなぁ…前に海神理玖って奴に負けたから
リベンジしようと思っただけだとしか言えねえな」
明理の脳裏に一人の男の姿が浮かぶ。娘と同じような癖がついた
髪をした剣士。彼はもう…。
「海神理玖さんはもう死にました。娘を周りに託して戦場で
死んだのです。理玖さんの妻も同じように殺されました」
「…お前、随分と詳しいな。で?娘は何て言うんだ」
今度は娘、愛音の方に興味を持った。海神から興味を無くして
解放してもらおうと考えたが裏目に出てしまった。
「それは言わない」
「場所は大抵察しがついてる」
そう言ったのは銀時だった。
「実は僕たちのところにもう一人の夜兎が来たんです」
数時間前に遡る。
「悪い、入らせてもらうぜ」
藍色の番傘を持った青年が万事屋にやって来た。黄色の眼をした
黒髪。神楽と同じ夜兎族だ。
「俺は宵月っていうんだが…一つ警告しに来た」
「警告、ですか?」
新八が聞き返すと宵月は頷く。
「海神愛音を探す夜兎がいる。名は燕青、奴がいる場所は
地下だ」
「で?その宵月って奴は何処にいるんだよ」
「知らねえよ。フラッと来てフラッと出ていったんだからな」
土方の問いに銀時は返した。
「とにかく行きましょう。時間が経てばどうなるか分かったもん
じゃないですぜィ。山南さん、アンタも行くんだろ?」
山南は頷いた。一同はその宵月という男の言っていた場所を
目指した。
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.7 )
- 日時: 2019/08/01 17:36
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
『えぇー良助君、行っちゃうの?』
強面の男たちの列の後ろに少年だった山南は並んだ。
『また会える?』
『大丈夫だって。そこまで遠くねえし困ったときは助けに来るよ』
『約束だよ?良助君』
約束と言って明理が彼に手渡したのは藍色のリボン、山南はそれを
手首につけた。
「また会ったな万事屋」
入ってすぐ一人の男が立ちはだかる。
「宵月さん!?どうしてここに…」
「新八君、待て!」
「え?」
新八の首に蹴りを入れ気絶させる。
「まさかここまで大人数だとはなぁ…人数オーバーだぜ?だから
万事屋と真選組、どっちも残ってけよ」
「随分と舐められたもんだな。一人の夜兎に負けるような俺たち
じゃねえってこと教えてやる」
通れるのは愛音と伊庭と山南だけになった。
「伊庭、山南!愛音の事は任せたぞ!」
「大丈夫ですよ。銀さんたちこそ気を付けてくださいよ」
三人が消えてからすぐに戦いが始まった。銀時、神楽、土方、沖田の
四人対宵月。純血の夜兎の戦闘力は侮れない。
「お前、何で攻撃してこないアル?まさか手を抜いてるネ?」
「そうかもな。アイツも久々の強者で喜んでるだろうな」
「隙だらけだぞ!」銀時の木刀が振り下ろされた。宵月は横に
躱し素早く蹴りを放つ。さらに構えていた土方の顔面に拳を
入れる。続けて神楽と沖田の首を掴み床に叩きつける。
「「くたばれェ!!」」前を走っていた銀時の腹を殴り後ろへ
吹き飛ばす。銀時と土方が重なって地面に倒れたところに
銀時を上から踏みつける。
「…オイオイまだ準備運動だぜ?夜兎がいながらこのザマか」
宵月の頬に神楽の右ストレートがめり込んだ。動じることもせず
彼は神楽の顔面を掴み持ち上げる。そして二回、三回と地面に
叩きつけた。
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.8 )
- 日時: 2019/08/03 15:16
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「明理を返してもらうよ。夜兎」
山南は剣を燕青に向ける。不敵な笑みを浮かべる。
「誰かと思ったら警察と剣客か。なら交換だ、そっちの子どもと」
「愛音ちゃんか。アンタの首となら交換しても良いけど?」
「勘弁してもらいたいねぇ…交渉決裂ってことは実力行使しか
ねえな!」
燕青が地面を蹴り距離を詰める。山南と伊庭も真っ向から
迎え撃つ。二つの刀の刃を素手で握っている。だが伊庭が二刀流
使いだということを忘れてはいけない。
「うぉ!?あぶねぇ、首を斬られるところだったぜ。…二刀流に
一刀流、実力はどちらも互角か。恐ろしい二人組だ」
燕青は自身の手に目をやる。掌から血が滴り落ちている。
「…ちょっと話に聞いたんだがお前、二刀流のお前だよ。
少しサシで勝負しようぜ。勝敗に関係なく、明理って女を返して
やるからさ。俺の運動に付き合え」
「サシ?一対一ってことですか?そうですねぇ…なら幾つか
こちらの条件を呑んでください。何故愛音ちゃんを探して居たのか、
その理由を教えてもらいます」
「そんだけでいいのか?…まぁいいってんならいいが」
燕青はポケットから鍵を取り出し投げ渡す。キャッチした山南は
牢獄を目指す。
「さぁ愛音ちゃんも山南さんのところに行ってください。
巻き添えは嫌でしょう?僕は大丈夫ですから」
「う、うん気を付けてね」
伊庭は少し愛音を見送ってから気を引き締める。そして地面を
蹴り刀を振るう。二本の刀を器用に扱っている。それを楽し気に
燕青は躱している。地球に辿り着き強者を探して居た。
そのうちの一人と戦うことは彼にとって楽しいことだ。一方、
伊庭にとっては海神愛音を狙っている人物ということで絶対に
勝って守らなければという思いで戦闘に臨んでいる。
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