二次創作小説(紙ほか)

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幻想紀行文
日時: 2019/11/21 19:18
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

幻想郷の人里に出回った本、紀行文だ。その作者である少女、有栖川椿。

彼女が製作した物語はフィクションではなく彼女自身が体験したノンフィクションである。

高校入学直後、彼女は幻想郷へ招かれた。八雲紫によって連れて来られた人間である。

年齢は実に16歳、能力は変化させる程度の能力。

・東方二次創作
・オリキャラ多数
・誹謗中傷マジ勘弁

博麗血縁伝>>01-03
龍の御言葉>>04-07
死にたい男に送る言葉>>08

Re: 幻想紀行文 ( No.6 )
日時: 2019/11/21 17:52
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

「じゃあ本物の青龍かもな。幻想郷になる前のあの湖は龍の住まう湖として知られていたんだ。
その湖は昔の人間の子どもたちの遊び場だった。そこを守るために人間は湖の神を祀った。
お前たちの元気に遊ぶ姿に懐かしさを感じたんだろう」

勾時が説明すると三人は嬉しそうに笑った。

「そうだ!ならみんなで会いに行こうよ!あたいの親友として紹介してやるぞ!!」
「何でアンタが上から目線なのよ」
「まぁ良いじゃないか霊夢」

少し苛立つ霊夢を勾時が抑える。全員が博麗神社を離れ霧の湖へ向かう。霧の湖に到着し
椿が水面を覗き込んだ時、事件は起こった。何かに手を掴まれ中に引きずり込まれる。
寸前で大きく息を吸い息を止めた。あっという間に椿は湖の中に消えていった。

「椿!!ど、どうしよう!?ねぇ霊夢、もう椿、戻ってこないの?」

不安そうにチルノは霊夢を見つめる。霊夢は横目でチラッと兄の勾時を見た。彼がふと
何かを感じ、霊夢に合図する。「構えろ」という合図だ。水飛沫を上げて現れたのは
巨大な龍、青龍そのものである。

「やはりここの守り神の龍か。何故椿を沈めた?」

龍は体をうねらせ大きく咆える。そして全員を呑み込まんと口を開き突進。勾時は辺りに
目を向ける。久遠は刀を構えていた。恐らく椿のいた外の世界は治安が良い場所だろうが彼が
いた場所は治安が悪い場所なのだろう。そうでなければ刀を構え、あんなに生き生きとしては
いないはず。

「勾時、お前…それなりに強いんだろ。まさか俺一人でやれとは言わないだろうな」
「ッ!っと、すまない。そうは言わないから好きなだけやると良い。俺がサポートする」

一方、湖に引きずり込まれた椿は青龍の事を知った。古くから湖を守り、またそこで遊ぶ
子どもたちを守り続けていた。何時しか自分も遊びたくなっていたがそれは叶わなかった。
長い時が経ち湖は埋め立て地に変わってしまった。

Re: 幻想紀行文 ( No.7 )
日時: 2019/11/21 18:52
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

「殺すなって…俺は手加減できないんだが」

勾時の言葉に久遠は目を細めて告げた。

「努力はしてみろ。もう知りたいことは分かったからな。あれを殺してはいけない、あの龍は
ずっと前からチルノたちを守っていた」

霊夢はふぅと息を吐いた。辺りから消えていく弱い妖怪たち。彼らは自分たちよりも弱いと見た
チルノたちをつけ狙っていたのだ。

「そうみたいね。でも何時気が付いたの?」
「ついさっきだ。噂で聞いただけだが霧の湖の水を飲んだ人間が妖怪の山で遭難した。
襲われそうになったがその妖怪は人間を妖怪の山の外へと連れて行って逃げていくように
去ったという」

青龍の力が染み込んだ、聖水と言っても良い程の湖。そこで遊んでいたチルノたちを青龍は
誰にも気付かれずに守っていたという。龍が苦しみだし空に向けて大きく咆哮する。
雲がかかり雨が降る。何故か心が落ち着く。龍の鈍い青色が明るい青色に変わった。
青龍が口に咥えているのは大きな球体、その中には手を振る椿がいた。球体が消え椿は地面に
降りた。

「良かったぁ…生きてるよ私!」

椿が無事に戻って来たことに安堵しチルノたちは青龍に礼を述べた。

「アタイたちをずっとまもっててくれたんだよね?ありがとう!!」

龍の姿は人型になった。チルノたちが見たあの男である。

「礼には及ばない。僕はね、ここに来る悪人を追い払うだけだよ。ねぇ人間の子ども、君だよ
名前は?僕の事は青龍で構わないから」
「私は椿、有栖川椿です!」
「そうか…椿か。君もそしてここにいる人間全員、命は大切にしなさい。例え望まれない形で
生まれた命だとしてもそれは金では買えない、何を犠牲にしてもその魂は一つだけだから…
死して罪を償うということは記憶を捨てると言うこと。きっと一つや二つはあるだろう?
捨てられない理由が…」

Re: 幻想紀行文 ( No.8 )
日時: 2019/11/21 19:18
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

全員が同じものを見た。紫も含めてその過去の持ち主も、だ。それを見せた張本人は驚いた。
その過去に、ではなく過去を見た一人の人間に。

「あー、アイツかな…」

久遠は呟く。人としての死を選んだ過去はあまりにも暗すぎる。元より人として作られた
体ではなく、霊力、神力、妖力、魔力、全てを練り込んで作り上げた人工物。兵器である。
狂った人間たちによって人間を殺すために作られていた。だが彼らに彼を扱うことは
出来なかった。気が付けば久遠は万単位の人々を殺していた。

「ってか、お前。察するの早すぎだろ勾時」
「使用できるかどうかは俺には自由に分かるんでね。解けばお前の体は人間ではなくなる、
空気になるってな」
「もうどうして教えてくれなかったのよ兄さんったら!」
「まぁでも今さら、こんなのを教えられても何も感じないぜ。私たちは過去なんてどうでも
いいからな!そうだろ?椿」
「え?何で私が全員のリーダー的な扱いを受けてるのかな?」
「そりゃお決まりだから?」

霊夢に言われて椿は少し困惑した。お決まり、とは?偉そうに咳ばらいを一つして椿は
一呼吸して話し出す。

「大丈夫だって。過去なんて関係ないでしょ?そんなんで死ぬなんて言ったら、ねぇ?
青龍が言ってたじゃん。命は大切にしなさいって、望まれない形じゃなかったとしてもって…
久遠は…死にたいの?自殺願望者?」

あぁ、そうか…。
椿の言葉に少し救われた気がした。まさか年下に論破されるとは…。死にたくない、だが持って
数年の命で良いという願いは唯逃げているだけだったなぁ…。ゆっくりと何かが動き出した。
それは普通、人間になら必ずある心である。そして生への願望である。

◆◆◆
紫は目を通してフッと笑みを零した。十神久遠は平穏に暮らせる外の世界へ普通の人間としての
新たな一歩を踏み出していった。そして椿は第一作品を作り上げたのだった。

Re: 幻想紀行文 ( No.9 )
日時: 2019/12/07 16:24
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

霊夢は空を見上げて大きく長い溜息を吐いた。紅霧異変、紅魔館のメンバーが幻想郷に
来た時にレミリアが黒幕となって起こした異変である。それと似た状況が起こった。

「これはレミリアの時の霧とは違う」

不意に声を掛けてきたのは同じように空を見上げる勾時だった。

「まぁそんな気はしてたけど…どういうこと?」
「さぁ?俺に聞かれてもな。だけど以前、パチュリーが話してた」

時間を遡り数週間前。響生と共に紅魔館を訪れた勾時は図書館に来てパチュリーと
話していた。

「本当に血の繋がった兄妹なのね貴方と霊夢って…。響生と魔理沙もそうだけど、そっくりね」
「そりゃどうも。流石は大図書館、恐ろしい量の本だな」
「えぇ、こっちにも本があるんだけどこれだけは魔導書じゃないのよねぇ…レミィたちに
言われて保管しているの。あの人はレミィたちとは違う…あの二人は小食の吸血鬼だけど
彼はかなり飲まなければ生きられない吸血鬼」

勾時は椅子に腰かけパチュリーの話に耳を傾けていた。

「一度、あったのよ。レミィたちに迷惑を掛けまいと1年間ずっと吸血行為を我慢したことが」
「…何かあったんだな、その我慢、空腹が爆発したのか」
「えぇ。あの時の事は今も覚えているわ…空腹が満たされた彼も死体の量に驚いていたもの…
勿論レミィも、ね…」

◆◆◆
現在の紅魔館。レミリアとフランは顔を歪ます。

「そうだったわ…咲夜には話してなかったわね。あの人は私とフランの実の兄よ。
ジュビア・スカーレットよ」
「なっ!?そうなんですか?でも私はここに来てからずっとあの人を見たことは…」
「お兄様は自分で自分を封じ込めたのよ咲夜。貴方が来るずっと前に。それも破壊してしまうほど
力が上がっていたとは考えてなかったけどね」

レミリアたちよりも背も高く、大きな羽を持つ男。長い白髪と紅い瞳、それにレミリアや
フラン、咲夜を軽く退けてしまうほどの力を持つ吸血鬼。

Re: 幻想紀行文 ( No.10 )
日時: 2019/12/07 16:54
名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)

紅魔館、門前に立った。目視できる赤色の結界に勾時は手をかざす。

「どう?」
「これくらいならすぐ解ける」

霊夢の声掛けに勾時は集中しているのか少し冷めた口調で返した。彼が手を下ろすと結界が
消えて入れるようになった。美鈴がいないことが気がかりだが兎に角中に入る。

「あら?貴方たち博麗家の人間!?やだぁ、そっちの人、凄く私好みね」

勾時の目前に青い目をした女がいた。顔をグイッと近づけ笑みを浮かべる。彼女の言葉に
勾時は鼻で笑った。

「その言葉は嬉しいが生憎俺は美人なら誰でも良いというワケじゃない。すまないな」
「釣れないわね。私は気に入った男には全力で尽くすわよ?悪くないでしょう?」
「何度でも俺は言う。…仕方ないからハッキリ言ってやる。俺の好みじゃない。それより
聞きたいことがある」
「この霧の事でしょう?私はソレア、夢魔って知ってるかしら?それが私の種族なの」

ソレアはスッと勾時の胸に添えていた指を上に上げ彼の頬に触れる。

「どうかしら?…今度は夢魔に憑りつかれるっていうのは。知ってるのよ、貴方の事。
半分わざとと言えど妖刀に憑りつかれて大暴れしていたそうね。私はそんなことしないわぁ」
「ちょっと忘れないでくれる?しつこい女も嫌われるんじゃない?」
「あら、やきもちな妹はお兄ちゃんに嫌われちゃうわよ?」
「ッ!!」

霊夢とソレアが互いを睨みあっていた。勾時はやれやれと首を振りソレアを呼ぶ。そして不意に…。
彼女に口付けする。それを見た霊夢とソレアが顔を真っ赤にする。

「ち、ちょっと!!そんな事、妹の前でやらないでよ!!」
「惚れさせる程度の能力だっけ?アンタの容姿にピッタリだがまだまだだな」

紅魔館の中へ入っていく二人を顔を赤く染めるソレアはジッと見ていた。

〜ソレア・チェリー〜
種族「悪魔(夢魔)」
能力「惚れさせる程度の能力」
一種の洗脳能力。異性を惚れさせる。惚れた相手を操ることが可能。彼女が照れると洗脳が
解ける。

霊夢と勾時の前に現れ勾時を洗脳しようと試みるも彼の能力により失敗。さらに攻撃もせず
本気ではないとはいえ口づけをしてきた勾時に逆に惚れてしまった。


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