二次創作小説(紙ほか)

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とある一般人の取扱説明書【改】
日時: 2020/05/21 18:38
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

主人公名などを変えます。


主人公、躑躅森弥勒は占い師兼大道芸人をしている男ドルチェ・ガルシアに声を掛けられ

人生の転機を迎えると告げられる。彼と別れた直後、確かに転機が訪れた。

超能力を手に入れるという転機が…!


1.とある占い師の大道芸 >>01

2.とある無能力者の超能力 >>02

3.とある沈黙者の贈り物 >>03

4.とある御令嬢の車椅子 >>04

5.とある風紀委員の名推理 >>05

Re: とある一般人の取扱説明書【改】 ( No.2 )
日時: 2020/05/19 21:10
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


弥勒は物陰に隠れて場を乗り越える。素行が悪い面子に絡まれやすいようで弥勒は彼らから

逃走していた。

「よぉっと捕まえたぜぇ」

「うわっ、エッチ」

弥勒の胸の上に男は手を置く。

「何やってんだよ、お前ら。あれか?女に飢えてんのか。キャバクラにでも行ってくれば

いいだろうが」

「あぁん!?舐めた口きいてんじゃねえぞチビ」

「あ、コラ!確かに私より小さいけどチビと言う名前じゃないんですよ」

「お前も失礼だな!助けてやらねえぞ!」

常塚千寿、軌道操作という能力を持つ小柄な少年。身長165㎝、弥勒より約5cm低い。その身長の

事を彼はかなり気にしている。

「俺はよぉ、戦いは好きだが人質を盾にする奴は大嫌いなんだよ!」

千寿は拳銃を構えた。それを見た男は笑った。この女がどうなっても知らないぞ、と。

相手は千寿の能力を知らないからそんなことが言えるのだ。弥勒は片脚を少し浮かせ男の足を

踏んだ。悶絶するのと発砲されるのは同時だ。弾丸は壁に当たる寸前で曲がりくねって男を

撃ち抜いた。動こうとしたとき弥勒は首を傾げる。

「オイ、パントマイムか?」

「違うよ!うちパントマイムこんな上手く出来ないから。足が動かないの!」

弥勒は自身の足元を指差した。千寿はそれに心当たりがある。

「…」

奥にいるのは無表情の青年。彼はゆっくりと弥勒に歩み寄る。

「水瀬萬、お前どうしたんだよ?」

水瀬萬と呼ばれた青年は答えない。念力金縛サイコパラライズという能力だ。相手を

その場に固める能力。萬はナイフを取り出し心臓部にあてがう。微かに弥勒が動いた。

「ちょっと。何てもんを使ってるのさ!」

「ッ!?」

萬の手を掴み弥勒は怒る。動けるはずもない人間が動き自分を掴み叱っている。それに驚き

彼は動きを止める。隠れて様子を見ていた人物は携帯に語り掛けるように小声で言った。

「躑躅森弥勒が能力に目覚めた。命名は…幻想戻し(イマジンリターン)」

『そうか。カミーユ=ベイリューズ、引き続き頼むよ。まぁ君は表立っては手を

回さないだろうけど』

「了解した。可能な限り手は回す」

カミーユはその場を後にする。下に降りた場所には涙を流し蠢く男たちがいた。彼の持つ

槍の穂先に触れトラウマをエンドレスで見続けている人物たちだ。嘆きの聖槍、それが彼の

魔術だ。基本は重力操作なのだが穂先に触れた人間に対してはトラウマなどを抉る。

Re: とある一般人の取扱説明書【改】 ( No.3 )
日時: 2020/05/19 22:28
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


後日、弥勒の家に常塚千寿と水瀬萬がやってきた。とりあえず二人を中に上がらせた。

「で、どうしたの?二人とも」

千寿は萬の方に目を向けた。彼は何やら目を泳がせている。

「…すまなかった」

小さく彼はそう言った。風紀委員の人間だと思い込み弥勒に襲い掛かったらしい。そもそも

風紀委員は腕章を付けている。

「…?」

萬は首を傾げた。目の前に麦茶が置かれる。

「ん?って顔してるけど。一応、客なんだからゆっくりしていきなよ。私あんまり怒って無いし」

弥勒はそう言って勧めた。萬はそのコップに口を付けた。萬と千寿が帰る。

萬が座っていたところに小さな紙袋が置いてあった。弥勒への贈り物のようだ。

中身はネックレスだった。


帰り道、萬が珍しく自分から声を出す。

「千寿は…弥勒とどういう関係なんだ?」

「どういうって…幼馴染みたいな感じだ。昔さ、虐めから助けてやったんだぜ」

「…!」

躑躅森弥勒、昔までは控えめで内気すぎる性格から虐めを受けていた。そこで声を掛けたのが

常塚千寿だった。

「クソッ、どうしていつの間にか身長がアイツより低くなったんだ…」

「(身長の事、気にしてる)」

Re: とある一般人の取扱説明書【改】 ( No.4 )
日時: 2020/05/20 12:27
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


「しのぶ様、昼食の時間です」

扉越しに声がした。扉を開けてやってきた青年は車椅子を動かす。藤代しのぶ、藤代財閥の

社長を父親に持つ御令嬢。交通事故で怪我をして以降、車椅子生活を余儀なくされている。

青年、六波羅シモンはそれ以前からしのぶに仕えている。

「そうだ。実はねシモン、渡したいものがあるの」

しのぶは小さな紙袋をシモンに手渡した。片耳だけのイヤリング、蝶のイヤリングだ。

「私の髪留めとお揃いでしょう?気に入らなかったら付けなくても良いから」

シモンは左耳に貰ったイヤリングを付けて席を一旦離れた。鏡を覗き込んだシモンは微かに

頬を緩めた。シモンは自身の両腕を見た。夏場であっても彼は長袖の服を着るようにしている。

彼の体からは腕や脚が足りない。しのぶの甲高い悲鳴が聞こえシモンは足を運ぶ。車椅子が

倒れ横になっているしのぶ、窓ガラスが破損し食卓は破壊されていた。

「大丈夫ですか?」

「えぇ、ごめんなさいシモン」

しのぶを抱き車椅子に乗せて少し離れさせる。一通り掃除したシモンは辺りに目を走らせる。

誰がやったのか。狙撃、能力、魔術、このどれかだろうか?

Re: とある一般人の取扱説明書【改】 ( No.5 )
日時: 2020/05/21 18:37
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


藤代家襲撃、その事件は橙的に取り上げられた。

「珍しい、風紀委員でも無い人間が顔を突っ込むとは」

風紀委員、白井黒子、初春飾利、そして栗花落恒久。彼らの元に顔を出したのは躑躅森弥勒、

常塚千寿。千寿は風紀委員、警備員と並ぶ治安維持集団、救護委員というグループに

所属する。

「藤代家は確かさ、そこまで金持ちってワケじゃ無かったはずだよ。私たちからしたら

金持ちなんだろうけど、富豪内では最下位」

「でも金持ちですのよ。狙う理由はただ一つ、お金に決まっていますの!」

黒子は弥勒の言葉に返した。だが弥勒は納得してないようだ。飾利はキーボードを叩く手を

止めた。

「あの、これ…」

全員が画面に目を向ける。プロジェクタで大きく映し出された。義体兵議案、研究者

明堂院翳。議案書には様々なことが書かれていた。被検体の名前もずらりと書かれていた。

「あ!!こ、これこれ!今回のより前に藤代しのぶに対して暴力を振るったとして逮捕された

男の名前だよ!!」

「じゃあもしかして本当の黒幕はこの明堂院翳?」

そう結論付けた。下へ下へ動いていく画面を見て弥勒は途中で止めさせた。そこに乗っている名前は

藤代しのぶの専属使用人の名前。

「飾利、この男について調べろ」

弥勒の考えたことを察し恒久は彼女に指示を出した。

「藤代のお嬢様を狙っていたわけじゃない、本当の狙いは逃げた人形、か」

恒久が呟いた言葉に弥勒は頷いた。飾利も「そうみたいです」と答えた。

「チャイルドエラーだったみたいですね…六波羅シモン、明堂院翳の実験の被検体。最高傑作で

ありながら彼女は目もくれなかったみたいですけど。酷いですよね、両腕と右脚を切断して

また捨てたって…」

「それも失敗作の汚い義肢を適当に付けて藤代家に売り飛ばした」

Re: とある一般人の取扱説明書【改】 ( No.6 )
日時: 2020/05/21 20:17
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)


「期待しすぎちゃったみたいだねシモン君」

使い物にならなくなった少年に汚い義肢をくっつけて捨てた。

「でも今は凄く大事なんだよねぇ僕にとっては。今の僕にとっては君は大切な玩具だよ」

「あらあら素敵なお人形さんです事」

ゴスロリ風の服を着た女は写真を見て呟いた。

「あれ?分かる?この子は素敵だと思うんだ。僕は一度、彼を手放して分かったんだ。やっぱり

僕には彼が必要だ」

「ったく、物好きだよなぁアンタら。俺にはよく分からねえよ」

「あら分からないの?酔仙」

酔仙と呼ばれた男は苦笑を浮かべる。

「で、アンタは分かるのか?リーダー」

「分かるはずないだろう」

「えー。憂炎、分からないの?」

暗部組織の一つ「ドレイン」有機物無機物問わず破壊することに特化したグループ。その

リーダー憂炎は分子レベルで物体を破壊する「原子破壊メルトクラッシュ」という能力を

使う。彼らは翳に手を貸し代わりに彼女から開発した武器を見返り無しで受け取っている。

「攫って来るのは簡単だろうよ。奴は恩を仇で返すようなことはしない。来なければ主人を

殺すと脅しをかければ楽勝だろ」

「そうね。私もそう思うわ。あ、なら心を抉ってしまおうかしらぁ!」

「お、良いね!僕は構わないよ、しっかり連れてきてくれればね」

リリー・ノワール、深層畏怖サブタレイニアン・フィアという能力を持つ。他人のトラウマを

掘り返すことが出来る。

「…行くぞ」

憂炎は一人先に席を立つ。次に他のメンバーが席を立った。被検体2号、六波羅シモン。

彼は義体化の手術と能力発明の手術を受けた。


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