二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 新サバイバー「薬剤師」追加【完結済み】
- 日時: 2022/07/30 15:00
- 名前: 本月 (ID: HQL6T6.Y)
新サバイバー「薬剤師」追加
彼女は自分の居場所が欲しかった。
それだけなのだ。
こんにちは、本月と申します。
「読書家の少女」を改変し、1から書き直したいと思います。
設定
メディズン・ツバキ
職業 薬剤師
年齢 22
身長 165
体重 55
性別 女
説明
彼女の望む結末はきっといつまでも変わらないだろう。
そう、いつまでも。
――――
暗い森の中を数時間ほど走っている。
永遠にあの荘園は見つからないのかと思ってしまうほどに。
さらに数時間走ると、ようやくあの荘園が見えた。
息ができなくなるほどの距離を走り続けてきた。
扉をノックすると、数十秒後に麦わら帽子をかぶっている女性が私を見て笑顔になる。
「いらっしゃいなの!」
私が来ることを知っていたようだ。さらにはここの荘園の住人全員が知っているらしい。
私の手を引いて食堂に案内してくれた。
「荘園へようこそ!」
みんなが私を歓迎してくれた。とても嬉しかった。
今日はもう遅いからと歓迎会が終わったらすぐに寝るようにと医師の女性に言われた。
「そうだ。」
私は思い出しながら部屋に置いてあった1冊の本を手に取る。
それには私の個人情報や私と一緒に追加されたらしいマップ「悲しみの図書館」が追加されたことが書いあった。
私の外在特質というのも書いてあった。
読書の才能
彼女には生まれながらの才能があった。
解読速度が30%上昇する。
薬の扱い
彼女の薬の扱いはとても天才的なものだった。
試合開始時点から「永遠の薬」を携帯しており、「永遠の薬」を相手に渡すことができ、渡されたサバイバーは使用すると自分の治療速度と板・窓操作が20%上昇する。だが、使用したあとの3秒後は解読ができなくなってしまう。自分には使用ができない。他のサバイバーのみ使用可能。(一つにつき一度のみ。)CTは30秒。
気遣い
彼女はとても気遣いができる女性だ。
他のサバイバーと解読をすると、解読速度が5%上昇する。2度のみ重ね掛け可能。さらに、薬剤師と解読をしているサバイバーの調整が少なくなる。
罪悪感
彼女の作った薬の実験相手を自身以外を対象にすることは彼女には耐えきれない行為だった。
サバイバーの1人が負傷・拘束状態になった場合、板・窓操作速度が10%低下する。最高30%まで重ね掛けが可能。だが、全サバイバーが負傷・拘束状態でなくなった場合、板・窓操作速度の低下がなくなる。
この4つの外在特質というものが書いてある本と1つの箱がおいてあった。
その箱を開けてみると説明書のようなものと、綺麗な衣装のようなものが入っていた。
衣装「代償の幸福」
説明
家族や友人の幸福が続いているのは、彼女が幸福を代償としているからだ。
たとえ、彼女に幸福が舞い降りても、その幸福はほかの誰かに渡される。
説明文がよくわからないが、衣装がとてもきれいだった。
その衣装を試着しようと思ったが、眠気に耐え切れなかったのでもう寝ることにした。
――――
朝
「…ん。」
眩しい朝の光にあてられ目が覚める。
昨日試着しようと思っていた衣装を着て、食堂に足を進めた。
「あ、メディズンじゃん。おはよう。」
あくびをしながら傭兵のナワーブさんが挨拶をしてくださった。
「サベダーさん、おはようございます。」
「あぁ、おはよ。」
「そういえば、この荘園にゲーム?というものがあるんですよね?」
「あるぞ。命がけだけどな。ていうか、それ…」
「あ、これですか?部屋に会ったので試しに着てみたんですよね。」
「一緒に説明も入っていたんですが…」
「それ貸せ」
「え?あ、ちょっと…」
「…」
サベダーさんは驚いたのか、目を見開いている。
――――
はじめ、薬剤師という職業の女が来た時はどんな奴なのか気になった。
歓迎会をしたらすごくうれしそうにいていた。
それで――――
悲しそうだった。
よくわからないが、なんとなくさっせた。
メディズンは多分罪のない優しい女性だ。
俺はそう信じている。
だって—―—
説明書きには、とてもと思えないほどの彼女の自己犠牲心が感じられたから。
メディズンと呼ぶのが言いにくいと思った為、ツバキと呼ばせてもらうことにした。
ツバキも俺をナワーブと、さんづけで呼ぶそうだ。
食堂に行き、朝食をツバキととる。
そのまま朝からゲームだったから、一緒にゲームをする部屋に行くことにした。
「そういや、ツバキの外在特質しらなぇな。」
「ぁあ、そうですね。今持ってるので読みますか?」
「ああ、読む。」
「ツバキは解読・援助型だな」
「あの、解読・援助型ってなんですか?」
「あぁ、主に解読型は暗号機っていうのを解読するんだ。解読する速度ははぇえが、板とか窓とか操作すんのはおせぇのが多いからな。」
「で、援助型は主にサポートだな。牽制も解読もおんなじくらいできるから万能といっても過言ではねぇな。だけど、基本的には、そうだなイライみたいに味方にハンターが誰かとか教えてくれる奴もいるぜ。イライのほかはヘレナとかだな。ツバキと同じ解読型だ。イライは援助な。」
「なるほど。よくわかりました。ありがとうございます。」
「んじゃ、早く飯食って試合だな。」
「はい。」
そう言って私たちは再び歩き始めた。
- 過去への抵抗 ( No.12 )
- 日時: 2022/07/16 20:18
- 名前: 本月 (ID: HQL6T6.Y)
食堂
夜の食堂は朝にいた人達よりも多くなっている。
それはそうだ、なぜなら。
読書家が自身の同一人物を教えると言ったのだ。皆、驚き半分で食堂に集まる。
読書家が登場するとともに、
「読書家ちゃん。同一人物っていうのは誰なの?」
「…薬剤師のメディズン…いえ、ナレッジ・ツバキさんです。」
「アンタ…喋れたんだな」
「ええ。1日に30分程度は喋ることが可能です。」
「ナワーブ・サベダーさんでしたね。貴方とは1度あったとこがありますが、覚えていますか?」
「…嗚呼。覚えているさ。」
「ナワーブ!なんで教えてくれなかったんだよ!」
「いう必要がなかったからな。」
「まぁ、それは置いておきましょう。」
「…私ナレッジ・ツバキの過去をお話しします。」
- 物語の始まり ( No.13 )
- 日時: 2022/07/16 21:09
- 名前: 本月 (ID: HQL6T6.Y)
私は3月24日の春に小さな村で生まれた。
たしか、隣の村がグルカ傭兵村だった。
私の住んでいた村は貴族と奴隷のどちらかで生活することを強いられた。
まだ、奴隷になり、貴族の下で生活するほうがよかったのではないかと今では思っている。
私は貴族の娘として、いや、貴族の“息子”として生活を強いられた。
好きでもないのに格好よく、綺麗に装飾された衣装を着せられる。
勉強は苦痛にはならなかったが、間違えた瞬間電流を浴びせられる。
機械と冷徹な5人の監視官に囲まれながら、勉強をさせられる日々。
性格も変えさせられ、性別も変えさせられる。
そんな日常を物心ついたときから強いられた私の心と体はだんだんと壊れていった。
朝は教育室で勉強ならぬ拷問をさせられる。
だけど、7歳の春に隣の村に住んでいる男の子がやってきた。
お母様もこの男の子とだけは、遊ぶことを、許可してくれた。
なぜかは知らないけど。
誕生日以外に女の子になれる日でもあった。
「ツバキ。大きくなったら俺と結婚しよーぜ!」
「結婚ってなあに?」
「結婚っていうのはな、家族になることなんだって!」
「じゃあ___と結婚する!」
「よし!約束な!」
「うん!」
その約束を交わして10年がたったある日。
私は20歳、彼は25歳になった。
彼は今、戦争をしている。
私も戦争をしている場所から数km離れたところにあるヘルミー病院で怪我をした兵達を治療をしていた。
その日々にも疲れてしまった。
私は、荘園からの手紙を受けたのを思い出し、大好きな本と調合して初めて成功した懐かしい薬も持って荘園に行くことを決めた。
彼との約束は破ってしまうけど、あの苦痛に耐え続ける日常よりかはましなところへ行きたかった。
約束を破ってごめんなさい。
何もできなくてごめんなさい。
薬しか作ることができなくてごめんなさい。
貴方を戦争から助けられなくてごめんなさい。
生きててごめんなさい。
死ねなくてごめんなさい。
さようなら。
過去に逆らえるほど彼女は勇敢になれるのだろうか?
- ごめんなさいの不幸よりも ( No.14 )
- 日時: 2022/07/30 13:36
- 名前: ゴースト・スクイド (ID: HQL6T6.Y)
あたりが静かになった。
いつもうるさいあいつも、元々静かなあいつも、全員が静まった。
過酷な日々に心が壊れていく感覚。
恐怖にみちた家が自身を侵食していく。
「そうか。」
ようやくでてきた言葉も、彼女の過去を肯定するにも、否定するにもとれない言葉。
俺は知らなかった。
彼女が過酷な日々を送っていたことも。
彼女が傷ついた兵たちをみて、どれほど苦しかったかも。
全部。全部。
知った気になって。
ごめんな。守るって約束したのに。
「ツバキ。」
「なんでしょうか。」
「ごめんな。」
「…しょうがないんですから。私より辛い過去を持っている人もたくさんいる。」
「だから気にしないでください。」
微笑む彼女を見て、涙が零れ落ちる。
「ごめんな。ごめんな…」
謝り続ける俺をみて彼女はおどろいた顔をする。
「そんなに謝られても、私は怒ってませんよ。むしろ」
「ありがとうございます。」
「え…?」
驚きで涙が止まる。
「私のことを唯一理解してくださったんですもん。」
「ナワーブさん。」
「ありがとう。」
涙が収まる。
「ああっ…!」
先程まで零れ落ちてきた涙はもうない。
ツバキともう一度向き合えた。
小さい頃みたいに、ずっと。
そして、約束も。
ぜったい叶える。
叶えて見せる。
ありがとうの幸福。
- 叶えたい気持ち ( No.15 )
- 日時: 2022/07/30 15:00
- 名前: ゴースト・スクイド (ID: HQL6T6.Y)
月日は流れ、2年もの時間がたった。
長いようで、短いようで。
そんな時間を仲間と過ごせてよかった。
ツバキとも。
小さいころに約束したときのツバキの笑顔も。
今なら、きっと。
約束を叶えることができる。
あの頃の満面の笑みをもう一度、見ることができる。
「ツバキ。」
微笑みながら俺の言葉を待つ彼女を見つめる。
「はい。なんでしょうか?」
いつも通りの優しい返事に思わず笑みがこぼれる。
「愛してるよ。」
思わず出てきた言葉に彼女は驚いたような、でも、嬉しそうな顔をして俺の次の言葉を待つ。
「結婚しよう。」
プロポーズをする雰囲気なのかどうかはわからない。
でも、雰囲気なんて俺らにはいらない。
「はい。しましょうか。」
微笑みあう俺らには、もうなにもいらない。
私たちはきっと
死ぬまで一緒。
あの頃みたいに小指を絡ませて。
満面の笑みを浮かべて。
カタクリとブーゲンビリアを飾って。
愛の花が咲き始めて。
愛が芽生えて
私達は咲き続ける
新サバイバー「薬剤師」追加
END
いつかきっと
花が咲き続けて、枯れないように。
〈おわりの挨拶〉
『新サバイバー「薬剤師」追加』はこれにて完結しました。
短編小説でしたが、読んでくださりありがとうございました。
〈補足〉
ブーゲンビリア…7月23日の誕生日の花。花言葉は「情熱」「熱心」「魅力」「あなたしか見えない」「あなたは魅力に満ちている」「秘められた思い」「私はあなたを信じます」「ドラマチックな恋」。
7月24日の他の誕生日の花には「ツリガネソウ」「アリウム」「ジンジャー」「ルコウソウ」がある。
カタクリ…3月24日の誕生日の花。花言葉は「初恋」「寂しさに耐える」。
3月24日の他の誕生日の花には「コブシ」「ハナビシソウ」などがある。
7月23日…傭兵「ナワーブ・サベダー」の誕生日
3月24日…「薬剤師」「ツバキ・メディズン(ナレッジ)」の誕生日
新サバイバー「薬剤師」追加
2022年7月30日 15時 完結
- 2人の夢 ( No.16 )
- 日時: 2022/09/10 01:02
- 名前: 本月 (ID: HQL6T6.Y)
「ねえねえ。」
「ツバキちゃんの夢って、なあに?」
「わたしの、夢?」
「わ、わたしは…」
プツッとパソコンの電源が切れるかのように、目が覚めた。
さっきの夢は何だったのだろうか。
そう考えていると、彼が私の方に顔を向けた。
嗚呼。そういうことか。
先程の夢は彼と初めて、いや、再開した時の夢か。
いや、記憶は確かではない。
もしかしたら、あの夢は嘘のなのかもしれない。
そうだったとしても。
今彼が私の隣にいる。
それだけで。
十分幸せだ。
「わ、わたしは…」
ナワーブ君と一緒にいること!
ずっと、ずーっとね!
ナワーブ君は?
「俺も…」
ツバキと一緒に居ること!
この形で出会うことは、本当は間違って居たかもしれない。
でも、
大好きなあなたとなら、
永遠に。
笑っていられるはずだから。
新サバイバー「薬剤師」追加
HAPPYEND