社会問題小説・評論板
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- ピアニストへの復讐〜キャラ募集始めます!〜
- 日時: 2011/02/25 16:02
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: 87ywO7pe)
こんにちは、またの場合はこんばんは。
真由子と申します。
別館に来るのは今回が初めてです。
本館の方でも小説を書かせてもらっています。
ライトの方では「雨のち雨」「君の世界」。ダーク化してますがw。雨のち雨はもうすぐ完結すると思います。頑張ればww
ダークの方では「地獄生活脱出法。」。
戦争についてのお話。
最初は虐待ものと言う設定だったんですがねw。
さて、今回、キャラ募集を始めることにしました〜
イエ〜イ!パチパチパチパチ〜!
締め切り?
ある程度集まったら締め切るよ、うん。
★*:;;;;;:*★応募用紙★*:;;;;;:*★
名前:(「よみかた」もお願いします)
性別:
容姿:
性格:
魅月と奏歌、どちらの仲間?:
★*:;;;;;:*★応募用紙★*:;;;;;:*★
待ってます〜!
あと、ピアノに関しては全くの無知ですw。
たまに弾いたりするくらいで、いや、弾いてないかも。
詳しい事はよく分かんないので教えてくださると嬉しいです。
打ち間違い・脱字等がありましたら教えてくださると嬉しいです。
感想下さると嬉しいです。
☆*:;;;;;:*☆本編☆*:;;;;;:*☆
>>1 プロローグ
〜第一章〜
>>4 貴女の音
>>6 嫉妬の芽
>>11 走り出し
>>12 計画
>>14 上達
>>15 月光
☆*:;;;;;:*☆本編☆*:;;;;;:*☆
☆*:;;;;;:*☆お客様☆*:;;;;;:*☆
聖也S
アガサ・ロンドS
☆★*[桐乃]*★☆S
津奈S
オリキャラ製造工場工場長S
るーくS
ヴィオラS
ヒカルS
☆*:;;;;;:*☆お客様☆*:;;;;;;:*☆
- Re: ピアニストへの復讐 ( No.11 )
- 日時: 2011/02/16 22:38
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: 87ywO7pe)
【走り出し】
偶然なのか、神様が仕組んだ罠か。
奏歌は魅月に「何処に行くの」と訊いた事を心の隅っこの方で後悔した。
モヤモヤしたものは、いくら取り除こうと思って、手で払っても残りきる。
モヤモヤした正体が分からないまま授業に入った。
当然、内容が頭に入るわけがない。
魅月は出された問題をつまらなそうな顔をして答えた。
そういえば、魅月さんって、頭いいんだっけ。
本当何でも出来るんだ。
本当、何なの。
奏歌のモヤモヤは増していく。
ついに、モヤモヤ、その正体が分かった。
憎い・・・・。魅月さん、いや、魅月が。
何で、私が好きな田園をあんなに上手く弾けるの?
凄い、と心の奥深くで思ってはいた。
でも、それがまた憎い。
でも、この感情は何処にもぶつけようが無い。
それなら本人にぶつければいい。
そうよ・・・・・・・・。
本人にぶつければいい。
奏歌の中に芽生えた「嫉妬の芽」は、誰にも気付かれず、ひっそりと開花した。
開花してしまったために、奏歌は走り出す。
これから、彼女は暴走し始める。
途中で疲れてやめてくれるかもしれない。
でも、頑固な彼女は彼女の存在を消すまで走り続けるかもしれない。
奏歌の暴走、今始まる————・・・。
- Re: ピアニストへの復讐 ( No.12 )
- 日時: 2011/02/18 22:13
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: 87ywO7pe)
【計画】
「じゃあねー」
T路地で別れた友達に奏歌は手を振った。
振り返った奏歌は手を振ったときとは別人のような顔つきになっていた。
悪魔、というより悪女。
奏歌の頭の中は魅月に対しての苛々と嫉妬している自分への苛々しかない。
なんで、私はこんなにも苛々しているの?
魅月に自分を越えられたからよ、と自問自答する。
悪夢だと思いたい。
夢なら覚めて欲しい————・・・。
私が魅月よりも上手くなればいい。
けど、けど————・・・。
私は魅月とは違って勉強なんか出来ないし、体育もどちらかと言うと苦手だし。
魅月なんかいなければいい。
いなければいいのに。
魅月なんか————・・・。
気がつくと家は目の前だった。
なるべく音を立てないようにドアを開ける。
「奏歌ちゃん、お帰り〜」
奏歌の祖母がにこやかな顔で奏歌を迎える。
「ただいま」
暗い顔だったが、一応答えはした。
奏歌の雰囲気からか祖母は眉の間にしわを寄せた。
「奏歌ちゃん、顔色悪いけど大丈夫?」
奏歌は無理矢理笑顔を作って大丈夫だよ、と答えた。
いい家族をもってよかった。
奏歌はつくづく思う。
某小説に出てくる母親とか祖母は
「顔色悪いわよ?ちょっと体温はかってみなさい!」
なんていうお節介をくらうだけじゃ済まされない。
それこそ喧嘩の原因だろう。
ぐるぐると続く階段を上り、部屋のドアノブを握る。
その手に力が入る。
苛々苛々。
奏歌の足はかすかに震えていて、苛立ちを隠せないでいる。
部屋は氷が張る位に寒い。
奏歌は乱暴に鞄をベットに叩きつける。
そして、ピアノの前に座る。
「ふふっ・・・魅月なんか死ねばいいのよ」
そして、ピアノを思いっきり指で叩く。
気味悪い笑みを浮かべながら。
- Re: ピアニストへの復讐 ( No.13 )
- 日時: 2011/02/18 22:14
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: 87ywO7pe)
計画
修正しましたー
- Re: ピアニストへの復讐 ( No.14 )
- 日時: 2011/02/25 16:21
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: 87ywO7pe)
【上達】
奏歌は歯を食いしばる。
指先は延々とピアノを叩いてるせいか少し赤くなっている。
でもそんなものは気にならなかった。
奏歌は田園を弾き続けた。
何時間弾き続けているのだろう。
窓の向こう側は真っ暗だった。
「奏歌〜、飯〜!」
そう兄に呼ばれるまで奏歌は弾き続けた。
制服姿の奏歌は、服を着替える。
黒のパーカー姿の奏歌は1階に向かう。
カレーのいい臭いが鼻を擽る。
奏歌はいつもの奏歌だ。
「奏歌、お前ピアノ上達してないか?」
兄の慶介にそう言われると、奏歌は蔓延の笑みを浮かべた。
「へへっ、そう?」
そう可愛こぶって椅子に座る。
テーブルには4皿のカレーライスとサラダが置いてある。
奏歌は「いただきます」と声を上げカレーライスを頬張った。
「しかし、慶介の言うとおり、奏歌ちゃん本当に上手くなったわよねぇ。」
祖母のさなえが奏歌を褒めた。
両親を亡くしたのは12年前———・・・。
4歳の夏だった。
奏歌と慶介は父親の両親に育てられる事になった。
さなえは慶介は慶介と呼び捨てなのに、奏歌だけにはちゃん付けで呼ぶ。
こんなに穏やかな家族の元に生まれて本当によかった。
気付くとカレーライスはすっかりお腹の中だった。
ごちそうさまと言って、奏歌は台所を出る。
先に戻っていた慶介の部屋からギターの音が聞こえる。
奏歌は部屋に入るとベットに身を投げた。
そして、スヤスヤと寝息を立てて眠ってしまった。
- Re: ピアニストへの復讐〜キャラ募集始めます!〜 ( No.15 )
- 日時: 2011/02/25 16:20
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: 87ywO7pe)
【月光】
奏歌がスヤスヤと寝息をたてていた頃、魅月は奏歌の気も知らずピアノを弾いていた。
「今日も楽しかったな〜」
思った事がそのまま声になった。
魅月の指は鍵盤の上で軽やかに踊る。
魅月が奏でている曲はベートーヴェン作曲のピアノソナタ第8番ハ短調作品13「大ソナタ悲愴」。
ベートーヴェンが作曲した10番目の番号付きピアノソナタで、初期を代表する傑作として知られている。
ベートーヴェンの三大ピアノソナタにも含まれる人気曲である。
悲愴—————・・・。
今の魅月には全くと言ってもいいほど関わりの無い言葉だろう。
家にある白いグランドピアノは魅月が小学校1年生の夏、父親に無理を言って買ってもらった。
魅月は今でもそのピアノを大切にしている。
傷も汚れさえも付いていない上等なピアノ。
魅月は悲愴を弾き続ける。
突然ドアをノックされ魅月は悲愴を中断した。
「魅月〜。美音ちゃん来たわよ〜」
美音?
美音ちゃんが?
久しぶりだなぁ、私が高校に入ってからはあまり会わなくなっちゃったしな〜。
うきうきしながら魅月は玄関に向かった。
「わ〜!美音ちゃん〜!!」
魅月は嬉しさのあまり何の躊躇いもなく美音に抱きついた。
美音は顔を真っ赤にしながら、「魅月ちゃん、苦しい」ともがいた。
魅月は慌てて手を離した。
美音は赤くなった顔で
「おじゃまします」
と白い花の付いた可愛らしいパンプスを脱いだ。
「魅月ちゃん、悲愴弾いてたでしょう?聞こえた」
階段を上る途中美音は言った。
「本当?照れるな〜」
魅月は冗談半分で返す。
「やっぱ魅月ちゃん上手だね」
美音は照れる事も無くそう言った。
魅月は赤くなった。
開いたままの窓が6月の心地よい風を運ぶ。
美音はピアノの前に座って深呼吸をした。
「いつ見ても上等なピアノだねぇ」
そう呟いた後、ピアノソナタ14番嬰ハ短調作品27の2「幻想曲風に」———・・・。
「月光」を弾き始めた。
魅月は子供のように目を輝かせて聴いた。
窓から入る月光が、美音の手元を照らす。
美音は黙って弾き続ける。
やっと弾き終えた頃は真っ暗だった。
「うはーっ、楽しぃ〜!」
美音は床に寝っ転がった。
この日常がいつまでも続けばいいな。
私の願いはそれだけです。