社会問題小説・評論板
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- 悪の華 咲き誇る
- 日時: 2011/10/20 18:40
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: DYKeE8.j)
どうも初めまして、またはこんにちは。
九龍と申します。
今回は、人間の≪悪≫を愛する少年の物語を書こうと思っています。
シリアスよりの社会系です。
犯罪に関しては、色々なものに手が付けられます。
—御注意—
・作者が嫌いな人は、お帰りになった方がよろしいかと。
・チェーンメール、荒らし等は歓迎いたしません。
・主人公は、心は悪人。
—よろしいでしょうか?—
目次
プロローグ>>1
第一話>>2
お客様
隣夏様、琳音様、♪ぱんだ♪様
- Re: 悪の華 咲き誇る ( No.1 )
- 日時: 2011/08/20 19:28
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: uRjlitq/)
僕は、純粋なる悪を愛す。
優越感。
快楽。
安心感。
人間達が、貪欲に求めるもの。
それらは、動物にもあるものだ。
だが、人間にしかないものは、それを求めることによって生まれるものだ。
犯罪。
自分の欲望に忠実な、弱い人間がおかす行為。
優越感、快楽、安心感。
悪から得られる物は、決していいものではない。
しかし、それは麻薬と同じで、一度やってしまうと、止めてしまうのが難しいだろう。
一度手に入れた、ここちのよい感情。
それを手放すのは難しい。
動物にはなく、人間にはある。
純粋なる悪。
無垢な動物たちは、ただ、必死で生きるだけ。
だから、善悪の区別などついていないだろう。
だけど、人間は違う。
分別があるにもかかわらず、罪を犯す。
優越感を得るために、虐めというものを平気でする。
快楽を得るために、薬を使う。
安心感を得るため、不安を打ち消すように殺す。
なんて、なんて、醜いのだろう。
しかし、このように醜い感情は、人間しか持ち合わせていない。
僕は、純粋なる悪を愛す。
人間だけにある、醜い悪を愛す。
- Re: 悪の華 咲き誇る ( No.2 )
- 日時: 2011/10/15 16:51
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 6QQsLeeZ)
僕は大きな欠伸をして、学校へと歩いて行く。
横断歩道で立ち止まる。
僕は「ちぇっ」と舌打ちをした。
信号が赤だ。早く学校に行きたいのに。
学校は楽しい。
授業で、新しいことを学べる。
人と話せる。
そして、僕の好む感情を持った人がいっぱいいる。
『悪』の魅力にあらがえずに、身を落とす生徒たちがいる。
信号が青になる。
僕は、誰もいない横断歩道を速足で通り、学校へとまた歩いて行く。
「あ、リーラっ! 相変わらず、お早いご到着で」
元気のいい、男子の声が聞こえる。
僕は「リーラ」という呼び名に顔をしかめる。
僕の名前は、篠原 璃來斗。
名前の読みは「リライト」
母がつけてくれた名前だ。
そして、僕を「リーラ」なんて呼ぶやつは、この学校に一人しかいない。
「貴方も相変わらず。あと、その呼び方やめてって、いつも言ってますよね? 俊栄先輩」
僕がため息交じりでそう言うと、三年生が使う靴箱の陰から、背の高い男子生徒がひょっこりと顔を出す。
飯島 俊栄。三年生の先輩であり、この学校で唯一、僕を「リーラ」と呼ぶ人物。
この人は僕の好む感情は持ち合わせていない。
ただ、無垢なままなのだ。
動物のように感情的で、周りのことは見えない。
仲間が傷つくと許せない。
ただ自分だけに従って生きている人。
先輩の理解者は少ないのだが、理解者なんて一人いればそれでいい。
僕は先輩を理解し、慕う。
そして先輩は、ただ、僕をそばに置く。
それだけでいいじゃないか。
先輩は苦笑しながら、頭をかいた。
「だって、リーラは美人だしー? そっちのが可愛くていいんじゃない?」
「……男に、可愛い……ですか」
なんだか、凄く空しい気分になってしまう。
先輩から言わせてもらうと、僕は「美少年」らしい。
黒い髪に、長いまつげの奥に光る黒い瞳。
桜色の唇に、やわらかく桜色に染まった頬。
白い肌に、華奢な体。
先輩が、その様に僕の事を語ると、僕はいつも思う。
「それはまるっきり女の子じゃないか」と……。
先輩曰く「美少年」の僕。
そんな僕は人一倍醜い心を持っているだろう。
さて、今日も見ていよう。
悪の華が、一番美しく咲く瞬間を——。

