社会問題小説・評論板
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- 私
- 日時: 2011/10/20 22:18
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
初めまして。
社会問題系の小説を書きます。
すみません、文才ないです;;
下手ですが、よろしくお願いします。
- Re: 私 ( No.14 )
- 日時: 2011/10/05 19:39
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
—3章—
私達は、毎日毎日ユリコをいじめた。
こんなにもいじめが楽しいとは思わなかった。
私は、ユリコをいじめるのが最高の快楽になった。
私のような子がいるから、いじめがなくならないと知った。
私はいつものように、学校へ登校した。
担任からある事が知らされるまで、私は有頂天だった。
キーンコーンカーンコーン・・・。
鐘と同時に教室に入る担任。
急いで席につく生徒。
「今日、悲しいお知らせがあります。少し前に転校してきたイワシロ ユリコさんがまた、転校する事になりました」
そういえば、今日はアヤカの隣の席は空いていた。
ユリコは、いじめから逃れるために転校したんだ。
・・・逃げたんだ。
- Re: 私 ( No.15 )
- 日時: 2011/10/08 21:17
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
放課後。
担任が教室を出て行く。
クラスは静まり返っている。
ブルルルルルッ・・・。
突然、携帯が震えた。
他の子達の携帯も同時に震えだした。
誰かがメールを一斉送信した?
私に送った相手、アヤカ。
—————————————————————————————
ユリコがいなくなっちゃったから、次の玩具役を決めようよ^^
今回は投票でやろ♪
やり方は、皆に紙を配って、玩具になってほしい子の名前を書く。
無記名でいいよ。
無記入はやめてね?
文句なしでしょ?
—————————————————————————————
投票・・・。
文句はない。
「箱用意したよ。この中に入れてね」
アヤカが自分の机に、大きな箱を置いた。
そして、皆に紙を配る。
「友達と相談してもいいよぉ」
私は、迷った。
私をいじめた人、クラス全員。
全員が憎い。
このクラスの中の誰でもいい。
「ねぇねぇ」
クラスメイトの女子、3人が私に近づいてきた。
私がいじめられる前までは、少し仲が良かった子達。
「誰にする?」
このグループのリーダー、マナミが私に言った。
「私はまだ決めていないよ。皆は?」
私がまだいじめられていなかった頃を思い出す。
皆と笑って、皆と遊んで・・・。
懐かしい。
でも、そんなのはもう過去だ。
過去には戻れない。
「まだ決めてないんだ。なら、私達を同じにしない?」
そうだ、皆に合わせておけばいいんだ。
そうしたら、玩具にされる確率は減る。
「そうする。マナミ達は誰にしたの?」
マナミが私の耳に口を近づけ、言った。
「アヤカ」
私は驚いた。
アヤカはクラスの最高位の人物。
このクラスの女王的存在。
「前からウザかったんだよねぇ・・・」
「アイツが泣く顔見たいしさ♪」
「じゃ、早く書こ」
私は紙に『アヤカ』と書いた。
その紙をたたみ、箱の中へ入れた。
「よし、皆入れたねぇ?」
アヤカが皆を見る。
皆、頷く。
「じゃあ引くねぇ♪レイナ、私が読むから出た名前を黒板に書いて」
「分かったぁ♪」
アヤカの手が箱に入る。
「1枚目ぇ♪」
アヤカの手が、箱からぬけた。
折りたたまれた紙を開く。
「1枚目はぁ・・・」
- Re: 私 ( No.16 )
- 日時: 2011/10/06 21:11
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
教室が静かになる。
「サオリ♪」
・・・え?
カワナカ サオリ。
これが私の名前。
何で私?
アヤカでしょ?
あぁ、私の名前を書いた人が1人いたんだ。
でも、いじめられるのはアヤカでしょ?
「サオリ」
「サオリ」
「サオリ」
繰り返される、私の名前。
「12枚目。・・・アヤカ?誰、私の名前を書いたのは?」
アヤカが皆を見る。
「私知ってるよぉ♪」
マナミが手をあげる。
「誰?」
「サオリだよぉ♪」
マ・ナ・ミ?
「ねぇサオリ。何で書いたの?」
アヤカが微笑みながら、私に言う。
「・・・マナミ達が誘って来たのよ!・・・ねぇアヤカ。早く玩具になる役の人を決めないの?」
早く、アヤカはいじめられる姿が見たい。
「・・・プッ・・・、ウケるぅ。まだ気づいてないんだ?私達が仕組んだって?」
『アハハハハッ!!!』
『ヤバい!マジウケるんだけど!!!』
『サオリはバカなのぉ?早く気づけよ!』
私は今、やっと気づいた。
はめられた。
皆、私の名前を書いている。
私に希望をもたせて、押しつぶす。
何これ?
最後はやっぱ、これ?
私はいじめられる運命なの?
何でよ・・・?
「サオリが引いてほしいなら、全部引いてあげる♪」
アヤカが箱を逆さにする。
机の上に落ちた紙。
全て、私の名前。
「フフフッ♪投票楽しかったぁ?でも、サオリは私達を楽しませなきゃいけないのよ?明日も遊んであげるから、楽しみにしててねぇ♪」
アヤカはそう言い、箱を片付け、教室を出て行った。
クラスメイトもぞろぞろと出て行く。
「ねぇサオリ」
マナミが私を呼ぶ。
私は顔をマナミに向けた。
「サオリに1つ教えてあげる♪サオリは、どこへ行ってもいじめられるよ♪だって、そんな運命だもんねぇ?キャハハハハッ♪じゃぁねぇ♪」
運命。
いじめられる運命。
もしそうなら、私は・・・、
・・・死を選ぶ。
- Re: 私 ( No.17 )
- 日時: 2011/10/08 22:59
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
—4章—
私の心はボロボロ。
もう、修復できないぐらいに。
今日は9月27日。
何もない日。
今日、私は・・・。
「サオリ♪放課後だよ♪遊ぼっかぁ?」
ボールが私の体にあたる。
ライターが私の体をあぶる。
「フフフッ♪死ね死ねサオリ♪アンタなんか生きている価値ないのよ。ウザイから早く死ねよ♪」
「死ね死ね!」
「アンタが死んでも、誰も悲しまないよぉ?」
「早く死んでくれない?」
繰り返される、死という言葉。
「・・・皆、私に本当に死んでほしいの?」
私の少しの抵抗。
「なら、殺して。私を殺して」
もう、どうでも良かったけれど。
でも、私は抵抗した。
何がしたかったんだろう?
悔しいの?
憎いの?
苦しいの?
アヤカの体の動きが止まった。
皆も止まった。
アヤカの口だけが動く。
「は?何言ってんの?殺してほしい?サオリは自殺志願者?」
「えぇ、自殺志願者。だから、殺して。早く」
アヤカ、驚いた?
皆、軽はずみで言ってるでしょ?
『死』という言葉。
人間、簡単に死ぬものよ?
高い所から落ちたら死ぬ。
首をつれば死ぬ。
毒を飲めば死ぬ。
簡単でしょ?
私でもできる。
でも、死んでほしいんでしょ?
なら、殺してよ。
皆の願いを叶えてあげるよ。
私を殺すという、願いを。
「無理に決まってるでしょ?殺したら、私は殺人者になるじゃない。そんな事も分かんないの?」
あぁ、皆には私を殺す勇気がないんだ。
怖いんだ。
自分の人生が壊れる事が。
なら、殺せないけれど。
・・・私が死ぬという願いを叶えてあげる。
ガッシャーンッ・・・!!!
ガラスが割れる音。
私が窓を割った音。
落ちる、落ちる。
空が見える。
快晴。
私の心も快晴だよ。
やっと苦しみから解放される。
これが私の人生。
最後だけは幸せになりたかったな・・・。
- Re: 私 ( No.18 )
- 日時: 2011/10/08 22:25
- 名前: 桜 (ID: .CNDwTgw)
—5章—
ガッシャーンッ・・・!!!
ガラスが割れた。
サオリの体が消える。
私は窓に駆け寄り、下を見る。
変わり果てたサオリ。
サオリは、微笑んで死んだ。
窓から下に落ちる前に、私に微笑んだ。
何故微笑んだの?
私は何をしたの?
何で死ぬの?
サオリが言った、軽はずみの死という言葉。
死というモノは軽はずみで言ってはいけないモノ。
私達がサオリに向けて放った死という言葉。
サオリは、私達の願いを叶えたつもり?
私達がそんな事を本気で思っていたと思っているの?
私、アヤカはそんな事思っていない。
ただ、楽しんでいた。
サオリをいじめるのを楽しんでいた。
いや、サオリじゃなくても良かった。
いじめるのは誰でも良かった。
いじめられるなら誰でも。
あぁ、私はこれで殺人者?
サオリを自殺まで追いつめた犯罪者?
私は、サオリが死んでから気がついた。
いじめは人の人生を狂わせる。
いじめられる方も、いじめる方も。
私はただ、楽しんでいただけなのに。

