社会問題小説・評論板

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シリアルkiller
日時: 2012/01/12 16:18
名前: 菊茶 (ID: a5DdqbyH)

はじめまして。

菊茶です。

文章力は皆無ですが、気合で頑張ります。



※多少のグロなどはご了承くださいませ。

Re: シリアルkiller ( No.6 )
日時: 2012/01/13 16:18
名前: 菊茶 (ID: a5DdqbyH)

続き

「殺し屋?」

あの漫画とかでよくある裏職業のことか?

現代にそんな仕事が…

「あるんだよねぇー。そんな仕事が。」

「………。」

何回心の中を読まれていることか。

「君の顔に書いてあるよ。質問とか疑問とか。

  そんなことより君もやってみない?」

「やってみないって…」

「君に否定権はないよ。ね?するよねぇ?」

男が不気味に笑う。目の奥は笑っていないようだが。

「やらないと言ったら?」

「やらないと言ったらねぇ…君の命はないも同然さ。」

やっぱり!!だから手足を縛っていたのか。

「やるでしょ?ね?ねっ?

  もちろん報酬も住むところだって与えるさ。

 君みたいなシリアルキラーにはたまらないことだよ?」

シリアルキラーと呼ばれたことは腑に落ちないが人を殺してお金を得ることができるなら嬉しいことだ。

「…やります。」

ついに腹を括った。

というかやらなかったら殺されるのだ。

「そうか!ついにこの会社に入社することを決めたんだね!」

男が嬉しそうに騒ぐ。白々しい。

「会社?」

「そうだよ。当たり前じゃない。あ、中卒だから分かんないか。」

中卒も知られているのか。恐ろしいなこの男。

「まず、自己紹介だね。

  俺は神崎秀昭。34歳のO型。この会社‘ヤシロコ’の社長だ。」

ヤシロコ…逆から読むと殺し屋…ネーミングセンスが皆無な社長さんなこと。

「私は…」

「大丈夫。ここ1ヵ月君の事を調べたからね。

   五十嵐亜麻埜。16歳。幼少期はいじめられていた。

  人を殺すことしか頭にない。…合ってるかな?」

ピンポーン。ストーカーか。こいつは。

「ほかに社員は?」

「俺ともう一人男がいるぞ。結構イケメンだ。

  俺ほどじゃないけどねー。」

余計な情報もあったが一人いたというのは以外だ。

「…よし。これで君もこの会社の正社員だ!

  明日からバリバリ働いてもらうぞ。よろしくな!」

そういい神崎は私の肩を叩き、この部屋を出て行った。



晴れて私は‘ヤシロコ’の社員になってしまった。



そんなことより…手足は縛ったままなのか?





Re: シリアルkiller ( No.7 )
日時: 2012/01/17 16:36
名前: 菊茶 (ID: a5DdqbyH)

4話

3日後

「亜麻埜君はさ、高校生活って憧れたりしないの?」

神崎が唐突に質問をしてきた。

「高校生なんかなっても殺しの邪魔なだけです。」

「でも、少しは憧れたりしなかった?」

「いいえ。全くです。」

「ほんのちょっとでもさ…。ほら、あるでしょ?」

「しつこいな。1ミリたりとも思ってないよ!」

なんなんだ。この話。

なんか嫌な予感がする。

神崎は少し悩み、

「社長命令。明日からお前は女子高校生になる。」

予感的中—————

「な…なんでですか?私が小・中といじめられていたのも知ってるくせに!学校なんて絶対行きたくない!」

私は叫んだ。ヒステリックとも言える。

「理由があるに決まってんだろ?ちょっと座れ。」

そういい近くのソファーを指差す。

なにも言わず座ると事情を話してくれた。



昨日、この「ヤシロコ」に一通の依頼がきたらしい。

「ある男性を殺して欲しい。」

依頼者は20〜30代の女性。

高校の英語を担当しているそうだ。

殺して欲しい相手とはその高校の校長。

その校長と愛人関係にあったらしい。

その後愛人は捨てられた。

だから殺してやる。というよくある依頼らしい。



「そういうこと。分かった?」

事情は分かったが、本題の謎が解けてない。

「なんで私がその高校に行かないと…?」

「言わなかったっけ?うちの会社は『潜入型』なんだよ。」

一言も知らされてませんが。

んで、高校生として潜入しやすいのがこの私と。

「そう。34歳は高校生としては難しいからねぇー。」

「確かに。分かりましたよ。殺しができるなら高校生にもなってやりますよ。」

「さすが亜麻埜君。転校の手続きなどはやっておいたから。

  殺しの方法はさておきとりあえずクラスに馴染むよう。」

そう言って高校の制服やら教科書やら出してきた。

「あ、もう一つ。絶対に目立つなよ。殺し屋の掟だからな。

   明日早いだろ?もう寝ろ。」

神崎退室。

只今の時刻15時32分。

寝るにしては早すぎるだろ…。

それと、

転校生で目立たない奴なんかどこにいるんだよ…。

Re: シリアルkiller ( No.8 )
日時: 2012/01/19 15:49
名前: 菊茶 (ID: a5DdqbyH)

5話

「今日からこのクラスで3ヵ月だけお世話になります。川瀬那美です。」

パチパチと少しだけ拍手。

『川瀬那美』とは私、五十嵐亜麻埜のことで

潜入の為、偽名。

そしていつもの茶髪のショートカットではなく黒髪のロング

黒の伊達眼鏡。

病弱でおとなしい少女 …という設定。

3ヵ月の間に校長を殺すという相手側の条件で転校。

その相手、つまり依頼者である英語の教師は私の担任。

いつでも行動を起こせるようにサポートしてくれるらしい。

「じゃあ川瀬さんは…後ろの端の席ね。」

後ろの端の席に行き着席。

周りの生徒は興味の眼差しでこちらを見ている。

『絶対に目立つなよ。殺し屋の掟だからな。』

昨日の神崎の言葉を思い出すが、案の定目立ってしまう。

仕方ないよ。転校生だもの…。



キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴った。ホームルームが終わった。

と同時に生徒が席を立ち私の周りを取り囲む。

「どこから来たの?」

「なんて呼べばいい?」

などのよくある質問。

その中に奇妙な話が混ざっていた。

「ねぇ、いつもこのクラスの『海山里穂』って奴いじめてんだけど

   ———— 一緒にするよねぇ?」

悪意のある笑顔。この女はこのクラスのリーダーなんだろう。

私を試すようにそう尋ねた。

「いじめ?馬鹿じゃないの?私は殺し屋をやってんだぞ?」

なんて言ったらものすごく目立つだろう…やめよう。

しばらく悩んでいると本鈴が鳴った。

「チッ…後で答え教えてね〜。」

そういい残し自分の席へ帰っていった。



…どうしよう。

高校生にもなっていじめに加わるなんて幼稚なことしたくない。

でも断ればいじめられ変に目立ってしまう。

この高校に転校してきた理由はただ一つ。校長を殺すことだ。

それだけ遂行できればいいのだ。

勉強なんかそっちのけ。つか勉強する意味ないし…

「あの…よろしくね?」

隣の女子が小声で話しかける。

「あぁ。よろしく。で?名前なんだっけ?」

隣の子の名前ぐらいは覚えようと思った。

「海山里穂です。」

あ、あのいじめの標的の。

リーダー女子がこっちを睨んでいる。恐ろしい面しやがって。

『無視をしろ』と合図を送っているらしい。

とりあえず何をすればいいのか分からない。

これが板ばさみってやつか。

そう思いながら妙な空気のまま1限が終わった。


Re: シリアルkiller ( No.9 )
日時: 2012/01/19 16:33
名前: 菊茶 (ID: a5DdqbyH)

6話

私がいじめられっここと『海山里穂』を無視できなかったことが教室中に広まったらしい。

転校初日にして私の周りに人々がいなくなった。

そのまま、放課後に。

帰ろうと思い席を立とうとしたがリーダー女子こと『佐久間詩織』がそれを塞ぐ。

「なんで無視しなかったんだよ。馬鹿じゃねーの?」

1限目のことをまだ言ってんのか。くだらない。

そう思い佐久間を無視して教室をでた。

「チッ…いーこと思いついた!」

なんていう佐久間の言葉も聞こえやしなかった。



私の自宅兼仕事場すなわち『ヤシロコ』の事務所へ帰宅。

「おかえりー浮かない顔だね。

 ———もしかして亜麻埜君の隣の席の子がいじめられっこでその子に話しかけてもらったのにも関わらずいじめっこがそれを無視しろとか言っちゃって板ばさみにあった?」

…なんで詳細を知っている。恐ろしい34歳だ。

「はい。そうですよ。エスパーですか。貴方は。」

「違うよ。盗聴器つけただけだよー。…ほら。」

そう言い私のスクールバックの中に手を入れる

間もなくして小型の盗聴器が見つかった。

「なんですか!犯罪ですよ!女子高生の鞄の中に盗聴器を仕掛けるなんて!!」

「よくもこんな職業に就いといて犯罪だとか言えたもんだ。」

神崎は呆れ顔。確かに人を殺しておいてなにをいってんだ…

「まあ、殺しはまだ3ヶ月あるから俺がプランを考えとくよ。

   亜麻埜君は何食わぬ顔で高校生活を送るように。」

「はい。」



翌日

何食わぬ顔で登校。

何食わぬ顔で教室のドアを開ける。

教室の中に異変を感じる。

私の机・椅子がない。

元机があった場所に行ってみる。

やっぱりない。

「あれ?あの机川瀬さんの?ゴミかと思ったー」

佐久間が笑う。つられてクラス中が笑う。

突然激しい怒りがこみ上げてきた。

と同時に殺してやりたいという感情もこみあげてきた。

「だめだ…ここは学校だ。」

そういい理性を保つ。

「は?何言ってんの?意味分かんね。早く死ねよ。このクズが。」

抑えろー…抑えろー…

ここで佐久間を殺せば大問題だ。

「つか、目障り。ね?皆も思うよね?」

「マジで消えろ。」

「死ねよ!」

などの暴言が私に向かって飛んできた。

落ち着け。ターゲットは校長だ。

こんなクラスメートなんて関係ない。

「何も言わないんですけどーマジきもー!」

あぁ…限界だ。

まだ授業が始まってないのに教室を飛び出してしまった。



Re: シリアルkiller ( No.10 )
日時: 2012/01/24 16:46
名前: 菊茶 (ID: a5DdqbyH)

7話

結局逃げ出した挙句、女子トイレの個室に潜り込んだ。

なんで。

すぐにいじめられてしまうんだろう。

でも机と椅子を隠されただけなのに。

こんなにも弱かったのか。自分。



♪〜♪〜♪〜



携帯が鳴る。

神崎からだ。

「…はい。」

『電話に出れるってことは…今教室にいないんだな。』

「そうです…。」

『やっぱり逃げてきたのか。』

はぁ…と神崎のため息が聞こえる。

「すみません。なんだか中学時代のことを思い出してしまって…」

中学生の頃は壮絶ないじめにあっていた。

毎日殴られ水を浴びせられ雑巾を口に含ませたり…

思い出しただけで震えてしまう。

『とりあえず、教室に戻れ。過去のことなんか引きずるな。』

「……はい。」

あくまでも‘仕事’のためにここに来ているんだ。

そう自分に言い聞かせ、教室に戻った。



1限が終わったときに教室に入った。

やはり机は無かった。

「何?帰ってきたの?」

振り返ると佐久間がいた。

「…机は?」

「は?捨てたに決まってるでしょ?」

殺したい衝動をぐっと堪える。

「なぜ捨てた?」

なぜだか分からないが一瞬クラスが凍りついた。

「べっ…別にどうだっていいじゃない。そうだよね?」

佐久間が周りに賛同を求める。

が、誰も返事しない。

謎の空気がこの教室を包んだ。

しかしそんな謎の空気はすぐに消えた。

「クズ!」

「死ねよ!!」

などの罵声が飛び交う。

「あ…あれ?こんなところに大きなゴミがあるよ?掃除しないと!」

佐久間は箒片手に襲い掛かってきた。

クラスの人々もそれに続く。

容赦なく痛みが全身に駆け巡る。

クラス中に響く笑い声。

なにが楽しいのだろう。



キーンコーンカーンコーン…



「あ、次移動だ。行こー。」

一人。また一人と教室から出て行った。

私だけ一人教室に取り残された。

結局いじめられに教室にきたも同然。

なにしてるんだ。自分。

「…ははっ。」

なんだかこんな自分が可笑しくて仕方ない。

できればこのまま笑ってたい。

そう思ったが、笑い声がだんだん嗚咽に変わって目からよく分からない液体が溢れ出た。

自分は泣いているんだと気づくのはしばらく時間がかかった。





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