社会問題小説・評論板

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麻衣子と麻衣香とお母さん。オリキャラ募集中です!
日時: 2012/02/29 08:05
名前: ミシェル (ID: VHEhwa99)

始めまして、黒猫ミシェルです。
社会問題系小説で書くのは初めてなので、
温かい目で見守ってもらえると嬉しいです(*'-'*)
どうぞよろしくお願いしますヾ(@⌒ー⌒@)ノ

今ままでのお客様

桜日和さん☆

ここあまんずーさん☆

智久さん☆

番凧さん☆

▽♦さん☆

真央さん☆

麻衣子と麻衣香とお母さん ( No.3 )
日時: 2012/01/20 19:10
名前: ミシェル (ID: kXLxxwrM)

≪第二話≫

「麻衣子、体育着貸して」

「......お姉ちゃん」

いじめられてる私を見て、何も思わないの?
私を助けてくんないの?私を、守ってくれないの?

「天野、早く体操着を貸しなさいよ!」

「そうよ!麻衣香先輩が可愛そうじゃない!!」

「......はい」

蹴られて倒れていた机を元に戻し、鞄の中から体操着を取り出す。
それをお姉ちゃんの前まで持って行った。
私を、まるでごみを見るような目で見る、お姉ちゃんに。

「.....はい。お姉ちゃん」

「ふん。臭いわね、これ」

お姉ちゃんの言葉に、腹を抱えて笑う、女子女子女子。
私は、ただ顔をふせてるだけだった。
涙を溜めた目を、隠すために。

「じゃ、終わったら取りに来て」

「.......はい」

「待って。やっぱり取りに来ないで。恥ずかしいから」

「...............」

「分かったの?返事」

「......はい」

私たちのやり取りを、笑いながら見てるクラスメイト。
ただ楽しそうに、面白そうに。
私の心なんて、私の体なんて、考えてはくれないの?
いじめって、そんなに楽しいの?
私は、楽しくないよ?面白くないよ?.......とても、とても辛いよ?
心が苦しい。体が痛い。解放、されたい。この、地獄から........。

「やっべ。先生来るよ!」

「早く席つこっ!!」

ガラララァ

「みんな席つけ〜」

バラバラとみんなが席についていく。
私も、座った。
生卵が、塗られた椅子に。

「クスクス」

「座ったぁ〜」

「きたなっwww」

小声でも、聞こえてくる。
あの人たちが、私の椅子に卵を.....。
制服のスカートが、ペシャリと椅子に付くのが分かる。
立ったら、きっと黄色い染みになている事だろう。

「体育だぞぉ!早く着替えないと、時間無くなるからな!」

「あの、先生」

「何だ?天野さん」

先生の明るい声。
このクラスでいじめが起きているなんて、夢にも思わない事だろう。

「体育着が、ないです」

「何故?」

「姉に、貸しました」

途端、先生の顔が険しくなった。

「天野さん、嘘はいけません。麻衣香さんが、忘れ物するはず無いでしょう?」

「本当です!」

「はぁ。先生は、嘘を付く人は嫌いです」

先生が、ため息をつく。
私を、信じてくれない。

「先生!」

「何ですか?萩原さん」

「麻衣香先輩は、この教室には来ませんでした!ね?」

「そうです!来ませんでした」

いっせいにみんなが、来ていないと言い出す。
先生は、怒っていた。
嘘を付いている、私に。

「後で、放課後に職員室に来なさい。話し合う必要があります」

「......はい」

本当の事なのに、先生は信じてくれない。
この教室でも、私を守ってくれる人は、いない。

Re: 麻衣子と麻衣香とお母さん ( No.4 )
日時: 2012/01/21 09:59
名前: ミシェル (ID: J1W6A8bP)

《第三話》

目の前には、眉を寄せた先生が一人。
私は、先生の前の椅子に座らせていた。

「麻衣子さん、前から思っていたんですが」

「…………なん、ですか?」

「あなた達姉妹は、どういう関係なんですか?」

「かん、けい…………ですか?」

「そうです」

関係と言われても、そんなの私にだって分からない。
お姉ちゃんは、前は優しかった。
今は、どうなんだろう?
いじめられてる私を見ても、そのまま見てるだけ……。

「あなたは、真衣香さんの事が嫌いなんですか?」

「えっ?」

「嘘をついてまで……」

「そんな…私、嘘なんて!」

バンッ
先生が、机を叩いた。

「好い加減にしなさい?嘘をつく奴は嫌いだと、言いましたね」

「…………」

「親御さんを呼んで、話し合う必要が有るようですね?」

「……! そんなっ!?」

顔が、自分でも真っ青になるのが分かる。
親を、呼ぶ?
そんな事したら、私はお母さんに………。

「先生、あの、その……」

「はい」

「ごめんなさいっ!」

「………」

「私、お姉ちゃんの事が羨ましくて!」

それからは、嘘という嘘を沢山ついた。
お母さんを呼ばれないように。
私は悪い子だと、先生は思っているだろう。
ノロマでグズで、汚い子だって。

「分かれば良いんだ。もう、帰りなさい」

「はい、失礼、します」

先生が、ほかの先生達と私の事を喋っている。
(あの子は、本当に!)
(真衣香さんとは、大違いだ!)
その言葉は、私の心を大きく削った。







Re: 麻衣子と麻衣香とお母さん ( No.5 )
日時: 2012/01/22 21:05
名前: ミシェル (ID: J1W6A8bP)

《第四話》

五時頃なのに、もうすっかり暗い夕方。
家への帰り道を歩く。

「………やだよ。家に帰りたく、ない」

自分の影を見つめながら、私はポツリと本音を言う。
家に帰れば、お母さんとお姉ちゃんがいる。
私は、二人に嫌われているから……。

「お姉ちゃん、お母さん。あんな事が無かったら、二人とも私の事を、
まだ好きでいてくれた?」

答えなんて、返ってこないけれど……。

「私は、まだ好きだよ?二人の事、大好き、だよ?」

そう。
二人がどんなに私の事を嫌いでも。
二人が私を…………

「そこの、お嬢ちゃん」

「へっ?」

私の思考を、声が遮った。
優しい、落ち着く声……。

「私の、事ですか?」

「そう、あなた」

「何ですか?」

「申し訳ないんだけど、ちょっとお願いできるかしら?」


Re: 麻衣子と麻衣香とお母さん ( No.6 )
日時: 2012/01/28 12:02
名前: ミシェル (ID: dSN9v.nR)

《第五話》

「本当にありがとうねぇ〜」

「.....いえ」

「上がっていかない?」

「えっ?」

「おばちゃん、一人で住んでてね、寂しいのよ」

確かに。
私は、おばあちゃんが住んでいるという家を見上げた。
私の家の、何倍はあろうかという広さ。
ここに、一人では寂しいだろう。

「上がっても、いいんですか?」

「ええ、どうぞ。そしていらっしゃい」

「おじゃまします」

おばあちゃんとのひと時は、とても楽しかった。
久しぶりに、私は私に向けての笑顔を見た。

「おばあちゃん、また来ていい?」

「ええ、もちろんよ。あなたはもう、私の孫同然よ」

「//////」

嬉しかった。
こんなにやさしくしてくれる人、いなかったから。

「そうだ。あなた、本はお好き?」

「えっ?」

「嫌い、かしら?」

「!  いえっ!大好き、大好きです!!」

「まぁ、本当!?嬉しいわ!」

ちょっと、びっくりしてしまったのだ。
本なんて、読ませてもらえなかった。
私は、本より価値がない......そう、だったから。

「ありがとうございます!.....あの、また来てもいいですか?」

「ええ、またいらっしゃい」

「はい!お邪魔しました!!」

私は、久しぶりに笑った。
心から、笑うことができた。
水沢さんというおばあちゃんにあって、私はよかったと思った。
例え、お母さんに怒られることになっても。

Re: 麻衣子と麻衣香とお母さん ( No.7 )
日時: 2012/01/28 17:31
名前: ミシェル (ID: dSN9v.nR)

《第六話》


「ただ、いま……」

「………!」

玄関には、たまたま掃除をしていたお母さんがいた。
お母さんは、帰ってきた私をみて、顔をしかめた。
ーーーー嫌だわ、汚い。ーーーー
そう、口が動くのが見えた。

「あ、私も、手伝う……ね…?」

何とか笑って、近くにあったお母さんのパソコンに触れた途端。
お母さんが、持っていた靴で私の頭を思いっきり叩いた。

「………っ!」

パソコンは、私より価値が高いのだと学んだ。
私なんかが、触ってはいけないという事を理解した。
お母さんは靴で叩くだけじゃ足りないのか、靴箱の上に置いてあった灰皿で、私の頬を力強く引っ叩いた。

「あ、あうっ………」

「良い?二度と触れないで!早くあっち行きなさい!」

おまけとばかりに、もう一度灰皿で殴られた。
ツーっと、私の唇から血が伝い落ちる。

「ごめ、なさ、い。……も、行くね?」

眉間にシワを寄せ、血が付いた灰皿を持って立つお母さんに、何とか作っ
た笑顔を向けて、私は歩いた。この家で、祐一いても怒られない場所に。
でも聞きたい事があったから、怒られるのを覚悟で振り向いた。

「ぁの…………」

「行きなさい!」

「ごめ、ん……なさい」

今日は、ご飯を貰えるのかを聞こうと思った。
もう、学校の給食以外何も食べてないから………。
この一週間、ずっと空腹だ。

「ただいま〜」

「あら、真衣香!おかえり。今日はね、ステーキよ!真衣香好きでしょ?」

「うん、好き!ありがとう、お腹空いてたんだ」

「生徒会?」

「うん。皆バラバラだから、皆を私がまとめなくちゃいけなくて」

「生徒会長も大変なのね」

ググゥ〜

二人が一斉に、私の方を向いた。
ステーキという言葉に、私のお腹は素直に反応してしまった。

「麻衣子……あんた、学校ではそんな事してないでしょうね?」

「………ぇ?」

「真衣香の評判落とす気なの!?」

顔を強張らせたお母さん。
隣のお姉ちゃんは、無表情だ。

「お、お腹が空いて……」

「お腹が空いて?ちゃんと食べてるでしょう!?何処まで意地汚い子なのっ」

「あっ!く、うっ……!」

お母さんの蹴りが、私のお腹に当たった。
痛くて、私の目に涙が浮かんでしまう。

「今日は、風呂掃除をして」

「…………」

「食器洗い、洗濯も……」

「……………」

「返事!」

「…………はぃ」

お腹をさすろうと想う手を、後ろに隠す。
前に蹴られた所をさすっていたら、同じ所をボコボコ蹴られたから……。

「お母さん、行こう?私が、今日はマサッージしたゲルね?」

「まぁ!本当に良い子ねぇ〜。真衣香ちゃんは」

もう、私には目もくれず。
お母さんとお姉ちゃんは、リビングへと向かった。
私はあそこに、もう何年も入っていないの……。

「水沢さんに、会いたいなぁ………」

私は私に祐一優しい目と言葉をくれる、おばあちゃんを思い出した。
明日も、また会いに行こう。何か家のものを、持っていって………。












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